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寡婦とひとり親の違いは?控除の比較と申告方法をわかりやすく解説

寡婦とひとり親の違いは?控除の比較と申告方法をわかりやすく解説

「寡婦とひとり親って何が違うの?」「自分はどちらに当てはまるのだろう?」と悩んでいませんか?

寡婦控除とひとり親控除は、どちらも税負担を軽くする制度ですが、対象となる条件や控除額、適用の考え方には明確な違いがあります

現在はひとり親控除が優先されるケースが多いものの、自分の状況に応じて適切に選択・申告することが重要です。

そこで本記事では、寡婦とひとり親の違いをわかりやすく整理したうえで、それぞれの控除額や適用条件を比較します。

あわせて、年末調整や確定申告での具体的な申告方法についても解説しますので、税金の負担を抑えたい方はぜひ参考にしてください。 

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寡婦とひとり親の違いは?それぞれどんな控除を受けられる?

寡婦控除とひとり親控除は、どちらも離婚や死別などにより配偶者がいない方の税負担を軽減するための制度ですが、対象者や要件、控除額に明確な違いがあります

それぞれの違いについて、以下の表で確認してみましょう。

寡婦控除とひとり親控除の違い
  寡婦控除 ひとり親控除
婚姻歴・婚姻状態 夫と離婚・死別した女性で、かつ現在婚姻関係にないか、夫の生死が不明であること
(未婚者や事実婚者は対象外)
婚姻していないか、夫・妻の生死が不明であること
(未婚者は対象、事実婚者は対象外)
性別 女性のみ 問わない
扶養要件 離婚の場合に限り、扶養家族(親・祖父母・孫など)がいること
※死別の場合や夫の生死が不明である場合、扶養要件は問われない

生計を一にする子どもがおり、かつその子どもの総所得金額等が58万円以下(令和7年度までは48万円以下)であること

所得に関する制限 合計所得金額が500万円以下 合計所得金額が500万円以下
控除額 所得税:27万円
住民税:26万円
所得税:35万円
住民税:30万円

※所得税は令和8年分から、住民税は令和9年度分から拡充予定

まず寡婦控除は、夫と離婚または死別した女性で、現在婚姻していない人が対象です。

未婚の女性や事実婚の関係にある場合は原則として対象になりません。

離婚の場合には扶養親族(親・祖父母・孫など)がいることが必要で、合計所得金額が500万円以下であることも要件です。

控除額は、所得税で27万円、住民税で26万円となっています。

一方、ひとり親控除は婚姻歴や性別を問わず、現在婚姻していない人で、生計を一にする子どもがいる場合に適用されます。

寡婦控除との大きな違いは、未婚の親も対象になる点です。

子どもの総所得金額等が58万円以下(令和7年度までは48万円以下)であることが必要で、納税者本人の合計所得金額は500万円以下とされています。

控除額は、所得税で35万円(将来的に38万円へ拡充予定)、住民税で30万円(将来的に33万円へ拡充予定)と、寡婦控除よりも大きく設定されています。

寡婦控除とひとり親控除の併用はできない

寡婦控除とひとり親控除は、いずれも配偶者と離婚・死別した方などを対象とする所得控除ですが、同時に両方を受けることはできません。

仮に両方の要件に該当する場合でも、適用できるのはいずれか一方のみです。

実務上は、要件を満たす場合には控除額の大きいひとり親控除が優先されます。

寡婦控除の申告方法

寡婦控除は、要件を満たしていても自動的に適用されるわけではありません。

自分の働き方や所得の種類に応じて、適切な手続きをおこなう必要があります。

会社員などの給与所得者と、自営業者・フリーランスのように確定申告をおこなう人とでは、申告方法が異なるため注意が必要です。

ここでは、それぞれのケースごとに具体的な申告方法を解説します。

給与所得者の場合|年末調整で申請

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者は、通常、勤務先でおこなわれる年末調整によって寡婦控除の適用を受けます

手続きとしては、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入し、寡婦に該当する旨を申告すればOKです。

会社に提出した内容をもとに、勤務先が所得税額を再計算し、控除を反映させます。

なお、年の途中で離婚や死別があった場合でも、その年の12月31日時点の状況で要件を満たしていれば、年末調整で適用可能です。

ただし、申告書を提出していなかった場合や記載漏れがあった場合は、控除が反映されないことがあります。

その際は、あとから確定申告をおこなうことで修正できます。

自営業者・フリーランスなどの場合|確定申告で申請

自営業者やフリーランスなど、年末調整を受けない人は、確定申告によって寡婦控除を申請します。

確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の欄にある寡婦控除の項目に該当する金額を記入し、必要に応じて扶養親族の情報などもあわせて記載しましょう。

ただし、申告時点で要件を満たしているかどうかを確認し、合計所得金額が500万円以下であることや、扶養親族の状況などを整理しておくことが重要です。

なお、確定申告は原則として毎年2月16日から3月15日までにおこないます。

申告を忘れると控除が受けられないため、期限内に手続きを済ませるよう注意しましょう。

e-Taxを利用すれば、自宅からオンラインで申告することも可能です。

ひとり親控除の申告方法

ひとり親控除は、要件を満たすひとり親の人が所得税・住民税の負担を軽減できる制度です。

ただし、控除を受けるには必ず申告手続きをおこなう必要があります。

給与所得者であれば年末調整、自営業者・フリーランスであれば確定申告で申請します。

それぞれの働き方に応じた申告方法と注意点を解説します。

給与所得者の場合|年末調整で申請

給与所得者の場合は、勤務先でおこなう年末調整の際にひとり親控除の適用を申請します。

年末調整で提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、ひとり親控除の対象であることを明記しましょう。

配偶者と離婚または死別した事実や、扶養する子どもの情報を正しく書き込むことがポイントです。

年の途中で離婚した場合でも、その年の12月31日時点でひとり親の要件を満たしていれば適用されます。

申告書の記載漏れや提出忘れがあると控除を受けられないため、勤務先の総務担当者に相談しながら正確に記入することが大切です。

なお、既に年末調整が終わってしまった場合でも、あとから確定申告で控除を受け直すことが可能です。

自営業者・フリーランスなどの場合|確定申告で申請

自営業やフリーランスの方は、年末調整がないため、確定申告でひとり親控除を申請します。

確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の欄にあるひとり親控除の欄に、該当する控除額を記載しましょう。

また、申告書とともに、控除の根拠として離婚・死別を証明する書類や子どもの収入を確認できる書類の添付、提示が必要になるケースもあります。

確定申告の期間は原則として毎年2月16日~3月15日ですが、e-Tax(オンライン申告)を使えば自宅から提出できます。

期限を過ぎると控除を受けられないため、早めに準備を進め、要件に合致しているかどうかを確認しながら申告をおこなうことが大切です。

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寡婦控除を受けられるか判断に迷う主なポイント

寡婦控除は要件が細かく定められているため、「自分は本当に対象になるのか」と迷う人も少なくありません。

特に、離婚や死別のタイミング、扶養親族との同居・別居の状況、扶養親族の所得、年齢などは誤解しやすいポイントです。

ここでは、寡婦控除の適用について、判断に迷いやすい代表的なケースを取り上げ、どのように考えればよいのかを整理します。

離婚・死別・結婚した年は控除を受けられる?

寡婦控除は、その年の12月31日時点の状況で判定します。

そのため、年の途中で離婚や死別をし、年末時点で婚姻していない状態であれば、その年分から寡婦控除の対象です。

一方で、年の途中で再婚し、12月31日時点で婚姻関係にある場合は、その年は寡婦控除の対象になりません

扶養親族と別居していても控除を受けられる?

寡婦控除の要件となる扶養親族は、必ずしも同居している必要はありません

別居していても、「生計を一にしている」と認められれば対象になります。

たとえば、仕送りをしている親や、遠方で暮らす子どもなども、生計を一にしていると判断される場合があります。

ただし、単に親族であるだけでは足りず、生活費の負担状況など実態が重要です。

扶養親族の所得が要件を超えたらどうなる?

扶養親族には所得要件があり、一定額を超えると扶養親族として認められません

たとえば、子どもや親の収入が増えて所得制限を超えた場合、その年は扶養親族として扱われず、寡婦控除を受けられない可能性があります。

扶養親族の所得は、給与収入だけでなく、アルバイト収入や事業所得なども含めて判定されます。

毎年状況が変わる可能性があるため、前年と同じだから大丈夫と考えず、申告前に必ず所得額を確認することが重要です。

寡婦控除は65歳以上でも受けられるの?

寡婦控除に年齢制限はありません。

そのため、65歳以上であっても、要件を満たしていれば控除を受けることができます

過去には「特別の寡婦」などの区分がありましたが、現在は制度が整理され、年齢による区別は設けられていません。

高齢であっても、合計所得金額が500万円以下であることや、扶養親族の要件などを満たしていれば適用可能です。

結局のところ寡婦控除はいつまで受けられる?

寡婦控除は、「離婚や死別をした年だけ」に限定されるものではありません。

再婚せず、要件を満たし続けている限り、毎年適用を受けることができます。

ただし、再婚した場合や、扶養親族がいなくなった場合、所得が上限を超えた場合などは、その年から対象外になります。

毎年12月31日時点の状況で判断されるため、自分の生活状況や扶養関係の変化を定期的に確認しながら、適用可否を見直すことが大切です。

ひとり親控除を受けられるか判断に迷う主なポイント

ひとり親控除は比較的新しい制度であり、「自分は対象になるのか」「このケースでも適用できるのか」と迷うことが多い控除です。

特に、離婚や再婚のタイミング、養育費の扱い、子どもの年齢や収入状況などは誤解が生じやすいポイントです。

ここでは、実際によくある疑問を取り上げ、判断基準をわかりやすく整理します。

離婚・死別・結婚した年は控除を受けられる?

ひとり親控除も、寡婦控除と同様にその年の12月31日時点の状況で判定されます。

たとえば、年の途中で離婚や死別をし、年末時点で婚姻しておらず、かつ要件を満たす子どもがいれば、その年分からひとり親控除の対象になります。

一方で、年の途中で再婚し、12月31日時点で婚姻している場合は、その年はひとり親控除を受けられません

養育費を受け取っている場合も控除を受けられる?

元配偶者から養育費を受け取っている場合でも、ひとり親控除の適用自体が直ちに否定されるわけではありません。

養育費は原則として非課税とされており、子どもの所得には含まれません。

そのため、子どもの総所得金額が基準以下であれば、要件を満たす可能性があります。

子どもの所得が増えたらどうなる?

ひとり親控除では、生計を一にする子どもの総所得金額等が58万円以下(一定期間は48万円以下)であることが必要です。

子どもがアルバイトを始めて収入が増え、この基準を超えた場合、その年はひとり親控除の要件を満たさなくなる可能性があります。

特に、高校生や大学生の子どもが長期休暇中に多く働いた場合など、想定以上に所得が増えるケースもあります

給与収入の場合は給与所得控除後の金額で判定されるため、単純な収入額ではなく所得で確認することが重要です。

子どもと別居しているものの養育費を支払っている場合は?

子どもと別居している場合でも、「生計を一にしている」と認められれば、ひとり親控除の対象になる可能性があります。

ただし、単に養育費を支払っているだけでは足りず、実質的に生活を共にしているといえる関係であるかが判断基準になります。

たとえば、単身赴任や進学などで一時的に別居している場合は、生計を一にしていると認められることがあります

一方で、離婚後に子どもが元配偶者と暮らしており、自分は養育費のみを負担している場合は、要件を満たさない可能性が高いです。

具体的な状況によって判断が分かれるため、慎重な確認が必要です。

同一生計の子どもが大学生だったり18歳以上だったりしても控除を受けられる?

ひとり親控除では、子どもの年齢に上限は設けられていません

そのため、18歳以上であっても、大学生であっても、生計を一にしており、かつ所得要件を満たしていれば対象になります。

未成年であることは必須条件ではありません。

ただし、子どもが就職して一定以上の所得を得るようになれば、所得要件を超えて対象外になります。

さいごに|寡婦控除とひとり親控除の要件を確認しておこう

本記事では、寡婦控除とひとり親控除の違いや適用される要件、注意点などについて詳しく解説しました。

寡婦控除とひとり親控除は、似ているようで要件や控除額が異なります。

婚姻状況や子どもの有無、所得金額などを正しく確認しなければ、本来受けられるはずの控除を見逃してしまうおそれがあります。

特に、離婚したばかりの方は生活環境が大きく変わる時期だからこそ、税制上の支援制度を正しく活用することが大切です。

「自分はどちらに該当するのかわからない」「今後の生活設計も含めて相談したい」と感じている場合は、早めに専門家へ相談するのも一つの方法です。

ベンナビでは、離婚や養育費、親権などに詳しい弁護士を探すことができ、初回相談に対応している事務所もあります。

税金やお金の問題は、離婚後の生活を安定させるための重要なポイントです。

一人で悩まず、必要に応じて専門家の力を借りながら、自分と子どもにとって最適な選択をしていきましょう。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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