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昨今では、SNSで恋愛関係に発展する男女も多くいます。
しかし、なかにはSNSでの出会いから不倫関係に発展するケースもあります。
もし、あなたのパートナーがいつもSNSを見ていたり、SNSでのやり取りを隠していたりするなら、不倫関係をもっている可能性があるかもしれません。
本記事では、SNSで不倫の証拠をつかめるか、SNSのやり取りが不倫の証拠としてどの程度の有効性をもつかについて解説します。
「どこからが不倫?」という話題は耳にすることも多く、個人によってそれぞれの境界をもっているものです。
法律上、離婚や慰謝料が求められる不倫は「不貞行為」にあたるかどうかです。
不貞行為にあたる浮気や不倫とは、パートナー以外の相手と性行為・肉体関係をもつこと、とされています。
つまり、二人きりで会う・手をつなぐ・キスをするという行為だけでは、原則として民法上の「不貞行為」には該当しません。
しかし、状況などによっては肉体関係に至らなかったとしても、平穏な夫婦生活を送るという権利・利益が侵害されるケースもあります。
そのため、たとえ二人きりで会う、キスだけであったとしても、不法行為が成立するケースもあります(東京地裁平成28年9月16日判決)。
また、SNSでのやり取りが不貞行為の証拠となり得るのか、という問題もあります。
前提としては、SNSのやり取りだけで不貞行為を立証するのは困難といえます。
違法な手段で入手した証拠や改ざんが可能なデジタルデータは、裁判では採用されない可能性が高いためです。
また、待ち合わせの約束をするメッセージや「愛してる」「好きだよ」など、やり取りの内容が不貞行為があったことをうかがわせるようなものの場合、慰謝料請求が認められることがあります(東京地裁平成24年11月28日判決)。
とはいえ、一般的には不倫の定義である肉体関係があったことを証明するために、SNSのやり取りだけを証拠とするのは有効性が低いと考えられます。
SNSのやり取りだけでは不貞行為の証拠として有効性が低いと述べましたが、場合によって強い証拠に当てはまるケースもあります。
SNSのやり取りで肉体関係があったと証明できれば、法的にも不倫の証拠として認められます。
たとえば以下の2つは、SNSのやり取りであっても不倫の証拠としての能力をもつので、積極的に確保しましょう。
肉体関係があったと立証できるメッセージとして、次のような内容が該当します。
また性行為自体に言及する内容が難しくても、二人でホテルや宿泊をともなう旅行に行ったなどがわかるメッセージのやり取りも、証拠となるので確保しましょう。
パートナーと不倫相手の性行為の現場を映した画像や動画は、ほぼ確実な証拠になります。
ここまで確実な内容でなくても、不倫相手の裸や下着姿の画像なども証拠になり得るので、押さえておきましょう。
いずれの場合も、パートナーや不倫相手の顔が確認できることが重要です。
SNSでのやり取りを有利な証拠として残すために気をつけるべきは、「いつ」「誰と誰の」やり取りなのかという点です。
パートナーや不倫相手に証拠を示した際に、言い逃れできないようにするためです。
以上を踏まえ、次の4つのポイントに注意して証拠を押さえるようにしましょう。
それぞれのポイントについて解説していきます。
メッセージや画像などの日付や時間・位置情報が確認できるように証拠を確保しましょう。
不貞行為が推察されるメッセージなどを表示させ、送信日時・発信元・送信先がわかるよう、スマートフォンなどの画面ごと撮影・録画しておきます。
慰謝料の金額は、不倫の期間が長く、不貞行為の回数が多いほど高く請求できます。
あくまで目安ですが、上記に該当する証拠を集めるため「いつから」「何回」という点に留意して情報を見つけましょう。
誰と誰の間でやり取りされたメッセージか、客観的に明らかにすることも重要です。
スマートフォンなどの端末がパートナーのものであるとわかるよう、電話番号やプロフィール画面は撮影しておきましょう。
不貞行為が立証できるやり取りについても、相手が誰かわかるように前後の文脈も含めて確保します。
前後のやり取りがわかりやすいよう、スクロールしながら動画で撮影するのが効果的です。
不倫相手が、不倫したパートナーのことを既婚者だと認識していたかどうかは、慰謝料を請求するうえでとても重要なポイントです。
既婚者であると自覚がありながら不倫関係を続けていた場合、慰謝料を高く請求できます。
反対に既婚者だと知らなかった場合には、基本的には不倫相手に対しての慰謝料請求はできません。
不倫相手が、パートナーが既婚者であると認識しているか確認するポイントには、以下のような例があります。
これらが確認できる証拠は、隠ぺいや削除をされる前に早めに確保しておきましょう。
パートナーの不倫をSNS内で見つけるためには、投稿内容や人間関係のつながりを確認する必要があります。
まずはパートナーがSNSでつながっている「友だち」やフォロワーを確認しましょう。
不倫相手と相互フォローでつながっている可能性は高いと考えられます。
X(旧:Twitter)の場合、パートナーが頻繁にリポストやお気に入りをしていたり、Instagramの場合なら「いいね」やコメントをやり取りしていたりする相手をチェックします。
気になる存在を見つけたら、相手の投稿も確認しましょう。
いわゆる「匂わせ投稿」と呼ばれる、パートナーと関係のあるものが写ったポストや、同じ場所にいたことがわかるポストが見つかる可能性があります。
LINEでは相手の名義を書き換えられるので、上司の名前など一見関係なさそうな名前でも、頻繁にやり取りしている相手がいる場合は内容を確認する必要があります。
SNSによっては、アカウントがないと全ての機能を利用できないものもあります。
パートナーの不倫を疑いSNSを確認したい場合は、自分も架空の情報を使ってアカウントを取得するという方法があります。
たとえば、LINEのタイムライン投稿は「友だち」になることで、誰がコメントを書き込んでいるかなどがチェックできます。
SNS内では気づかれていないという油断があるため、決定的な内容を確保できる可能性があります。
なお、架空の情報によるなりすまし行為はSNSの利用規約に違反するものの、その行為自体は刑法に抵触しません。
しかし、なりすましたアカウントを使ってパートナーや不倫相手に対する誹謗中傷などの違法行為をはたらいた場合には、名誉毀損罪や詐欺罪などが成立するおそれがあります。
そもそも、パートナーのスマートフォンなどを本人の許可なく見ることに問題はないのか、という点については明確な禁止規定はありません。
盗み見についてはプライバシー侵害の可能性があるものの、夫婦などパートナーとの間でのプライバシー侵害について責任を問われることは、実情としてはほとんどありません。
また、スマートフォンやパソコンなどの端末のロックを解除することは、すでに端末に保存されている履歴を確認するだけなら、不正アクセス行為にはあたりません。
しかし、以下に挙げた行為については注意しましょう。
法律違反になる可能性について、くわしくみていきましょう。
パートナーのSNSのIDやパスワードを使用して許可なくログインする行為は「不正アクセス禁止法」に抵触する可能性があります。
IDやパスワードが端末に記憶されていて、自動入力される場合も同じです。
すでに送受信が完了し、端末に保存されているデータを見ることは犯罪にはあたりません。
ただし、ネットワークを使用してIDやパスワードを入力し、パートナーのSNSにログインすることは違法となります。
上項と同じく、ネットワークを使用してパートナーの端末のデータを自分の端末に転送する行為も、不正アクセス禁止法違反となります。
削除されたデータの復元についても、違法になる可能性が高いので注意が必要です。
証拠となるデータを見つけた場合は、スマートフォンの画面ごと画像や動画で撮影して残しましょう。
パートナーの行動を監視して不倫を確かめるため、パートナーのスマートフォンに無断で位置情報アプリなどをダウンロードすることは、「不正指令電磁的記録共用罪」にあたります。
最近増えているスマートフォンの監視アプリを利用すれば、位置情報の取得だけでなく、パートナーの通話履歴やメッセージアプリの閲覧や保存・画像や動画の取得まで可能になる場合があります。
しかし、この方法は犯罪行為となるため、便利であっても利用しないよう注意しましょう。
パートナーの不倫は確実であっても、SNSのやり取りで決定的な証拠を集められない場合は、以下の方法を試してみましょう。
プロの力を借りるのも、無駄なく確実性を上げる賢明な手段です。
不倫がバレていることを知らないパートナーを泳がせ、その間に証拠を集めることも可能です。
効果的な証拠として、次のようなものが挙げられます。
2名分のホテルの利用料金や、不倫相手のプレゼントに使ったであろう買い物のカード明細やレシートは、不貞行為の証拠となり得ます。
また、不自然な出張やいつもの違う仕事の予定などにつても、交通系電子マネーの履歴の確保や、自分の日記など日付の確認ができるメモとして残すことが有効です。
単独では証拠能力が低くても、複数集めることで証拠として認めらえる場合があるため、できる限り多くの証拠を集めておきましょう。
ラブホテルに出入りする写真など、離婚や慰謝料請求のために決定的な証拠を確保するのは個人では難しく、プロに任せるのが得策です。
法律違反になるかもしれないリスクを背負いながらSNSで情報を集めるより、確実で決定的な証拠が得られます。
探偵事務所が作成する調査報告書は、裁判所においても正式な証拠として取り扱われます。
SNSでの証拠集めは、やり方を間違えるとパートナーや不倫相手に証拠を全て削除されてしまう可能性があります。
離婚や慰謝料の請求を少しでも自分の有利に進めるために、早い段階で弁護士に相談し、証拠の集め方についてもアドバイスをもらいましょう。
思うほど証拠が集められなかった場合でも、法律と交渉のプロである弁護士がついていれば、状況を有利にもっていくことが可能です。
パートナーの不倫に対してどう対応すべきか悩んだ場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。
パートナーの不倫に関して証拠を集めた結果、自分はどうしたいのか、できれば最初の段階で冷静に考えておきましょう。
結論の例として、以下の3つについて解説します。
とにかくパートナーに不貞行為を認めさせたい場合は、集めた証拠を突き付けて自白させましょう。
本人の自白は何よりの証拠となります。
念書や誓約書を作っておくことで、あとになってパートナーが言い逃れをしたり話をねじ曲げたりするのを防ぐためには有効です。
念書や誓約書には以下の内容を盛り込むようにしましょう。
不倫を自白して認め念書や誓約書を作成することは、パートナーの反省をうながす効果があるはずです。
子どものことや経済的事情など、不倫が発覚しても離婚という方法を選べない場合もあります。
離婚しないと決めたからには、パートナーとしっかり話し合い、二度と不倫をしないようこころから反省させることが重要です。
この場合も、念書や誓約書を残すとよいでしょう。
離婚しない場合には、不倫相手にのみ慰謝料を請求するケースが多くみられます。
慰謝料の請求には、パートナーと不倫相手の不貞行為を知った日から3年以内という時効が設定されているので、注意が必要です。
パートナーが本当に反省しているなら、パートナーにも証拠の提供などに協力してもらうのが効果的です。
パートナーの不倫に対して離婚を決断している場合には、すみやかに手続きを進めましょう。
離婚となると考えるべきことややるべきことがたくさんあるので、パートナーに離婚を切り出す前から準備を進めておく必要があります。
また離婚や慰謝料請求を考えている場合は、より有利かつ円滑に手続きを進められるよう、弁護士に依頼するのが懸命です。
パートナーが不倫を認めなかったり、離婚に応じなかったりするトラブルの際にも、弁護士がついていれば安心です。
パートナーの不倫を疑い、証拠を集めるために感情のままあらゆる手段に出ると、自分自身が違法行為を犯してしまう危険性があります。
またSNSで決定的な証拠を集めるのは、簡単なことではありません。
どのように証拠を集めればよいのか、裁判で有効な証拠はどのようなものなのかなど、弁護士のアドバイスを受けてみましょう。
離婚や慰謝料の請求へ至った場合にも、弁護士がついていれば心強いです。
話を少しでも自分の有利に進めるため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
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