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離婚慰謝料の相場は?請求できる条件や増額のポイントなどの基本知識を解説

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離婚により、配偶者に慰謝料を請求したいものの、そもそも自分が請求できるのか気になる人もいるでしょう。

婚姻中に配偶者から精神的苦痛を受けていた場合、慰謝料を請求することができます。

しかし、慰謝料を請求できる条件があるため、誰でも請求が認められるわけではありません。

離婚慰謝料の相場も、離婚理由や子供のあり・なしなど、さまざまな要素によって左右されます。

本記事では、慰謝料を請求できる7つの条件や状況別の慰謝料相場、慰謝料が増額・減額する要因を詳しく解説します。

さらに、請求時の手続きの流れや相手が慰謝料を払えないときの対処法まで網羅的に解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

離婚慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償金のこと

離婚慰謝料とは「離婚により被った精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金」です。

配偶者から不倫・浮気やDV、モラハラなどの不法行為を受けた場合に、離婚慰謝料を請求できると、民法でも定められています。

第七百九条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

第七百十条

他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

慰謝料の金額は、精神的苦痛の大きさや婚姻期間の長さ、相手方の資力、子どもの有無など、さまざまな要素を総合的に考慮して決定されます。
自分が受けた苦痛が法的に保護されるべきものであると理解し、正当な権利を行使することが重要です。

離婚慰謝料を請求できる条件7つ

離婚慰謝料を請求できる条件7つ

離婚慰謝料を請求できるのは、相手方の「有責行為(離婚原因となる違法行為)」により、精神的苦痛を受けた場合です。

性格の不一致や双方に原因がある場合などは、どちらか一方に責任があるとは言えないため、原則として慰謝料は発生しません。

ここでは、離婚慰謝料の請求できる主な条件を7つ解説します。

自身の状況がこれらに当てはまるかを確認してください。

1.不貞行為(浮気・不倫)があった

不貞行為とは「配偶者以外の第三者と肉体関係を持つこと」です。

配偶者が浮気や不倫などの不貞行為をおこなった場合、その精神的苦痛を理由に慰謝料を請求できます。

裁判で慰謝料請求をおこなう際は、性行為や性交類似行為(裸で抱き合う・一緒に入浴するなど)があったことを、証拠で証明することが重要です。

不貞行為の証拠として有力な例
  • ラブホテルに出入りしていることがわかる写真や動画
  • 肉体関係があることを推測させるLINEやメールのやり取り
  • 不貞行為を疑わせるホテルの利用記録や領収書

なお、デートやキスなどの行為は肉体関係なしとされるため、浮気とは認められにくく、慰謝料請求は難しい場合がほとんどです。

あくまでも「肉体関係の有無」が判断のポイントとなることに注意してください。

2.悪意の遺棄があった

悪意の遺棄とは、正当な理由がないにもかかわらず、夫婦としての同居・協力・扶助義務を果たさないことです。

夫婦には、同居して違いに協力し合う義務が民法で定められているため、悪意の遺棄も慰謝料請求をおこなえます。

第七百五十二条

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

具体的には、下記のような行為が悪意の遺棄に該当します。

  • 健康で働けるのに働こうとせず、生活費を入れない
  • 一方的に家出や別居をして連絡を絶つ
  • 病気の配偶者を看病せずに放置する

悪意の遺棄を理由に慰謝料を請求する際は、下記のような証拠が必要です。

  • 生活費が振り込まれていないことがわかる通帳や家計簿
  • 配偶者が別居を通知した手紙やメール
  • 家事や育児に非協力的であることがわかるやりとり

証拠がないと慰謝料請求が認められる可能性は低くなるため、計画的に証拠集めをおこないましょう。

3.DV(ドメスティック・バイオレンス)があった

配偶者からのDV(ドメスティック・バイオレンス)は、心身に深刻な苦痛を与える極めて悪質な不法行為です。

配偶者から受けたDVの被害に対して、慰謝料請求をおこなえます。

身体への暴力は、暴行罪や傷害罪にも該当しうる犯罪行為にあたるため、たとえ夫婦間であっても許されるものではありません。

DVを理由に離婚慰謝料を請求する場合は、下記のような客観的な証拠を残しておきましょう。

  • 暴力によるけがやあざの写真
  • 医師の診断書
  • 警察や配偶者暴力相談支援センターへの相談記録
  • 暴力を振るわれている最中の録音データ

身の危険がある緊急性が高い場合は、証拠集めよりも身の安全を先に確保するため、警察に通報してください。

4.モラハラ(モラル・ハラスメント)があった

身体的な暴力だけでなく、言葉や態度によるモラハラ(モラル・ハラスメント)も、精神的暴力に該当するため、慰謝料請求の対象です。

相手を精神的に貶める下記のような言動が、モラハラに該当します。

  • 「お前は価値のない人間だ」「誰のおかげで生活できているんだ」といった暴言
  • 理由なく長期間無視し続ける
  • 生活費を極端に制限する(経済的DV)
  • 友人や実家との交流を制限し、孤立させる

ただし、モラハラはDVのように目にみえる暴力ではないため、第三者に証明するのが難しいという特徴があります。

モラハラ行為を詳細にまとめた日記や録音、LINEなどのやり取りなど、モラハラがあったことを示せる客観的な証拠を集めましょう。

5.一方的に性交渉を拒否(セックスレス)されていた

健康上の問題のような正当な理由なく、性交渉を拒否(セックスレス)されていた場合も、離婚慰謝料の請求が認められる可能性があります。

どちらか一方が性行為を望んでいても、理由なく拒絶し続けることは、夫婦関係を破綻させる行為とみなされることがあるためです。

セックスレスによる離婚慰謝料が認められやすいケースは下記のとおりです。

  • セックスレスの期間が長期間(1年以上など)に及んでいる
  • 改善を求めて話し合おうとしても拒絶される
  • 性交渉拒否が夫婦関係が破綻した原因である

ただし、一時的な拒否や、双方が合意のうえでのセックスレスであれば請求は認められないため、注意してください。

6.ギャンブルや借金をしていた

ギャンブルや浪費にのめり込み、家庭に気を配らずに多額の借金を作るなどの行為も、離婚慰謝料を請求できる条件のひとつです。

夫婦には、協力して生計を維持する義務があります。

身勝手な浪費は義務に著しく違反する行為にあたるため、慰謝料請求が可能です。

下記のようなケースが、慰謝料請求をおこなえます。

  • 生活費をギャンブルに使い込む
  • 消費者金融から多額の借入を繰り返す
  • 高級品や趣味に収入に見合わない浪費をする
  • 配偶者を内緒で借金の保証人にしていた

ただし、夫婦が合意した借金(住宅や車のローンなど)は、不法行為とはいえないため、慰謝料請求は認められません。

7.その他の理由があった(過度な宗教活動・アルコール依存など)

上記以外の理由であっても、事情が「婚姻を継続し難い重大な事由」であれば、慰謝料請求が認められることがあります。

婚姻を継続し難い重大な事由とは、下記のようなケースが該当します。

  • 過度な宗教活動をおこなっている
  • アルコール依存症で、頻繁に泥酔して暴れる
  • 犯罪行為により、長期間の別居や大きな精神的苦痛がある

なお、過度な宗教活動とは、信仰を強要してくる、貯蓄を勝手に使い込むなどが挙げられます。
宗教にのめり込みすぎて家庭をかえりみない行為が、慰謝料請求が認められる条件となるため、注意してください。

離婚慰謝料を請求できないケース6つ

離婚慰謝料を請求できないケース6つ

どの離婚理由であっても必ず慰謝料を請求できるというわけではありません。

慰謝料は、あくまで相手から受けた不法行為に対する損害賠償です。

離婚の原因が夫婦双方にあると考えられる場合や、相手の行為が不法行為に該当しない場合は、慰謝料請求が認められません。

ここでは、どのようなケースが該当するのかを見ていきましょう。

1.性格の不一致や価値観の相違があった

性格や価値観の不一致が原因で離婚する場合、精神的苦痛に対する慰謝料請求は難しいといえます。

そのため気が合わない、生活リズムが違う、などの双方に非がないケースでは、慰謝料は発生しないのが通常です。

ただし、性格の不一致を主張する背景に、相手からの具体的な加害行為がある場合は、慰謝料が発生する可能性もあります。

性格や価値観の相違があっても、慰謝料請求が認められる可能性があるケースは、下記のとおりです。

  • 自分の価値観を押し付け、相手の人格を否定するような発言がある
  • 話し合いにならず、暴力で解決しようとする
  • 価値観が合わないからといって、家出を繰り返す

性格や価値観の相違があっても、それによって生じた行為が不法行為に該当すれば、慰謝料を請求できます。

2.双方に原因がある(お互いに不貞行為をしていたなど)

両者が浮気・不倫をしていた、夫婦喧嘩でお互いが暴力をふるったなど、双方に原因がある場合は、慰謝料の支払いが認められないケースが多いです。

慰謝料請求が認められても、お互いに支払うべき慰謝料があるため、相殺されて慰謝料がゼロまたはゼロに近い金額になるのが一般的です。

ただし、責任の重さに著しい差がある場合は例外となります。

たとえば夫の暴力が発端で、妻が抵抗して軽傷を負わせたという場合、夫の責任がはるかに重いため、妻の慰謝料請求が認められる可能性があります。

3.すでに婚姻関係が破綻していた

すでに夫婦関係が冷え切っており、修復不可能な状態であった場合、慰謝料請求は認められません。

慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償金です。

すでに夫婦仲が破綻していれば、受ける苦痛もほとんどないとみなされるため、慰謝料請求は認められないでしょう。

4.重度の精神疾患を抱えていた

配偶者が重度の精神疾患(統合失調症やうつ病など)を患い、それが直接的な離婚原因となった場合も、慰謝料請求はできません。

病気は本人の責任でなるものではなく、病状による言動には責任能力がないと判断される場合があるためです。

しかし、病気を理由に暴力をふるうなどの場合は、例外的に請求できる可能性があります。

5.配偶者の親族と不仲だった

配偶者の親族との不仲が離婚原因の場合、配偶者本人への慰謝料請求は認められません。

離婚慰謝料は、不法行為をおこなった本人に対して請求するのが原則です。

たとえ姑からのいじめが原因で離婚することになったとしても、いじめをしたのは姑であり、配偶者ではありません。

そのため配偶者への慰謝料請求が認められない可能性が高いです。

ただし、以下のような状況であれば、配偶者にも「夫婦間の協力扶助義務違反」として慰謝料を請求できる可能性もあります。

  • 配偶者がいじめに加担していた
  • 配偶者に助けを求めても、親族との調整を一切せず、見て見ぬふりをして放置した

慰謝料請求が認められるかどうか、不安がある場合は、弁護士に相談して客観的に判断してもらうのがおすすめです。

6.宗教観に違いがあった

信仰する宗教が違う、あるいは宗教活動への熱意や考え方が違うといった宗教観の相違は、慰謝料請求は認められません。

どのような宗教を信じるかは個人の自由であるためです。

したがって、宗教観の違い自体は違法行為とはみなされず、損害賠償の対象にはなりません。

しかし宗教活動により家庭に被害が生じている場合は、慰謝料請求の対象となり得ます。

【ケース別】離婚慰謝料の相場は50万~300万

離婚慰謝料の相場は、「50万円~300万円」程度です。

離婚の原因別の慰謝料の相場は下記のとおりです。

離婚の原因 慰謝料の目安
不貞行為(浮気・不倫) 100万円~300万円
悪意の遺棄 50万円~300万円
DV(ドメスティック・バイオレンス) 50万円~300万円
モラハラ(モラル・ハラスメント) 50万円~300万円
セックスレス 0円~100万円
ギャンブルや借金 50万円〜300万円
その他の理由(過度な宗教活動やアルコール依存症など) 0円~300万円

離婚慰謝料の金額は、裁判例や実務上の傾向など、さまざまな要素を総合的に考慮して判断されます。

不貞行為やDVといった明確な不法行為は精神的苦痛が大きいとみなされ、比較的高額になりやすい傾向にあります。

一方で、セックスレスは立証の難しさや個別の事情により、金額が低めに留まるケースも少なくありません。

またギャンブルや宗教活動などによる離婚慰謝料は、相手方に資力がない場合も多いため、相場が低くなりやすい傾向にあります。

離婚慰謝料が相場より増額・減額する要素

離婚慰謝料の金額は、不倫なら〇〇万円のように一律ではありません。

同じ離婚原因でもさまざまな事情によって、相場より増額することもあれば、減額することもあります。

ここでは、どのような要素が離婚慰謝料の金額に影響を与えるのかを解説します。

離婚慰謝料が相場より増額する要因

相手の行為が悪質であるほど、受けた被害や精神的苦痛が大きいほどに、慰謝料は増額される傾向にあります。

離婚慰謝料は、以下のような場合に増額される可能性があります。

  • 婚姻期間が長い(10年以上など)
  • 不貞行為の期間・回数が多い
  • 長期間、日常的にDVやモラハラなどがおこなわれていた
  • 未成年の子どもがいる
  • 相手の行為が原因で精神疾患を発症した
  • 相手に反省の態度がない
  • 相手の収入が高い

慰謝料の増額を求める際には、具体的な証拠を集める必要があります。

精神的苦痛の程度を示す証拠があれば、慰謝料の増額が認められる可能性が高まるためです。

離婚慰謝料が相場より減額する要因

請求する側(被害者)にも落ち度がある場合や、精神的苦痛が比較的軽微であると判断される場合は、慰謝料は減額される可能性があります。

また相手方の収入が低い場合も、減額される傾向にあります。

下記のようなケースが、慰謝料が減額される可能性がある場合です。

  • 請求する側にも不貞行為などの落ち度がある
  • 婚姻関係がすでに破綻していた
  • 相手方の収入が低い、資産がない
  • 相手方が反省し、謝罪している
  • 婚姻期間が1年未満などと短い

慰謝料の減額を避けたい場合は、関係悪化の証拠を整理し、慰謝料を減らされないように備えておくのが大切です。

離婚の慰謝料をなるべく高額にする3つのコツ

離婚の慰謝料をなるべく高額にする3つのコツ

離婚慰謝料を請求するにあたって、できる限り有利な条件で、なるべく高額な慰謝料を得たいと考えるのは当然のことです。

慰謝料の金額は交渉や法的手続きの進め方によって変わってくる可能性があります。

ここでは、離婚の慰謝料を少しでも高額にするために押さえておきたいコツを3つ解説します。

離婚案件の経験が豊富な弁護士に相談する

慰謝料を最大限に引き上げるには、離婚問題や慰謝料請求に注力した弁護士に依頼することです。

本人が交渉する場合、感情的になって話がまとまらなかったり、相場より低い金額で合意してしまうリスクがあります。

しかし弁護士が代理人となれば、過去の判例や類似ケースに基づき、説得力のある増額事由を主張することが可能です。

相手との直接交渉を任せられるため、ストレスから解放され、冷静な判断ができるようにもなります。

初回相談が無料の法律事務所も多いため、まずは話を聞いてみるのがおすすめです。

不貞行為やDVなどの証拠を十分に集める

たとえば不貞行為の場合、肉体関係があったことを強く推測させる証拠が有効です。

単に親しげにしている写真や、食事をしたレシートだけでは証拠として弱く、高額請求の根拠にはなり得ません。

できる限り、以下のような客観的かつ決定的な証拠を集めてから交渉に臨みましょう。

  • ラブホテルや不倫相手の自宅への出入りが鮮明に映っている写真や動画
  • 「昨日は愛し合えて幸せだった」のようなLINEのやり取り
  • 不貞行為を自白した会話の録音

証拠集めは相手に気づかれないようにおこなうのが鉄則です。

気づかれると証拠を隠滅される恐れがあるため、慎重に行動してください。

証拠の集め方がわからない場合は、弁護士に相談すると、適切なアドバイスをしてくれるため、早めに相談するのがおすすめです。

支払方法を分割払いにして総額を増やす

相手に十分な支払能力がない場合、一括払いにこだわると、慰謝料の大幅な減額に応じざるを得なくなるかもしれません。

支払方法を分割払いにすることで、慰謝料の総額を維持、あるいは増額できる可能性があります。

相手にとっても、月々の負担が現実的な範囲であれば合意しやすいため、スムーズな合意を目指せます。

ただし、分割払いには未払いが起こるリスクが伴うため、合意内容は必ず公正証書にしておくことが重要です。

公正証書に強制執行認諾文言を記載しておくと、支払いが滞った際に、直ちに相手の給料や預貯金を差し押さえることができます。
確実な回収手段を用意したうえで、柔軟な支払い方法を提案するのが賢い戦略です。

離婚の慰謝料を請求する流れ4ステップ

離婚の慰謝料を請求する流れ4ステップ

離婚慰謝料を請求する際の手続きは、いくつかの段階にわかれています。

当事者間での話し合いから始まり、そこで解決できない場合には家庭裁判所での離婚調停、それでも合意に至らなければ離婚裁判へと進みます。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

1.書面や口頭による請求をおこなう

まずは、相手に対して「慰謝料を請求する」という意思を明確に伝えることから始めます。

方法は口頭・メール・手紙などと自由ですが、推奨されるのは「内容証明郵便」を利用する方法です。

内容証明郵便とは、いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれるサービスです。

内容証明郵便には、離婚原因の事実や精神的苦痛を受けたこと、請求する慰謝料金額などを記載しましょう。

言った言わないの水掛け論になったり、相手に無視されたりするリスクを軽減できます。

2.夫婦間で話し合いをおこなう(協議離婚)

請求の意思を伝えたら、当事者間で離婚や慰謝料の金額などを話し合う「協議離婚」をおこないます。

協議離婚で双方の合意が得られれば、裁判を避けられ、円満に解決することが可能です。

お互いが離婚することや離婚条件に合意できたら、離婚協議書を忘れずに作成しましょう。

離婚協議書には慰謝料の金額・支払方法・期限などを明記し、両者で署名・捺印してください。

さらに安心を求めるなら、公正証書の形で残しておくと後々のトラブルを避けられます。
協議離婚がまとまらない場合は、弁護士を代理人として立てて交渉するのも有効な手段です。

3.離婚調停を申し立てる

協議離婚で合意に至らない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて「離婚調停」をおこないます。

離婚調停では、中立的立場の調停委員が仲裁し、離婚条件などを調整して離婚の合意を目指します。

離婚調停がおこなわれる期間はケースバイケースですが、3ヵ月から半年ほどかかるケースが一般的です。

長期間の離婚調停で精神的負担が大きくなることもあるので、基本的には弁護士に対応を依頼するほうがよいでしょう。

調停はあくまで話し合いの場であるため、相手が合意しなければ不成立となります。

4.離婚裁判を起こす

調停でもお互いの合意が得られない場合は「離婚裁判」で、離婚と慰謝料の請求をおこないます。

裁判ではお互いが主張と証拠を出し合い、裁判官が法律に基づいて、離婚を認めるか、慰謝料はいくらが妥当かなどの判決を下します。

話し合いでの解決とは異なり、裁判所の強制力のある判断によって決着をつける手続きです。

離婚裁判では、裁判官が証拠をもとに判断するため、相手の同意がなくても離婚や慰謝料の支払いを命じる判決が出ることがあります。

なお、裁判の途中で、訴えを取り下げたり和解したりすることも可能です。
判決に不服がある場合は、判決送達日から2週間以内に高等裁判所に控訴することも可能です。

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離婚慰謝料を請求する際の注意点5つ

離婚慰謝料を請求する際の注意点5つ

実際に離婚慰謝料を請求する際には、いくつかの重要なポイントを理解し進める必要があります。

ここでは、離婚慰謝料を請求する際の主な注意点を5つ解説します。

1.離婚慰謝料の二重取りはできない

すでに慰謝料を受け取った場合、同じ理由で二重に慰謝料を請求することはできません。

たとえば不貞行為を理由に離婚慰謝料を300万円請求する場合、配偶者や不倫相手の両方から300万円、合計600万円を受け取ることはできません。

配偶者に150万円、不倫相手に150万円で請求するか、どちらか一方に300万円を請求することになります。

もし配偶者からすでに200万円を受け取っている場合は、不倫相手への請求に請求できる金額は100万円です。

一度支払われた慰謝料を再度請求することは認められない、という旨を理解しておきましょう。

2.離婚慰謝料の過剰請求はトラブルのもとになる

慰謝料の請求額は、実際に受けた精神的苦痛や生活の変化に見合った金額に設定する必要があります。

慰謝料の請求額があまりに高額だと、相手との交渉が難航し、解決までに時間がかかることになるでしょう。

また、現実的な金額でなければ相手から回収するのも難しくなるため、相手の収入や資産も考慮する必要があります。

適切な金額設定をするには、類似の裁判例や相手の経済状況、証拠の充実度などを総合的に考慮することが重要です。
弁護士に相談し、適切な金額を設定してもらいましょう。

3.離婚後に慰謝料を請求する場合の時効は3年

離婚後でも慰謝料請求は可能ですが、時効に注意が必要です。

時効期間は、損害及び加害者を知ったときから3年、または不法行為がおこなわれてから20年です。

第七百二十四条

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

たとえば、配偶者の不倫相手に対して慰謝料請求する場合は「不倫の事実及び不倫相手を知ったときから3年」が経過すると時効となります。

不倫相手がわからない場合は「不倫行為がおこなわれてから20年」で時効です。

一方、配偶者に対する離婚慰謝料請求権の時効は、離婚が成立してから3年です。

慰謝料請求は後回しにせず、離婚と同時、あるいは離婚後速やかに請求手続を開始しましょう。

4.証拠集めで違法行為をすると不利になる可能性が高い

証拠集めに焦るあまり、違法な手段をとってしまうと、その証拠が裁判で使えなくなるだけでなく、逆に相手から訴えられるリスクがあります。

さらに、その行為自体が犯罪となれば、慰謝料を請求する側から一転して、損害賠償を請求される側になってしまいます。

以下のような行為は控えてください。

  • 配偶者のスマホのパスワードを不正取得し、勝手にメール内容を見る(不正アクセス禁止法違反)
  • 別居中の配偶者や不倫相手の自宅に無断で侵入する(住居侵入罪)
  • 不倫相手の物を壊す(器物損壊罪)

証拠集めの方法が合法か違法か判断に迷う場合は、探偵や弁護士などの専門家に相談してください。

5.安易に同意すると不当に低い慰謝料となる恐れがある

早く離婚して自由になりたい、面倒な話し合いを終わらせたい、という焦りから、相手が提示した金額に安易に合意しないようにしてください。

一度合意して離婚協議書などにサインをしてしまうと、合意内容をくつがえすことができません。

あとから相場より不当に低い金額だったと気づいても、脅迫や詐欺があったなどの特別な事情がない限り、追加請求することは極めて困難です。

合意する前に、その金額が妥当かどうかを必ずチェックしてください。
弁護士に相談すると、提示された金額が適正かどうかを判断してもらえます。

相手が慰謝料を払えない・支払わない場合の対処法3選

相手が慰謝料を払えない・支払わない場合の対処法3選

離婚協議や調停、裁判などを経て慰謝料の支払いが決まっても、相手方が支払ってくれない、あるいは払えないと言ってくるケースは少なくありません。

慰謝料の未払いが発生しそうになった場合は、適切な対処法を講じることで、慰謝料を回収できる可能性があります。

ここでは、相手が慰謝料を払えない・支払わない場合の対処法を3つ解説します。

1.内容証明郵便で支払いを催告する

相手からの入金が確認できない場合、まずは内容証明郵便を送付して、支払いを強く催告します。

口頭やメールでの督促とは異なり、相手に対して「こちらは本気であり、法的措置も辞さない」という強い意思を示せます。

相手方も、裁判になるかもしれないというプレッシャーから、支払いに応じるケースも少なくありません。

内容証明郵便を送付すると、時効の完成を6ヵ月猶予させることもできるため、迅速に催告をおこないましょう。

2.強制執行などの法的手段を検討する

内容証明郵便を送っても相手が応じない場合は、家庭裁判所を通じて強制執行をおこない、相手の給与や預金などの財産を差し押さえましょう。

強制執行をおこなうには、債務名義と呼ばれる公的な文書(強制執行認諾文言付きの公正証書や調停調書など)が必要です。

債務名義のある文書があれば、新たな裁判を起こすことなく、直ちに差し押さえの手続きに入ることができます。

相手に支払い能力があるにもかかわらず支払わない場合の、強力な手段です。

3.分割払いや減額を検討する

相手に本当に支払い能力がなく、強制執行をしても回収できる財産が見当たらない場合は、支払条件の見直しを検討しましょう。

相手が支払える範囲での分割払いや、一括払いを条件とした減額交渉に応じると、相手方が慰謝料を支払う可能性を高められます。

なお、支払条件を変更したときは、改めて変更後の条件を記載した公正証書を作成してください。

書面に残さないと、トラブルの原因になる可能性があります。

感情的には納得しがたいかもしれませんが、全額未回収という最悪の事態を避けるための、現実的な選択肢として検討してください。

離婚慰謝料を請求された場合の対処法

配偶者から離婚慰謝料を請求されたら、まずは冷静に請求内容を確認し、状況を正しく把握することが大切です。

請求されたからといって、必ずしも全額を支払わなければならないわけではありません。

離婚慰謝料の提示額があまりにも高い場合は、過去の判例や自身の経済状況を踏まえた減額交渉をおこなえます

慰謝料請求の根拠が事実と異なる場合は、反論することも可能です。

直接の交渉が難しい場合は、弁護士に代理交渉を依頼したり、家庭裁判所の調停を利用して第三者を交えた話し合いもおこなえます。

早急に弁護士へ相談し、適切な法的対応を進めてもらいましょう。

決めた慰謝料を支払わない場合はどうなる?

慰謝料の支払いについては、法的な義務が伴います。

一度金額が決まると、その支払いを怠ることはできません。

支払いが遅れると強制執行がおこなわれて、給与から一定額が差し引かれたり、預金口座が凍結されたりする可能性があります。

また、支払いが遅れることで、年率3%で計算される遅延損害金も発生します。

時間が経つにつれて支払うべき金額が増えていくため、自分が支払うべき慰謝料は速やかに支払い、法的手段を回避することが賢明です。

離婚の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット4つ

離婚の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット4つ

自分で離婚慰謝料の請求をすることもできますが、弁護士に依頼することも可能です。

ここでは、弁護士に依頼することで具体的にどのような利益があるのか、主なメリットを4つ解説します。

1.離婚慰謝料の交渉が有利になる可能性が高まる

弁護士に依頼すると、離婚慰謝料の交渉が有利になります。

離婚慰謝料の請求には証拠が必要で、有効な証拠が多いほど、裁判でも有利に働きます。

弁護士は法律に精通しており、有効な証拠が何か、どのように集めるかといったアドバイスも可能です。

ほかにも、請求できる慰謝料額を試算してもらえたり、交渉や法的手続を代行してもらえたりするため、精神的負担を大きく軽減できます。

離婚後の生活に集中できるようになるので、問題が複雑なケースや高額な慰謝料を請求したい場合は、弁護士への相談が不可欠です。

2.財産分与や親権など離婚条件全体を進めてもらえる

弁護士は、慰謝料以外にも離婚に伴う以下のような問題を、あなたの利益が最大化するようサポートします。

  • 財産分与
  • 養育費
  • 親権
  • 面会交流 など

目の前の慰謝料だけでなく、離婚後の生活全体を豊かにするための設計図を描くことができます。

財産分与で絶対に渡したくない財産がある、養育費を十分にもらいたいなどの希望がある場合は、弁護士に相談しましょう。

3.慰謝料請求に有効な証拠の集め方のアドバイスがもらえる

離婚の理由によって、何が法的に有効な証拠となり、どのように集めればよいのかを、専門的な視点から的確なアドバイスを受けられます。

慰謝料請求は証拠の有無が重要ですが、独力で完璧な証拠を集めようとすると、違法行為をしてしまう可能性もあります。

DVのような身の危険がある場合は、証拠よりも安全の確保を優先しなければなりません。
弁護士に相談すると、証拠集めの方法や優先すべきことまでを詳しく教えてくれるため、安全かつ効果的な証拠収集が可能になります。

4.交渉や法的手続を代行してもらえる

相手との直接交渉や煩雑な書類作成、裁判所への出廷といった手続きは、精神的に大きな負担がかかります。

弁護士に依頼すると、離婚や慰謝料の請求に関する手続きを、あなたの代理人として弁護士に一任することが可能です。

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離婚の慰謝料に関するよくある質問

さいごに、離婚の慰謝料に関して、よくある質問とその回答をまとめました。

慰謝料は離婚後の生活にも関わる重要な問題ですので、正しい知識を身につけておくことが大切です。

気になる質問があればぜひ回答をチェックしてみてください。

Q. 離婚後でも慰謝料は請求できる?

たとえ離婚したあとでも、不法行為によって精神的苦痛を受けていたという事実があれば、慰謝料請求は可能です。

実際、婚姻中に不倫していたことがあとで発覚し、あとから慰謝料請求がおこなわれるようなケースも少なくありません。

しかし、離婚時に金銭面に関する取り決めを済ませていた場合や、すでに時効が完了している場合などは、慰謝料請求が認められない可能性があります。

離婚協議書の内容によって、慰謝料請求できるかどうかが変わるので、一度弁護士に相談するのがおすすめです。

Q. 離婚しない場合でも慰謝料の請求はできる?

配偶者の不貞行為や暴力、悪意の遺棄などが原因で慰謝料を請求することは可能です。

しかし、離婚をしていない場合、受け取れる慰謝料の額は低くなる傾向にあります。

離婚するほどではないということは、精神的苦痛が比較的少ないと判断されるためです。

また慰謝料が同じ家計から支払われるため、実質的な経済的利益を得られない可能性があります。

さらに、離婚せずに慰謝料を請求すると相手との関係が悪化し、家庭内でのストレスや負担が増すリスクもあります。

離婚せずに慰謝料を請求する際は、夫婦関係への影響を十分に考慮することが重要です。

Q. 離婚慰謝料以外に請求できるものはある?

離婚慰謝料以外にも、財産分与や子どもの養育費、年金分割、婚姻費用なども請求できます。

それぞれ別の請求権になるため、いずれかを請求したからといって、ほかが制限されるわけではありません。

離婚の際は、慰謝料だけでなく、財産分与や養育費なども請求しましょう。

Q. 相手の年収が低くても慰謝料は請求できる?

相手の年収が低くても、慰謝料の請求は可能です。

年収は精神的苦痛と直接関係するものではないので、慰謝料請求の可否や金額にも基本的に影響しません。

たとえ相手が無職だったり、借金があったりしても、慰謝料の請求をおこなえます。

ただし、回収できなければ請求する意味がないので、相手の年収が低い場合は支払能力が考慮されるケースが多いです。

分割払いになったり、総額が減額となる可能性があるということも把握しておきましょう。

Q. 離婚慰謝料に税金はかかる?

慰謝料に税金はかかりません。

慰謝料は、精神的な損害を補償する損害賠償金であり、受け取っても利益が生じるものではないためです。

ただし、金額が高すぎる場合や、慰謝料の名目で不動産を譲渡される場合などは、贈与税や譲渡所得税とみなされることがあります。

税金の問題は複雑なため、不動産や高額な慰謝料を受け取る場合は、弁護士に確認することが重要です。

Q. 不倫をしていた相手から慰謝料を請求されることはある?

配偶者と不倫をしていた相手から慰謝料請求されることは、ありません。

ただし、あなたが不倫相手の家に侵入した場合や、不倫相手のものを壊した場合などは、請求される可能性があります。

なお、配偶者が不倫相手に、既婚者であることを隠していた場合などは、不倫相手から配偶者に慰謝料請求される可能性もあります。

Q. 慰謝料を受け取ると財産分与で不利になることはある?

慰謝料の受け取りは、財産分与に影響しません。

慰謝料は、離婚の原因となった相手の行為による精神的苦痛への賠償金です。

一方で財産分与は、夫婦が協力して築いた財産を公平に分けることが目的で、慰謝料とは別に請求されるものです。

高額な慰謝料を受け取っても、財産分与に対する影響はなく、通常通り2分の1ずつ分けられます。

つまり慰謝料をもらったことによって、財産分与が減額されることはありません。

ただし、実際の交渉では慰謝料と財産分与をセットで考えることもよくあります。
弁護士に相談しながら、総合的な離婚条件について検討することが重要です。

さいごに|離婚の慰謝料を正しく理解してスムーズに離婚を進めよう

離婚慰謝料は、離婚によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償金です。

配偶者からDVやモラハラを受けていた、不貞行為があった、などの場合に、離婚慰謝料を請求できます。

適切な慰謝料金額を受け取り、後悔のない離婚を実現するためには、正しい知識と戦略的な証拠収集が不可欠です。

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この記事の監修者
万里一条法律事務所
石濱 嵩之 (東京弁護士会)
皆様に現状・将来像について具体的にイメージしていただけるよう、分かりやすく丁寧にご説明することを心がけております。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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