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親権とは?離婚時の決め方・親権の判断基準・親権獲得のポイントを解説

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親権とは、未成年の子どもの利益のために身の回りの世話や教育をおこない、財産を管理する権利・義務のことです。

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する際は、親権者を決める必要があります。

夫婦間では親権を巡ってトラブルが起きるケースも多くあり、基本的な知識を身につけたうえで話し合いに臨むことが大切です。

本記事では、親権制度の概要や親権者の決め方、家庭裁判所が親権者を決める際の判断基準や親権獲得のためのポイントなどを解説します。

民法改正による共同親権制度についても詳しくまとめているので、参考にしてください。

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目次

親権とは?

親権とは、子どもの利益のために法律で親に認められた権利・義務のことです。

なお、親権と混同されやすいものとして「監護権」というものもあります。

以下では、親権と監護権の違いについて解説します。

親権と監護権の違い

親権と監護権は密接に関連していますが、権利の範囲に大きな違いがあります。

詳しくは「親権の定義」で後述しますが、親権は「身上監護権」と「財産管理権」を含む包括的な権利です。

一方、監護権は親権の一部である身上監護権のことを指し、子どもの日常的な世話や教育などに関する権限に限定されます。

たとえば、監護権を持つ親は子どもを世話して一緒に暮らすことができますが、子どもの財産を管理したり、子どもに代わって法律行為をおこなったりする権限は持ちません。

上記のような財産管理権は、親権者のみが持つ権限です。

通常、親権者と監護権者は同じ親が持ちますが、特別な事情がある場合には分離することも法律上可能です。

親権の定義

「親権とは?」でも触れたとおり、親権は身上監護権と財産管理権の2つに大きく分けられます。

ここでは、身上監護権と財産管理権の中身について解説します。

1.身上監護権

身上監護権とは、子どもの身の回りの世話や教育などをする権利・義務のことを指します。

身上監護権は複数の権限を内包しており、たとえば以下のようなものがあります。

  • 監護教育権:子どもの身の回りの世話や教育をする権利義務(民法第820条
  • 居所指定権:子どもが住むところを決定する権限(民法第822条
  • 職業許可権:子どもが職業を営むことを許可する権限(民法第823条

なお、過去には子どもに懲戒・しつけをする権利として「懲戒権」も認められていました。

しかし「児童虐待を正当化する口実として悪用されている」という指摘を受けた背景などもあり、2022年の民法改正によって削除されました。

2.財産管理権

財産管理権とは、子どもの財産を管理したり、法律行為を代理したりする権利・義務のことを指します(民法第824条)。

財産管理権を行使するケースとしては「子ども名義の銀行口座を開設する場合」や「祖父母が子どもに贈与した財産を管理する場合」などが該当します。

親権者は、上記のような権限を適切に行使することで、子どもが安心して成長できる環境を整え、自立して生きていけるように導く役割を担っています。

親権は親が自由に行使できる一方的な権利ではなく、常に子どもの利益を最優先に考えて行使しなければなりません。

親権の有効期間は子どもが18歳になるまで

親権は、子どもが成年に達するまでの期間に限って認められている権利・義務です。

民法改正により、2022年4月1日以降は成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、子どもが18歳の誕生日を迎えた時点で親権は自動的に終了します。

なお、親の扶養義務は、子どもが18歳になったからといって必ずしも終了するわけではありません。

たとえば「子どもが大学に進学し、まだ経済的に自立できていない」というようなケースでは、親が引き続き扶養義務を負います。

【2026年4月1日施行】民法改正により共同親権の選択も可能

民法改正により、2026年4月1日以降は共同親権の選択が可能です。

これまでは、離婚した父母のどちらか一方のみが親権を持つ「単独親権」が原則でした。

しかし、離婚後も両親が協力して子育てに関わることが子どもの利益になるケースも多くあることから、共同親権を認める法改正がおこなわれました。

注意点として、以下のような事情がある場合は共同親権が認められないこともあります。

  • 父母の一方がDVや虐待をおこなっていた場合
  • 父母間の葛藤が激しく、子どもの養育について協議ができない場合
  • 父母の一方が、子どもの養育に関与する意思や能力がない場合 など

なお、改正法の施行前に離婚して単独親権となっている場合でも、家庭裁判所にて親権者変更調停の手続きをおこなうことで共同親権への変更が可能です。

親権がない場合の7つのデメリット

親権者には、子どもの健全な成長を支えるために、法律上さまざまな権限が認められています。

離婚時に親権が取れなかった場合、主に以下のようなデメリットがあります。

  • 原則として養育費を支払わなければならない
  • 子どもの財産管理や法律行為をおこなう権利がない
  • 未成年の子どもがおこなう法律行為の同意ができない
  • 子どもの世話・教育に関する決定権がない
  • 子どもの住む場所を決める権利がない
  • 子どもの職業を許可する権利がない
  • 子どもの身分に関する手続きをおこなう権利がない

ここでは、親権がない場合のデメリットや親権者に認められる権限について、具体的な事例を挙げながら解説します。

1.原則として養育費を支払わなければならない

親権が取れずに子どもと離れることになっても、子どもが経済的に自立するまでは養育費を支払わなければなりません。

親権の有無にかかわらず、親には子どもを扶養する義務があるからです。

なお、養育費の金額は、家庭裁判所が公表している養育費算定表を基準に決定するケースが多くあります。

父母の収入状況や子どもの数などによっても異なりますが、母子家庭の場合は月額5万円程度、父子家庭の場合は月額3万円程度が一般的な相場です。

2.子どもの財産管理や法律行為をおこなう権利がない

親権者は、子どもが所有する財産を管理し、子どもに代わって契約などの法律行為をおこなう権限を持ちます。

たとえば、親が子ども名義の銀行口座を管理したり、塾の入会を申し込んだりできるのは親権を有しているからです。

親権がないと、子どもの財産管理や法律行為をおこなう権利はありません。

なお、親権者といえども無制限に子どもの財産を使えるわけではありません。

親子間での金銭の貸し借りや物の売買など、親権者と子どもの利益が相反する場合は、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければなりません。

もし親が子どもの財産を私的に流用したり不当に処分したりすれば、親権の濫用として法的責任を問われる可能性があります。

3.未成年の子どもがおこなう法律行為の同意ができない

親権者は、未成年の子どもが単独でおこなう法律行為に対して、同意を与える権限を持ちます。

法律行為の一例としては、アルバイト代で高額なパソコンを購入する、インターネットで有料サービスに登録するといった行為が該当します。

上記のような行為を子どもが親権者の同意なくおこなった場合、親権者は契約を取り消すこともできます。

親権がないと、未成年の子どもがおこなう法律行為の同意はできません。

なお、たとえば「お年玉を受け取る」などの未成年の子どもにとって利益にしかならない行為であれば親の同意は不要です。

また、親から処分を許された財産の範囲内での法律行為であれば、子どもの意思だけでおこなうことができます。

4.子どもの世話・教育に関する決定権がない

親権者は、子どもが心身ともに健やかに成長できるよう、身の回りの世話をして教育する権利・義務を持ちます。

子どもの世話としては、食事や衣服の準備・健康管理・清潔な生活環境の維持などが該当します。

教育については、しつけや社会性を育む家庭教育だけでなく、学校教育を受けさせる義務なども含まれます。

親権がないと、上記のような子どもの世話・教育に関する決定権がありません。

5.子どもの住む場所を決める権利がない

親権者は居住指定権を有し、子どもがどこに住むのかを決定できます。

たとえば「親権者が引っ越しをする際に子どもを一緒に転居させる」「実家で子どもを育てる」「子どもを寄宿学校に入学させる」などの選択が可能です。

ただし、居住地は通学する学校・交友関係・生活環境などに直接影響するため、親権者は子どもの利益を十分に考慮したうえで決定しなければなりません。

親権がないと、子どもの住む場所を決める権利はありません。

なお、親権者以外の者が子どもを連れ去ることは居所指定権を侵害する行為であり、親権者は子どもの引渡しを求めることができます。

6.子どもの職業を許可する権利がない

親権者は、子どもの職業を許可する権限を持ちます。

未成年者がアルバイトや就職などで継続的に労働をする場合には、原則として親権者の許可が必要です。

親権がないと、子どもの職業を許可する権利はありません。

なお、親権者が一度許可を与えた職業については、親権者が一方的に許可を取り消したり制限を加えたりすることはできません。

もっとも、深夜労働や危険な作業のような「子どもの健康・福祉に害がある」と認められる場合には、親権者は家庭裁判所に申し立てて職業を変更させることができます。

7.子どもの身分に関する手続きをおこなう権利がない

親権者は、子どもの身分に重大な影響を与える法的手続き(身分行為)を代理でおこなうことができます。

身分行為には、以下のようなものが該当します。

嫡出否認の訴え

現夫と子どもとの父子関係を否定するための手続き

認知の訴え

父親に対して子どもを認知することを求めるための手続き

養子縁組の取消し

20歳未満の養親との養子縁組の取り消しを求めるための手続き

身分行為は、子どもの将来に長期的な影響を及ぼすものなので、親権者は子どもの利益を第一に考え、適切に手続きをおこなうことが重要です。

親権がないと、上記のような子どもの身分に関する手続きをおこなう権利はありません。

【ケース別】親権者になる人

親権者は一定のルールのもとで決定されます。

ここでは、以下の代表的な4つのケースについて、それぞれ誰が親権者になるのかを解説します。

  • 婚姻中の場合
  • 離婚後の場合
  • 未婚の場合
  • 養子縁組をした場合

1.婚姻中の場合|父母が共同で親権者となる

父母が婚姻中の場合は、共同で親権者となるのが原則です。

共同親権のもとでは、父母が協力して子どもの養育や財産管理などをおこない、重要な事項については双方の同意のもとで決定する必要があります。

ただし、父母の一方が病気・行方不明・服役などの状態にある場合は、もう一方の親が単独で親権を行使できます。

2.離婚後の場合|父母のどちらか一方が親権者となる

父母が離婚する際には、どちらか一方が単独親権者となります。

離婚届には親権者を記載する必要があり、父または母の氏名を記入しなければ離婚届は受理されません。

親権者を決める際は、まず父母の話し合いによって決めるのが一般的です。

父母の意見が対立して協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停や審判によって親権者を決めます。

なお、民法改正により、2026年4月1日以降は共同親権の選択が可能です。

3.未婚の場合|原則として母親が単独親権者となる

婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもについては、原則として母親側が単独で親権を持ちます。

母親は、子どもを出産した事実によって当然に親権者となるため、特別な手続きは必要ありません。

一方、父親は子どもを認知することで法律上の親子関係が成立しますが、認知をしただけでは親権者にはなりません。

父親が親権者となるには、認知をしたうえで、母親との協議や家庭裁判所の手続きを経る必要があります。

なお、未婚だった男女が婚姻した場合は、婚姻の届出と同時に父親も親権者となります。

4.養子縁組をした場合|養親が親権者となる

未成年者と養子縁組をおこなうと、原則として実親は親権を失い、養親が新たな親権者となります。

なお、養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類あり、普通養子縁組の場合は実親と子どもの親子関係自体は継続します。

養子縁組の種類

親権者

実親との親子関係

普通養子縁組

養親

継続する(親権は停止)

特別養子縁組

養親

完全に終了する

なお、実親(親権者)の再婚相手と子どもが養子縁組をした場合は、実親と養親が共同で親権を持つことになります。

離婚時の親権者の決め方3つ

子どもの親権は父母の話し合いで決めるのが原則ですが、合意に至らない場合は裁判所の手続きに進むことになります。

離婚時に親権者を決める方法としては、主に以下の3つがあります。

  • 離婚協議:夫婦で直接話し合う手続き
  • 離婚調停:裁判所の調停委員を介して話し合う手続き
  • 離婚訴訟:裁判所で裁判官に判断してもらう手続き

ここでは、離婚時に親権者を決める際の3つの手続きについて解説します。

1.離婚協議|夫婦で直接話し合う手続き

離婚協議とは、父母が直接話し合って離婚するかどうかや離婚条件を決める手続きです。

親権についても、まずは離婚協議の中で話し合うことになります。

親権を含めて合意できた場合は、合意内容について「離婚協議書」として書面に残しておくことが大切です。

もし口約束で済ませてしまうと、あとで「言った言わない」の水掛け論になる可能性があります。

離婚協議書の作成後は、離婚届に親権者の氏名を記入して市区町村役場に提出すれば離婚が成立します。

2.離婚調停|裁判所の調停委員を介して話し合う手続き

離婚調停とは、家庭裁判所の調停委員に仲介してもらいながら、父母が話し合いを進めて解決を目指す手続きです。

離婚協議が合意に至らない場合や、そもそも直接話し合うことが難しい場合などは離婚調停を利用するのが一般的です。

離婚調停では、原則として父母が別々の部屋で待機し、調停委員が交互に話を聞きながら双方の意見を調整します。

また、家庭裁判所の調査官が家庭訪問などをおこない、養育状況などを調査することもあります。

基本的には月に1回程度のペースで開催され、3ヵ月~6ヵ月程度で終了することが多いです。

調停が成立すれば、合意内容が調停調書にまとめられ、離婚届とともに市区町村役場に提出すれば離婚が成立します。

3.離婚訴訟|裁判所で裁判官に判断してもらう手続き

離婚訴訟とは、家庭裁判所に離婚を求める訴えを起こし、裁判官に最終的な判断を委ねる手続きです。

原則として、離婚調停が不成立に終わった場合は離婚訴訟を提起することができます。

裁判官は、父母から提出された証拠・当事者の主張・子どもの年齢や意思・養育環境などを総合的に考慮して、親権者を決定します。

離婚訴訟の手続きには1年~2年程度の期間を要し、弁護士費用なども含めると数十万円~100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

あくまでも離婚訴訟は最終手段であり、できるかぎり協議や調停での解決を目指すことが時間的にも経済的にも望ましいといえます。

裁判所が親権者を決める際の5つの判断基準

家庭裁判所が親権者を決める際は、子どもの利益を最優先にして、以下のような事情を総合的に考慮したうえで判断します。

  • 子どもの養育実績
  • 子どもの意思
  • 兄弟姉妹の不分離
  • 母性優先
  • 離婚後の養育環境

ここでは、裁判所が親権者を決める際に実務上重視されている主な判断基準を解説します。

1.子どもの養育実績

子どもの養育実績とは「これまでどちらの親が主に子どもの世話や教育をおこなってきたか」という事実のことです。

裁判所は、子どもの継続的な養育環境を重視するため、主たる養育者であった親を親権者とする傾向があります。

具体的には、以下のような点を考慮して養育実績が判断されます。

  • 日々の食事の準備
  • 保育園や学校への送り迎え
  • 学校行事への参加
  • 病気の際の看病
  • 宿題の確認 など

単に一緒にいた時間が長いだけでなく、積極的に子育てに関与してきたかどうかが重要となります。

また、過去の養育実績だけでなく「離婚後も継続して適切な養育ができるか」という将来の見通しもあわせて判断されます。

2.子どもの意思

子どもの意思は、親権者を決める際の重要な要素のひとつです。

基本的には、子どもの年齢が高くなるほど本人の意思が優先される傾向にあります。

子どもの年齢

意思の尊重度

0歳~5歳

比較的考慮されにくく、養育実績などが重視される

6歳~9歳

参考にされるものの決定的ではない

10歳~14歳

理由や背景を含めて相当程度尊重される

15歳以上

原則として尊重される

特に15歳以上の子どもについては「家庭裁判所は必ず子どもの意見を聴かなければならない」と法律で定められています人事訴訟法第32条4項)。

3.兄弟姉妹の不分離

兄弟姉妹の不分離とは「複数の子どもがいる場合、同じ親のもとで育てることが望ましい」という考え方です。

裁判所は、兄弟姉妹の精神的な結びつきを重視し、できるかぎり一緒に育てられるように配慮したうえで親権者を決定します。

ただし、以下のような場合には兄弟姉妹を分離して親権者を定めることもあります。

  • 子ども達自身が分かれて暮らすことを強く希望している
  • 年齢差が大きく、それぞれに適した養育環境が異なる
  • 特定の子どもと特定の親との間に特別強い結びつきがある
  • 一方の親が全員を養育する経済的物理的能力がない など

4.母性優先

母性優先とは「特に乳幼児期の子どもについて、母親による養育が望ましい」とする考え方です。

昔の実務では、乳幼児期の子どもは母親との情緒的な結びつきが強く、母親による継続的な養育が健全な発達に不可欠であるとされてきました。

ただし、近年では父親の育児参加も一般化しており、母性は必ずしも母親だけが持つものではなく「子どもを慈しみ、日常的に世話をする機能」という意味で理解されています。

現在では、父親でも主たる養育者として積極的に育児に関わってきた実績があれば、親権者として認められる可能性は十分にあります。

5.離婚後の養育環境

離婚後の養育環境も、親権の判断時に重視される要素のひとつです。

裁判所は、子どもが安定した生活を送れるように、離婚後の養育計画や生活基盤を確認します。

具体的には、以下のような点が考慮されます。

  • 経済的に安定しているか
  • 仕事と育児の両立は可能か
  • 親族のサポートはあるか
  • 保育園学校に通いやすいか
  • 居住地の治安は良いか
  • 医療機関へのアクセスは良いか など

また、離婚後も養育環境ができるだけ変わらないことが望ましいとされています。

たとえば、離婚後に転校を余儀なくされる場合は子どもにかかる負担が大きいため、親権獲得という観点においてはマイナスに働く可能性が高いです。

親権争いで不利になりやすい3つのケース

親が子どもの安全と福祉に悪影響をもたらす行為に及んでいる場合、親権の獲得は極めて困難です。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 育児放棄・ネグレクトしていた場合
  • 子どもに虐待をしたことがある場合
  • 別居している子どもを連れ去った場合

ここでは、親権争いで不利になりやすい3つのケースについて解説します。

1.育児放棄・ネグレクトしていた場合

育児放棄・ネグレクトとは、子どもに必要な世話をせずに放置することです。

子どもの基本的な生存と発達に必要なケアを怠る親に対して、裁判所が親権を認めることは基本的にありません。

育児放棄・ネグレクトには、以下のような行為が該当します。

  • 食事を与えずに栄養失調状態にする
  • 不潔な衣服を着せ続けて入浴させない
  • 病気やけがをしても医療機関を受診させない
  • 子どもを一人で長時間放置する
  • 学校に通わせずに教育を受けさせない など

育児放棄・ネグレクトが事実かどうかは、医療機関の診断書・学校や保育園からの報告書・児童相談所の記録などによって判断されます。

2.子どもに虐待をしたことがある場合

子どもに対して身体的・精神的な虐待をおこなったことがある場合も、親権の獲得は困難です。

身体的虐待だけでなく、精神的虐待も重大な問題として扱われる点がポイントです。

虐待の種類

具体例

身体的虐待

殴る・蹴る・叩く・物を投げる など

精神的虐待

暴言・脅迫・無視・人前での罵声 など

虐待があったかどうかは、医師の診断書や、児童相談所・警察の記録などをもとに判断されるのが一般的です。

3.別居している子どもを連れ去った場合

配偶者と別居しており、別居中に配偶者の同意なく子どもを連れ去る行為も、親権争いで不利になる要因のひとつです。

たとえ子どもの親であっても、もう一方の親の監護権を侵害する連れ去りは違法行為とされ、親権者としての適格性が疑われます。

一例として、以下のような行為は「違法な連れ去り」と判断されるおそれがあります。

  • 別居中の相手宅から無断で子どもを連れ出す
  • 保育園や学校から無断で子どもを引き取る
  • 面会交流の時間が過ぎても子どもを返さない
  • 相手方の承諾なく子どもを遠方に転居させる など

なお、例外的に「虐待から子どもを保護するために連れ出した」というようなケースでは、正当な理由があると認められて親権争いで不利にならずに済む可能性があります。

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親権争いを有利に進めるための5つのポイント

 

親権獲得のためには、親権争いになってから慌てて準備を始めるのではなく、日頃から子どもとの関わりを深めて養育実績を積み重ねることが大切です。

なるべく親権争いを有利に進めるためにも、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 育児日記や連絡帳に養育実績を記録しておく
  • 子どもと一緒に過ごす時間を増やしておく
  • 離婚後の住居や収入の目処を立てておく
  • 面会交流に対して寛容な姿勢をみせる
  • 親権問題が得意な弁護士に相談する

ここでは、親権獲得のためにやるべきことを解説します。

1.育児日記や連絡帳に養育実績を記録しておく

子どもの親権を獲得したいのであれば、養育実績を記録しておきましょう。

自分がどれだけ育児に関わってきたのかを形に残しておくことで、親権者としての適格性が認められやすくなります。

養育実績を示す証拠としては、以下のようなものが有効です。

  • 育児内容を記録したノート
  • 子どもとの日常を映した写真や動画
  • 参加した学校行事に関する資料
  • 教師とのやり取りがわかる学校の連絡帳
  • 母子手帳や子どもの診察記録
  • 子ども用品のレシート など

なお、配偶者との別居を考えている場合は、別居前から育児日記をつけ始めておくことをおすすめします。

別居して相手方の監視の目がなくなってからの記録については信憑性を疑われる可能性もあるため、なるべく早い段階から記録しておきましょう。

2.子どもと一緒に過ごす時間を増やしておく

裁判所は親権者の判断において、親子間の精神的な結びつきを重視します。

子どもとの精神的な結びつきを深めるためには、子どもと過ごす時間を増やすことが特に大切です。

一緒に食事をする・遊ぶ・会話をするなどの関わりを持つようにしましょう。

特に子どもが10歳以上の場合、子ども本人の意思が親権者の決定に大きく影響します。

日頃から子どもとの信頼関係を築いておけば、自分を親権者として選んでくれる可能性が高まります。

ただし、相手方の悪口を吹き込むなど、子どもの意思を意図的に捻じ曲げようとするのは絶対にやめてください。

不自然な誘導行為が発覚した場合は、親権者としての適格性を疑われてしまいます。

3.離婚後の住居や収入の目処を立てておく

離婚後も子どもと安定した生活を送れる基盤があることも、親権の獲得に欠かせないポイントのひとつです。

裁判所は、親権者となる親が経済的に自立しており、子どもに適切な住環境を提供できるかどうかを重視します。

経済面については安定した収入源を確保することが重要で、パートやアルバイトでも養育費や公的支援を含めて十分な生活費を確保できるのであれば、大きく不利になることはありません。

住居については、子どもが不自由なく暮らせる広さがあれば基本的に問題ありません。

ただし、同じ学区内に住み続けて、友人関係も維持できる立地にあることが望ましいといえます。

また、実家の協力が得られる場合は大きなプラス要素となります。

4.面会交流に対して寛容な姿勢をみせる

自分が親権を獲得したあとの子どもと相手方の面会交流に対して、寛容な姿勢をみせることも大切です。

面会交流は、非親権者の権利であると同時に、子どもが両親の愛情を受けながら成長する権利でもあります。

面会交流に協力的で寛容な姿勢を示す親のほうが、子どもの利益を優先的に考えていると評価されやすくなります。

なお、DVや虐待のおそれがある場合など、相手方との接触が子どもの福祉を害すると認められるときは面会交流を制限・拒否することも可能です。

また、相手方の無理な要求を全て受け入れる必要もなく、子どもの生活リズムを乱すような過度な要求には異議を唱えることも大切です。

5.親権問題が得意な弁護士に相談する

親権争いを有利に進めるためには、弁護士のサポートを受けることも効果的です。

親権問題が得意な弁護士に相談すれば、親権獲得に向けてやるべきことや離婚手続きの進め方など、状況に応じた的確なアドバイスが受けられます。

さらに、親権争いの交渉や裁判手続きを依頼することもでき、依頼者の心強い味方として尽力してくれます。

多くの法律事務所では初回無料相談を実施しているので、まずは一度気軽に相談してみることをおすすめします。

もちろん法律相談だけの利用でも問題ありませんし、相談後に強引に契約を迫られることもありませんので、安心してご利用ください。

親権トラブルで弁護士に相談・依頼する3つのメリット

親権について揉めそうな場合や、すでに親権トラブルが起きている場合などは、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

法律や判例の知識があるかどうかでも親権争いの結果は大きく左右されるため、できるだけ納得のいく結果を得るためには弁護士のサポートを受けることが大切です。

弁護士に相談・依頼することで、主に以下のようなメリットが望めます。

  • 親権を獲得できそうか判断してくれる
  • 親権争いの交渉や裁判手続きを一任できる
  • 親権争いを有利に進められる可能性が高まる

ここでは、親権トラブルでの弁護士のサポート内容を解説します。

1.親権を獲得できそうか判断してくれる

弁護士に相談すれば、自分が親権を獲得できそうかどうかアドバイスしてくれます。

法律上、親権者の具体的な判断基準は設けられていないため、個別の事情を総合的に考慮したうえで判断することになります。

親権の獲得見込みを判断するためには法律や判例などの知識が必要であり、素人が適切に判断するのは困難です。

弁護士なら法的視点から的確に判断してくれて、今後の見通しが立って精神的不安を軽減できます。

2.親権争いの交渉や裁判手続きを一任できる

弁護士に依頼すれば、親権争いの交渉や裁判手続きを一任できます。

離婚時に親権を争う場合、まずは相手方と離婚協議をおこない、交渉がまとまらなければ離婚調停や離婚訴訟などに移行して解決を目指すことになります。

離婚協議では感情的になったりして疲弊することもありますし、裁判手続きは複雑で長期化することもあるため、素人にとっては大きな負担となるおそれがあります。

弁護士に代行してもらうことで、依頼後は相手方と直接やり取りせずに済みますし、煩雑な裁判手続きにかかる負担も大幅に軽減できます。

3.親権争いを有利に進められる可能性が高まる

弁護士のサポートを得ることで、親権争いを有利に進められる可能性が高まります。

親権を獲得するためには、主張の支えとなる証拠を揃えたうえで、自分が親権者としてふさわしいことをアピールする必要があります。

親権争いの経験がないと、相手が親権を強く望んでいる場合に交渉の主導権を握られてしまうおそれがありますし、十分な証拠が集まらずに説得力に欠けてしまう可能性もあります。

弁護士なら、親権獲得に向けて必要な証拠や収集方法をアドバイスしてくれますし、法律知識や交渉ノウハウを活かして尽力してくれるなど、手厚いサポートが受けられます。

親権に関するよくある質問7選

ここでは、親権に関するよくある質問について解説します。

同様の疑問を感じている方は参考にしてください。

1.一度決めた親権者を変更できますか?

一度決めた親権者を変更することは、法律上可能です。

親権者の変更を求める場合は、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立てることになります。

ただし、親権者の変更は簡単に認められるものではありません。

以下のように「子どもの利益のために親権者の変更が必要」と認められる場合に限られます。

  • 現在の親権者が、病気や経済的困窮などで子どもを養育できなくなった場合
  • 子どもに対して虐待やネグレクトがある場合
  • 子ども自身が親権者の変更を強く希望している場合
  • 子どもの養育状況が大きく変わる場合 など

親権者の変更を認めてもらうためには、子どもの利益につながる証拠を示しながら、調停委員を味方につけることが重要です。

過去の事例に関する知識が必要になることもあり、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

2.離婚後に親権者が死亡したらどうなる?

親権者が亡くなっても、生きているもう一方の親が自動的に親権者になるわけではありません。

親権者が亡くなった場合、まずは亡くなった親権者と同様の権利義務を有する「未成年後見人」を選任することになります。

親権者が生前に遺言書で未成年後見人を指定していなければ、未成年者本人・親族・利害関係人などの請求によって家庭裁判所が選任します。

これに対し、もう一方の親は親権者変更の審判を家庭裁判所に申し立てることができます。

未成年後見人選任の申立てと親権者変更の審判が同時に生じた場合は、家庭裁判所がどちらを優先するかを判断します。

3.父親が親権を取るのが不利と言われるのはなぜですか?

「父親は親権争いで不利になりやすい」と言われる理由は、養育実績や生活環境などの実質的な事情によるものです。

従来の日本社会では、母親が主に育児を担当し、父親は仕事中心の家庭が多かったため、離婚時点での養育実績を比較すると母親が有利になっていました。

特に乳幼児については、授乳や日常的な世話で母親との結びつきが強いことが多く、母性優先の原則が重視されていたのも事実です。

しかし、父親が主たる養育者として実績を積んでいる場合などは、親権を獲得できる可能性も十分あります。

4.親権を放棄することはできますか?

親が親権を一方的に放棄することは原則としてできません。

親権は、子どもの利益のために認められた権利であると同時に義務でもあるからです。

もし自分が親権者になっていることで子どもに不利益が生じている場合には、家庭裁判所に親権者変更の審判を申し立て、もう一方の親に親権を移す必要があります。

たとえば「重い病気で子どもの世話ができなくなった場合」や「経済的に困窮して養育が困難になった場合」などが該当します。

なお、両親ともに親権を行使できない場合や、親権の行使が著しく困難な場合などは、家庭裁判所に未成年後見人の選任を申し立てましょう。

5.子どもの戸籍や名字は親権者と同じになる?

離婚しても、子どもの戸籍や名字が自動的に親権者と同じになるわけではありません。

たとえば、婚姻中は「鈴木」姓だった夫婦が離婚し、母親が親権者となって旧姓の「田中」に戻った場合でも、子どもは「鈴木」姓のままで父親側の戸籍に残ります。

子どもの戸籍や名字を変更したい場合は、以下の手続きが必要です。

  • 家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てる
  • 氏の変更を許可する審判書を取得する
  • 審判書を添えて市区町村役場に入籍届を提出する

なお、子どもが15歳以上の場合は自分で申立てをおこなう必要があります。

6.親権をとられて面会も拒否された場合はどうすればよい?

正当な理由なく面会を拒否された場合は、家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てましょう。

調停では、調停委員が双方の事情を聞きながら話し合いを進めて、合意形成を目指します。

調停でも合意に至らない場合は審判に移行し、裁判官が面会交流の可否や方法を決定します。

もし調停や審判で面会交流が認められたにもかかわらず相手方が応じない場合は、以下のような履行勧告や間接強制といった手段を取ることも可能です。

  • 履行勧告:家庭裁判所が相手方に面会交流を促す手続き
  • 間接強制:家庭裁判所が相手方に面会交流を促し、応じない場合は金銭の支払いを命じる手続き

ただし、調停では子どもにとって面会交流が必要であることを論理的に主張しなければならないため、まずは弁護士からアドバイスを受けるようにしてください。

7.共同親権とは?いつから始まる?

共同親権とは、離婚後も父母双方が親権を持つことです。

これまでは、離婚した父母のどちらか一方のみが親権を持つ「単独親権」が原則でした。

しかし、民法改正によって、2026年4月1日以降は共同親権の選択が可能です。

なお、改正法の施行前に離婚して単独親権となっている場合でも、家庭裁判所にて親権者変更調停の手続きをおこなうことで共同親権への変更が可能です。

さいごに|親権争いを有利に進めたいなら、ベンナビ離婚で相談を

親権は、子どもの利益のために認められた権利・義務のことを指します。

親の一方的な感情ではなく、子どもの利益を最優先に考えたうえで、最善の選択を取ることが大切です。

もし親権について揉めそうな場合や、すでに親権トラブルが起きている場合などは、速やかに弁護士にご相談ください。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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