離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
- 相手に親権を渡したくない
- 養育費を払ってもらえなくなった
- 不倫相手に慰謝料を請求したい
弁護士保険は、法律トラブルで弁護士に依頼したときの費用が補償されます。
離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。
弁護士保険で法律トラブルに備える
婚姻費用分担請求審判は、婚姻費用の分担額を決定するための法律的な手続きです。
事前におこなわれる調停が不成立になった場合、一般的には婚姻費用分担請求審判へ移行します。
ただ、一般的によく聞かれる手続きとは言えず、どのような手続きか分からないという方も多いのではないでしょうか。
婚姻費用分担請求審判で希望する結果を得るためには、本手続きの概要やポイントを把握しておきたいところです。
本記事では、婚姻費用分担請求審判とは何かや手続きの流れ、婚姻費用分担請求審判を有利に進めるためのポイントを解説しました。
本記事は、婚姻費用分担請求審判で希望する結果を得るのに参考になります。
婚姻費用分担請求審判とは、婚姻費用分担請求調停が不成立になった場合に進む手続きのことです。
調停と審判の具体的な違いは、以下の表のとおりです。
審判 |
調停 |
|
分担額の決め方 |
夫婦それぞれの主張を聞いたうえで、裁判官が決定する |
調停委員による仲介のもとで話し合い、夫婦間で合意を目指す |
調停委員の関与 |
なし |
あり |
柔軟な解決 |
調停の結果を踏まえて裁判官が判断を下すので、柔軟な解決に至らない可能性もある |
妻、夫の双方の意見を踏まえて合意を目指すので、柔軟な解決が望める |
任意の支払いの可能性 |
支払われない可能性がある |
支払ってもらいやすい |
調停手続きでは、妻と夫が互いの意見をすり合わせ、当事者の合意のもとで分担額を決定します。
双方が納得すれば調停成立となるため、調停で決めた取り決めも守ってもらいやすく、婚姻費用の任意支払いも期待できるでしょう。
審判は、最終的に裁判官の判断で分担額を決める手続きです。
当事者の話し合いではなく、調停の結果や夫婦それぞれの主張などをもとに裁判官が審判を下します。
そのため柔軟な解決に至らない可能性もあり、夫婦いずれかの希望があまり反映されない結果となることも考えられるのです。
不利な結果を言い渡された義務者(支払う側)は納得できず、任意での婚姻費用の支払いに応じない可能性もあります。
婚姻費用分担請求審判に移行したあとは、どのような流れで手続きが進むのでしょうか。
ここからは、婚姻費用分担請求審判の流れを解説します。
まず、家庭裁判所から審判期日が指定されます。
婚姻費用分担調停が不成立に終わると、裁判官から審判について説明され、審判期日が指定されます。
審判期日は、調停不成立となった日から2週間~1ヵ月以内に指定される場合が多いようです。
通常、審判期日は、調停が不成立となった日とは別日に指定されます。
家庭裁判所の都合上、調停不成立のすぐあとに審判をおこなう時間まで確保するのが難しいからです。
しかし、双方に追加の主張がなく、裁判所の都合が合えば、同日中におこなわれる可能性もあります。
家庭裁判所が指定した審判期日に裁判所を訪れ、裁判官の審問を受けます。
婚姻費用分担請求審判では、調停と異なり話し合うことはありません。
夫婦が同時に裁判官から呼ばれて、裁判官から尋問(質問)を受けます。
なお審問は基本的に調停の際に提出された資料をもとに進められます。
しかし追加で主張をしたいなどの希望がある場合は、期日までに新しい資料を用意して裁判所や相手方へ提出しましょう。
一般的に審判は、1~2回おこなわれることが多いようです。
最終の審問期日から1~2ヵ月後に、審判結果が告知されます。
審判結果の内容は「審判書」にまとめられ、夫婦それぞれに郵送されるのが一般的です。
婚姻費用は、審判書の内容に従い支払われなくてはなりません。
未払いなどがあった場合は、審判書にもとづいた強制執行が可能です。
審判書を受領してから2週間以内にどちらからも即時抗告がなければ、審判は確定となります。
審判の内容に不服があれば、必ず2週間以内に即時抗告をしましょう。
即時抗告をした場合、家庭裁判所でなく高等裁判所の判断を求めることになります。
なお即時抗告をしたからといって、家庭裁判所の審判よりも有利な判断がされるとは限りません。
逆に不利な結果になることも考えられます。
そのため即時抗告をするか否かは、慎重に検討しなくてはなりません。
家庭裁判所の審判結果に納得できない場合は、即時抗告を検討します。
ここからは、婚姻費用分担請求審判で即時抗告をしたあとの流れをみていきましょう。
家庭裁判所から審判書を受領してから2週間以内に、家庭裁判所に即時抗告を申し立てます。
2週間経過すると、即時抗告は原則受理されません。
抗告事件を取り扱うのは高等裁判所ですが、抗告状は家庭裁判所に提出する必要があります。
即時抗告にかかる費用は、収入印紙1,800円と、各家庭裁判所が定める郵便切手代です。
調停手続きから一貫して弁護士に依頼している場合は、追加着手金がかかる場合もあります。
即時抗告が受理されると手続きは高等裁判所へ移り、家庭裁判所から高等裁判所へと審理の記録が送られます。
高等裁判所は相手方(被抗告人)に対して、答弁書を提出する機会をあたえます。
即時抗告審では、家庭裁判所で提出できなかった追加の資料を提出することも可能です。
これまでの調停や審判と異なり、即時抗告での審理は提出された資料によっておこなわれるのが一般的です。
必ずしも即時抗告をおこなった抗告人や非抗告人が裁判所へ出廷して、審問を受けるわけではありません。
ただし場合によっては、裁判所の判断により呼び出しを受けて、即時抗告の理由を確認されたり、和解を勧められたりすることもあります。
即時抗告審の裁判官により審判が下され、その内容をまとめた決定書が届きます。
決定書の内容に納得できない場合、特別抗告や抗告許可によって最高裁判所に不服申し立てをすることはできます。
しかし、特別抗告や抗告許可が受け付けられるのは、憲法違反があったり高等裁判所の決定が最高裁判所の判例などと相反したりする場合のみです。
そのため最終的には、即時抗告審の決定に従うことになると考えたほうがよいでしょう。
婚姻費用分担請求審判をなるべく有利に進めるためには、どうしたらいいのでしょうか。
本項ではそのためのポイントを3つ紹介します。
婚姻費用分担請求審判を有利に進めるためのポイント1つ目は、源泉徴収票などの収入資料を確保することです。
婚姻費用審判では、調停の内容や当事者から追加で提出された資料に基づいて、裁判官が結論を出します。
調停のときと収入状況が変わった場合は、期日までに資料を裁判所へ提出しましょう。
源泉徴収票や月々の収支の内訳をまとめたものなど、客観的な資料があれば自分にとって有利な決定に導ける可能性はあります。
婚姻費用分担請求審判を有利に進めるためのポイント2つ目は、特別支出に関する証拠資料を提示することです。
日常生活の中で不定期に発生する支出のことを、特別支出といいます。
具体的には、医療費や子どもの学費、保険料などです。
裁判所の婚姻費用算定表は、基本的な生活費のみを考慮して作成されています。
そのため、特別支出といった臨時の出費に関しては別途協議のうえ、婚姻費用に加算しなければなりません。
今後の生活の安定を確保したい場合、領収書や学校、塾からの連絡書面など、特別支出に関する証拠資料を提示しましょう。
婚姻費用の額を決める重要な証拠となる可能性があります。
婚姻費用分担請求審判を有利に進めるためのポイント3つ目は、離婚問題が得意な弁護士に相談・依頼することです。
弁護士に相談することで、調停や審判でどのような主張をすべきかやどのような証拠を集めればよいか有効なアドバイスが受けられます。
専門家の力を借りず自分だけの判断で対応をすすめることで、結果的に不利な状況に追い込まれてしまうケースも少なくありません。
また弁護士に依頼することにより、適正な婚姻費用の分担額を判断してもらうことも可能です。
専門知識がないと、どのくらいの分担額が適正か判断するのは難しいでしょう。
裁判など法律的な手続きをあまり経験したことがない多くの方は、弁護士の探し方がわからないのではないでしょうか。
むやみにインターネットを調べても、時間がかかるだけです。
婚姻費用の調停や審判について相談する弁護士を探している場合は、「ベンナビ離婚」の利用をおすすめします。
「ベンナビ離婚」は、離婚問題の弁護活動を得意とする全国の弁護士を検索可能なポータルサイトです。
地域別や無料相談・休日相談可否などの条件で検索する機能もあり、希望にあう弁護士を簡単に探せるでしょう。
婚姻費用分担請求審判に移行したからといって、必ずしも自分に有利な結果になるとは言い切れません。
当然、注意点もあります。
ここからは、婚姻費用分担請求審判へ移行する際に知っておくべき注意点を解説します。
1つ目は、婚姻費用の分担額が希望どおりにならないリスクがあるということです。
審判では調停のように、話し合いで互いの主張をすり合わせるような機会はありません。
調停の内容や追加で出された書面などをもとに、裁判官の判断で審判が下されます。
そのため調停の結果より、さらに不利な結果となる可能性もあり得るのです。
不安であれば、弁護士に相談するなどして慎重に検討したほうがよいでしょう。
2つ目は、婚姻費用の未払いトラブルが起こりやすいということです。
先ほどもお伝えしましたが、審判は裁判官の判断で決められるものです。
話し合いで合意を目指す調停と比べても、希望する結果とならない可能性があります。
そのため、調停で合意を得るより婚姻費用の未払いトラブルが起こりやすいのです。
婚姻費用分担請求審判とは、裁判所が夫婦それぞれの主張を聞き、公平な婚姻費用の分担額を決定する手続きです。
婚姻費用分担請求審判は、一般的に、話し合いによって夫婦間の合意を目指す調停が不成立だった場合におこなわれます。
調停や審判では、合理的でない主張をしたり適切な証拠を提出できなかったりすると、不利な結果となる可能性が高いです。
婚姻費用分担請求審判で自分の希望に近い結果を得るためには、早い段階で弁護士にアドバイスを求めることをおすすめします。
離婚問題を得意とする弁護士に相談すれば、主張すべき内容や集めるとよい証拠について有効なアドバイスをしてくれるでしょう。
弁護士を探す際は、全国の弁護士を検索できるポータルサイト「ベンナビ離婚」の利用がおすすめです。
「ベンナビ離婚」には離婚問題に実績がある弁護士が豊富に登録されているうえ、地域別や無料相談可否などの条件で希望にあう弁護士を簡単に探せます。
婚姻費用分担請求審判を有利に進めたい場合、弁護士のサポートは何よりも心強いでしょう。
【離婚・男女問題の解決実績100件以上】離婚・別居を決意した方はお早めにご相談ください。ご相談者様の新しい人生へのステップを全力でサポートします!養育費/婚姻費用/財産分与/不倫慰謝料など
事務所詳細を見る【不倫慰謝料/協議/財産分与/国際離婚(中国)/養育費/別居】など幅広く対応 <多額の財産分与・慰謝料・婚姻費用(養育費)を請求したい・請求された方/相手が資産をお持ちの方/離婚を決意した方>◆初回1時間相談料無料
事務所詳細を見る【初回相談料60分0円】【離婚・不倫慰謝料請求の相談窓口】離婚専門チームが豊富な実績を活かし、最適な解決方法をご提案いたします。まずはお電話ください!
事務所詳細を見る離婚すると、本籍地はどこになるのかが気になりませんか?本記事では、離婚後に本籍はどこになるのかやケース別に新たな戸籍を作る必要性や影響について解説します。当記事...
夫婦が別居する場合は、收入が高い一方が、收入が低い・收入がない一方の生活を「婚姻費用」として負担することになります。 婚姻費用とはどのようなものなのか、請求で...
離婚後、年金分割しないとどうなるのかが気になりませんか?ここでは、離婚後に年金分割をしない場合に生じる影響や年金分割制度の注意点などを解説します。離婚後にもらえ...
本記事では離婚届が勝手に出されたかどうかの確認方法と、離婚届を無効にする方法、さらには離婚届を勝手に出されない対策を解説します。
離婚後の手続きで悩ましいのが、戸籍の問題ではないでしょうか。女性は親の戸籍に戻るのが一般的ですが、状況によっては戻れないこともあるので注意が必要です。本記事では...
離婚後の戸籍について、どのような手続きをすればよいのでしょうか。離婚したら女性は親の戸籍に戻るのが一般的ですが、新たに戸籍を作成することも可能です。本記事では、...
離婚後、姓をそのままにする女性は一定数います。姓をそのままにすることで得られるメリットやデメリットはさまざまです。この記事では、離婚後の姓について悩んでいる女性...
夫婦関係の継続が難しくなっても、離婚の切り出し方がわからず、1人で悩みを抱えていませんか?本記事では、相手とスムーズな話し合いができるよう、離婚の切り出し方やケ...
離婚後、妻(夫)には夫(妻)の年金を受け取る権利があります。制度を理解しておけば、離婚後の不安も和らぐかもしれません。本記事では、「年金分割」と「遺族年金」など...
浮気が原因で婚約破棄をした場合、元婚約者や浮気相手に対して、慰謝料をはじめとした損害賠償請求ができます。本記事では、婚約破棄後に請求できるお金の種類や慰謝料の相...
事実婚をする人の中には同性であったり夫婦別姓が認められないために事実婚を選択していたりとさまざまなケースがあります。この記事では事実婚と認められるための要件や要...
マザコンにはいくつか特徴があり、母親への依存心が強すぎると夫婦関係が破綻することもあります。状況によっては別居や離婚などを選択するのも一つの手段です。この記事で...
産後から夫婦生活がなくなってしまう人は少なくありません。実際産後どのくらいの期間から再開すればよいのかわかりませんよね。この記事では、「産後の夫婦生活はいつから...
「旦那と一緒にいてもつまらない」「旦那が家にいるだけでストレスになる」と思いながら生活していませんか。ストレスを我慢して生活することはできますが大きなリスクも伴...
夫婦別姓にすることで、氏の変更手続きをしなくて済み手間が省ける・旧姓のままでいられるという大きなメリットがあります。この記事では、夫婦別姓にした場合の4つのメリ...
離婚に条件がついているケースもあります。裁判所を介する離婚では、法律で認められた離婚の理由が不可欠です。この記事では、法律で定められた離婚の理由と、夫婦が離婚す...
専業主婦で離婚しようと思った場合、不安を感じますよね。この記事では、専業主婦が離婚するときのお金の不安、離婚にかかる費用、住居や子供、就職の不安と、離婚に向けて...
婚姻費用を払ってもらえたら、専業主婦の方などでも別居後の生活費にできるので、安心して離婚を進めることができるでしょう。この記事では、婚姻費用がいつからいつまで、...
単身赴任は離婚の危機が高まると言われています。この記事では、単身赴任が原因で離婚するリスクから、単身赴任でよくある離婚の原因、単身赴任中の浮気、単身赴任中の浮気...
専業主婦の場合、最も不安なのが金銭面という方も多いでしょう。年金分割は、まだ自身が年金を受け取る年齢でなくても、請求することが可能です。この記事では、年金分割に...
専業主婦の場合、最も不安なのが金銭面という方も多いでしょう。年金分割は、まだ自身が年金を受け取る年齢でなくても、請求することが可能です。この記事では、年金分割に...
偽装離婚(ぎそうりこん)とは、一緒に暮らすことや精神的な繋がりがある夫婦であるにもかかわらず、離婚届を提出して正式に離婚し、あたかも離婚しているかのように振る舞...
子連れで再婚したいけれど、子供の戸籍をどうすべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。戸籍によって子供の苗字や相続権なども変わるため、決断は慎重に行う必要が...
長年の夫婦生活でさまざまな不満が積み重なり、もう離婚した方が良いのではないかと考えてしまう方もいるのではないでしょうか。この記事では、離婚したほうが良い夫婦の見...
単身赴任は離婚の危機が高まると言われています。この記事では、単身赴任が原因で離婚するリスクから、単身赴任でよくある離婚の原因、単身赴任中の浮気、単身赴任中の浮気...
別れた彼がいつまでも合鍵を持っていたら、安心して外出できませんよね。できるだけ早く合鍵を返してもらうか、交換費用を支払ってもらいシリンダー交換したいですよね。今...
重婚的内縁の定義や法律上の扱いについて解説します。重婚的内縁が不倫になったり保護されたりするなどの要件は複雑です。本記事でそれぞれについて解説しますので、ご自身...
新築離婚は新築の家を建てたり購入したりした後に離婚することを指し、増加傾向にあります。本記事では新築離婚の原因をはじめ家の処分方法や財産分与のポイントを解説し、...
公正証書とは公証人に作成される証明力と執行力を備えた文書のことをいいます。この記事では公正証書を作成するメリットや作成の手順を解説します。
仮面夫婦(かめんふうふ)とは、周囲には普通の夫婦(もしくは仲の良い夫婦)に見えても、家庭内ではロクに会話もないような冷めた夫婦関係のことを言います。この記事では...
協議離婚の際には話し合いによって財産分与の方法や親権などの離婚条件について定めますが、公正証書に書面として残しておかないと後々のトラブルになる可能性があります。...
離婚後の家のローンをどうすべきか悩んでいる方は多いでしょう。離婚時に住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンの名義人や残債額などについて確認する必要があります。...