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養育費をあとから請求するといくらもらえる?離婚後の請求方法と一般的な相場を解説

弁護士法人Bridge Rootsブリッジルーツ
小田 誠
監修記事
養育費をあとから請求するといくらもらえる?離婚後の請求方法と一般的な相場を解説
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離婚をする際、離婚を急ぐあまり「養育費はいらない」と言ってしまったり、養育費の取り決めができないまま離婚してしまい、請求できないか悩んでいる方もいるでしょう。

養育費はあとからでも請求できますが、まず以下のような疑問を解消しておく必要があります。

  • 養育費はいくらまで請求できる?
  • 養育費の請求はいつまで遡れる?
  • 養育費はどんな方法で請求したらよい?
  • 相手が養育費を払わないときの対処法はある?

本来、養育費の支払いは離婚時に決めるため、あとから請求するときは一定条件を満たさなければなりません

本記事では、養育費をあとから請求するときの方法や、請求時の注意点などをわかりやすく解説します。

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養育費はあとから請求しても払ってもらえる

養育費は離婚したあとでも請求できるので、相手に支払ってもらえる可能性があります

離婚時に養育費の額や支払日などを決めていなかった場合は、以下を参考にしてください。

養育費はいらないと言ってしまった場合でも請求は可能

非監護親には子どもの扶養義務があるため、養育費はいらないと言ってしまった場合でも請求は可能です。

扶養義務の考え方は民法877条に示されており、親権者にならなかった親であっても、子どもを扶養しなければなりません

離婚からある程度の期間が過ぎていても、子どもが未成熟児であれば、離婚時に遡って養育費を請求できます。

養育費は子どもから請求しても構わない

親同士に養育費を払わない旨の合意があったとしても、子どもには請求できる権利があります。

子どもには扶養請求権があり、処分できない一身専属権になるため、親同士の合意に関係なく、養育費相当額を請求できることとなっています。

離婚後の養育費の一般的な相場

子どもの養育費をいくらにしてよいかわからないときは、裁判所が公表する養育費算定表を参考にしてください。

養育費算定表は子どもの人数や年齢によって数パターンあり、0~14歳児の子どもが1人の場合は以下のようになります。

支払義務者の年収

700万円 6~8万円 6~8万円 4~6万円 4~6万円 4~6万円 4~6万円
600万円 4~6万円 4~6万円 4~6万円 4~6万円 2~4万円 2~4万円
500万円 4~6万円 4~6万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円
400万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円
300万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円 2~4万円
200万円 1~2万円 1~2万円 1~2万円 1~2万円 1~2万円 1~2万円
※義務者・請求者が給与所得者の場合 200万円 300万円 400万円 500万円 600万円 700万円
請求者の年収

養育費の支払義務者と請求者の年収を辿ると、一般的な相場がわかります。

なお、親同士が無収入であっても、養育費の支払い義務がなくなるわけではありません

養育費をあとから請求できる条件

養育費をあとから請求する場合、以下の条件を満たしている必要があります。

離婚時にルール化していれば問題なく請求できますが、何も決めずに離婚したときは、相手の合意が必要になるので注意してください。

離婚時に養育費の支払いをルール化していること

離婚時に養育費の支払いをルール化した場合、あとから請求しても問題ありません。

基本的には離婚協議書に養育費のルールを定めますが、調停によって養育費の額などを取り決めた場合も、調停調書に基づく請求が可能です。

ただし、養育費には時効があり、いつでも支払ってもらえるわけではないので注意してください。

養育費を決めずに離婚した場合は相手が納得していること

養育費のルールを決めずに離婚しても、相手が納得していれば、あとから請求しても支払ってもらえます

離婚時に養育費はいらないと言った場合、基本的に遡った請求はできませんが、相手の合意があれば過去分も支払ってもらえるでしょう。

ただし、相手が納得してくれるかどうかは交渉次第になるため、子どもにとって必要なお金であることや、妥当な金額を主張しなければなりません。

交渉が難航するようであれば、弁護士に代理交渉を依頼してみましょう。

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養育費をあとから請求する方法

養育費をあとから請求するときは、以下のいずれかの方法を検討してください。

相手の合意があればすぐに支払ってもらえますが、話し合いに応じてくれないときや、交渉が難航したときは、調停などの方法もあります。

相手と話し合う

離婚時に養育費の支払いなどを決めておらず、あとから請求するときは相手と話し合ってください。

非監護親にも扶養義務があることや、子どもが必要としている旨を主張すると、支払いに応じてもらえるでしょう。

なお、相手に養育費はいらないと言ってしまった場合、離婚からある程度の期間が経っていると、「本当に子どものためなのか?」と疑われる可能性があります。

養育費をスムーズに支払ってほしいときは、自分の収入や子どもにかかる生活費などを整理し、正直に現状を伝えてください。

裁判外紛争解決手続きを利用する

裁判外紛争解決手続きとは、あっせん人を交えて当事者同士が話し合い、養育費などの問題を解決する手段です。

ADRとも呼ばれる手続きになっており、弁護士などの専門家があっせん人になってくれるので、話し合いがスムーズにまとまる可能性があります。

東京弁護士会の場合、3回の話し合いで合意に至ると、各自3万8,500円ずつの料金になりますが、終結までの期間が短いので費用対効果は大きいでしょう。

裁判所に出向く必要がなく、冷静に話し合いを進められるため、当事者間の協議がまとまらないときは裁判外紛争解決手続きを利用してください。

養育費請求の調停や審判

相手と話し合っても養育費を支払ってもらえないときは、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立ててみましょう

調停も話し合いによる解決手段ですが、相手と直接話し合うわけではなく、調停委員が間に入ってくれます。

調停が開かれる日を調停期日といい、小会議室のような部屋で調停委員が対応してくれるので、あとから養育費が必要になった旨を伝えてください。

なお、裁判所は子どもを主体に考えてくれますが、離婚時に養育費の取り決めをしていなかった場合、過去分の請求をどこまで認めてくれるかはケースバイケースです。

また、調停が不成立になると自動的に審判へ移行し、裁判官が双方の事情を考慮した結論を下します。

養育費をあとから請求するときの注意点

養育費をあとから請求する場合、以下の点に注意が必要です。

相手と取り交わした約束は必ず書面に残し、時効の起算点や完成日も意識しておくとよいでしょう。

養育費の請求権には時効がある

養育費を請求しないまま一定期間が経過すると、時効の完成によって請求権が消滅します。

時効の考え方は養育費の取り決めがあるかどうかや、合意した方法によって変わるので、以下を参考にしてください。

養育費の取り決めがある場合

養育費に関するルールを取り決めている場合、相手が支払わないときは時効が適用されます。

時効の起算点や権利消滅までの期間は以下のようになっており、将来分の養育費については、支払期日から5年経過後に時効が完成します。

養育費の合意方法 起算点と時効までの期間
離婚協議書による合意 支払期日から5年
公正証書による合意 起算点と時効までの期間
調停証書や審判書、和解調書による合意や判決文書 支払期日から10年

時効完成までの期間は長いように思えますが、相手との交渉が長期化すると、すぐに期限が到来するでしょう。

また、双方の合意が口約束だった場合や、離婚協議書の内容に法的効力がないときは、養育費の請求を拒否される可能性があります。

時効が間近に迫っており、相手が支払ってくれる見込みもなければ、まず弁護士に相談してください。

養育費の取り決めがない場合

養育費の取り決めがない場合は、権利を行使できる時から5年または権利を行使できるときから10年で時効消滅します。

ただし、離婚時に遡って養育費を請求するときは、必ずしも離婚時から現在までの養育費全額が認められるとは限りませんので注意してください。

再婚や養子縁組は養育費を減額される可能性あり

相手が再婚しても養育費の支払い義務は残りますが、再婚後に収入が減少したときや、再婚相手との間に子どもが産まれると、養育費の減額を迫られる場合があります。

養育費を払いたくてもお金がない状況であれば、家庭裁判所も減額を認める可能性があるでしょう。

また、自分の子どもが再婚相手と養子縁組した場合、新たな父親に扶養義務が発生するため、非監護親は原則として養育費を支払う必要がなくなります

養育費に関する取り決めは必ず公正証書にする

養育費の額や支払方法、支払日などを取り決めたときは、必ず公正証書にしてください。

私文書の離婚協議書に養育費のルールを定めると、法的効力を担保しにくいため、相手が約束を守らなかったときに対抗できない可能性があります。

一方、公正証書は法律の専門家である公証人が作成するので、法的な有効性があり、トラブルにも対処できます。

子どもが幼い場合は養育費を受け取る期間が長くなるため、離婚協議書は公正証書にしておくべきでしょう。

養育費をあとから請求するときのQ&A

養育費をあとから請求するときは、以下のQ&Aも参考にしてください。

弁護士に養育費請求を依頼したときの費用や、増額の条件などを理解しておくとよいでしょう。

養育費は途中から増額できる?

当初に決めた養育費が不十分であれば、途中からでも増額が認められます

ただし、正当理由がない増額は相手に拒否されるため、以下の条件を満たす必要があります。

  • 子どもの生活費や学費などが増加した場合
  • 監護親の収入が減少した場合
  • 非監護親の収入が増加した場合
  • 子どものけがや病気により、高額な医療費がかかる場合

子どもが塾や習い事などに通い始めたときや、家賃が上がった場合も、増額要求の理由になり得ます。

食費や衣服代も養育費に含まれるので、領収書やレシートを保管し、相手に提示できるようにしてください。

家賃が預金口座からの引落しであれば、通帳も定期的に記帳しておきましょう。

養育費はどんなルールを決めておくとよい?

養育費のルールを決めるときは、以下の項目を盛り込んでください。

  • 養育費の額や内訳
  • 養育費の支払い期間
  • 養育費の支払い期日
  • 養育費の支払い方法
  • 養育費を増額する条件
  • 子どものけがや病気などで突発的に発生する特別費用
  • 養育費を支払わなかったときの罰則

養育費の支払いは銀行振込みが一般的なので、振込手数料をどちらが負担するか、細かな部分も決めておくとよいでしょう。

また、養育費の支払い期日を相手の給料日に設定し、金融機関に自動振り込みを申し込むと、未払いが発生しにくくなります

養育費の消滅時効が近いときはどうやって対処したらよい?

養育費の消滅時効が近いときは、すぐに非監護親へ内容証明郵便を送付してください。

内容証明郵便を送付すると、養育費請求権を行使した「催告」になるため、時効のカウントが6ヵ月間だけ中断されます。

ただし、内容証明郵便には強制力がないので、時効の完成は阻止できますが、相手が養育費を支払うかどうかは別問題です。

また、内容証明郵便は枚数に応じて料金が高くなるため、請求内容を簡潔にまとめておく必要があります。

請求内容の文面に迷ったときや、催告しても相手が養育費を支払わないときは、調停の申し立てや弁護士のサポートも検討してください。

相手が養育費を払わないときの対処法はある?

すでに調停や審判を経ているときは、履行勧告や履行命令、強制執行が可能です。

相手が調停や審判の結果に従わない場合、裁判所が履行勧告や履行命令で養育費の支払いを促します。

履行命令を無視すると10万円以下の過料になるので、相手には十分なプレッシャーがかかるでしょう。

また、強制執行の申し立てを裁判所が受理すると、相手の給与や預貯金、動産や不動産の差し押さえが可能になります。

強制執行を申し立てる場合、相手の財産を把握しなければなりませんが、2020年4月の法改正により、債権者は勤務先や金融機関への情報開示が可能となりました。

情報開示の拒否や虚偽の報告があれば、30万円の過料や、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金になる可能性もあります。

離婚後の養育費請求を弁護士に依頼すると費用はいくらかかる?

離婚後の養育費請求を弁護士に依頼すると、40万~100万円程度の費用がかかります。

ただし、依頼内容によって弁護士費用は変動するため、調停のサポートのみであれば、高くても70万円程度に収まるでしょう。

また、着手金無料の弁護士に依頼すると、依頼時にまとまった資金がなくても弁護活動をスタートしてくれます。

着手金無料の場合は報酬金が若干高めですが、自信がなければ設定できない報酬体系なので、養育費請求を安心して任せられます。

なお、弁護士によっては依頼者の経済的事情を考慮し、費用の後払いや分割払いに対応してくれるケースもあります。

初回の相談料は無料の事務所もありますので、法律事務所をいくつか訪問し、見積書を比較してみましょう。

さいごに|養育費請求の悩みは弁護士に相談してみましょう

養育費はあとから請求しても構いませんが、相手が支払ってくれるかどうかは状況次第といえます。

離婚時に養育費のルールを決めていなかったときや、養育費はいらないと言ってしまった場合、当事者間の協議では合意に至らないケースがあるでしょう。

養育費の請求は法的判断が必要になる場合もあるので、離婚時まで遡って支払いを受けたいときや、増額を希望するときは、まず弁護士に相談してください。

養育費の支払いが滞っているときは、時効にも注意しておきましょう。

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この記事の監修者
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小田 誠 (福岡県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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