【弁護士解説】仮面夫婦とは?特徴と原因・続けてしまう理由とデメリット

仮面夫婦(かめんふうふ)とは、周囲には普通の夫婦(もしくは仲の良い夫婦)に見えても、家庭内ではロクに会話もないような冷めた夫婦関係のことを言います。
まるで仮面を被って夫婦を演じているような状態になっているため、仮面夫婦というような呼ばれ方をします。
夫婦関係が冷めているだけで一見大きな問題もないように思えますが、仮面夫婦が続くことでお子様などにも悪影響を及ぼしますし、不倫や離婚も起こりやすくなってしまいます。
この記事では、仮面夫婦の特徴や続けるデメリットなどを解説します。
仮面夫婦とは?仮面夫婦の特徴
冒頭でもお伝えしましたが、仮面夫婦とは、本当は夫婦関係が冷め切っているにも関わらず外にいるときは良好な夫婦関係に見えるように振る舞う夫婦のことです。
夫婦を演じているということから、仮面夫婦という呼ばれ方をします。まずは、仮面夫婦がどのようなものなのか特徴から見ていきましょう。
家庭内ではロクに会話もない
仮面夫婦として仮面を被るのは、基本的に周りの目があるときだけです。そのため、家庭内では夫婦の会話はほとんどなく、最低限のやり取りしかありません。
程度にもよりますが、悪化すれば食事も別々、家にいてもほとんど顔を合わせないようなことも起こり得ます。
お互い愛情も興味もない
夫婦互いが相手に対して興味も愛情も持っていません。もちろん、夜の営みも長い間行われていないでしょう。
お子様がいる場合にはお子様が共通の話題(興味)になりますが、お互い別々のことを子供に対して言うなど、どちらかが愛情を注いで一方は全くの無関心というようなこともあります。
【関連記事】セックスレスが原因で離婚したい人が知るべき3つの知識
外面(そとづら)は良い
それでいて外に出ると仲の良い夫婦を演じることが仮面夫婦の大きな特徴です。夫婦揃って出かけたり子供の行事に参加することもありますし、近所の人に会っても仲良さそうに対応したりと、周囲からは何の問題もないような夫婦に映ります。
夫婦どちらかの実家に帰省するときにも、両親に対しても良い夫婦であることを演じる仮面夫婦も少なくありません。お伝えしたように、家庭内での行動と外での行動に大きなギャップがあるのです。
夫婦でいることが義務になっている
なぜこのように仮面夫婦を続けているかと言うと、夫婦でいることが義務のようになっているからです。
後述しますが、子供の存在、経済的理由、世間体などが夫婦を続けている理由です。実際には愛情が無くなってしまっているので、いざ二人だけの状況になると夫婦としての仮面も剝がれてしまうのです。
仮面夫婦と家庭内別居との違い
仮面夫婦と似たものに『家庭内別居』というものがあります。明確な違いは定義されていませんが、家庭内別居の方がさらに夫婦仲も悪化してしまっている状況だと言えます。
同じ家に住んでいてかろうじて別居や離婚はしていませんが、家庭内での会話はなく、食事すら一緒に取っていないケースでは家庭内別居になってしまっていると言えます。
家庭内別居もこのまま放置していても悪化していく一方ですので、何かしらの手を打っていく必要があります。
【関連記事】家庭内別居とは?家庭内別居の特徴とデメリット・解消する方法
仮面夫婦になってしまう主な原因
夫婦になってもお互い人間ですし、元々は他人なのですから、長年一緒に生活していくうちにズレが生じてきて不満がたまって、相手に対する尊敬が低下することもあります。
ただ、この程度のズレであればある程度のコントロールは可能ですので、外にいるときは問題のない夫婦を簡単に演じることができてしまいます。
また、実際に子供が生まれて愛情が一気に子供に向く人は多いです(子供を夫婦仲が悪くなる原因にはしたくないものですが、特に女性に多いです)。
子供が大きくなって手がかからなくなってきた頃にふと夫婦の愛情が薄れていることに気づきますが、周囲には仲の良い夫婦として見られるように仮面をつけるのです。
では、なぜ仮面夫婦を続けるのか?その理由については次項で詳しく解説します。
仮面夫婦を続けている主な理由
仮面夫婦には夫婦の愛情がほとんどありませんが、それでも夫婦を続けるのには以下の理由があります。
子供のため
やはり子供の存在が大きな理由の一つでしょう。離婚すれば子供にも多大なる影響を与えると考えており、仮面夫婦によってその場を取り繕います。
ただし、後述しますが仮面夫婦の家庭環境は決して健全だとは言えませんので、続けていくうちにお子様に対して悪影響が出ることもあり得ます。
生活のため
離婚後の生活や別居での生活費など、経済的な理由で仮面夫婦を継続しているケースも多いです。
それにいざ離婚しようとすれば、弁護士費用などもかかってきます。そうなるくらいなら、仮面を被ってごまかしながら生活をしようと選択する夫婦もいます。
世間体のため
仮面夫婦をする夫婦は特に世間体を気にする傾向にあります。両親や職場、ご近所など「あそこの夫婦は最近仲が悪い」と噂をされたくないから仮面夫婦になるのです。
仮面夫婦を続けるデメリット
仮面夫婦にはそこまで大きな影響がないようにも思えます。しかし、長年仮面夫婦を続けることで、徐々に悪い部分も出てしまうので注意が必要です。以下では、仮面夫婦を続けるデメリットについて解説します。
子供に悪影響を及ぼす
仮面夫婦は、基本的には家にいる間は、仮面を外した仲が悪い夫婦となります。その姿をお子様が見ていることを考えれば、決して良い家庭環境とは言えないでしょう。
子供が家に居にくいと感じ、そこから家出や事件や事故、非行のきっかけにならないとも言い切れません。
【関連】離婚が子供に与える15の影響と悪影響をケアするための方法
長引けば修復も難しくなる
仮面夫婦の関係が長引けば長引くほど修復も難しくなってきます。そのままにしていても良い方向に転じる可能性は低く、むしろ不倫や離婚などのより悪い状況に近づいてしまうことも多いでしょう。
不倫や離婚の前段階ともなる
上でも触れましたが、仮面夫婦は不倫や離婚などの夫婦にとって最悪の結末の前段階ともなり得ます。
家庭に居づらさを感じてしまえば、仕事が終わっても直帰せずに人と会うことも増えてきます。仮面夫婦が不倫の入り口になることも十分にあり得るでしょう。
まとめ
おさらいすると、仮面夫婦とは一般的に、外では仲が良さそうな夫婦に見えるのに、実際家庭に戻ると険悪な関係の夫婦のことを示します。外ではまるで仮面を被って夫婦を演じているので、このように呼ばれています。
確かに別居や離婚をするよりも子供や経済などの影響・負担も少ないでしょう。しかし、仮面夫婦が長引けば、事態がさらに悪い方向に転じる可能性もあります。
仮面夫婦という言葉はむしろ不適切で、やはり元のさや、今の配偶者を大切にできることは素敵なことですし、トラブルも生みません。
せっかく夫婦でいるのですから、何かしらのきっかけで家庭でも仲の良い夫婦に戻ることが理想ですね。
離婚はせずに夫婦関係を修復したいという方は、夫婦カウンセラーに相談することもおすすめです。


【無料相談】【LINE相談対応】【不倫問題が得意】話しやすい弁護士です。不倫の慰謝料請求・離婚条件交渉・調停など、離婚・男女問題は早急にご相談ください。銀座徒歩5分・土日深夜も弁護士直通電話
事務所詳細を見る
【初回相談0円!LINE相談可!】※話がしやすい弁護士【超迅速対応|土日深夜電話が弁護士に通じる】不倫問題、離婚問題、男女問題なら相談しやすい弁護士をお勧めいたします
事務所詳細を見る
【初回相談無料】【土日・深夜|LINE相談対応|弁護士直通電話】浮気・不倫など不貞行為でお悩みの方、ご相談下さい。親身・丁寧な話しやすい弁護士です。客観的視点を踏まえ、迅速にサポートします
事務所詳細を見る当サイトでは、有料登録弁護士を優先的に表示しています。また、以下の条件も加味して並び順を決定しています。
・検索時に指定された都道府県に所在するかや事件対応を行っている事務所かどうか
・当サイト経由の問合せ量の多寡

その他に関する新着コラム
-
弁護士への法律相談について迷っている場合、まずは無料相談を利用してみましょう。本記事では、弁護士への無料相談について詳しく解説しているので参考にしてください。
-
離婚すると、本籍地はどこになるのかが気になりませんか?本記事では、離婚後に本籍はどこになるのかやケース別に新たな戸籍を作る必要性や影響について解説します。当記事...
-
夫婦が別居する場合は、收入が高い一方が、收入が低い・收入がない一方の生活を「婚姻費用」として負担することになります。 婚姻費用とはどのようなものなのか、請求で...
-
離婚後、年金分割しないとどうなるのかが気になりませんか?ここでは、離婚後に年金分割をしない場合に生じる影響や年金分割制度の注意点などを解説します。離婚後にもらえ...
-
本記事では離婚届が勝手に出されたかどうかの確認方法と、離婚届を無効にする方法、さらには離婚届を勝手に出されない対策を解説します。
-
離婚後の手続きで悩ましいのが、戸籍の問題ではないでしょうか。女性は親の戸籍に戻るのが一般的ですが、状況によっては戻れないこともあるので注意が必要です。本記事では...
-
離婚後の戸籍について、どのような手続きをすればよいのでしょうか。離婚したら女性は親の戸籍に戻るのが一般的ですが、新たに戸籍を作成することも可能です。本記事では、...
-
離婚後、姓をそのままにする女性は一定数います。姓をそのままにすることで得られるメリットやデメリットはさまざまです。この記事では、離婚後の姓について悩んでいる女性...
-
夫婦関係の継続が難しくなっても、離婚の切り出し方がわからず、1人で悩みを抱えていませんか?本記事では、相手とスムーズな話し合いができるよう、離婚の切り出し方やケ...
-
離婚後、妻(夫)には夫(妻)の年金を受け取る権利があります。制度を理解しておけば、離婚後の不安も和らぐかもしれません。本記事では、「年金分割」と「遺族年金」など...
その他に関する人気コラム
-
事実婚をする人の中には同性であったり夫婦別姓が認められないために事実婚を選択していたりとさまざまなケースがあります。この記事では事実婚と認められるための要件や要...
-
産後から夫婦生活がなくなってしまう人は少なくありません。実際産後どのくらいの期間から再開すればよいのかわかりませんよね。この記事では、「産後の夫婦生活はいつから...
-
「旦那と一緒にいてもつまらない」「旦那が家にいるだけでストレスになる」と思いながら生活していませんか。ストレスを我慢して生活することはできますが大きなリスクも伴...
-
マザコンにはいくつか特徴があり、母親への依存心が強すぎると夫婦関係が破綻することもあります。状況によっては別居や離婚などを選択するのも一つの手段です。この記事で...
-
夫婦別姓にすることで、氏の変更手続きをしなくて済み手間が省ける・旧姓のままでいられるという大きなメリットがあります。この記事では、夫婦別姓にした場合の4つのメリ...
-
離婚に条件がついているケースもあります。裁判所を介する離婚では、法律で認められた離婚の理由が不可欠です。この記事では、法律で定められた離婚の理由と、夫婦が離婚す...
-
婚姻費用を払ってもらえたら、専業主婦の方などでも別居後の生活費にできるので、安心して離婚を進めることができるでしょう。この記事では、婚姻費用がいつからいつまで、...
-
偽装離婚(ぎそうりこん)とは、一緒に暮らすことや精神的な繋がりがある夫婦であるにもかかわらず、離婚届を提出して正式に離婚し、あたかも離婚しているかのように振る舞...
-
専業主婦の場合、最も不安なのが金銭面という方も多いでしょう。年金分割は、まだ自身が年金を受け取る年齢でなくても、請求することが可能です。この記事では、年金分割に...
-
専業主婦で離婚しようと思った場合、不安を感じますよね。この記事では、専業主婦が離婚するときのお金の不安、離婚にかかる費用、住居や子供、就職の不安と、離婚に向けて...
その他の関連コラム
-
婚姻費用の審判結果に納得できない場合は、即時抗告を申し立てて争うことが考えられます。本記事では、婚姻費用の審判結果に納得できない場合の対処法について、即時抗告の...
-
離婚後、年金分割しないとどうなるのかが気になりませんか?ここでは、離婚後に年金分割をしない場合に生じる影響や年金分割制度の注意点などを解説します。離婚後にもらえ...
-
専業主婦の場合、最も不安なのが金銭面という方も多いでしょう。年金分割は、まだ自身が年金を受け取る年齢でなくても、請求することが可能です。この記事では、年金分割に...
-
別れた彼がいつまでも合鍵を持っていたら、安心して外出できませんよね。できるだけ早く合鍵を返してもらうか、交換費用を支払ってもらいシリンダー交換したいですよね。今...
-
婚約破棄したい!と主張した場合、もしかしたら慰謝料・損害賠償トラブルになるかもしれません。主張を通す上で最も大切なのは、相手の気持ちを考えつつ、話し合うことです...
-
専業主婦で離婚しようと思った場合、不安を感じますよね。この記事では、専業主婦が離婚するときのお金の不安、離婚にかかる費用、住居や子供、就職の不安と、離婚に向けて...
-
浮気が原因で婚約破棄をした場合、元婚約者や浮気相手に対して、慰謝料をはじめとした損害賠償請求ができます。本記事では、婚約破棄後に請求できるお金の種類や慰謝料の相...
-
仮面夫婦(かめんふうふ)とは、周囲には普通の夫婦(もしくは仲の良い夫婦)に見えても、家庭内ではロクに会話もないような冷めた夫婦関係のことを言います。この記事では...
-
婚前契約とは、結婚前にさまざまな契約を結んで結婚すること。交わす婚前契約書がポイントです。これを契約結婚ということもまれにあります。この記事では、契約結婚のメリ...
-
妻がしゃべらない。話しかけても無視をされる。『妻が口をきいてくれません』という漫画が話題になったようにそんな悩みを抱えている夫は多いです。そんな夫へしゃべらない...
-
離婚をした場合、戸籍によって離婚歴の確認が可能です。本記事では、離婚すると戸籍にどのように離婚歴が残るかや戸籍から離婚歴を消す方法、住民票から離婚歴を消す方法を...
-
離婚後の家のローンをどうすべきか悩んでいる方は多いでしょう。離婚時に住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンの名義人や残債額などについて確認する必要があります。...

その他コラム一覧へ戻る