調停委員とは|離婚調停における調停委員の任命基準・よくある質問・味方につけるコツ
調停委員(ちょうていいいん)とは、調停に中立な立場で立ち会う人のことをいいます。
調停委員は、調停委員会(裁判所)のメンバーの一員として当事者同士の話し合いをあっせんし紛争解決にあたっています。調停委員は2人で、一人は女性、一人は男性となることが通常です。
一般的には、調停委員を味方につけることで離婚調停が有利に進む可能性があると言われますが、確かではありません。
重要なのは、調停委員とはどのような役割を持っているのか、どのような人が調停委員として活動しているのかを知っておくことです。
この記事では離婚調停における調停委員についてわかりやすく解説します。
※この記事は2020年10月の情報をもとに作成されました。
調停委員とは調停に中立な立場で立ち会う人のこと
調停委員とは、冒頭でもお伝えしたように調停に中立な立場で立ち会う人のことをいいます。調停委員は当事者双方の言い分や気持ちを聞き、当事者と一緒に紛争の解決策を考えていきます。
もっとも、調停委員は必ずしも法の専門家ではないこともあり、時として一方当事者に対して感情的な発言・不利益な発言をするケースもあるようです。
調停委員から受けた発言が原因で弁護士に相談に行く、といったケースもゼロではありません。
(民事調停委員)
第八条 民事調停委員は、調停委員会で行う調停に関与するほか、裁判所の命を受けて、他の調停事件について、専門的な知識経験に基づく意見を述べ、嘱託に係る紛争の解決に関する事件の関係人の意見の聴取を行い、その他調停事件を処理するために必要な最高裁判所の定める事務を行う。
2 民事調停委員は、非常勤とし、その任免に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。
引用:民法
調停委員の任命基準
調停委員は、一般市民の良識を調停に反映させるために、社会生活上の豊富な知識経験や専門的な知識を持つ人の中から最高裁判所に任命されています。
離婚調停などの家事調停だけでなく、簡易裁判所の民事調停も調停委員が話を聞くことになっています。
調停委員になる要件は最高裁判所が出している要件のどれかにあてはまり、尚且つ、人格見識が高く、人生経験が豊富な方で、原則として40歳以上70歳未満である必要があります。
最高裁判所は調停委員の要件として以下のような条件をあげています。
- 弁護士資格を有する者
- 民事・家事の紛争解決に役立つ専門知識を有する者
- 社会生活において豊富な知識を有する者
具体的には弁護士、医師、大学教授などの専門家や地域社会に貢献・活動してきた方などの社会の幅広い分野から事件の内容にあった専門知識や経験がある調停委員が選ばれています。とはいえ、弁護士資格を有している方が調停委員を担当されていることは稀です。
(任命) 第一条 民事調停委員及び家事調停委員は、弁護士となる資格を有する者、民事若しくは 家事の紛争の解決に有用な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験 を有する者で、人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満のものの中から、最高裁判所が 任命する。ただし、特に必要がある場合においては、年齢四十年以上七十年未満の者であ ることを要しない。
離婚調停で調停委員からよく聞かれる質問内容
離婚調停で不利な言動を避けるためには、調停委員から聞かれる代表的な質問を予習し、回答を整理しておくことが重要です。立場によって聞かれる内容が異なります。
申立人(申し立てた側)への質問例
- 離婚を希望する具体的な理由とこれまでの経緯
- 別居に至った状況や、これまでの話し合いの有無
- 親権、養育費、財産分与などの明確な希望条件
- 現在の生活状況および離婚後の自立に向けた生活設計
相手方(申し立てられた側)への質問例
- 離婚を求められていることに対する率直な意向(承諾か拒絶か)
- 申立人が主張する離婚理由に心当たりや反論があるか
- 離婚に応じる場合の条件や、円満解決の可能性
詳しくは以下関連記事でも紹介しているので、ご覧ください。
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調停委員は原則として変更できない
原則として有識な人が調停委員に任命されていますが、調停委員と当事者の相性が悪く「合わないから調停委員を変えてほしい……」と要望が入るケースも少なくありません。
しかし、現行法では調停委員と当事者の間に一定の関係が認められる場合でない限り、調停委員の変更はできないことになっています。一定の関係とは、調停委員と当事者が親戚関係にあった場合などがあてはまります。
訳あって調停委員を変更したい場合には、調停に出頭せずに調停自体を不成立とさせる方法を考えてもよいかもしれません。または弁護士を代理人とすることも一つの手となるでしょう。実際に代理人弁護士が抗議の書面を送付することもあります。
(調停の不成立)
第十四条 調停委員会は、当事者間に合意が成立する見込みがない場合又は成立した合意が相当でないと認める場合において、裁判所が第十七条の決定をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができる。
引用:民法
調停委員には冷静に接しよう
調停委員は本来、中立であるべきですが、当事者との相性によっては「相手の肩を持っている」「こちら側の主張を聞いてくれない」と感じる場面が出てくるでしょう。
しかしお伝えしたように、どれだけ相性が悪かったとしても調停委員は原則として変更されません。会話がうまく成立しない・厳しいことを言われたからといって感情的な態度を取れば、調停委員への心証が悪くなる可能性があります。
離婚調停を有利に進めるためには、調停委員への心証にも気を使うべきでしょう。調停で気をつけておくべきことを知りたい場合には弁護士に相談してみてください。
調停に弁護士を選任せずに自分でいき、こうするしかない、こうしなさいと言われ、弁護士に確認をしたらそれはありえないことであったというケースも発生しているようです。
調停委員はそもそも必ずしも法のプロではないのですから、その場で重要な判断をすることは避け、後日その見解は正しいのか、相談する機会は確保されるべきでしょう。
まとめ
調停委員は中立な立場で調停に立ち会う人のことをいいます。離婚調停においては調停委員が話し合いの進行をまとめていきます。
原則として担当調停委員の変更はされません。離婚調停を有利に進めたい場合には調停委員への心証に気をつけてみるとよいかもしれません。
「調停委員との価値観が違いすぎて話にならない」「調停委員がこちらの言い分を聞いてくれない」などの問題が生じた場合には離婚に注力する弁護士に相談してみましょう。有益なアドバイスがもらえるかもしれません。
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