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婚姻費用分担請求の調停を申立ててあなたの生活費を確保する方法
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2019.7.23

婚姻費用分担請求の調停を申立ててあなたの生活費を確保する方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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婚姻費用分担請求(こんいんひようぶんたんせいきゅう)とは、例えば別居中の夫婦で、片方の親や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な費用(婚姻費用)を分担する為の請求です。

 

婚姻費用は、たとえ離婚に向けた手続きを進めている最中でも別居中であれば請求できる権利があります。

もし婚姻費用の支払いについて、当事者の間で話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に調停または審判に婚姻費用の分担調停事件として申立てをすることができます。

 

そこで今回は、生活費の確保につながる婚姻費用分担請求の基本的な知識に加え、具体的な請求方法についてまとめました。 

 

もらえなかった分の生活費も請求できる?

別居中の生活費を確実に請求したいのであれば、準備をした上で調停を行うことをおすすめします。まずは、弁護士へご相談ください!

 【目次】
支払われる婚姻費用の相場と請求範囲
請求できる婚姻費用の相場
婚姻費用分担で請求できる範囲
婚姻費用はいつからいつまで支払ってもらえるのか
いつから支払われる?
いつまで支払われる?
別居していない場合(同居中)は請求が認められない場合も
婚姻費用分担の請求が認められないケースとは
婚姻費用の分担請求調停の手順
分担請求調停に必要な書類
分担請求調停申立書の書き方
分担請求調停にかかる費用
離婚調停と婚姻費用分担請求調停は同時に申し立てる
同時申し立てのメリット
同時申し立てのデメリット
調停が不成立となった場合
まとめ

支払われる婚姻費用の相場と請求範囲

まず始めに、請求できる婚姻費用の相場と、請求できる費用項目について確認していきまよう。

請求できる婚姻費用の相場

婚姻費用の請求額は各夫婦の状況によって異なりますが、2017年における婚姻費用分担調停(審判)では以下の通り「月6万円」が最多となっています。

 

【参考】2017年司法統計 26  婚姻関係事件のうち認容・調停成立の内容が「婚姻継続」で婚姻費用・生活費支払の取決め有りの件数  支払額別支払者別  全家庭裁判所  


婚姻費用の金額は、夫婦の収入・子供の人数・子供の年齢などを考慮し総合的に判断されます。金額は、裁判所があらかじめ標準的な生活状況を想定して作成した「婚姻費用算定表」を元に算出されます。

引用元:裁判所

もし,調停で話し合いをしても決着がつかないときは,家庭裁判所の裁判官(「家事審判官」といいます)が,審判というかたちで金額を決定します。婚姻費用の金額は,夫婦の収入・子どもの人数・それぞれの子の年齢等を総合的に考慮して決められるケースが増えてきています。

 

しかし、例外もありこの算定表に基づくことがどちらか一方を著しく不公平な状況においてしまう特別な事情があれば、その事情が考慮され金額の増減がなされます。

婚姻費用分担で請求できる範囲

夫婦は互いの生活レベルが同等になるように助け合わなければならない生活保持義務があります、そのため、結婚後の生活で発生する費用を互いの収入を考慮し分担する義務があります。この費用は具体的に以下のようなものです。
 

・衣食住の費用
・医療費
・子供の教育、養育費
・交際、娯楽費


円満な結婚生活を送っていれば考える必要はありませんが、以下のような状況であれば婚姻費用が問題となります。
 

・夫婦どちらかが家を出て別居中
・同居していても生活費が渡されない


別居の理由がどんなものであれ、夫婦である以上生活費を分け合わないことは、法律違反になってしまいます。

 

婚姻費用については、関連記事もあわせてご覧ください。

 

【関連記事】

婚姻費用とは|婚姻費用計算表と相場・請求する・される側の注意点

 

婚姻費用はいつからいつまで支払ってもらえるのか

婚姻費用はいつからいつまで支払われるのか確認していきましょう。

いつから支払われる?

現在の裁判所の一般的な考え方では、婚姻費用分担請求が請求された時から認められるとされています。逆に言うと、過去にもらえるはずであった婚姻費用をさかのぼって婚姻費用分担請求としての請求が難しいことを意味します。請求は1日でも早くすることをおすすめします。

いつまで支払われる?

婚姻費用分担請求が終了するのは、婚姻費用分担義務がなくなるまでとされています。具体的な区切りは一般的に以下のような状況です。
 

・夫婦の離婚が成立する
・別居を解消し、同居を再開する


別居していない場合(同居中)は請求が認められない場合も


配偶者と別居していない場合、婚姻費用分担請求を認める必要がないと考えられてしまいます。

 

しかし、収入を稼いでいる側が一方的にお金を使い、もう一方の生活にとって必要なお金が渡されていない場合には、別居をしていない場合でも婚姻費用分担請求が認められます。
 

婚姻費用分担の請求が認められないケースとは

もし別居にいたった原因が婚姻費用の請求者にあった場合は、権利の濫用(らんよう)とみなされ請求が認められない場合があります。

 

もし子供がいる場合、請求できる婚姻費用の中に、生活費にプラスして子供の養育費が含まれます。

別居に至った原因が請求者側にあっても養育費は請求できる

養育費については子供に対する親の義務として考えられるため、別居理由が婚姻費用の請求者側にあったとしても子供の養育を行っている限り請求は認められます。

 

【関連記事】

婚姻費用の請求が認められないケース

婚姻費用の分担請求調停の手順

婚姻費用はまず話し合いでその額が相談されます。ここでお互いが合意できることが最もいいですが、なかなかお互いが納得しないケースもあるでしょう。そんな時に婚姻費用獲得を後押しする手段として、婚姻費用の分担請求調停があります。
 

分担請求調停に必要な書類

婚姻費用の分担請求調停の申立てに、必要な書類は以下の通りです。
 

婚姻費用の分担請求調停の申立書
・夫婦の戸籍謄本
・夫婦の収入がわかる資料

分担請求調停申立書の書き方

引用:裁判所

 

  1. 婚姻費用分担請求申立書(書式のダウンロード)(記入例
  2. 申立先家庭裁判所と申立日の欄
  3. 申立人の記名押印の欄
  4. 申立人の氏名・住所の欄
  5. 相手方の氏名・住所の欄
  6. 未成年の子の欄
  7. 申立ての趣旨の欄
  8. 申立ての理由の欄


申立書で重要なのは6と7の欄です。「6. 申立ての趣旨の欄」では婚姻費用として毎月いくら請求する(受け取りたい)のか具体的な金額を記載しましょう。適正な金額については追って説明します。「7. 申立ての理由の欄」では、なぜ申し立てるのかを記載します。つまり婚姻費用を請求するに至った経緯について事実関係を元に順を追って書いていきましょう。

その中で必ず記載しなければいけないのが、同居の開始日と別居の開始日です。正確な日付がわからなければおおよその日付を分かる範囲で忘れずに記載してください。
 

分担請求調停にかかる費用

調停にかかる費用はおよそ2,000円です。その内訳は以下の通りです。
 

1. 収入印紙代:1200円(郵便局などで購入可能)
2.
切手代:800円ほど(家庭裁判所によって異なる)

※切手代は相手側に書類を郵送する必要があるため必要となります。

 

離婚調停と婚姻費用分担請求調停は同時に申し立てる

もし可能であるのなら、離婚調停と婚姻費用分担請求は同時に申し立てましょう。以下でそのメリットとデメリットを紹介します。
 

同時申し立てのメリット

別居生活の安心感が増す

離婚に向けた手続きを行いながら生活する際の心配事はなんといっても生活費の確保です。離婚すれば受けられる公的な補助や優遇もなく別居生活を続けると生活費がかさみがちです。もし配偶者に安定した収入があり、生活費がもらえる場合には最終的に離婚が成立しなくとも、その間の別居生活でお金の心配をすることなく生活を送ることができます。
 

調停の手間が省けて、なおかつ受け取れる総額が大きい

婚姻費用分担請求は申し立てた時から認められます。そのため、後で請求したとしても生活費が受け取れなくなったタイミングにさかのぼって婚姻費用を受け取れるのではありません。

 

そのため申し立てするのであればなるべく早いタイミングで婚姻費用分担請求を申立て、長期間受け取ることをオススメします。また調停を同時進行することで回数と期間の短縮ができ精神的不安を早く取り除くことができます。
 

相手に離婚への真剣度が伝わる

婚姻費用分担請求を行うことで、相手からすると離婚に向けた別居はお互いの関係が修復される可能性が低く、かつ、配偶者の生活費を負担し続けなければいけないことになります。そのため、相手も真剣に離婚を考えるきっかけになる可能性が高いです。

 


同時申し立てのデメリット

申立てが無駄になる可能性も

調停は限られた時間で話し合いが行われます。そのため、離婚が簡単に合意した場合離婚条件調整の調停が優先され、婚姻費用分担請求の申立てが無駄になることもあります。
 

離婚成立が遅れる可能性も

離婚についての調停よりも、婚姻費用分担についての調整に時間が割かれてしまい、離婚に関する調停が先送りになってしまうケースもあります。

 

調停が不成立となった場合

婚姻費用分担請求が合意に至らず調停が不成立となった場合は、自動的に審判手続へ移行されます。そして裁判官が審判という形式で婚姻費用の額を決定します。もしその額に不服であれば、定められた不服申立期間に不服申立てを行いましょう。

まとめ

専業主婦の場合、離婚に向けて別居を始めた時に直面するのが生活費問題です。生活が苦しくなるまでに申し立てた時点から適用される婚姻費用分担請求を早めに行うことをオススメします。生活費を確保し、心に少しでも余裕を持って離婚の協議にのぞみましょう。請求手続きに不安がある方は、事前に弁護士へ相談してみると良いかもしれません。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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