離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
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離婚をして子どもと離れて暮らすことになったら、養育費を支払う必要があります。
しかし、実際にどのくらい養育費を払えばよいのかわからない方は多いでしょう。
この記事では、養育費の相場、養育費の決め方、養育費に関する基礎知識について解説します。
養育費について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
養育費は、一般的にどのくらい支払うものなのでしょうか?
まずは、養育費の相場について解説します。
厚生労働省が令和3年にひとり親世帯を対象におこなった調査によると、養育費の平均は母子世帯の場合で50,485円、父子世帯の場合で26,992円です。
母子世帯のほうが約23,000円ほど多く養育費を受け取っている傾向があります。
母子世帯の平均年収は父子世帯に比べて200万円ほど少ないため、養育費が高額になるケースが多いといえるでしょう。
世帯の種類 |
養育費の相場 |
母子世帯 |
50,485円 |
父子世帯 |
26,992円 |
最高裁判所が令和3年度におこなった調査によると、父親から母子世帯に支払う養育費は「4万円以下」が最も多く、3割近くを占めています。
2番目に多いのは「6万円以下」、3番目に多いのは「8万円以下」でした。
一般的には、2〜3万円台の養育費を支払う父親が多いといえます。
【調停または審判による父から母への養育費の支払い額別の件数】
養育費の月額 |
件数(割合) |
1万円以下 |
466件(2.9%) |
2万円以下 |
1,341件(8.4%) |
4万円以下 |
5,206件(32.6%) |
6万円以下 |
3,901件(24.4%) |
8万円以下 |
2,101件(13.1%) |
10万円以下 |
1,198件(7.5%) |
10万円超 |
1,769件(11.1%) |
総数 |
1万5,986件 |
養育費の金額は、自分である程度算出することが可能です。
ここからは、養育費を算出するための方法を2つ紹介します。
1つ目は、養育費自動計算機を利用する方法です。
養育費自動計算機とは、Web上で養育費の目安を簡単に計算できるツールのことで、誰でも利用できます。
年収、職業、子どもの人数、居住地などを入力すると、1ヵ月あたりの養育費の目安が自動で算出されるので、目安を手っ取り早く知りたい方におすすめです。
次に紹介する養育費算定表では、子どもが4人以上いる場合の目安がわからないので、子どもがたくさんいる方も活用するとよいでしょう。
2つ目は、養育費算定表を基に算出する方法です。
養育費算定表とは、養育費の目安を算出できる表のことで、子どもの年齢や人数に応じて9つの表に分かれています。
具体的な見方は以下のとおりです。
【養育算定表の見方】
養育費算定表は、裁判所のホームページに掲載されています。
ただし、算定表の金額はあくまで目安です。
実際には個別の事情を考慮して決まるので、算定表で算出した金額の通りになるとは限らない点に注意しましょう。
養育費は、家族構成や親の収入によって異なることがわかりました。
ここからは、ケース別に養育費の金額の目安を紹介します。
厚生労働省の調査に基づき、権利者の年収を373万円と仮定して算出しています。
自分の状況に近いケースの養育費をチェックして、目安を決める際の参考にしてください。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
会社員の場合は子どもの年齢にかかわらず2〜4万円が目安ですが、自営業者の場合は15歳以上のほうが相場が高いといえます。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
親の職業や子どもの年齢にかかわらず、4万円〜6万円が相場といえるでしょう。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
子どもが15歳以上の場合のほうが、養育費の相場も高くなるといえるでしょう。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
いずれの場合でも、4万円〜6万円が目安といえるでしょう。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
基本的には6万〜8万円が目安ですが、親が会社員で子どもが2人とも0〜14歳の場合は4万〜6万円と低めです。
親が会社員の場合の相場は以下のとおりです。
一方、親が自営業者の場合の相場は以下のようになります。
8万円〜10万円が基本的な相場ですが、親が会社員で子どもが2人とも0〜14歳の場合は6万円〜8万円が目安といえます。
養育費算定表では、養育費の目安を把握することが可能です。
ただし、実際に支払う養育費の金額は、個別の事情も加味して決まります。
では、具体的にどのような事情が考慮されるのでしょうか?
ここからは、養育費を算定するうえで考慮される主な要素を紹介します。
1つ目は、子どもの年齢と人数です。
子どもの人数が多いほど子育てに多くの費用がかかるため、養育費も高くなります。
また、子どもが大きくなるにつれて学費が高額になるので、子どもの年齢も養育費を算定するうえで大切です。
子どもが0〜14歳か15歳以上かで養育費が変わり、15歳以上のほうが養育費は高額になります。
2つ目は、子どもの教育費や医療費です。
子どもが私立の学校に通っている場合、公立の学校に比べて学費がかかります。
また、子どもに持病がある場合は、通院や入院などで医療費が高くなるでしょう。
そのため養育費を決める際は、子どもの教育費や医療費がどのくらいかかるかを考慮することも大切です。
3つ目は、両親の年収です。
養育費算定表を見ると、表の縦軸が義務者の年収、横軸が権利者の年収となっています。
このことから、親の年収は養育費を決める際の大切な指標であることがわかるでしょう。
養育費は、義務者と権利者の年収の差が大きいほど高くなるのが一般的です。
義務者の年収が高く権利者の年収が低い場合は養育費が高くなり、義務者の年収が低く権利者の年収が高い場合は低くなります。
4つ目は、義務者の学歴です。
義務者には、子どもにも自分と同等以上のレベルの生活をさせる義務があります。
義務者が質の高い教育を受けていて生活も豊かな場合、自分だけがこれまでと同じ水準の生活を続けるのは不平等です。
そのため、義務者の学歴が高い場合は養育費が高くなる傾向があります。
養育費をいくらにするべきかは、まずは夫婦間の話し合いで決めます。
話し合いによってお互いが納得できる金額が決まれば、その金額を支払えばOKです。
話し合いがうまくまとまらなかった場合は、調停手続きをおこないます。
調停では、調停員が夫と妻それぞれの話を聞いたうえで解決案を出してくれ、それで合意できれば解決です。
しかし、調停でも合意できなかった場合は、自動的に審判手続きがおこなわれます。
審判では、裁判官が夫婦それぞれの話を聴取し、養育費の金額を決定します。
これで双方が納得をすれば審判確定となり、親権(あるいは監護権)をもたない親は法的な支払い義務を負うことになります。
離婚後における養育費の不払いは、深刻な問題です。
以下、養育費の不払いを防ぐためのいくつかのコツをご紹介します。
夫婦間での話し合いで養育費を決めた場合、口頭での約束であるケースが見られます。
これだと証拠として残らないため、後にトラブルになる可能性があります。
必ず書面に残すようにしましょう。
ただ書面に残すよりも効力が強いのが公正証書です。
公正証書は、裁判所の判決と同等の効力を持つ文書になります。
養育費の支払いが滞った場合、公正証書に基づいて強制執行をおこなうことができます。
養育費専用の口座を用意することも有効な手段です。
家計費と混同することを防ぎ、支払状況を把握しやすくなります。
養育費の支払い状況について、定期的に相手方と連絡を取り合いましょう。
問題があれば、早めに話し合いで解決することが重要です。
養育費の支払いについて話し合いがまとまらない場合や、相手方から支払いが滞った場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。
弁護士は、法的措置を含めたさまざまなアドバイスをすることができます。
養育費の相場について、もう少し詳しく知りたいと思っている方もいるでしょう。
ここからは、養育費に関するよくある質問をまとめているので、気になる方はぜひチェックしてください。
養育費の算定に住宅ローンが考慮されるかは「誰の住宅ローンを支払っているか」で異なります。
義務者が権利者の住宅ローンを支払っている場合は、養育費を下げることが可能です。
一方、義務者が自分自身の住宅ローンを支払っている場合は養育費を下げることはできません。
義務者が自分の住宅ローンを支払っていたところで、権利者側の住居費の負担は減らないためです。
離婚後の養育費の支払い期間は、原則として子どもが経済的に自立するまでとされています。
経済的に自立するとは、一般的には20歳とされていますが、必ずしも20歳で支払いが終了するわけではありません。
以下のような場合、20歳を超えても養育費の支払いが義務付けられる可能性があります。
養育費の支払い期間は、夫婦の合意によって自由に決めることができます。
ただし、合意内容が子どもの利益を著しく害する場合は、裁判所によって変更される可能性があります。
養育費は、夫婦間の話し合いによって円滑に決まるのがベストです。
しかし、場合によっては合意がなかなか成立しないこともあります。
話し合いがうまくいかないときは、弁護士に相談するのがおすすめです。
相手との交渉を依頼できるうえ、養育費に関するトラブルの対処法についてアドバイスを受けることもできます。
養育費に関して少しでも不安や悩みがあるなら、弁護士に相談してみましょう
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