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養育費の相場はいくら?年収・子ども人数別の早見表と計算方法を解説

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離婚を進めている方の中には、「子どもの養育費はいくらが妥当なの?」と疑問を持つ方は多いです。

結論から言うと、支払う側の年収・子どもの人数・年齢の3つで大きく変わります。裁判所が公表する算定表を使えば、おおよその目安はすぐに確認できます。

ただし、算定表にも使えないケースや落とし穴があります。「相場より低い金額で合意してしまった」とならないよう、正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、実際の受取額データや年収別の早見表、算定表を使わない計算方法まで詳しく解説します。

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目次

養育費の相場はいくら?実際の受取額を紹介

養育費の妥当な金額は、裁判所の算定表で確認できます。ただし、実際に受け取っている金額は家庭の状況によってさまざまです。

厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、実際に養育費を受け取っている世帯の平均月額は以下のとおりです。

子どもの人数 平均受取額(月額)
1人 約4万468円
2人 約5万7,954円
3人 約8万7,300円

注意したいのは、このデータが「実際に養育費を受け取っている世帯」の平均という点です。

養育費を一度も受け取ったことがない、あるいは途中で支払いが止まったというケースも少なくありません。

相場として参考にしつつ、きちんと取り決めをしておくことが重要です。

養育費は4つの要素を考慮して算定される

養育費の金額は、基本的に父母の話し合いで決まります。

ただし、話し合いの際には以下4つの要素が考慮されます。

  • 子どもの人数
  • 子どもの年齢
  • 両親の収入・職業
  • 個別事情(子どもの持病による医療費など)

なかでも重要なのが、両親それぞれの収入です。養育費を支払う側の収入が高いほど養育費も高くなる傾向があります。

個別事情については、子どもに持病があって医療費がかさむケースなど、標準的な生活費を超える支出がある場合に考慮されます。

実際の金額は養育費算定表を参考にして決める

養育費の具体的な金額を決める際に広く使われているのが、裁判所が公表する養育費算定表です。全国の実務で標準的に利用されています。

使い方はシンプルです。権利者(受け取る側)と義務者(支払う側)の年収を縦軸・横軸に当てはめると、交差点が標準額の目安になります。

算定表は子どもの人数・年齢別に複数用意されているため、自分のケースに該当するものを参照してください。

話し合いがまとまらない場合は、最終的に裁判所が算定表をもとに金額を決定します。当事者間で折り合いがつかないときは、早めに弁護士へ相談するのがおすすめです。

【2026年4月施行】共同親権制度で養育費はどう変わる?

2026年4月、離婚後の親権制度が大きく変わります。養育費への影響を正しく理解しておきましょう。

現行法では、離婚後は父母のいずれか一方だけが親権者となる単独親権が原則です。改正後は、離婚後も父母双方が親権者となる共同親権を選択できるようになります。

ただし、養育費の分担という基本的な考え方に変更はないので、養育費算定表も基本的にそのまま利用できます。

一方で、いくつか変更点がある可能性もあります。具体的には次のとおりです。

項目 概要 主なメリット
法定養育費の導入 離婚時に具体的な取り決めがなくても、定められた基準額を請求できる 取り決めをせずに離婚した場合でも、子どもの生活費を確保しやすい
先取特権の付与 養育費の債権に先取特権が認められ、借金などの支払いよりも優先される 支払いが滞った際、相手の給与や預貯金から優先的かつ強制的に回収しやすい
共同養育の反映 両親が共に育児に関わる場合、費用分担を算定額に反映させる 実情に即した公平な費用負担が可能になり、双方の納得感が高まりやすい
請求方法への影響 離婚届の提出時や家裁の手続きで、確実に確保される仕組みを強化する 面会交流などと併せて、離婚後も子どもを支え続ける環境が整いやすい

法改正は、離婚を検討中の方にとって無視できない変化です。

自分のケースへの影響については、弁護士に相談して確認することをおすすめします。

子どもの年齢が上がると養育費も高額になる傾向がある

養育費の計算には、生活費指数という数値が使われます。この指数が、子どもの年齢によって異なるのがポイントです。

親を100とした場合、生活費指数は以下のように設定されています。

  • 子どもの年齢が14歳以下である場合の生活費指数:62
  • 子どもの年齢が15歳以上である場合の生活費指数:85

15歳以上の指数が高いのは、年齢が上がるにつれて衣食住の生活費が増えるためです。

具体的な金額で見てみましょう。父親の年収500万円、母親の年収130万円、子ども1人のケースで比較すると以下のとおりです。

  • 子どもの年齢が14歳以下である場合の養育費の相場:約5万2,000円
  • 子どもの年齢が15歳以上である場合の養育費の相場: 約6万3,000円

たった1歳の差で、月額1万1,000円の開きが生まれます。

さらに、一般的に支払う側(多くの場合は父親)の収入は、勤務年数に応じて上がっていく傾向があります。

子どもの年齢が上がるほど、支払う側の基礎収入も増えていることが多いため、養育費はさらに高くなる可能性があるでしょう。

【年収・子ども人数別】養育費の相場早見表・具体的な計算シミュレーション

支払う側の年収と子どもの状況別に、養育費の相場をまとめました。

自分のケースに近い年収の表を参考にしてください。

年収300万円の場合

まずは、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が300万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費は、以下のとおりです。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 4~6万円 4~6万円
15歳以上 4~6万円 6~8万円
2人 いずれも0~14歳 4~6万円 6~8万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 6~8万円 8~10万円
いずれも15歳以上 6~8万円 8~10万円
3人 いずれも0~14歳 6~8万円 8~10万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 6~8万円 10~12万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 6~8万円 10~12万円
いずれも15歳以上 6~8万円 10~12万円

年収400万円の場合

以下は、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が400万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費は、次のとおりです。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 4~6万円 6~8万円
15歳以上 6~8万円 8~10万円
2人 いずれも0~14歳 6~8万円 10~12万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 8~10万円 10~12万円
いずれも15歳以上 8~10万円 10~12万円
3人 いずれも0~14歳 8~10万円 10~12万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 8~10万円 12~14万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 8~10万円 12~14万円
いずれも15歳以上 10~12万円 12~14万円

年収500万円の場合

続いて、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が500万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費は、以下のとおりです。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 6~8万円 8~10万円
15歳以上 8~10万円 10~12万円
2人 いずれも0~14歳 8~10万円 12~14万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 10~12万円 12~14万円
いずれも15歳以上 10~12万円 14~16万円
3人 いずれも0~14歳 10~12万円 14~16万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 10~12万円 14~16万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 12~14万円 16~18万円
いずれも15歳以上 12~14万円 16~18万円

年収600万円の場合

以下は、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が600万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費です。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 6~8万円 10~12万円
15歳以上 8~10万円 12~14万円
2人 いずれも0~14歳 10~12万円 14~16万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 12~14万円 14~16万円
いずれも15歳以上 12~14万円 16~18万円
3人 いずれも0~14歳 12~14万円 16~18万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 14~16万円 18~20万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 14~16万円 18~20万円
いずれも15歳以上 14~16万円 18~20万円

年収700万円の場合

次に、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が700万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費は、以下のとおりです。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 8~10万円 10~12万円
15歳以上 10~12万円 14~16万円
2人 いずれも0~14歳 12~14万円 16~18万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 14~16万円 18~20万円
いずれも15歳以上 14~16万円 18~20万円
3人 いずれも0~14歳 14~16万円 20~22万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 16~18万円 20~22万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 16~18万円 20~22万円
いずれも15歳以上 16~18万円 22~24万円

年収800万円の場合

続いて、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が800万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費を紹介します。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 10~12万円 12~14万円
15歳以上 12~14万円 16~18万円
2人 いずれも0~14歳 14~16万円 18~20万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 14~16万円 20~22万円
いずれも15歳以上 16~18万円 22~24万円
3人 いずれも0~14歳 16~18万円 22~24万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 18~20万円 22~24万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 18~20万円 24~26万円
いずれも15歳以上 18~20万円 24~26万円

年収900万円の場合

次に解説するのは、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が900万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費です。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 10~12万円 14~16万円
15歳以上 12~14万円 18~20万円
2人 いずれも0~14歳 16~18万円 22~24万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 16~18万円 22~24万円
いずれも15歳以上 18~20万円 24~26万円
3人 いずれも0~14歳 18~20万円 24~26万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 20~22万円 26~28万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 20~22万円 26~28万円
いずれも15歳以上 20~22万円 28~30万円

年収1,000万円の場合

続いて、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が1,000万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費を紹介します。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 12~14万円 16~18万円
15歳以上 14~16万円 18~20万円
2人 いずれも0~14歳 18~20万円 22~24万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 18~20万円 24~26万円
いずれも15歳以上 20~22万円 26~28万円
3人 いずれも0~14歳 20~22万円 26~28万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 22~24万円 28~30万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 22~24万円 28~30万円
いずれも15歳以上 24~26万円 30~32万円

年収1,500万円の場合

次に、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が1,500万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費を解説します。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 18~20万円 22~24万円
15歳以上 22~24万円 26~28万円
2人 いずれも0~14歳 26~28万円 32~34万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 28~30万円 36~38万円
いずれも15歳以上 30~32万円 38~40万円
3人 いずれも0~14歳 30~32万円 38~40万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 32~34万円 40~42万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 32~34万円 42~44万円
いずれも15歳以上 34~36万円 42~44万円

年収2,000万円の場合

最後に、養育費を支払う側である父親の年収(自営業者の場合は所得金額)が2,000万円、養育費をもらう側である母親の年収が0円の場合の養育費を解説します。

子どもの人数・年齢 養育費の相場
給与所得者 自営業者
1人 0~14歳 22~24万円 22~24万円
15歳以上 28~30万円 28~30万円
2人 いずれも0~14歳 34~36万円 34~36万円
第1子15歳以上、第2子0~14歳 36~38万円 36~38万円
いずれも15歳以上 38~40万円 38~40万円
3人 いずれも0~14歳 40~42万円 40~42万円
第1子15歳以上、第2子・第3子0~14歳 42~44万円 42~44万円
第1子・第2子15歳以上、第3子0~14歳 42~46万円 42~46万円
いずれも15歳以上 44~46万円 44~46万円

養育費が相場より高くなるケースとは?増額できる3つの要素

算定表はあくまで目安なので、状況によっては相場より高い養育費を受け取れる可能性があります。

ここでは、増額が認められやすい3つの要素を確認しておきましょう。

①当事者間で合意できる場合

調停や審判では算定表が基準となりますが、当事者間の合意があれば相場を上回る金額を設定することも可能です。

話し合いで相場より高い金額に合意できた場合、その取り決めは有効です。ただし、口約束だけでは将来の不払いリスクがあります。

裁判外の話し合いで決定した場合は、必ず合意書を作成しておくことが重要です。万が一、支払いが止まったときでも、裁判なしで強制執行を進める材料になるでしょう。

②教育費が高額になる場合

算定表は、公立学校の標準的な費用を前提に作られています。

そのため、教育費が標準を大きく上回るケースでは増額が認められる可能性があります。

増額が認められやすい主な事情は、以下のとおりです。

  • 私立学校への通学
  • 大学進学の予定
  • 学習塾への通塾
  • 海外留学の予定 など

離婚時に子どもの進学先が決まっている場合は、教育費の分担についても明確に取り決めておくことが重要です。

③医療費が高額になる場合

算定表は、健康な子どもの標準的な医療費を前提としています。原則として、日常的な擦り傷や風邪薬程度では増額は認められません。

一方で、以下のようなケースでは増額が認められる可能性があるでしょう。

  • 難病による定期通院が必要な場合
  • 大きな怪我による入院・手術費用が発生した場合 など

子どもに持病がある場合は、離婚時に医療費の分担ルールをあわせて取り決めておけば、後々のトラブルを防げます。

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養育費の取り決めで公正証書を作成するメリット

養育費の取り決めをしたら、必ず公正証書を作成しておくことをおすすめします。

公正証書の中でも、強制執行認諾文言付きのものを作成するのが理想です。

万が一支払いが止まった際に、裁判を起こすことなく即座に相手の給与・財産の差し押さえが可能です。

通常、未払いが発生した場合は訴訟を経てから強制執行という流れになります。この手続きには時間も費用もかかりますが、公正証書があればそのプロセスを全て省略できるのが最大のメリットです。

公正証書を作成するメリットは、強制執行だけではありません。

  • 高い証拠力で「言った・言わない」のトラブルを防げる
  • 公証役場に原本が保存されるため、紛失リスクがない
  • 取り決めの内容が明確になり、双方の認識のズレを防げる

養育費の未払いは決して珍しくありません。口約束や簡単なメモだけで済ませてしまうと、後になって泣き寝入りするおそれがあるでしょう。

取り決めの段階で公正証書を作成しておくことが、子どもの将来を守る確実な手段といえます。

養育費算定表を使う際の5つの注意点

算定表は全国の実務で広く使われている便利なツールです。

ただし、全てのケースに対応しているわけではありません。「算定表を使って計算したら、実は適用外だった」というケースもゼロではないので注意が必要です。

次の注意点に該当する場合は、別途計算が必要になるので事前に確認しておきましょう。

①年収が上限を超える場合は利用できない

算定表には、利用できる年収の上限が設けられています。

区分 義務者(支払う側) 権利者(受け取る側)
給与所得者 2,000万円 1,000万円
自営業者 1,567万円 763万円

上限を超える場合、算定表をそのまま当てはめることはできません。上限額の養育費がそのまま適用されるわけではないので注意が必要です。

高収入のケースでは、子どもの生活水準や双方の収入状況を踏まえた個別の計算が必要になります。

そのため、弁護士に相談し、適正な金額を算出してもらうのがおすすめです。

②子どもが4人以上の場合は利用できない

算定表が対応しているのは、子どもが3人以下のケースに限られます。

4人以上の場合は算定表を使えないため、一から個別に計算しなければならないので注意が必要です。子どもの人数が多いほど計算が複雑になり、自力での算出はかなり難易度が上がります。

そのため、このケースに該当する場合は早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

③子どもの親権者が分かれる場合は利用できない

算定表は、全ての子どもの親権者が同一であることを前提に作られています。

たとえば、長男は父親・次男は母親が親権者というケースでは、算定表は使用できないので注意が必要です。

それぞれの子どもについて、どちらが養育費を受け取り、いくら支払うのかを個別に計算する必要があります。

共同親権制度の導入後は、こうしたケースが増える可能性もあるでしょう。親権者が分かれる場合は、特に弁護士への相談を検討するのがおすすめです。

④給与収入と自営収入の両方がある場合は計算方法が異なる

給与収入と自営収入の両方がある場合は、いずれかの収入をもう一方に換算してから合算する必要があります。

たとえば、給与収入500万円・自営収入203万円のケースでは、自営収入203万円を給与換算すると275万円になります。合計775万円として計算する流れです。

ただし、換算の方法は一通りではなく、状況によって結果が変わることもあります。

あくまで簡易的な方法のため、正確な計算については弁護士への確認をおすすめします。

⑤私立学校進学費用などの特別費用は算定表に含まれない

算定表に含まれるのは、平均的な生活費と公立高校までの学費です。

以下の費用は、算定表の範囲外となります。

  • 私立学校の進学費用
  • 習い事の費用
  • 突発的な医療費

これらは、特別費用として別途取り決めが必要です。

特に注意したいのは、離婚後に子どもが私立学校への進学を希望したときです。離婚時に取り決めていなければ、費用の分担をめぐってトラブルになるケースがあります。

子どもの将来の教育方針も見据えながら、離婚時に特別費用の分担ルールもあわせて合意しておくことが重要です。

【3ステップ】養育費算定表を使わずに計算する方法

算定表が使えないケースやより正確な金額を把握したい場合は、計算式を使えば自分で算出できます。

一見複雑に見えますが、手順を正しく踏んでいけば理解できるのでご安心ください。

具体的な数字を使いながら確認していきましょう。

STEP1:義務者と権利者の基礎収入を求める

まずは、双方の基礎収入を算出します。

基礎収入とは、総収入から公租公課・就労費用・住居関係費などを差し引いた金額のことです。実際の手取り額とは異なるので注意しましょう。

計算方法はシンプルで、総収入に基礎収入割合を掛けるだけです。基礎収入割合は収入額によって変動します。

自営業者のほうが割合が高いのは、すでに経費を差し引いた後の収入を前提としているからです。

区分 基礎収入割合 備考
給与所得者 38〜54% 額面収入に応じて変動する
自営業者 48〜61% 確定申告書上の所得金額などに応じて変動する
計算例
  • 義務者:年収600万円(給与)→ 基礎収入割合41% → 基礎収入 246万円
  • 権利者:年収200万円(給与)→ 基礎収入割合43% → 基礎収入 86万円

STEP2:子の生活費を求める

次に、子どもの生活費を算出します。計算式は以下のとおりです。

子の生活費 = 義務者の基礎収入 × 子の生活費指数の合計 ÷(100 + 子の生活費指数の合計)

この式に登場する生活費指数は、親の生活費を100としたときの子どもの生活費の割合を示した数値です。14歳以下が62、15歳以上が85と定められています。

15歳以上の指数が高いのは、進学や部活動など、年齢が上がるにつれて生活費が増える傾向があるためです。

子どもが複数いる場合は、それぞれの指数を合計して計算します。

計算例
  • 義務者の基礎収入:246万円
  • 子ども1人(14歳以下):生活費指数62
  • 246万円 × 62 ÷(100 + 62)= 約94万1,481円

STEP3:養育費の金額を計算する

最後に、算出した子の生活費をもとに養育費の金額を求めます。

養育費(年額)= 子の生活費 × 義務者の基礎収入 ÷(義務者の基礎収入 + 権利者の基礎収入)

この計算式のポイントは、子の生活費を双方の基礎収入に応じて按分している点です。収入が多い側がより多くの費用を負担するという考え方が反映されています。

計算例
  • 子の生活費:94万1,481円
  • 義務者の基礎収入:246万円
  • 権利者の基礎収入:86万円
  • 94万1,481円 × 246万円 ÷(246万円 + 86万円)= 年額約69万7,603円

月額に換算すると、約5万8,134円となります。

なお、この計算はあくまで基本的な方法です。子どもに持病がある、私立学校に通っているなど個別事情がある場合は、金額が変わる可能性があります。

計算結果に不安がある場合は、弁護士に確認することをおすすめします。

話し合いができない場合は弁護士に交渉を依頼するのがおすすめ

養育費の相場は、算定表を使えばある程度の目安を把握できます。

ただし、相手と話し合いができない・話し合いが平行線をたどっているという場合は、弁護士への依頼が有効です。

弁護士に依頼する最大のメリットは、相手との交渉を全て任せられることです。精神的な負担を大幅に減らしながら、適正な金額での早期解決が期待できるでしょう。

また、弁護士は交渉だけでなく、以下の手続きも一括して対応してくれます。

  • 強制執行が可能な公正証書の作成
  • 話し合いがまとまらない場合の調停申し立て
  • 調停でも解決しない場合の審判・裁判への対応

離婚協議中は感情的になりやすく、冷静な判断が難しい場面も多いです。弁護士を間に挟めば、交渉がスムーズに進むケースは少なくありません。

「まだ話し合いの余地があるかもしれない」という段階でも、早めに相談しておけば選択肢が広がるでしょう。

養育費の計算・請求を弁護士に相談するメリット

養育費に関して弁護士に相談すれば、以下のようなメリットが得られます。

  • 養育費の金額を正しく計算してもらえる
  • 相手との協議や法的手続きへの対応を一任できる
  • 適正額の養育費を十分に得られる可能性が高まる
  • 手続きにかかる労力・精神的な負担を大幅に軽減できる

特に、相手が養育費の支払いを渋っていたり、収入を低く申告しようとしていたりするケースでは、弁護士のサポートが大きな力を発揮するでしょう。

夫婦間の話し合いがまとまりそうにない場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

時間が経つほど交渉が難しくなるケースもあるので、早めに動き出すことが重要です。

養育費の相場に関するよくある質問

最後に、養育費の相場についてよく寄せられる疑問をまとめました。

自分のケースに当てはまるものを確認してみてください。

Q.養育費を一括請求する場合の相場はいくら?

一括請求の金額は、以下の計算式で求められます。

月額 × 12ヵ月 × 支払終期までの残りの年数

ただし、一括で受け取る場合は総額から中間利息を差し引く必要があります。将来受け取るはずのお金を前倒しで受け取る分、その利息相当額を控除するためです。

また、受け取る金額によっては贈与税が発生する可能性があります。一括請求自体は合意があれば可能ですが、利息控除や税金の問題が生じるので、安易に選択するのは避けたほうが無難です。

一括請求を検討している場合は、事前に弁護士や税理士へ相談することをおすすめします。

Q.支払う側に借金がある場合の養育費相場は?

原則として、借金があっても養育費の計算は算定表どおりです。

借金の返済は、養育費の免除・減額理由にはなりません。子どもの養育費は、親の借金事情に左右されるものではないという考え方が基本です。

ただし、借金の返済で生活が成り立たないほどの特別な事情がある場合は、例外的に相場より低額になる可能性があります。相手が「借金があるから払えない」と主張してきても、安易に応じる必要はありません。

まずは弁護士に相談のうえ、適切な対応を取ることが重要です。

Q.浮気・不倫が原因で離婚する場合の養育費相場は?

浮気・不倫が原因の離婚であっても、養育費の計算は算定表どおりです。

理由は明確で、浮気・不倫はあくまで夫婦間のトラブルであり、子どもの養育費とは別の問題として扱われるためです。

浮気・不倫による金銭的な解決は、慰謝料請求で対応するのが一般的です。

養育費と慰謝料は別の問題として、それぞれ適切に取り決めをおこなうことが重要です。

まとめ

養育費の相場は、支払う側の年収・子どもの人数・年齢によって大きく異なります。

裁判所が公表する養育費算定表を使えば、おおよその目安を把握できるでしょう。

養育費は子どもの生活を支える大切なお金です。「相場より低い金額で合意してしまった」「取り決めをしないまま離婚してしまった」というケースも少なくありません。

少しでも不安や疑問がある場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

弁護士から適切なサポートを受ければ、子どもの将来をしっかりと守れるでしょう。

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この記事の監修者
東日本総合法律会計事務所
加藤 惇 (第一東京弁護士会)
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