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離婚・別居で扶養義務はどうなる?離婚前後に請求できるお金の種類と請求のコツを解説

杉本 真樹
監修記事
離婚・別居で扶養義務はどうなる?離婚前後に請求できるお金の種類と請求のコツを解説
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  • 「離婚や別居をしても元配偶者を扶養する義務はあるのか」
  • 「両親が離婚している場合の扶養義務はどうなるのか」

離婚を検討している方や両親が離婚している方の中には、このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

夫婦や親子は、お互いに扶養義務を負っており、生活費や養育費など、必要に応じて金銭的なサポートをしなければなりません。

しかし、離婚をした場合の扶養義務は、親と子どもで扱いが異なるため注意が必要です。

本記事では、離婚・別居の際の扶養義務についてや離婚前後に請求できるお金、請求のコツを解説します。

最後まで読むことで、離婚とお金の問題で損をしないための知識が身につくでしょう。

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扶養義務とは?夫婦や親子がお互いを経済的に支える義務

扶養義務とは、夫婦や親子など、自分ひとりの力では生活が成り立たない親族を助ける義務のことを指します。

誰かが経済的に困窮している場合に、特定の関係にある親族がその生活を支えるべきという、社会のセーフティーネットのひとつと考えるとわかりやすいでしょう。

扶養義務は、関係性の深さによって以下のように義務の重さが分かれています。

生活保持義務 相手に対して、自分と同じレベルの生活ができるよう保障する非常に重い義務。
自分の生活レベルを下げてでも、相手の生活を支えなければならない。
例えば夫婦間での扶養や親が未成熟の子どもを扶養する場合などが該当する。
生活扶助義務 自分の生活に余裕がある範囲で、相手が最低限の生活が送れるように援助する義務。
生活保持義務とは異なり、自分の生活を切り詰めてまで援助する必要はない。
例えば成人した子どもが年老いた親を扶養する場合や、兄弟姉妹間での扶養がこれにあたる。

このように、扶養義務は発生する間柄によって責任の重さが大きく異なります。

離婚を検討する際は、自分が負う扶養義務がどちらに該当するのかを正しく理解しておく必要があります。

離婚に伴う扶養義務の問題点|誰と誰が扶養義務を負う?

離婚によって結婚生活が終わりを迎えるとき、それまで当たり前だった家族の関係性は大きく変わります。

特に、夫婦と親子とでは、扶養義務の扱いがまったく異なることを理解しておくことが大切です。

ここでは、夫婦間・親子間の義務が離婚によってどのように変わるかを具体的に見ていきましょう。

1.夫婦間の扶養義務|離婚後は消滅する

婚姻期間中、夫婦は民法752条に基づき、お互いに協力し助け合う義務を負っています。

これは、お互いが同程度の生活水準を維持できるよう支えあう「生活保持義務」にあたり、収入が多いほうが少ないほうを経済的に支えなければなりません。

しかし、離婚届が受理されて夫婦関係が解消されると、お互いを扶養する義務は消滅するのが原則です。

そのため、離婚後は生活が苦しいからといって、扶養義務を根拠に元配偶者に生活費を請求することは原則としてできません

ただし例外的に、扶養的財産分与として元配偶者への経済的支援が認められるケースがあります。

扶養的財産分与とは、高齢や病気、長年専業主婦(主夫)であったことなどを理由に、離婚後すぐに自立した生活を送ることが困難な配偶者を、もう一方の配偶者が支援するための制度です。

あくまでも財産分与の一環であり、期間を定めて補助的におこなわれるのが一般的です。

2.親子間の扶養義務|離婚後も継続する

夫婦同士の扶養義務は離婚によって解消されますが、親が子どもを扶養する義務は、両親が離婚しても変わることなく継続します。

これは、親権者であるかどうかにかかわらず、両方の親が等しく負う責任です。

親が子どもに対して負う扶養義務は、自分の生活を切り詰めてでも子どもに自分と同程度の生活を保障する「生活保持義務」にあたり、子どもが経済的に自立するまで続きます。

例えば、離婚後に母親が親権者として子どもを育てている場合でも、父親の子どもに対する扶養義務がなくなるわけではありません。

そして、子どもの扶養義務を具体的な形で果たすのが養育費です。

なお、親権者が再婚し、再婚相手が子どもと養子縁組をした場合は、再婚相手(養親)にも子どもを扶養する義務が発生します。

このようなケースでは、第一次的な扶養義務者は養親とされ、別居親の扶養義務は軽減または免除されることが多いですが、親子関係が続く限り、実の親としての責任が完全に消滅するわけではありません。

反対に、子どもが離婚した親を扶養する義務についても触れておきましょう。

両親が離婚していても、子どもには基本的に親を扶養する義務があります。

ただし、この扶養義務は親が子どもに対して負う義務とは異なり、「生活に余裕がある範囲内で親を助ければよい(生活扶助義務)」というものです。

離婚を機に会わなくなった別居親に対しても扶養の責任は負いますが、状況に応じて扶養義務の範囲が調整されることもあります。

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別居・離婚に伴って相手方に対して請求できる金銭の例

別居や離婚の際、法律で定められた扶養義務に基づいて、相手に生活費などを請求できる場合があります。

請求できる金銭は、離婚前と離婚後とで異なります。

離婚前であれば収入の少ないほうが多いほうへ婚姻費用を、離婚後であれば親権者が非親権者に対して養育費を請求可能です。

ここからは、離婚前・離婚後に請求できる金銭について、詳しく見ていきましょう。

1.離婚前|収入の多いほうへ婚姻費用を請求できる

離婚前なら、収入の少ないほうが多いほうに対して婚姻費用を請求できます。

婚姻費用とは、別居中の生活費のことです。

離婚に向けて別居を開始しても、法的に婚姻関係が続いている限り、夫婦はお互いの生活を支え合う協力扶助義務を負い続ける必要があるのです。

なお、婚姻費用は、請求したときから認められるのが一般的です。

相手の同意がない場合はさかのぼって請求できないのが原則なので、別居後はすぐに請求の意思を伝えたり、家庭裁判所に調停を申し立てたりするとよいでしょう。

なお、理由や状況にもよりますが、勝手に家を出て別居を開始した場合でも、通常は請求する権利が認められます。

婚姻費用を求める手続き「婚姻費用分担請求」の方法については、以下の記事を参考にしてください。

2.離婚後|非親権者に対して養育費を請求できる

離婚後は、夫婦間の協力扶助義務が消滅するため婚姻費用を請求できなくなります

しかし、夫婦の間に子どもがいる場合は、離婚後に子どもを監護・養育する親から非親権者に対して、養育費を請求できます。

養育費とは、親の子どもに対する扶養義務をお金という形で果たすもので、子どもの衣食住に関する費用のほか、教育費や医療費、お小遣いなどが含まれます。

支払い期間は当事者が話し合って決めますが、子どもが成人するまでや大学卒業までとされるケースが一般的です。

なお、「養育費はいらない」と合意してしまっても、子どもの利益に反する場合やあとから事情が変わったときなどは、請求できる可能性があります。

養育費の増額や支払いを続けてもらうための方法については、以下の記事を参考にしてください。

婚姻費用や養育費などを適切に受け取る3つのポイント

婚姻費用や養育費を適切に受け取るポイントは以下の3つです。

  1. 相手方の収入状況を適切に把握しておく
  2. 裁判所の調停手続きを積極的に活用する
  3. 離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する

婚姻費用や養育費を適切に受け取るためには、戦略的な準備が必要です。

感情的な対立や将来のトラブルを避け、離婚後の生活を安定させるために、上記のポイントを必ず押さえておくようにしましょう。

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

1.相手方の収入状況を適切に把握しておく

婚姻費用や養育費を適切に請求するためには、相手方の収入状況を把握しておくことが重要です。

婚姻費用や養育費の金額は、当事者双方の収入に基づいて算定されるのが原則です。

実際、家庭裁判所で使用されている養育費・婚姻費用算定表でも、父母の収入をもとに金額の目安が算出される仕組みになっています。

なお、収入を確認するための資料には、例えば以下のものがあります。

会社員の場合 ・給与明細
・預金通帳
・源泉徴収票
・所得証明書
自営業者の場合 ・確定申告書

なお、相手方が自営業者の場合は、青色申告特別控除など、実際には支出されていない税法上の控除項目を所得に加算して計算し直す必要があり、計算は非常に複雑です。

正確な収入を把握するためにも、弁護士に相談することをおすすめします。

もし相手方が収入に関する資料の開示を拒否するときは、弁護士会や裁判所を通じて開示を求める方法もあります。

このような場合も、まずは弁護士に相談してアドバイスをもらいましょう。

2.裁判所の調停手続きを積極的に活用する

当事者同士の話し合いで婚姻費用や養育費の合意が難しいときは、以下のような家庭裁判所の調停手続きを活用する方法があります。

婚姻費用の分担請求調停 夫婦間で婚姻費用の負担について話し合いがまとまらないときに、家庭裁判所に申し立て、収入や資産状況などをもとに金額・支払い方法などを話し合う手続き。
養育費請求調停 離婚後の子どもの養育費について夫婦間の話し合いがまとまらないときに、家庭裁判所に申し立て、収入状況や子どもの生活実態をもとに支払い額や期間を検討し、合意を目指す手続き。

調停では、裁判所の調停委員が中立の立場で間に入り、双方から事情を聴きながら法的な観点や算定表に基づいて解決案を提示してくれます。

調停でも話がまとまらないときは自動的に審判手続きに移行し、最終的には裁判官が一切の事情を考慮して金額を決定します。

調停の申立てには、申立書や収入を証明する資料などが必要です。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

3.離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼する

当事者同士での話し合いは感情的になりやすく、冷静な交渉は困難です。

また、調停や審判といった手続きは専門的な知識や手間、労力がかかるため、離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

  • 婚姻費用や養育費の適正な金額を算出してくれる
  • 相手方との交渉を一任できる
  • 調停や審判になった場合も代理人として対応してくれる
  • 離婚協議書や公正証書の作成をサポートしてくれる

離婚は、当事者や子どものその後の人生を左右する大きな決断です。

ひとりで抱え込まず、早い段階で弁護士に相談することが解決に至るための近道といえるでしょう。

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さいごに|ベンナビ離婚を活用して近くの弁護士に相談してみよう

本記事では、離婚・別居の際の扶養義務や離婚前後に請求できるお金の種類、請求のコツについて解説しました。

夫婦間の扶養義務は離婚によって消滅しますが、親子間の扶養義務は離婚後も継続します。

夫婦は、離婚前の別居時には婚姻費用、離婚後には養育費を相手に請求でき、適切に受け取るには相手の収入の把握や裁判所の調停手続き、専門家への相談が重要です。

離婚とお金の問題は、法律の専門知識はもちろん、状況に応じた判断が求められます

感情的な対立を避け、自分や子どもの未来を守るためにも、ひとりで抱え込まず早い段階で弁護士に相談しましょう。

最近では、多くの法律事務所が初回の相談を無料で受け付けています。

まずは気軽に専門家の意見を聞き、最善の道筋を見つけるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者
杉本法律事務所
杉本 真樹 (群馬弁護士会)
解決への道筋は一つではありませんので、いくつか選択肢をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、一緒に最良の選択肢を考えるように心がけております。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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