慰謝料請求で相手の住所がわからないときの調べ方3つと費用・注意点を解説
「不倫相手に慰謝料を請求したいのに、相手の住所がわからない」「そもそも、相手の住所を調べる方法なんてあるの?」
パートナーの不倫が発覚し、相手に責任を取らせたいと動き出したものの、相手の住所がわからずに手続きが止まってしまう。
そんな状況に悩んでいる方は少なくありません。
しかし、配偶者の不倫相手の住所がわからなくても、慰謝料請求をあきらめる必要はありません。
相手の住所は、合法的な方法で調べられる可能性が十分にあります。
この記事では、不倫相手の住所がわからない場合の住所の調べ方を、自分で調べる・探偵に依頼する・弁護士に依頼するの3つに分けて解説します。
それぞれの費用や注意点も取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
慰謝料請求には住所が必須|内容証明も訴状も住所なしでは送れない
不倫相手に慰謝料を請求したくても、相手の住所がわからなければ手続きを進められません。
慰謝料請求には、相手の正確な住所が必要だからです。
口頭やメールで請求する方法もありますが、相手に無視されやすく、法的な効力も弱いです。
言った・言わないの水掛け論になりやすく、後の交渉や訴訟で不利になります。
請求にきちんと効力を持たせるには、内容証明郵便の送付が基本です。
送付には、相手の氏名と住所が正確にわかっている必要があります。
裁判所に提出する訴状にも住所の記載欄があり、不明のままでは基本的に受理されません。
住所がわからないまま、とりあえず送ってみようと考えたくなるかもしれません。
しかし、慰謝料を請求したいなら、まず相手の住所を特定するところから始めましょう。
【比較表】慰謝料請求で住所がわからないときの調べ方3つ
相手の住所を調べる方法は、自分で調べる・探偵に依頼する・弁護士に依頼するの3つに分かれます。
まずは全体像を比較表で確認しましょう。
| 方法 | 確実性 | 費用目安 | こんな人向け |
| 自分で調べる | 低い | ほぼ無料 | まず手元にある手がかりを整理したい人 |
| 探偵に依頼する | 高い | 20万~50万円程度 | 住所調査と不倫の証拠収集を同時に進めたい人 |
| 弁護士に依頼する | 非常に高い | 着手金20~30万+報酬金 (獲得額の10~20%程度) |
住所調査から慰謝料請求まで一括で任せたい人 |
自分で調べる方法は費用こそかかりませんが、確実性が低く、後述するようにかえってリスクを招く場合もあります。
一方、探偵や弁護士といった専門家に依頼すれば、合法かつ確実な方法で相手の居場所を突き止めてもらえます。
それぞれの方法について、順に詳しくみていきましょう。
①自分で相手の住所を調べる方法【おすすめしません】
結論からいうと、自力での住所調査はおすすめできません。
確実性が低いうえに、やり方を誤ると、逆に相手から訴えられるリスクもあるためです。
手がかりが少しある場合に、補助的な情報整理として使う程度にとどめておきましょう。
相手本人・配偶者に直接聞く
相手が不倫を認めていて、慰謝料の支払いに応じる姿勢を見せているなら、本人に尋ねて住所を教えてもらえる場合もあります。
また、配偶者が離婚を避けたいと責任を感じているなら、そこから聞き出せるかもしれません。
ただし、一度警戒されると、その後の情報収集は一気に難しくなります。
問い詰めるような聞き方をすれば、相手は身構えて連絡を絶ってしまうかもしれません。
聞くのであれば感情的にならず、一度の機会で冷静に確認できるよう準備しておくことが大切です。
SNSや行動から手がかりを探す
相手のSNSのプロフィールや、位置情報付きの投稿が手がかりになる場合があります。
投稿に写り込んだ風景や店舗から、生活圏をある程度絞り込めるケースもあります。
ただし、SNSの情報だけで住所をピンポイントに特定できるケースはまれです。
手がかりは得られても、最終的には専門家による追加調査が必要になるのがほとんどです。
なお、配偶者のスマートフォンや車の履歴を無断で調べる方法もありますが、やり方によってはプライバシーの侵害などにあたるおそれがあります。
リスクを考えると、この段階で無理に慰謝料請求に踏み込むのは避けたほうがよいでしょう。
自力調査が逆効果になる3つのケース
自力での住所調査は、うまくいかないだけでなく、かえって事態を悪化させるおそれがあります。
代表的なのが次の3つのケースです。
ケース①:相手に気づかれて証拠を隠される
素人の尾行は気づかれやすく、警戒した相手が引っ越したりSNSを非公開にしたりすると、その後の調査が難しくなります。
ケース②:違法行為にあたり、逆に訴えられる
GPSの無断取り付け、配偶者のスマートフォンへの不正アクセス、過度な待ち伏せなどは、ストーカー規制法や不正アクセス禁止法に抵触するおそれがあります。
慰謝料を請求するはずが、逆に自分が損害賠償を請求される事態にもなりかねません。
ケース③:違法に集めた情報は証拠として使えない
違法な手段で集めた情報は裁判で証拠として認められない可能性もあり、かけた時間と労力が無駄になります。
②探偵に依頼して住所を調べる方法
探偵はプロの調査技術を駆使して、相手の居場所を特定してくれます。
相手の名前しかわからない状態でも、断片的な情報から調査を始められるケースも少なくありません。
不倫相手の住所を探偵に調べてもらう際は、あわせて不倫の証拠も収集してもらうのがおすすめです。
慰謝料請求では、相手が不倫していた事実を示す証拠が欠かせません。
証拠がないまま請求しても認められない可能性があるため、住所と証拠を同時に押さえておくと、慰謝料請求を有利に進められます。
尾行・聞き込みによる調査の流れ
探偵の主な調査手法は、尾行と聞き込みの2つです。
尾行では、相手の職場や自宅付近から後を追い、帰宅先を特定します。
また、相手の居住エリアがおおまかにわかっている場合は、周辺住民への聞き込みで具体的な住所まで絞り込む方法もとられます。
尾行や聞き込みは、相手に怪しまれないよう自然な形で進められるため、本人に気づかれずに住所を突き止められるのが、自力調査との大きな違いです。
探偵に依頼する際の費用目安|20万~50万円程度
探偵の費用は、調査にかかる時間によって大きく変わります。
浮気調査は調査員2名体制でおこなわれる場合が多く、時間単価は1時間あたり2万~3万円程度が一般的です。
これに調査日数が積み重なるため、費用に幅が出ます。
住所の特定だけであれば、比較的短期間で済み、20万~50万円程度が目安です。
一方、相手が身を隠していたり、不倫の証拠収集まで含めたりすると調査は長引き、浮気調査全体の費用相場は20万~150万円程度とされています。
費用は事務所ごとの料金体系(時間制・パック制・成功報酬制)によっても差が出ます。
依頼先を選ぶ際は、複数の事務所から見積もりを取り、料金体系が明確かどうかを確認しましょう。
あわせて、公安委員会への届出がある正規の業者を選ぶと安心です。
③弁護士に依頼して住所を調べる方法
弁護士には、一般の人や探偵には使えない、法律にもとづいた調査手段があります。
代表的なのが職務上請求と弁護士会照会の2つです。
いずれも公的な記録や情報をたどって住所を特定する正規の方法のため、尾行や聞き込みのように相手に気づかれる心配がなく、違法になるリスクもありません。
住所調査から、その後の慰謝料請求までを一括して任せられるのも、弁護士に依頼する大きな利点です。
住民票や戸籍の「職務上請求」で調べる
弁護士は、業務上必要な範囲で第三者の住民票や戸籍書類を取り寄せられる職務上請求を使えます。
相手の住民票がある市区町村さえわかっていれば、職務上請求をおこなって住民票の写しを取得できます。
また、相手の本籍地がわかっている場合は、戸籍の附票から現在の住所を確認することも可能です。
戸籍の附票には過去から現在までの住所の移り変わりが記録されているため、引っ越しを繰り返している相手の居場所も追いやすくなります。
携帯電話番号などから「弁護士会照会」で調べる
弁護士会照会(弁護士法23条の2)は、弁護士が依頼を受けた事件の調査のために、公的機関や民間企業へ情報の開示を求められる制度です。
たとえば、相手の携帯電話番号がわかっていれば、通信キャリアへの照会で住所を取得できる場合があります。勤務先がわかっていれば会社へ、車のナンバープレートがわかっていれば自動車検査登録事務所へ照会し、住所や所有者情報の開示を求める方法もあります。
ただし、照会先が個人情報保護を理由に開示を拒む場合もあり、必ず情報を取得できるとは限りません。
弁護士に依頼する際の費用目安|着手金20~30万+報酬金(獲得額の10~20%程度)
弁護士は、住所調査だけを単独で引き受けるケースは少なく、慰謝料請求の一環として住所調査もあわせておこなうのが一般的です。
慰謝料請求を依頼した場合の費用は、着手金が20~30万円程度、報酬金が獲得額の10~20%程度が目安です。
ただし、弁護士報酬は現在自由化されており、金額は事務所によって異なります。
正確な費用は、依頼前に見積もりで確認しましょう。
住所調査から請求までを一括で任せられる分、探偵に証拠収集を別途依頼するより、トータルで見ると効率的な場合もあります。
なお、どうしても住所調査だけを依頼したい場合は、探偵の利用を検討するのが現実的です。
住所がわからない慰謝料請求は弁護士に依頼すべき理由
住所調査の方法は3つありますが、慰謝料請求まで見据えるなら、弁護士への依頼がもっともおすすめです。
理由は3つあります。
理由①:住所調査から請求手続までワンストップで任せられる
探偵は住所を特定できても、交渉や訴訟には対応できません。
弁護士なら、住所の特定から内容証明の送付、示談交渉、訴訟提起までを一括して任せられます。
理由②:弁護士にしか使えない調査手段がある
職務上請求と弁護士会照会は、弁護士だけが使える制度です。
電話番号や車のナンバーから住所を合法的に調べる手段は、弁護士以外にはありません。
理由③:探偵と弁護士の両方に頼むと費用が重複する
探偵に住所調査を依頼すると20万円以上かかり、そのうえで弁護士に着手金を払うと、費用がさらに重なります。
最初から弁護士に頼めば、調査費用を別途かける必要がありません。
本気で慰謝料を請求したいなら、最初から弁護士に依頼するのが、もっともスムーズです。
不倫相手の住所調査から請求まで任せたいなら「ベンナビ離婚」
相手の住所がわからない状態からの慰謝料請求は、住所調査と請求手続の両方に対応できる弁護士に任せるのがスムーズです。
そこで役立つのが、離婚・不倫問題に注力する弁護士を探せるポータルサイト「ベンナビ離婚」です。
お住まいの地域と相談内容を選ぶだけで、慰謝料問題を取り扱う弁護士を簡単に探せます。
さらに、次のような条件で絞り込めます。
- 初回の面談相談無料
- 電話相談・オンライン相談に対応
- 休日の相談が可能
着手金無料や分割払いに対応する事務所も登録されているため、費用面のハードルも高くありません。
相手の住所がわからないと、慰謝料請求はそこで止まりがちです。
まずは話だけ聞いてほしいという段階でも構いません。
住所調査は早く動くほど相手の足取りもたどりやすいので、できるだけ早めに弁護士へ相談してみてください。
住所がわからない慰謝料請求についてよくある質問
相手の住所がわからない状況での慰謝料請求について、多くの方が抱く疑問をまとめました。
請求を進めるうえでの不安の解消に役立ててください。
Q. 相手の名前しかわからない場合でも調査できますか?
名前しかわからなくても、調査をあきらめる必要はありません。
弁護士会照会では、名前に生年月日などの補足情報を組み合わせて照会できる場合があります。
探偵への依頼も、おおよその年齢や職場などの断片的な情報から調査を始められます。
まずは無料相談などを利用して、弁護士か探偵に、手元にある情報で調査が可能か確認してみるとよいでしょう。
Q. 相手の勤務先しかわからない場合は、住所を調べずに請求できますか?
勤務先しかわからない場合、取りうる手段は2つあります。
ひとつは、勤務先を手がかりに住所を特定する方法です。
弁護士会照会で会社に住所の開示を求めるか、探偵が勤務先から相手を尾行して自宅を割り出します。
もうひとつは、住所を特定せずに勤務先へ直接請求する方法です。
裁判(訴訟)の手続きにおいては、相手の住所が不明な場合や住所への送達がうまくいかない場合、勤務先(就業場所)への送達が認められています(民事訴訟法103条2項)。
しかし、裁判前の任意交渉の段階で、個人で相手の勤務先へダイレクトに慰謝料請求などの書面を送ることは避けたほうが無難です。
たとえ封筒の書き方に配慮したとしても、勤務先に請求書を送ったこと自体を理由に、相手から名誉毀損やプライバシー権侵害として法的責任を追及されるリスクがあります。
相手の住所がわからず勤務先しか特定できない場合の対応については、思わぬトラブルを防ぐためにも、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。
Q. 相手から「住所を教えたくない」と言われたら?
そもそも相手には、住所を開示する法的な義務がありません。
拒否することは相手の自由ですが、住所を教えてもらえなくても、慰謝料請求をあきらめる必要はありません。
正当な請求の理由があれば、弁護士を通じた職務上請求や弁護士会照会で住所を調べられます。
相手が教えたがらない場合でも、これらの方法なら合法的に住所を特定できます。
Q. 住所調査だけを弁護士に依頼できますか?
多くの弁護士は、住所調査だけの依頼を受け付けていません。
慰謝料請求とセットで依頼するのが一般的です。弁護士が住所を調べるのに使う職務上請求や弁護士会照会が、依頼を受けた事件のために必要な範囲で認められている制度だからです。
慰謝料請求そのものを引き受けて初めて使える手段のため、調査だけを切り出して頼むのは難しい事情があります。
どうしても住所調査だけを依頼したい場合は、探偵への依頼が現実的です。
ただし、探偵が住所を特定したあとに改めて弁護士へ依頼する流れになり、費用が重複する点には注意が必要です。
Q. 調査しても住所がどうしても特定できない場合は?
住所がどうしても特定できないときは、公示送達という方法で訴訟を提起できます(民事訴訟法110条1項1号)。
住所不明の相手に対して、裁判所の掲示場に一定期間掲示すれば、書類が相手に届いたものとみなす制度です。
ただし、勝訴判決を得ても強制執行のためには相手の財産を特定しなければならず、住所不明のままでは実際の回収が難しいケースがあります。
公示送達はあくまで最終手段として捉え、まずは弁護士や探偵に調査を尽くしてもらうよう検討してください。
まとめ|住所がわからない慰謝料請求はまず弁護士に相談を
相手の住所がわからず、慰謝料請求が止まってしまっている方も、あきらめる必要はありません。
住所の調べ方にはいくつかの方法がありますが、慰謝料請求まで見据えるなら、調査から手続きまで一貫して任せられる弁護士への相談がおすすめです。
住所調査は、早く動くほど相手の足取りをたどりやすくなります。
まずは無料相談などを利用して、自分のケースで何ができるか、弁護士に確認するところから始めてみてください。
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