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離婚の進め方ロードマップ|準備から離婚後の手続きまで徹底解説

離婚の進め方ロードマップ|準備から離婚後の手続きまで徹底解説

離婚を決意したものの、何から始めればよいかわからず悩んでいませんか。

離婚の進め方には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つの方法があります。まずは夫婦間で話し合いによる合意を目指し、協議で解決しない場合は、調停や裁判へと段階的に移行するのが基本的な流れです。

適切かつスムーズに離婚手続きを進めるためには、離婚後の生活設計、財産状況の把握、証拠の収集などの事前準備が欠かせません。

本記事では、具体的な離婚の進め方について、準備段階から離婚成立後の手続きまで網羅的に解説します。協議・調停・裁判それぞれの流れや、取り決めるべき6つの条件も詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

【図解】離婚を決めたら知っておきたい進め方の全体像

【図解】離婚を決めたら知っておきたい進め方の全体像

離婚の進め方には、協議・調停・裁判の3段階があります。

夫婦間の話し合いで条件がまとまれば、協議の段階で離婚は成立です。話し合いで解決しない場合は、調停や裁判へ進みます。

離婚を切り出す前に、希望条件の整理や証拠収集、共有財産のリストアップなどの事前準備をしておくとよいでしょう。また、離婚成立後にも、行政手続きや各種名義変更、ひとり親家庭向けの助成金申請などが発生します。

全体像を把握したうえで、計画的に進めましょう。

離婚の話を進める前にすべき5つの準備

離婚の話し合いをスムーズかつ適切に進めるためには、相手に離婚を切り出す前の準備が欠かせません。

準備を万全にすれば、交渉の主導権を握りやすくなり、冷静な話し合いが望めます。反対に、準備不足のまま離婚を切り出すと、相手のペースで話が進んでしまいかねません。

不利な条件を飲まざるを得なくなるリスクを避けるためにも、以下の5つの準備を進めましょう。

1. 離婚の希望条件と優先順位を整理する

交渉の軸として、何を最も優先したいかを明確にしましょう。

離婚時に決めるべき主な条件は、以下の6つです。

  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割

整理ができたら、譲れない条件と、譲歩できる条件を分けておくのがおすすめです。妥協点を自分の中で明確にしておけば、交渉が行き詰まりにくくなるでしょう。

2. 離婚原因の証拠を集める

相手に離婚原因がある場合は、離婚交渉や慰謝料請求を有利に進めるために、客観的な証拠を集めましょう。

離婚原因別の有効な証拠の例は、以下のとおりです。

離婚原因

有効な証拠の例

不貞行為(浮気・不倫)

・肉体関係の存在が窺われるメールやLINEのやり取り

・性行為前後と思われる裸や下着姿でのツーショット写真

・不倫相手宅やラブホテルへの出入りを撮影した写真や動画

・探偵の調査報告書

DV・モラハラ

・怪我の写真

・医師の診断書

・暴言・暴力の様子を記録した録音・録画データ

・被害状況を詳細に記録した日記やメモ

離婚を切り出す前に証拠を確保しておけば、相手による証拠の隠滅や言い逃れを防げます。

証拠収集が難しい場合や、どのような証拠が有効か判断に迷う場合は、弁護士への相談を検討してください。

3. 夫婦の共有財産をリストアップする

正確な財産分与を行うために、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた共有財産を、漏れなく把握しましょう。

以下に例示するとおり、対象となる財産は多岐にわたります。

  • 預貯金(普通預金、定期預金)
  • 不動産(自宅、土地)
  • 自動車
  • 生命保険・学資保険の解約返戻金
  • 有価証券(株式、投資信託)
  • 退職金(すでに支給されたもの、将来支給が見込まれるもの)

住宅ローンや自動車ローンなどの負債も財産分与の対象となる場合があるため、マイナスの財産も忘れずにリストアップしてください。

財産隠しに備え、相手名義の通帳や保険証券などのコピーや撮影写真を証拠として保全しておくと安心です。結婚前の預貯金や親からの援助金(特有財産)を共有財産の取得に充てた場合は、その事実がわかる資料も準備しておきましょう。

4. 離婚後の生活費と住まいを確保する

離婚後の収入と支出を書き出し、具体的なシミュレーションを行いましょう。

収入として見込めるものには、自身の給与、養育費、児童扶養手当などがあります。支出は、家賃、光熱費、食費、通信費、子どもの教育費などを項目ごとに洗い出してください。

離婚後の住まいについても、複数の選択肢を検討しておくと安心です。

実家に戻れば、家賃がかからず育児のサポートも受けやすい反面、転園や転校の必要が生じるかもしれません。新しく賃貸物件を借りる場合は、自立した生活を送れる一方、初期費用や保証人の問題が生じます。現在の自宅に住み続ける場合は、住宅ローンや名義変更を検討する必要があるでしょう。

離婚後の生活を現実的に見据え、経済的な見通しを立てておくと、精神的に余裕をもって離婚交渉を進められます。

5. 離婚の切り出し方とタイミングを計画する

離婚の切り出し方とタイミングを検討しましょう。

相手が落ち着いて話せる時間と場所を選ぶのが大切です。仕事や人間関係で余裕を失っているときや、感情的に不安定なときは避けた方がよいでしょう。子どもの前で切り出すのも控えてください。

伝え方も工夫が必要です。相手を非難するのではなく、自分の気持ちとして冷静に伝えましょう。

また、相手にDV傾向がある場合や逆上する可能性がある場合は、安全を最優先に考えてください。別居を開始してから手紙で伝える方法や、弁護士に代理人として通知してもらう方法もあります。

身の危険を感じる場合は、一人で対応せず、弁護士や支援機関への相談をおすすめします。

協議離婚|離婚の進め方の一歩目は夫婦間の話し合いから

協議離婚は、夫婦間の話し合いによって離婚の合意を目指す方法です。

双方の合意さえあれば、最も迅速に、かつ費用を抑えて離婚を実現できます。ただし、離婚条件について十分に話し合わずに離婚届だけを提出してしまうと、後々トラブルに発展するリスクが高いです。

以下では、協議離婚が成立までの流れ、条件面の話し合いの重要性、公正証書の役割について詳しく解説します。

協議離婚が成立するまでの流れ

協議離婚は、まず離婚の意思を明確に伝え、合意を得るのが第一歩です。相手が同じ認識とは限らないため、複数回の話し合いを設け、理由や気持ちを順序立てて説明しましょう。

次に、財産分与、年金分割、慰謝料、親権、養育費、面会交流、婚姻費用などの離婚条件を具体的に協議します。条件は離婚前に決めるのが賢明ですが、DVの有無や争点の見通しによっては離婚を先行させる方が適切な場合もあるでしょう。

離婚および条件について合意できたら、その内容を書面にまとめます。書面化により、蒸し返しを防げます。

金銭の支払いを確実にしたいときには、強制執行認諾文言付き公正証書を作成するのが有効です。支払いが滞った場合に、裁判を経ずにすぐ強制執行(給与差し押さえなど)に移れます。

最後に、夫婦と証人2名が署名・押印した離婚届を役所に提出し、受理されれば離婚が成立します。

離婚前に条件面を話し合うべき理由

離婚を急ぐあまり、お金や子どもに関する取り決めをせずに離婚届を提出してしまうと、後にトラブルに発展するリスクが高まります。

離婚後、相手が話し合いに応じなかったり、連絡が取れなくなったりするケースは珍しくありません。また、財産分与や年金分割は離婚から2年、慰謝料請求は3年という時効があります。条件交渉を先延ばしにすると、請求権を失うリスクがあります。

養育費の支払ってもらえる時期は、請求したときか調停を申し立てたときからとされるケースが多くなっています。相手が任意で応じない限り、離婚時に遡って支払ってもらえない可能性が高いでしょう。

合意内容を公正証書にする重要性

話し合いで決まった内容は、後のトラブルを防ぐために必ず書面に残しましょう。特に養育費や慰謝料など金銭の支払いの約束は、強制力のある公正証書にするのがおすすめです。

公正証書は公証役場で公証人が作成する公文書であり、私文書として作成した離婚協議書に比して、高い証明力と法的な強制力を持ちます。

公正証書に強制執行認諾文言を入れておけば、養育費等の支払いが滞った際に、裁判を起こさずに相手の給与や財産を差し押さえられます。

作成には費用と手間がかかりますが、将来の生活を守るための備えとして検討する価値はあるでしょう。

調停離婚|家庭裁判所の調停委員を介した離婚の進め方

夫婦間の話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所の離婚調停での解決を図ります。

離婚調停は、調停委員という中立な第三者が間に入り、夫婦間の合意形成を促す手続きです。基本的に夫婦が直接顔を合わせずに進められるため、DVやモラハラがある場合や、相手と話すこと自体が困難な場合に有効な手段といえるでしょう。

調停離婚が成立するまでの流れ

まず、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に調停申立書を提出します。

申立てが受理されると、第1回期日の日程調整が行われ、家庭裁判所から期日通知書が届きます。第1回調停期日は、申立てから約1ヶ月後に指定されるのが一般的です。

調停では、夫婦は別々の待合室で待機し、交互に調停委員を介して話し合いを進めます。1〜2ヵ月に1度のペースで期日が開かれ、1回あたりの時間は2時間程度です。

相手が欠席を繰り返す場合や、合意の見込みが低い場合は、1〜3回程度で終了することもあります。一方、話し合いが継続できる場合は、合意に至るまで、または合意の見込みがないと判断されるまで続きます。

双方が合意に至れば調停成立となり、合意内容をまとめた調停調書が作成されます。合意できなければ調停不成立となり、裁判に進むかどうかを検討する流れです。

離婚調停を有利に進めるために押さえておくべきポイント

調停委員に自身の主張を的確に伝えることが、調停を有利に進めるための鍵です。

相手への不満や複雑な思いが整理できないまま調停に臨むと、心情を吐露するばかりで調停委員に理解されないケースも少なくありません。

感情的に相手を非難するのではなく、離婚したい理由や希望する条件を客観的な事実に基づいて冷静に説明しましょう。

事前に主張をまとめたメモを用意し、主張の正当性を裏付ける資料(不貞の証拠、財産リスト、収入を示す書類など)を提示すれば、説得力が増します。また、調停委員は中立的な立場であるため、相手方の主張にも耳を傾ける姿勢を示すのも大切です。

離婚調停が長引きそうなら婚姻費用を請求する

調停が長引くケースでは、別居中の生活費確保が重要な課題となるでしょう。婚姻費用分担請求を行えば、調停期間中も配偶者から生活費を受け取れます。

婚姻費用とは、夫婦が婚姻関係にある間、お互いの生活レベルを同等に保つために分担すべき費用です。別居中でも離婚が成立するまでは法律上の夫婦なので、収入の多い方は少ない方に生活費を支払う義務があります。

婚姻費用分担調停では、裁判所が公表する算定表を基準に、双方の年収や子どもの人数・年齢から適正額を算出します。

婚姻費用は請求した月から認められるのが一般的です。申し立てが遅れるとその分受け取れる期間が短くなります。離婚調停と同時に婚姻費用調停を申し立てれば、離婚成立までの経済的リスクを最小限に抑えられるでしょう。

裁判離婚|裁判官に判断を仰ぐ離婚の進め方

調停でも合意に至らない場合、裁判所に離婚の判断を求めるのが離婚訴訟(裁判)です。

話し合いを前提とする調停とは異なり、当事者の主張立証に基づいて、裁判官が事実認定をし、離婚を認めるかどうかを判断します。

裁判で離婚が認められるためには、民法で定められた法定離婚事由が必要です。

専門的な知識が不可欠となるため、裁判離婚では弁護士に依頼することが一般的といえます。

裁判で離婚が成立する3つのパターン

訴訟(裁判)で離婚が成立するパターンは、和解離婚・認諾離婚・判決離婚の3つです。

パターン

概要

和解

判決前に、裁判官の仲介のもとで双方が離婚条件に合意する

請求の認諾

訴えられた側(被告)が、訴えた側(原告)の請求を受け入れる。

判決

裁判官が当事者の主張・立証に基づいて審理し、離婚を認めるかどうかの判決を下す。

裁判官から和解案を提示されるケースも多く、実務上は判決よりも和解で決着がつく場合が多いでしょう。請求の認諾は、離婚以外の請求(財産分与、親権者指定、慰謝料など)がある場合は認められません。

裁判離婚が成立するまでの流れ

まず、家庭裁判所に訴状を提出して訴えを起こします。訴えが受理されると、月1回程度のペースで口頭弁論期日が開かれ、書面を通じてお互いの主張を繰り返します。

争点が固まると、当事者本人や証人への尋問が行われることが一般的です。尋問手続きの前後で、裁判官より和解を促す和解勧告が行われるケースもあります。

和解が成立しない場合、最終的には裁判官が双方の主張や立証を踏まえて判決を言い渡します。裁判所が離婚請求を相当と判断すれば離婚を認める認容判決が出され、相当でないと判断された場合には棄却判決となる仕組みです。

離婚を認める判決が出た後、判決書の送達から2週間以内に双方が控訴しなければ、判決が確定し、法律上の離婚が成立します。

裁判で離婚するために必要な法定離婚事由

裁判で離婚を認めてもらうには、法定離婚事由が必要です。単に「性格が合わない」というだけでは、裁判で離婚は認められません。

具体的には、以下のいずれかに該当することを主張・立証しなければなりません。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • 婚姻を継続し難い重大な事由

婚姻を継続し難い重大な事由には、DV、モラハラ、長期の別居などが該当します。

なお、2026年4月1日に施行予定の改正民法では、回復の見込みのない強度の精神病の規定が削除されます。

離婚裁判における証拠の重要性

裁判では、自分の主張を裏付ける客観的な証拠の提示が必要です。

準備段階で集めた証拠(メール、写真、診断書など)を、主張をまとめた準備書面と共に、適切なタイミングで裁判所へ提出します。

調停とは異なり、裁判官は提出された証拠に基づいて法的な判断を下します。そのため、主張を裏付ける客観的な証拠がなければ、たとえ事実でも裁判では認められません。

証拠の選定や提出の適切なタイミングの判断には、法的知識と法廷での経験が不可欠です。裁判で離婚を求める場合には、弁護士への依頼を積極的に検討してください。

離婚時に取り決めるべき6つの条件

離婚は、離婚届を提出して終わりではありません。後のトラブルを防ぐために、お金や子どもに関する条件を事前に話し合いましょう。

ここでは、離婚時に最低限取り決めておくべき6つの条件について解説します。

親権|未成年の子どもの親権者

未成年の子どもがいる場合、父母のどちらが親権者となるかを必ず決めなければなりません。現行法では、親権者の記載がないと、離婚届は受理されません。

親権者を決める際は、以下の要素を考慮し、子の福祉を最優先に話し合いましょう。

  • これまでの監護実績
  • 子どもの年齢
  • 子ども本人の意思(特に15歳以上の場合)
  • 離婚後の養育環境

なお、2026年4月1日施行予定の改正民法では、共同親権が導入されます。施行後は、離婚する際、協議によって共同親権もしくは単独親権のいずれかが選択できるようになります。協議が整わない場合は、家庭裁判所に判断を委ねることも可能です。

また、親権者が決まっていない場合でも、家事審判または家事調停の申立てがなされていれば、協議離婚の届出が受理されるようになります。

養育費|子どもが自立するまでの生活・教育費の分担

養育費とは、生活費、教育費、医療費など、子どもが社会人として自活できるまでに必要とされる費用です。親権者にならなかった親も、子どもを扶養する義務を負います。

養育費については、以下の項目を具体的に取り決めましょう。

項目

内容

金額

毎月の支払金額

支払期間

いつから、いつまで支払うか

支払方法

支払期日、現金手渡し・振込の別、振込先口座、振込手数料の負担者など

養育費の額は、裁判所が公開している養育費算定表を目安に、双方の収入や子どもの人数・年齢に応じて算出するのが一般的です。支払期間は、「〇年〇月から」「20歳に達する日の属する月まで」「大学を卒業する日の属する月まで」など具体的に明記してください。

私学や大学への進学費用、入院費用など臨時出費の負担割合についても、あらかじめ取り決めておくと、離婚後のトラブルを防げます。

支払いが滞るリスクに備え、合意内容は強制執行が可能な公正証書として残しておきましょう。公正証書にしておけば、支払いが滞った際に裁判を経ずに強制執行に移れます。

面会交流|子どもと離れて暮らす親が会う頻度や方法

面会交流とは、離れて暮らす親と子どもとの定期的・継続的な交流です。子どもの健全な成長のためにも、親同士で事前にルールを決めておくのが大切です。

話し合いでは、以下の項目を具体的に決めておくとスムーズです。

  • 面会交流の頻度(月1回、2週間に1回など)
  • 1回あたりの時間
  • 面会の場所
  • 子どもの受け渡し方法

宿泊を伴う面会や、誕生日・夏休みといった長期休暇中の特別な面会についても、あらかじめ取り決めておくと、離婚後のトラブルを防げます。

ただし、DVや虐待の事実があるなど、面会交流の実施が子の福祉に反する事情がある場合は、面会が制限されるケースもあります。

財産分与|婚姻中に築いた夫婦の共有財産の分け方

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた共有財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。分与の割合は原則2分の1とされていますが、財産形成への貢献度等に応じて調整するケースもあります。

対象財産の範囲を確認した上で、夫婦間で以下の点を話し合いましょう。

項目

内容

評価方法・評価基準時

評価の時期や方法によって評価額が異なる財産(不動産や自動車、有価証券など)について、いつを基準とし、どの評価方法を取るか

分与割合

2分の1ルールに従うか、別の割合とするか

分与方法

現物を分与するか、財産を売却して金銭を分け合うか、夫婦の一方が財産を取得して代償金を支払うかなど

財産分与の請求権は離婚成立から2年で消滅します。交渉を先延ばしにすると、請求権を失うおそれがあるため、離婚前に取り決めておくのが賢明です。

慰謝料|離婚原因を作った側が支払う精神的苦痛への賠償金

慰謝料とは、不貞行為やDVなどの不法行為により、離婚の原因を作った側が、相手方の精神的苦痛に対して支払う損害賠償金です。性格の不一致など、どちらか一方に明確な責任があるといえない場合は、慰謝料は発生しません。

慰謝料の相場は50万〜300万円程度ですが、離婚原因の悪質性や婚姻期間の長さによって増減します。

なお、慰謝料請求権は、以下のいずれか早い方が経過すると時効により消滅します。

  • 損害および加害者を知ったときから3年
  • 不法行為があった時から20年

時効が近づいている場合は、内容証明郵便の送付や訴訟提起などの迅速な措置が必要です。適切な対応をとるためにも、早めに弁護士へ相談してください。

年金分割|婚姻期間中の厚生年金記録の分割

年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金(旧共済年金を含む)の保険料納付実績を分割する制度です。

専業主婦(主夫)やパートタイマーの方も、年金分割によって将来受け取る年金額を増やせる可能性があります。

年金分割には、以下の2種類があります。

種類

概要

合意分割

夫婦の合意または裁判所の決定により分割割合を決める方法(最大2分の1まで分割可能)

3号分割

2008年4月以降の婚姻期間について、扶養されていた配偶者が単独で請求できる方法(’分割割合は一律2分の1)

合意分割について夫婦間で話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判で按分割合を決めてもらうことも可能です。

年金分割の請求は、離婚をした日の翌日から2年以内に年金事務所で手続きを行う必要があるため、期限に注意してください。

離婚成立後にやるべき手続きリスト

離婚届が受理された後は、名義変更や公的保険・年金関連のさまざまな公的手続きが必要です。

手続き内容

期限の目安

担当窓口

住民票の異動(転居した場合)

転居後14日以内

市区町村役場

世帯主変更届

変更後14日以内

市区町村役場

国民健康保険への加入

扶養から外れた日から14日以内

市区町村役場

国民年金への切り替え

扶養から外れた日から14日以内

市区町村役場・年金事務所

印鑑登録(姓が変わる場合)

必要に応じて

市区町村役場

運転免許証の氏名・本籍変更

速やかに

警察署・運転免許センター

パスポートの氏名変更

速やかに

パスポートセンター

預貯金口座の名義変更

速やかに

各金融機関

クレジットカードの名義変更

速やかに

各カード会社

生命保険の名義・受取人変更

速やかに

各保険会社

女性は旧姓に戻ることも多いため、離婚後の手続きの進め方を事前にスケジューリングしておくことが重要です。

子どもがいる場合の離婚後にやること

子どもがいる場合は、上記に加えて子の戸籍や各種手当に関する手続きが追加で必要になります。

主な手続きは、以下のとおりです。

手続き内容

期限の目安

担当窓口

子の氏の変更許可申立て

速やかに

家庭裁判所

入籍届

許可後速やかに

市区町村役場

児童手当の受給者変更

離婚後15日以内

市区町村役場

児童扶養手当の申請

速やかに

市区町村役場

ひとり親家庭等医療費助成の申請

速やかに

市区町村役場

子どもの健康保険の変更

扶養から外れた日から14日以内

市区町村役場・勤務先

学校への届出(姓が変わる場合)

速やかに

学校

離婚届を提出しただけでは、子どもの戸籍は元配偶者の戸籍に残ったままです。親権を持つ母が旧姓に戻っている場合、母と子は同じ姓を名乗れません。子どもを自分の戸籍に移すには、家庭裁判所に子の氏の変更許可申立てを行い、許可を得てから役所に入籍届を提出する必要があります。

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離婚の進め方でやってはいけないNG行動

以下のような行動は避けてください。

NG行動の例

リスク

準備が整う前に感情的に離婚を切り出す

・相手が態度を硬化させ、話し合いがこじれる

・相手が財産や不貞行為の証拠を隠すおそれがある

財産を隠したり勝手に処分したりする

・相手の信頼を損ない、協議に悪影響を及ぼす

・隠した財産に相当する金額の損害賠償を請求されるおそれがある

違法な方法で証拠を収集する

・不正アクセス禁止法などに抵触する可能性がある

・相手から証拠の違法性を主張され、紛争が長期化するおそれがある

子どもを交渉の道具にする

・子どもの心を深く傷つける可能性がある

・親権争いで不利になるおそれがある

例えば、違法な方法で証拠を収集してはいけません。相手のスマートフォンに無断でアプリを仕込む、GPSを取り付けるなどの行為は不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。相手方から証拠の違法性を主張され、紛争が長期化するリスクもあるため避けましょう。

離婚を有利に進めたい、早く終わらせたいという焦りから生じる行動は、かえって状況を悪化させるおそれがあるので充分注意してください。

離婚の手続きに必要な書類一覧

離婚に必要な書類は、協議・調停・裁判のどの方法をとるかで異なります。

手続き別の主な必要書類は、以下のとおりです。

手続き

必要書類

協議離婚

・離婚届

・戸籍謄本(本籍地以外に届け出る場合)

・協議離婚書または公正証書(離婚条件について合意に至った場合)

・財産に関する書類、年金手帳など(公正証書を作成する場合)

調停離婚

・申立書類一式

・戸籍謄本

・財産に関する書類や主張を裏付ける証拠

・年金分割のための情報通知書(年金分割を希望する場合)

・離婚届

・調停調書の謄本

裁判離婚

・訴状

・法定離婚事由の存在を立証するための資料

・その他主張を裏付ける証拠

・離婚届

・判決書の謄本と確定証明書(または和解調書の謄本)

協議離婚では、将来の紛争を防ぐため、慰謝料や養育費の取り決めを記した離婚協議書や、強制執行力を持つ公正証書の作成が推奨されます。

調停離婚や裁判離婚では、事案に応じて追加書類の提出を求められる場合もあります。

離婚成立までにかかる期間はどれくらい?

離婚が成立するまでにかかる期間は、離婚の方法によって大きく異なります。

目安は、以下のとおりです。

  • 協議離婚:数日~数ヵ月程度
  • 調停離婚:4~6ヵ月程度
  • 裁判離婚:1~2年程度

話し合う事項が多い場合や、意見の対立があるときなど、事案によってはさらに長い期間を要するケースもあります。

離婚の進め方に悩んだら弁護士に相談する3つのメリット

離婚を考え始めた段階で弁護士に相談するのが理想です。早めに相談すれば、証拠収集のアドバイスを受けたり、有利な交渉戦略を立てたりと、選択肢が広がります。

弁護士に依頼すると、以下のようなメリットが得られます。

法的に妥当で有利な条件での解決が期待できる

弁護士は、あなたの状況に応じて最大限有利な条件を目指し、戦略的に交渉や主張を行います。

たとえば、不当に高額な慰謝料を請求された場合でも、法的根拠を示しながら適正額への減額交渉が可能です。感情論に流されず、客観的な事実や過去の裁判例を踏まえて話を進めるため、建設的な解決につながりやすくなります。

また、相手が財産を隠しているおそれがある場合には、弁護士会照会などの法的手段を用いた調査も検討できます。これにより、本来受け取るべき正当な分配額を確保しやすくなるでしょう。

さらに、離婚協議書や調停申立書、訴状などの書類作成を任せられる点も大きなメリットです。手続きにかかる時間と労力を抑えられるだけでなく、後から不利になりかねない致命的なミスも防げるでしょう。

相手方との交渉による精神的負担を軽減できる

弁護士があなたの代理人として交渉の窓口となるため、相手と直接顔を合わせたり、連絡を取り合ったりするストレスから解放されます。

離婚の話し合いでは、感情的な対立が激しくなりがちですが、弁護士が間に入ることで冷静かつ建設的な話し合いが期待できます。相手からの執拗な連絡や不当な要求も、弁護士が適切に対応してくれるため、心理的な負担が大幅に軽減されるでしょう。

交渉のストレスが減ると、心に余裕が生まれます。子どものケアや離婚後の新しい生活の準備に集中できるでしょう。

将来のトラブルを未然に防ぐことができる

弁護士に依頼すれば、法的に不備のない離婚協議書を作成してもらえます。

公正証書にする場合でも、公正人との事前打ち合わせや必要書類の確認・提出などのやり取りも全て任せられるため、手続き上の負担を軽減できるでしょう。

養育費の不払い、面会交流のルール違反など、離婚後に起こりやすいトラブルを洗い出し、それを防ぐための具体的な条項を盛り込める点も重要です。合意内容を公正証書として残しておけば、法的に有効で強制執行力のある書面となり、相手に約束を守らせる実効性も高まります。

万が一、離婚後に取り決めが守られなかった場合でも、弁護士に依頼していれば、速やかに強制執行の手続きを進められるでしょう。

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離婚の進め方に関するよくある質問

離婚の進め方に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。

Q. 離婚を先に切り出すと、不利になりますか?

離婚を先に切り出した方が不利になるとは、一概には言えません。

切り出すタイミングよりも、事前にどれだけ準備ができているかが重要です。

証拠の確保や離婚後の生活設計ができていれば、有利に交渉を進めやすくなります。逆に準備不足のまま切り出すと、相手に主導権を握られ、不利な条件を飲まざるを得なくなる可能性があるでしょう。

ただし、DVやモラハラがある場合は、自身の安全確保が最優先です。安全な場所に避難してから弁護士に相談し、切り出すタイミングを慎重に判断してください。

Q. DV・モラハラ被害があるときに離婚はどう進めればよいですか?

DVやモラハラがある場合、自身や子どもの安全確保を最優先してください。

身に危険を感じる場合は、ためらわず警察や配偶者暴力相談支援センターに助けを求めましょう。裁判所に保護命令を申し立てれば、相手の接近を法的に禁止できます。公的な一時保護施設(シェルター)に避難するのも、安全を確保する有効な手段です。

安全な場所に避難したら、弁護士に相談しましょう。弁護士が代理人となり、相手との交渉や離婚調停の申し立てをすべて代行します。加害者と顔を合わせる精神的負担なく、離婚手続きを進められます。

Q.2026年4月の法改正で、離婚の進め方はなにか変わる?

2026年4月1日施行予定の改正民法では、主に、親権、養育費、親子間の交流、財産分与に関する規定が見直されました。

主な変更点は、以下のとおりです。

項目

法改正前

法改正後

親権

離婚後は、父母のいずれか一方を親権者とする単独親権のみ

父母の協議により、共同親権または単独親権を選択可

養育費

・離婚時に取り決めていなくても、法的なペナルティはない

・支払いが滞った場合、強制執行には債務名義(公正証書など)が必要

・取り決めがなくても法定養育費を請求できる制度

・債務名義がなくても裁判を経ずに財産を差し押さえることができる(先取特権)

親子間の交流

別居中の親子の交流について、明確な規定はない

・離婚前の別居段階でも、親子交流について協議で決められる

・家庭裁判所が、調停・審判中に試行的な親子交流を促せる

・父母以外の親族(祖父母等)と子との交流を家庭裁判所が定められる

財産分与

請求期限は、離婚の時から2年以内

請求期間を離婚の時から5年に延長

離婚の手続きをスムーズに進めるために、改正の内容を理解しておきましょう。

Q. 弁護士費用はどれくらいかかりますか?

弁護士費用は、依頼する法律事務所や事案の難易度、手続きの段階によって異なります。

手続き別の費用相場は、以下のとおりです。

  • 協議離婚:20万〜60万円程度
  • 離婚調停:40万〜70万円程度
  • 離婚裁判:70万〜110万円程度

協議離婚であれば、配偶者との交渉や離婚協議書の作成だけで済むため、費用を抑えられます。

一方、調停や裁判になると裁判所を通じた手続きが必要になり、伴って弁護士費用はより高額になると考えてください。

事案の内容によっては相場を超える場合もあるため、まずは無料相談で具体的な見積もりを確認しましょう。

まとめ|後悔しない離婚のためには弁護士のサポートが不可欠

離婚の進め方は、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3種類があります。夫婦間の話し合いで合意できれば、届出だけで離婚が成立するため、まずは協議離婚を目指すのが基本です。

離婚を切り出す前には、証拠の収集、財産状況の把握、離婚後の生活設計、相談先の確保、子どもへの配慮といった準備を整えておきましょう。事前準備が不十分なまま離婚を切り出すと、交渉で不利になるおそれがあります。

離婚条件の取り決めでは、財産分与・慰謝料・年金分割・親権・養育費・面会交流の6項目を漏れなく協議し、書面に残してください。

条件交渉や手続きに不安がある方は、早めに弁護士へ相談しましょう。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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