女性が離婚を決めたらすることを子あり・なし別で徹底解説!
離婚を決意したとき、頭の中が混乱して「何から始めればいいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。
実際、離婚後にすべきことは多く、子どもの有無によって必要な手続きや準備も大きく変わります。
そのため、法律・お金・住まい・生活環境など、早めに動くべきポイントを押さえておくことが大切です。
本記事では、女性が離婚を決めたらすべきことを「子あり」と「子なし」に分けて解説します。
今後の人生を前向きに歩むための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
【子あり/子なし共通】女性が離婚を決めたらすること
子あり・子なしに関わらず離婚を決めた女性がするべきことは、主に以下のとおりです。
- 離婚の手続きについて理解しておく
- 夫に離婚の原因があるのであれば証拠を確保しておく
- 離婚後に住む場所を確保しておく
- 自分名義の金融資産を確保する
- いつから別居するか検討する
- 夫に請求できるお金について確認しておく
- 離婚後の姓(氏)を決めておく
- 年金分割の手続きについて確認しておく
- 離婚問題を得意とする弁護士に相談する
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
離婚の手続きについて理解しておく
離婚は、「離婚届を提出すれば成立する」という簡単なものではありません。
離婚の際は、協議離婚、調停離婚、裁判離婚といった手続きを経る必要があるため、それぞれの違いについて理解しておくことが大切です。
|
離婚手続きの種類 |
概要 |
|
協議離婚 |
当事者間の話し合いだけで成立する離婚のこと。 |
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調停離婚 |
当事者間の話し合いだけでは合意形成に至らない場合に、家庭裁判所の調停委員が話し合いを仲介して離婚に関する合意形成を目指す離婚のこと。 |
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裁判離婚 |
協議、調停でも離婚に関する考えが一致しない場合に、裁判所が判決で離婚についての判断を下す離婚のこと。 |
離婚話を切り出して、夫がすぐに離婚に同意してくれた場合には、協議段階で離婚が成立します。
一方、夫が離婚に反対をしたり、離婚自体には同意するものの離婚条件について意見が折り合わなかったりする場合には、夫婦間の話し合いだけでは離婚が成立しません。
このような場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、調停委員に話し合いを仲介してもらったうえで夫婦間での合意形成を目指します。
調停でも合意に至らない場合は、最終的に裁判所に離婚裁判を申し立てて、裁判所に離婚の成否を判断してもらいます。
裁判では、最終的に必ず判決が言い渡されるので、お互いが納得していなくても何らかの形で決着が可能です。
なお、離婚手続きの流れについては以下の関連記事でも解説しているので、合わせて参考にしてください。
夫に離婚の原因があるのであれば証拠を確保しておく
不倫やDVなど、夫側の帰責事由が原因で離婚を検討している人は少なくありません。
このようなケースでは、離婚を成立しやすくするため、また、慰謝料請求が認められる可能性を高めるために、夫側の不法行為の立証に役立つ客観的証拠を確保しておきましょう。
たとえば、不貞行為を示すスマートフォンのデータや写真、動画、DV被害を示す日記や録音データ、診断書などが挙げられます。
ただし、夫の離婚の話をしてから証拠集めをすると証拠を隠滅されるリスクがあるので、離婚を申し出る前から入念な準備をしてください。
ひとりだけで証拠を収集するのが難しい場合には、興信所や弁護士などの専門家を頼るのも選択肢のひとつです。
収集するべき証拠の種類や集める方法などの詳細については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
離婚後に住む場所を確保しておく
離婚が成立すると、自分ひとりの生活を再スタートしなければいけません。
そのため、子どもの学校や職場へのアクセスなど、さまざまな事項を考慮して住む場所を確保しておきましょう。
なお、離婚後に今まで暮らしていた場所から引っ越すつもりでいるのなら、離婚をする前から住む場所を確保する必要があります。
実家に戻るなら事前に親にその旨を伝えたり、賃貸物件を借りるなら引っ越し資金の算段や不動産会社に相談をしたりしておきましょう。
自分名義の金融資産を確保する
これまで家族カードのクレジットカードを利用していたり、家計の支払いを配偶者名義の口座に頼っていたりする場合、離婚後はそれらが利用できなくなります。
経済的に自立するためにはご自身名義の銀行口座はもちろん、生活費の支払に使用するクレジットカードを早めに作成しておくことが不可欠です。
特に、専業主婦であったり収入が不安定だったりすると、離婚直後は審査に通りにくくなる可能性もあるので、離婚を決意した段階で申し込んでおくと安心です。
いつから別居するか検討する
「同居した状態のまま離婚の話し合いをするのは気まずい」「一刻も早く夫から離れたい」などの事情がある場合には、離婚が成立する前から別居をスタートするのも選択肢のひとつです。
このようなケースでは、以下のようなことを決めておく必要があります。
- いつから別居をスタートするのか
- 別居をする場合にはどこに住むのか
- 別居期間中の生活費をどうするのか
- 別居しながらどのような方法で離婚について話し合いをするのか
なお、離婚前の別居期間や別居後の注意事項などについては、以下の関連記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
夫に請求できるお金について確認しておく
離婚をする際、妻から夫に対して一定の金銭を請求できる場合があります。
ここでは、請求できる可能性があるお金として、婚姻費用・財産分与・慰謝料の3つを紹介します。
婚姻費用 | 別居期間中の生活費を請求できる制度
離婚までの期間に別居することになった場合、夫に対して婚姻費用を請求可能です。
婚姻費用とは、夫婦が婚姻関係にある間に、日常生活を送るために必要な生活費全般のことを指します。
婚姻費用として夫側に請求できる項目として以下のものが挙げられます。
- 生活費:食費、被服費、日用品購入費、水道光熱費など
- 住居費:家賃、住宅ローン、管理費、固定資産税など
- 医療費:通院費、入院費、薬代など
- 子どもの養育費:学費、教材費、塾代、習いごとの費用、通学費など
ただし、別居期間中の婚姻費用を夫に請求するには、妻が夫よりも収入が低いこと、妻に不貞などの夫婦関係を壊した原因がないことなどの条件を満たさなければいけません。
妻側のほうが高収入を得ていたり、妻側の不貞行為などが原因で別居に至ったりする場合には、妻が夫に対して婚姻費用を支払う必要があるので注意が必要です。
なお、別居期間中の婚姻費用の内訳や請求方法、相場については、以下の関連記事でも解説しているので、気になる方はぜひチェックしてください。
財産分与 | 婚姻期間中に夫婦が一緒に築いた財産を分け合う制度
夫と離婚する場合は、財産分与をおこなうことで財産の一部を受け取れる可能性があります。
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して形成した共有財産を夫婦間で分けて清算することです。婚姻期間中に夫婦で貯めた預貯金や株式、不動産などは、原則として2分の1ずつ分け合うことができます。
そのため、離婚を決めた際は共有財産を把握しておくことも大切です。
預貯金、不動産、自動車、生命保険、有価証券など、夫婦で協力して築いた共有財産をリストアップし、財産分与の対象となるものを明確にしておきましょう。
また、相手の収入を把握できる源泉徴収票や給与明細などのコピーを確保しておくと、養育費や財産分与の交渉時に役立ちます。
なお、財産分与の割合は財産を築く際の貢献度に応じて変更することが可能です。
そのほか、相続で得た財産や独身時代から形成した財産など、夫婦の協力によって得たとはいえない特有財産は財産分与の対象から外れる点に注意しましょう。
財産分与の方法や範囲などについては、以下の関連記事を参考にしてください。
慰謝料 | 相手から受けた精神的・肉体的苦痛に対する賠償金
離婚に原因が夫にある場合は、妻は夫に対して慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料とは、相手方の不法行為によって生じた精神的損害・肉体的損害に対する賠償金のことです。
具体的な不法行為としては、以下のようなものが該当します。
- 婚姻期間中に夫が不倫をした
- DV被害を受けた
- 正当な理由がなく長期間性行為を拒否された
慰謝料を請求できる可能性がある場合は、速やかに弁護士へ相談し、対応についてアドバイスをもらいましょう。
なお、慰謝料請求が認められる要件や手続きの流れ、慰謝料未払いの場合の対処法などについては、以下の関連記事を確認してください。
離婚後の姓(氏)を決めておく
離婚を決意したら、離婚後に名乗る姓も決めておきましょう。
離婚後は離婚前の姓に戻るのが原則ですが、なんらかの理由で離婚後も婚姻中の姓を名乗り続けたい場合は、「離婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称届)」を離婚届とは別に、離婚成立から3ヵ月以内に役所に提出する必要があります。
「仕事上の名前を変えたくない」「子どもの姓が変わらないようにしたい」など、日常生活への影響を避けたい場合は、婚氏続称届の提出を検討しましょう。
なお、旧姓に戻ることで、気持ちを新たに再出発しやすいという側面もあります。
どちらの姓を選ぶかは、ご自身の仕事や生活、そして何よりお子さんの気持ちも考慮しながら、メリットとデメリットを比較検討し、事前に決めておきましょう。
年金分割の手続きについて確認しておく
離婚をする際は、年金分割の手続きについても確認しておきましょう。
年金分割は、婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を離婚時に分割して、夫婦それぞれの年金にする制度のことです。
たとえば、夫が会社員、妻が専業主婦として生活を営んでいた場合、婚姻期間中に夫が積み立てた厚生年金の一部を妻が積み立てた年金として扱うことができます。
婚姻期間中に専業主婦で無収入だった場合や、夫の扶養に入っていたような場合には、将来受け取る年金額を確保するために、年金分割の手続きを忘れないようにしましょう。
年金分割の手続きの流れや分割割合の交渉方法などについては、以下の関連記事で詳しく解説しています。
離婚問題を得意とする弁護士に相談する
離婚を検討している場合には、夫に離婚を切り出す前に、念のために一度は離婚問題を得意とする弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談することで、以下のメリットを得られるからです。
- 相談者の状況を客観的に分析したり、不安や悩みを丁寧に聞き取ったりすることで、本当に現時点で離婚を選択するべきかについて冷静な意見をもらえる
- 離婚について夫婦間で話し合いをするときに、どのような切り口や伝えかたをするべきかについてアドバイスをくれる
- 夫婦間では建設的な話し合いが難しいときには、弁護士が代理人として協議に参加してくれる
- 離婚協議がまとまらなかったときには、離婚調停・離婚裁判の手続きをサポートしてくれる
- 少しでも有利な離婚条件を引き出すために必要な客観的証拠の種類や収集方法などについてアドバイスをくれる
- 年金分割や公的書類の切り替えなど、離婚時に必要な諸手続きを漏れなくリストアップしてくれる
弁護士に相談したからといって必ず離婚をしなければいけないというわけではありません。
現実的な問題、法律的な問題など、離婚をめぐるさまざまな不安・疑問を抱いている場合には、離婚問題のプロと面談をして話を聞いてもらうといいでしょう。
【子ありの場合】女性が離婚を決めたらすること4つ
子どもがいる状況で離婚を検討している場合には、さらに考慮するべき事項が増えます。
ここでは、子あり女性が離婚を決めたときにするべき4つのことを解説します。
- 子どもの親権をどうするか決める
- 養育費を請求する方法や金額を確認する
- 離婚後の面会交流の可否や頻度を決める
- シングルマザーが利用できる公的制度を把握する
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
1.子どもの親権をどうするか考えておく
子どもがいる状態で離婚を選択する場合は、親権について考えておかなければなりません。
親権とは、子どもの利益のために監護・教育をおこなったり、子どもの財産を管理したりする権利のことです。
婚姻期間中は父母の双方が親権者であり、夫婦が共同して親権を行使します。しかし、夫婦が離婚をする場合には、夫婦のうち一方を親権者と定めなければいけません。
夫婦のどちらを親権者にするかは協議によって定めるのが原則です。
学校や交友関係、習い事、通院状況などの諸般の事情を総合的に考慮したうえで、夫婦のどちらが親権をもったほうが子どもの利益に資するかという観点から、丁寧に話し合いを進めましょう。
協議では親権者が定まらない場合や、そもそも話し合い自体が困難な場合には、調停や裁判で親権者が決定されます。
なお、民法改正によって2026年5月までには共同親権制度が導入予定です。
親権についての取り決めは子どもの将来に関わる重要事項なので、以下の関連記事をあわせて確認してください。
2.養育費を請求する準備をする
離婚後に自分が親権者となる場合、夫に対して養育費を請求することができます。
親は、子どもが自立するまでに要する合理的な費用を負担しなければいけません。これは扶養義務と呼ばれる親の責務であり、離婚をしたから、同居をしていないから、という理由で免除されるものではありません。
養育費をいくらにするかは当事者間の話し合いで決めることもできますが、金額面が折り合わなければ、養育費・婚姻費用算定表に基づいて算定されることが多いです。
養育費の請求方法、金額の決定方法、養育費不払い時の対応方法などについては、以下の関連記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
3.離婚後の面会交流について検討しておく
離婚後も子どもと両親が交流機会を持てるように、面会交流についての取り決めをしておくことも大切です。
面会交流の頻度、面会交流の方法は、夫婦間の話し合いで決めることもできます。なお、面会交流を実施しない旨の取り決めをすることも可能です。
面会交流の条件について夫婦間で希望がまとまらない場合や、DVなどが原因で話し合い自体が難しい場合には、調停や裁判で面会交流の可否・条件を決めてもらうこともできます。
面会交流は、子どもが父母双方からも愛されていることを実感し、信頼できる親子関係を構築するための重要な機会です。
「別れた夫と連絡を取りたくないから」「自分が面倒を見ているのに夫に会わせるのは嫌だ」などのような感情を優先するのではなく、子どものために冷静に検討してください。
面会交流については以下の関連記事で詳しく解説しています。
4.シングルマザー向けの手当や減免について把握しておく
離婚をしてシングルマザーになると、仕事や子どもの世話などの負担をひとりで抱えなければいけなくなります。
以下のように、シングルマザーが利用できる公的支援制度は充実しているので、各制度の対象者や要件などについて事前に確認しておきましょう。
- 児童手当、児童扶養手当
- 母子家庭向けの住宅手当、医療費助成制度
- 特別児童扶養手当、障害児福祉手当
- 生活保護制度
- 寡婦控除制度
- 国民健康保険や国民年金の保険料の減免
- 自立支援給付金制度 など
このほかにも、NPO法人や支援団体などがシングルマザー向けにさまざまなサポートを提供していたり、相談窓口を用意していたりする場合があります。
シングルマザーが利用できる支援制度の詳細については、以下の関連記事を参考にしてください。
離婚前にやってはいけないこと6つ
近い将来離婚をする予定だからといって何をしてもいいわけではありません。
離婚前の行動次第では、離婚手続きが円滑に進まなかったり、離婚条件が不利になったりしかねないので注意しましょう。
ここでは、離婚前にやってはいけないことを6つ紹介します。
- ひとりだけで悩みつづける
- 感情的な状態で離婚を決断する
- 離婚の準備が整っていないのに配偶者に離婚したい旨を伝える
- 離婚成立前に不倫をする
- 話し合いをすることもなく、いきなり子どもを置いたまま別居をスタートする
- 夫婦の共有財産を無断で費消・隠匿する
1.ひとりで抱え込んでしまう
離婚に関する悩みをひとりで抱え込むのはやめましょう。
ひとりで不安や悩みを抱えつづけでも、堂々めぐりで、冷静な判断が難しくなるだけです。
家庭や夫婦の問題を誰かに相談するのはハードルが高いかもしれませんが、離婚という人生において重大な決断になる以上、信頼できる知人や家族、弁護士などのアドバイスを参考にすることを強くおすすめします。
2.感情的になって離婚を決断したり手続きをすすめたりしてしまう
悲しさや怒りなどで感情的になっている状態で離婚の手続きを進めるのはおすすめできません。
離婚の決断は重大なものですし、離婚の手続きには注意するべき点が少なくないからです。
離婚について判断したり手続きを進めたりする際には、まずは冷静に判断できる環境を作り出すようにしてください。
感情的になって言うのはNG!離婚条件が不利になる言葉とは?
感情的な状態で離婚の話し合いや手続きを開始すると、離婚条件が不利になるリスクが生じます。
たとえば、夫に対して以下のような発言をすると、離婚手続きが不利になりかねないでしょう。
- 養育費はいらないから離婚してください:夫から養育費を受け取ることができなくなるので、子どもの教育費や生活費などを全て妻側で負担しなければいけなくなる。
- 財産はいらないから離婚してください:財産分与を放棄すると、婚姻期間中に夫婦が共同して形成した財産を一切受け取ることができない。
- 離婚しても子どもには絶対に会わせない:一方的に面会交流を拒否する姿勢を見せると、離婚後も子どもに会いたいと希望する夫側から反発を招き、離婚条件に関する話し合いが長期化する可能性が高い。
- どうせ浮気をしているんでしょう:不貞行為に関する証拠を収集していない状況で不倫を把握している旨の発言をすると、証拠を隠滅されて、不倫慰謝料を請求しにくくなる。
- 「死んでやる!」「あなたの○○が本当に嫌い」などの感情的・攻撃的な発言:離婚の話し合いは冷静に進める必要があるため、感情的な発言をすると、協議自体が円滑に進まずに離婚トラブルが長期化しかねない。
3.離婚準備の段階で配偶者に「離婚したい」と言ってしまう
夫に離婚したい旨を切り出すときには、妻側としてできる離婚準備を全て終わらせてからにしましょう。
離婚の準備が進んでいない段階で夫に離婚を切り出してしまうと、夫と同居しながら離婚準備を進めなければいけなくなったり、夫側に十分な準備期間を与えてしまったりすることになります。
4.不倫をする
将来的に離婚をすることが決まっているとしても、離婚届を提出していない以上、法的には婚姻関係が継続した状態です。
離婚が成立していない段階で恋人を作ったり異性と過度な交流があったりすると、妻側が不倫をしたと判断されて、慰謝料請求をされる側になってしまいます。
また、不倫のような有責事由がある側は、親権や面会交流権などの離婚条件も不利になる可能性が高いです。
5.子どもを家に置いて別居してしまう
結婚生活がどれだけつらい状態であったとしても、子どもを置き去りにしていきなり別居をスタートするのは厳禁です。
子どもに対する扶養義務を果たしていないと判断されて、親権を奪われたり面会交流の条件が不利になったりしかねません。
将来的に子どもの親権を主張したいのなら、別居をする際に子どもを連れて出るか、子どもの親権については別途協議する旨の合意を夫側から得たうえで別居をスタートするようにしてください。
6.夫婦共有の財産を隠したり無断で処分したりしてしまう
前提として、財産分与の対象になる共有財産を隠匿しても刑事責任を問われることはありません。
また、窃盗罪や横領罪には親族相盗例という特例制度が用意されており、親族間での窃盗事件や横領事件についての刑事責任は問わないとされています。
しかし、離婚後の生活資金にする目的で、夫婦の共有財産を無断で持ち出したり隠したりするのは厳禁です。
というのも、不正な手段で公平・公正な財産分与を免れようとした事実が発覚すると、夫側から不信感を抱かれて、離婚協議が円滑に進みにくくなる可能性が高いからです。
離婚調停や離婚裁判の際には、調停委員や裁判官からも信用されず、夫側に有利な離婚条件での離婚を強いられかねないでしょう。
クレジットカードの履歴や預貯金口座の入出金状況などを確認すれば、共有財産を無断で費消・隠匿した事実は簡単にバレます。
そのため、離婚をする際には適切なルールにのっとって協議などを進めるようにしてください。
離婚を決めたらすることについてよくある質問
さいごに、離婚を決めたときに何をするべきかについてよく寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。
夫に感づかれないよう密かに離婚準備をすすめるにはどうすればいい?
夫に気付かれないように離婚準備を進めるときのポイントは以下のとおりです。
- 離婚を考えていること、離婚の準備をしていることを態度に出さない
- 夫がいない時間帯を見計らって知人や弁護士などに相談する
- 離婚準備のために集めている資料などは、夫に見られない場所にしっかりと隠す
たとえば、離婚準備段階に弁護士に相談・依頼をした場合、法律事務所からの郵便物だとはわからない封筒で書類を郵送する、あらかじめ指定された時間以外には電話をかけないなどの配慮も期待できます。
「離婚したい」と言った方が負けになる?
「離婚を切り出したほうが負ける」「不利になる」と言われることがありますが、これは間違いです。
親権や慰謝料、面会交流などの離婚条件は、それぞれのルールにもとづいて客観的に判断されることであり、離婚を言い出したか、離婚を言われたかという点は考慮されません。
さいごに | 離婚を決めたら離婚問題に強い弁護士へ相談を!
離婚を決めたときには、夫に切り出す前に、ひとりでできる範囲の準備を着実に進めておきましょう。
ただし、財産分与や親権のこと、行政関係の手続き、離婚後に利用できる支援制度など、離婚時には押さえておくべきポイントが少なくありません。
ひとりだけで準備を進めようとしても漏れが出てくるので、念のために一度は離婚問題が得意な弁護士に相談するのがおすすめです。
ベンナビ離婚では、離婚の準備段階からのサポートが得意な弁護士を多数紹介中です。
法律事務所の所在地、相談したい内容、初回の相談料無料などのサービス面から24時間無料で専門家を検索できるので、できるだけ早いタイミングで信頼できる弁護士まで問い合わせをしてください。
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