【不倫問題】共同不貞行為の慰謝料請求はどうなる?基本のルールやポイントなどを解説
不倫は共同不法行為なので、配偶者と不貞相手の2人に対して慰謝料の請求が可能です。
とはいえ、「具体的にどのように請求をすればよいの?」「いくらくらい請求できるの?」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。
そこで本記事では、共同不法行為の慰謝料請求について、基本のルールやポイントなどを解説します。
きちんとした手続きを経て、正当な金額の不倫慰謝料を請求したいという方は、ぜひ参考にしてください。
不倫は共同不法行為になる!基本的な意味を理解しよう
共同不法行為とは、複数の人が関わって他人に損害を与える行為のことを指します。
不倫の場合で考えると、不倫した夫(妻)と不倫相手の2人によって、もう一方の配偶者が精神的苦痛という損害を受けることになります。
そのため、不倫は加害者が2人いる共同不法行為にあたるというわけです。
不倫(共同不法行為)で慰謝料請求をする際の3つのルール
では、不倫(共同不法行為)で慰謝料請求をする際、どのようなルールがあるのでしょうか。
ここからは、慰謝料の請求前に理解しておくべき3つのルールを解説します。
1.不倫した2人に対して請求できる
不倫の被害者は、共同不法行為をおこなった2人に対して慰謝料を請求できます。
民法第719号では、共同不法行為について以下のように定められています。
(共同不法行為者の責任)
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 行為者を教唆した者及び幇ほう助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
引用元:民法第719号
民法に定められているとおり、共同不法行為をおこなった当事者は連帯して債務を負うことになります。
たとえば、不倫をされた配偶者をAさん、不倫をした配偶者をBさん、不倫相手がCさん、慰謝料額が200万円だった場合で考えてみましょう。
AさんはBとCに対して、それぞれ100万円ずつ請求することもできますし、同時に200万円を請求することもできます。
これが、共同不法行為者が負う「連帯責任」(いわゆる不真正連帯債務)の考え方です。
ただし、このケースの場合、合計200万円を超える支払いを受けることはできません。
つまり、BとCそれぞれに200万円を請求し、合計400万円を受け取ることはできないのです。
あくまで200万円の範囲で自由に請求割合を決め、その後は合計200万円以内の慰謝料を獲得できるということです。
2.どちらか一方に請求することもできる
被害者は共同不法行為をおこなった当事者両名に対して慰謝料を請求できますが、どちらか一方だけに請求することも可能です。
被害者は、共同不法行為をおこなった全員に対して、慰謝料を請求する権利があります。
そのため、共同不法行為をおこなった者であれば誰に請求しても問題ありません。
先ほどと同じ例で考えた場合、不倫をされたAさんが配偶者Bと離婚しないのであれば、不倫相手Cに対して200万円全額を請求するといったことも考えられるでしょう。
ただし、不倫相手にだけ慰謝料を請求する場合は、求償権が問題となる点に注意が必要です。
3.不法行為をした人の間では求償権を行使できる
不法行為をした人の間では、求償権の行使が可能です。
求償権とは、他人の分までお金を支払った人が、あとからその相手に「自分の分を負担してほしい」と請求できる権利のことです。
先ほどと同じ例で考えた場合、CがAに対して慰謝料200万円を全額支払ったなら、Bの支払い義務はなくなります。
しかし、慰謝料200万円の支払い責任は、本来BとCの両名にあります。
そこでCがBに対して、責任割合に応じた金額を支払ってほしいと要求することができるのです。
このように連帯債務を負う者のひとりが、もう一方の分まで支払った金額を取り戻す行為を求償権の行使といいます。
慰謝料を請求する側は不倫相手に求償権を行使されないよう、合意書などで取り決めをしておくとよいでしょう。
不倫(共同不法行為)で慰謝料請求をする際の4つのポイント
不倫相手や配偶者に対してしっかり慰謝料請求をおこなうためには、事前に知っておくべきことがあります。
ここからは、共同不法行為の慰謝料請求で損をしないためにも、押さえておくべき4つのポイントを解説しましょう。
1.慰謝料相場を正しく把握しておく
1つ目のポイントは、慰謝料相場を正しく把握しておくということです。
夫婦の状況や不貞行為の内容にもよりますが、不倫慰謝料の相場は50万円~300万円といわれています。
もし相場よりも低い金額で請求してしまえば損をしてしまいます。
逆に相場より高すぎる慰謝料を請求しても相手が支払えず、協議は難航するかもしれません。
損をせず早期に解決したいなら、慰謝料の正しい相場を理解しておく必要があります。
具体的な金額に関しては、弁護士に相談してアドバイスをもらうことがおすすめです。
2.不倫に関する証拠・証言を確保しておく
2つ目のポイントは、不倫に関する証拠・証言を確保しておくことです。
証拠がなければ、配偶者や不倫相手に言い逃れされるおそれがあります。
不倫に関する証拠として有効なのは、以下のようなものです。
- 配偶者と不倫相手のホテルの出入りをおさえた写真、探偵の調査報告書
- ラブホテルに行ったことや、肉体関係がわかるメールやLINEのやりとり
- ラブホテルの領収書
- 性交渉をしている写真や動画
上記のような不貞行為があったと明らかにわかる証拠を確保しておけば、慰謝料請求が有利に進められるかもしれません。
3.書面など証拠が残る形でやり取りをする
3つ目のポイントは、書面など証拠が残る形でやり取りをすることです。
口頭での話し合いだけだと、お互いに言った・言わないで揉めてしまうかもしれません。
さらなるトラブルを防ぐためにも、発言内容が残る書面やメールなどで話し合いをおこなうのも方法のひとつです。
また、不倫相手と直接会うことで、感情的になり思わぬ失言をしてしまうかもしれません。
冷静な話し合いをおこなうために、顔を合わせない書面やメールなどを活用するのも有効だといえるでしょう。
4.事前に不倫問題が得意な弁護士に相談する
4つ目のポイントは、事前に不倫問題が得意な弁護士に相談することです。
弁護士に相談すれば、慰謝料の相場や必要な証拠の集め方など、請求を進めるうえで欠かせないポイントを具体的にアドバイスしてもらえます。
また、相手とのやり取りが不安な場合は、交渉を任せることも可能です。
弁護士が入ることで、過去の事例や法律の知識を踏まえ、より有利な条件での解決を目指して動いてくれるでしょう。
さらに弁護士が交渉の窓口になるだけでも、相手に心理的なプレッシャーがかかります。
逃げずに話し合いに応じてもらいやすくなり、結果として早期解決につながるかもしれません。
慰謝料請求に不安を感じるなら、一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談してみましょう。
共同不法行為で慰謝料請求をする際の3つの注意点
さいごに、共同不法行為で慰謝料を請求する際の注意点を3つ、解説します。
1.全員が集まって話し合いをすることはおすすめできない
不倫の被害者と加害者、全員が集まって話し合いをすることはおすすめできません。
不倫をした配偶者と不倫相手の2人と直接会うことで、ショックや怒りの感情が抑えられなくなる可能性があります。
そうなると、冷静な話し合いはできないでしょう。
また、不倫相手たちが結託し、攻撃したり事実を隠そうとしてきたりするかもしれません。
被害者1名、加害者2名の構図は、被害者に不利な状況になり得ます。
話し合いは全員でおこなうのではなく、一対一で、もしくは書面でおこなうなどの方法を取るようにしましょう。
2.不法行為が成立していない場合は慰謝料請求ができない
そもそも不法行為が成立していない場合は、慰謝料請求できません。
不法行為とは、故意・過失によって他人の保護されるべき利益を侵害する行為のことです。
民法709条には、不法行為による損害賠償について以下のように定められています。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法709条
上記からもわかるとおり、損害賠償(慰謝料)は、不法行為が成立して初めて請求できるものです。
たとえば、以下のような状況であれば、不倫相手に故意過失があったとはいえません。
不法行為は成立しないため、慰謝料請求は難しいでしょう。
- 相手が既婚者だと知らなかった
- 数回食事に行っただけで、肉体関係はない
3.不倫した2人から慰謝料を二重取りすることはできない
不倫した配偶者と不倫相手、2人から慰謝料を二重取りすることはできません。
不倫の慰謝料額が200万円の場合、不倫した配偶者と不倫相手の双方に200万円ずつの請求が可能です。
ただし、2人合わせて計400万円の慰謝料が認められるわけではありません。
あくまで、2人で支払うべき合計額が200万円ということなので、どちらか一方から200万円の支払いがあれば、もう一方はこれ以上支払う必要はありません。
100万円ずつ、150万円と50万円に分けるなど、請求する割合の決め方は自由ですが、適正な慰謝料額を超えて支払いを受けること(二重取り)はできないので注意しましょう。
さいごに|不倫(共同不法行為)に気付いたら早めに弁護士に相談を!
共同不法行為の慰謝料の基本的なルールは、以下のとおりです。
- 不倫した2人に対して請求できる
- どちらか一方に請求することもできる
- 不法行為をした人の間では、求償権も行使できる
そしてきちんと慰謝料請求をおこなうためにも、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
- 慰謝料相場を正しく把握しておく
- 不倫に関する証拠・証言を確保しておく
- 書面など証拠が残る形でやり取りをする
- 事前に不倫問題が得意な弁護士に相談する
共同不法行為が疑われる状況になったら、できるだけ早く弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に相談すれば、どんな証拠を集めれば良いか、これからどう進めるべきかをわかりやすくアドバイスしてくれます。
さらに相手との交渉にも対応してもらえるため、直接やり取りするストレスから解放されるのも大きなメリットです。
法律の専門家が間に入ることで、トラブルをスムーズに解決しやすくなります。
早い段階で相談すれば、証拠を確実に押さえ、有利な条件で話し合いを進められるかもしれません。
配偶者の不倫に気づいたら、一人で悩まず弁護士に相談しましょう。
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