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別居から離婚するメリットとデメリット!別居すべきか迷ったときの判断基準と注意点

別居から離婚するメリットとデメリット!別居すべきか迷ったときの判断基準と注意点

離婚を考え始めたとき、「すぐに離婚届を提出すべきか」「まずは別居すべきか」で迷う方は少なくありません。

実は、別居期間があるかによって、離婚後の生活や親権といった重要な場面で大きな差が生まれることがあります。

特に準備が不十分なまま離婚に踏み切ったり、状況を整えずに別居してしまったりして、後悔する人は少なくありません。

本記事では、別居から離婚する場合のメリット・デメリットを解説。

別居する際の注意すべきポイントも解説するので、参考にしてください。

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目次

別居から離婚すべき3つのケース

別居から離婚すべき3つのケース

離婚を考えているものの、すぐに離婚届を出すべきか、まずは別居から始めるべきか迷っている方は多いでしょう。

状況によっては、別居という選択が離婚を有利に進める第一歩になります。

別居を積極的に検討すべき、具体的な3つのケースを紹介します。

配偶者が離婚に同意してくれない

相手が感情的で話し合いにならない場合や、離婚に一切応じてくれない場合は、別居して物理的な距離を置きましょう。

別居という事実は、離婚に対するこちらの真剣な意思を相手に伝えるメッセージです。

同居中は「絶対に離婚しない」と一点張りだった配偶者が、別居後に生活の不便さや世間体を気にして、離婚協議に応じるようになるケースは珍しくありません。

また長期間の別居は、後述するように法的な離婚事由にもつながります。

話し合いが平行線のまま進まない場合は、まずは別居を検討してみましょう。

DVやモラハラの被害にあっている

DVやモラハラの被害を受けている場合、自身の心身の安全確保が最優先です。

一刻も早く別居し、安全な環境を確保してください。

DVやモラハラは時間とともにエスカレートしやすく、被害者自身では判断力が低下してしまうこともあります。

早い段階で支援センターや弁護士に相談し、法的手続や今後の生活設計について専門家の助言を得ることが重要です。

安全を確保したうえで、専門機関と連携しながら着実に離婚手続を進めましょう。

子どもに悪影響を及ぼしている

日常的な夫婦喧嘩や、家庭内の緊張した雰囲気など、不和な家庭環境が子どもの精神面に悪影響を与えている場合も別居を検討しましょう。

夫婦の不仲が続くと、子どもは精神的なストレスを抱えやすく、不安・萎縮・情緒不安定などの症状があらわれることがあります。

特に、親の言い争いや暴言を日常的に耳にする環境は心理的虐待に該当する場合もあり、子どもの心の成長に深刻な影響を与えかねません。

なお、家庭裁判所は親権者を決める際、「子の福祉」を最も重視します。

子どもを精神的なストレスから守るための別居は、監護者として適切な行動と評価される可能性があります。

むしろ、子どもに悪影響があるとわかっていながら何も行動を起こさない方が、親権獲得において不利に働くでしょう。

別居から離婚する7つのメリット

別居から離婚を進めることには、複数のメリットがあります。

婚姻費用の受給や、裁判での離婚成立のしやすさなど、状況によっては同居を続けるよりも有利に離婚を進められる可能性があるので理解しておきましょう。

ここでは、別居から離婚する7つのメリットを紹介します。

1.婚姻費用をもらえる(配偶者より収入が低ければ)

配偶者より収入が少ない場合、別居期間中に婚姻費用を請求できます。

婚姻費用とは、夫婦が婚姻生活を維持するために必要な生活費のことです。

民法第760条では、夫婦は婚姻から生じる費用を分担する義務があると定められています。

(婚姻費用の分担)

第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

引用元:民法第760条

分担義務は別居中も継続するため、収入の多い側は少ない側に生活費を支払わなければなりません。

婚姻費用は、離婚協議が長引いた場合の生活の支えになります。

別居と同時に婚姻費用の請求手続をおこなえば、経済的な不安を軽減しながら離婚交渉を進めることが可能です。

婚姻費用の請求方法と相場

婚姻費用の金額は、裁判所が公表している「婚姻費用算定表」を基準に決めるのが一般的です。

婚姻費用算定表では、双方の年収や子どもの有無・人数によって目安となる金額が示されています。

例えば、年収別の相場は次のとおりです。

支払う側の給与年収

受け取る側の給与年収

婚姻費用相場

子どもなし

子ども一人(※)

子ども二人(※)

500万円

0円

8万円~10万円

10万円~12万円

12万円~14万円

600万円

200万円

6万円~8万円

10万円~12万円

12万円~14万円

400万円

400万円

0円

2万円~4万円

4万円~6万円

※子の年齢は0歳~14歳

請求するには、まず夫婦間で婚姻費用をいくらにするのか話し合いましょう。

話し合いができない、もしくは交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。

調停でうまく話がまとまらなければ、裁判所が審判によって婚姻費用を決定する流れです。

弁護士に代理で交渉してもらうことも可能なため、夫婦間での話し合いがまとまらないものの裁判にしたくない場合は弁護士に相談してください。

2.裁判で離婚が認められやすくなる

別居から離婚するメリットの2つ目は、裁判で離婚が認められやすくなる点です。

裁判では、次の5つの法定離婚事由のいずれかを証明しなくては離婚が認められません。

  1. 不貞行為(不倫)
  2. 悪意の遺棄(育児放棄や生活費を渡さないなど)
  3. 三年以上の生死不明
  4. 強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由
参照元
民法第770条

通常、性格の不一致など明確な離婚原因がないケースでは、離婚は認められにくい傾向があります。

しかし長期間の別居によって夫婦関係がすでに破綻していることを示せば、「婚姻を継続し難い状態である」として、裁判所が離婚を認める可能性は高まります。

配偶者が離婚に応じない場合の手段として、別居により夫婦関係の破綻を示すのは有効な選択肢です。

離婚するのに必要な別居期間はどれくらい?

離婚が法的に認められるために必要な別居期間について、法律上の明確な定めはありません。

ただし、実務上は3年〜10年程度の別居期間がひとつの目安とされています。

判断にあたっては、婚姻期間の長さ、別居に至った原因、子どもの有無などさまざまな事情が総合的に考慮されるのが一般的です。

例えば婚姻期間が短い場合は、比較的短期間の別居でも認められることもあります。

一方、幼い子どもがいる場合は、長い別居期間が必要です。

また不倫などで自ら婚姻関係を破綻させた有責配偶者からの離婚請求の場合、多くのケースでは10年以上の別居期間がないと認められません。

3.配偶者から離れ落ち着いた環境で、本当に離婚すべきか考えられる

物理的な距離を置き、落ち着いた環境で「本当に離婚すべきか」を考えられるのも、別居するメリットです。

同居しながら離婚を検討する場合、毎日顔を合わせることで感情的になり、冷静な判断が難しくなります。

相手の嫌なところばかりが目につき、すぐにでも離婚したくなるでしょう。

離婚が最善の選択肢なのか熟考せずに離婚し、後悔するケースは珍しくありません。

まずは配偶者と距離を置き、本当に離婚すべきなのか、自分にとって何が大切なのかを客観的に見つめ直す時間を設けることが重要です。

4.精神的負担を軽減できる

別居すれば、毎日のように繰り広げられる夫婦間の衝突や相手からの精神的なプレッシャーから解放され、心身の健康を取り戻しやすくなります。

同居中は常に緊張状態が続き、ストレスがかかるもの。

別居によって、睡眠の質が向上したり食欲が戻ったりと、身体的な健康も回復していきます。

精神的に安定した状態で離婚手続を進めることは、冷静な判断をするうえでも重要です。

追い詰められた状態では、不利な条件でも「早く終わらせたい」と受け入れる傾向があり、後悔しかねません。

心身の健康を取り戻してから交渉に臨むことで、より良い条件を引き出せる可能性が高まるでしょう。

5.離婚後の生活を具体的にイメージし、計画を立てやすくなる

別居期間中に、離婚後の住居・仕事・家計などを具体的に検討し、生活の計画を立てられる点も大きなメリットです。

実際に一人で(または子どもと)生活してみることで、毎月どれくらいの生活費が必要なのか、どのような支出が発生するのかを現実的に把握できます。

さらに、別居生活を通じて自分や子どもの生活リズムを整えることも可能です。

「朝の準備にどれくらい時間がかかるのか」「どのように家事を回すのか」といった日々の動きを体感することで、離婚後の暮らしをより具体的にイメージしやすくなります。

離婚後も、慌てることなく無理のない形で新生活へ移行できるでしょう。

6.親権を獲得しやすくなる

子どもを連れて別居することで、親権を獲得できる可能性が高まります。

すでに子どもが安定した環境で生活できている場合、環境を変えることは子どもにとって不利益だと判断されやすいためです。

別居後に安定した監護状況を積み重ねれば、「現在の生活環境を維持することが子どもの利益につながる」という主張が認められやすくなります。

また、別居中に問題なく子どもを養育している実績は、離婚後も継続して適切な監護ができることの重要な証拠です。

親権獲得を目指す場合は、別居時に子どもを連れていくことを検討してください。

ただし、状況によっては子どもを連れていくことで不利になることもあるので、弁護士に相談することをおすすめします。

7.配偶者が離婚に応じやすくなる

別居によって生じる生活の変化は、配偶者にも離婚を現実的に考えさせるきっかけになり、離婚に応じる可能性が高まります。

こちらの離婚の意思が固いことが明確に伝わることで、婚姻関係がすでに破綻しているという客観的な状況を相手も受け止めざるを得ません。

結果的に、関係の修復が難しいと認識し始めます。

また、配偶者自身が一人暮らしの不便さを実感したり、周囲の目や世間体を気にすることで、態度を軟化させるケースもあります。

別居という具体的な行動を起こすことで、膠着した状況に変化を促し、離婚に向けた話し合いが進みやすくなるでしょう。

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別居から離婚するデメリット4つ

別居にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。

夫婦関係の修復が難しくなることや、財産分与で不利になる可能性など、デメリットも踏まえた上で別居を検討しましょう。

1.夫婦関係の再構築は難しい

一度別居すると、物理的・心理的な距離が生まれるため、関係を修復して元の夫婦生活に戻ることは一般的に困難です。

別居期間が長くなるほど、お互いの生活環境や価値観が変化していきます。

それぞれが一人で生活することに慣れ、相手がいない生活の方が快適だと感じるようになることもあります。

離婚を前提とせず、冷却期間として別居を選択する場合もありますが、別居後に夫婦関係が修復されるケースは多くありません。

やり直したい気持ちがある場合は、別居という選択が本当に適切かどうか、慎重に検討してください。

2.婚姻費用を支払う必要がある(配偶者より収入が高ければ)

収入が高い側は、別居中の配偶者に対して婚姻費用を支払う義務が生じます。

離婚が成立するまでの間、毎月一定の金額を支払い続けなければなりません。

自分の生活費に加えて配偶者の生活費も負担することになるため、経済的な負担は大きくなります。

別居期間が長引くほど、支払う婚姻費用の総額は増えていきます。

収入が高い側にとっては、早期に離婚を成立させた方が経済的なメリットが大きいでしょう。

3.相手が財産を隠すリスクがある

別居中は、相手が財産隠しをおこなう可能性が高まる点もデメリットです。

財産分与の際に自分が受け取る財産を多くしようと、預貯金を引き出したり財産の名義を変更したりして全容を把握しづらくするケースがあります。

同居中であれば相手の行動を把握しやすいですが、別居で物理的な距離が空くと、相手の怪しい行動に気付きにくくなるものです。

知らない間に財産がなくなっていた、という事態は充分起こり得ます。

財産隠しのリスクを抑えるため、別居前に共有財産の証拠を確保しておくことが重要です。

預金通帳預金通帳や株主総会招集通知の写真、保険証券など財産に関する資料を事前に入手しておきましょう。

4.財産分与の対象財産が減る

別居中に築いた財産は原則として財産分与の対象外です。

相手の収入が多い場合、もらえる財産が減る可能性があります。

判例上、夫婦の協力関係が終了した時点、すなわち別居時を財産分与の基準時とするのが一般的です。

別居後は夫婦が協力して財産を築いていないと考えられます。

例えば別居時に1,000万円だった共有財産が、離婚時には相手の努力で1,500万円に増えていたとしても、財産分与の対象は別居時の1,000万円とされます。

相手の収入が高い場合は、別居期間が長引くほど財産分与で不利になる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

離婚に向けた別居をするときの注意点4つ

別居を実行する際に守るべき注意点を怠ると、離婚手続において不利な立場に置かれる可能性があります。

離婚に向けた別居をするときの4つの注意点を紹介するので、理解しておきましょう。

一方的な別居をしない

正当な理由なく一方的に家を出て別居する行為は、民法上の「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。

悪意の遺棄とは、正当な理由なく同居義務や扶助義務を放棄することです。

悪意の遺棄と判断されると、離婚手続において不利な立場に置かれます。

ただし、DVやモラハラからの避難、相手の不貞行為など正当な理由がある場合は、悪意の遺棄には該当しません。

別居する際は、別居することが不利にならないように慎重に行動する必要があります。

別居中に配偶者以外の異性と交際しない

別居中にほかの異性と性的関係をもつと、慰謝料請求の対象となるため注意してください。

別居中であっても婚姻関係は続いているため、異性との性的関係は不貞行為に該当します。

「もう別居しているから」「夫婦関係は破綻しているから」と軽く考えて異性と交際してしまうと、離婚交渉で大きく不利になります。

離婚が正式に成立するまでは、異性との交際は控えましょう。

親権を獲得したいなら子どもを手放してはいけない

親権の取得を考えている場合、別居するときに子どもを相手方に預けるのは避けなければなりません。

一度離れてしまうと、あとから自分のもとに戻すハードルが一気に高くなります。

家庭裁判所が重視するのは、現在どちらが日常的に子どもの世話をしているかという点です。

別居後に相手が子どもの生活全般を担う状態が続くと、裁判所はその状況を「子どもにとっての安定」と見なします。

そのため、子どもと離れて暮らしている側が親権を主張しても認められにくくなるでしょう。

子どもの生活環境や学校のことも考慮したうえで、別居時には親権獲得のうえで不利にならないように計画的に行動することが重要です。

別居中でも受給できる公的扶助・助成金の手続きをする

離婚前の別居中でも、受給対象となる公的支援制度があります。

経済的な基盤を安定させるために、該当する制度の手続きを速やかにおこないましょう。

利用できる制度は自治体によって異なるため、市区町村の福祉課に相談することをおすすめします。

別居後の生活を安定させるためにも、公的支援の活用は重要です。

児童手当

住民票を移し、市区町村の役所で手続きをすれば、実際に子どもを監護している親が児童手当を受け取れるようになります。

児童手当は、国内に居住する高校生年代までの児童を養育している方が受給対象です。

2024年10月から所得制限が撤廃され、全ての親が一定金額を受け取れるようになりました。

子どもの年齢

一人あたりの支給月額

3歳未満

15,000円(第3子以降は30,000円)

3歳以上から高校生年代まで

10,000円(第3子以降は30,000円)

別居後に住民票を移したら、速やかに役所で受給者変更の手続きをおこないましょう。

生活保護

収入が最低生活費を下回る場合、世帯分離をすることで生活保護の受給対象となる可能性があります。

生活保護は、生活保護法に基づき、困窮の程度に応じて必要な保護を受けられる制度です。

自身の収入や婚姻費用でも生活していくのが困難な場合は、申請を検討しましょう。

申請にあたっては、資産や収入、扶養義務者の援助可能性などが調査されます。

市区町村の福祉事務所に相談し、受給要件を満たすかどうか確認してください。

離婚と別居に迷った場合の2つの判断基準

離婚原因があるものの離婚するか別居をするかで迷っている場合、別居にメリットがどのくらいあるのかを考えましょう。

ここでは2つの判断基準を紹介します。

別居することで金銭的に損をしないか

別居によって経済的に不利になる可能性がないか、事前に確認しておく必要があります。

特に、財産分与や婚姻費用の観点から検討しましょう。

配偶者より自分の収入が高い場合、相手へ婚姻費用を支払う必要があります。

家計も2つにわかれ、一緒に暮らしているときより経済的に損することになるでしょう。

一方、自分の収入が低い場合は、別居中に婚姻費用を受け取れるメリットがあります。

しかし、別居時に積み上げた資産は財産分与の対象となりません。

相手の収入が高く、今後も資産が増える見込みがある場合、別居期間が長引くと財産分与で不利になる可能性があります。

婚姻費用と財産分与のバランスを考慮し、どのタイミングで別居するのが最も有利かを検討することが重要です。

離婚後の生活の準備や計画ができているか

離婚後の生活設計がどれだけできているかも、離婚か別居の判断基準となります。

すでに住まいの確保や収入の見通し、子どもの生活環境の調整などが明確にできている場合は、必ずしも別居期間を設ける必要はありません。

一方で、離婚後の生活が具体的にイメージできていない場合は、いきなり離婚すると生活が不安定になりやすく、精神的負担も大きくなります。

ひとまず配偶者と離れて生活してみることで、必要な生活費を把握したり、新居探しや就職活動などの課題を整理したりできるでしょう。

準備や計画の有無は、離婚後の生活の安定を左右する大きなポイントです。

不安が残る場合は、別居期間を上手に活用しながら、離婚後に無理なく暮らせる基盤を整えることをおすすめします。

別居後から離婚するまでに考えておくと良いもの

別居後から離婚成立までの間に、離婚条件について検討しておくと、交渉がスムーズに進みます。

自分の希望と妥協できる範囲を明確にしておくことで、不利な条件を飲まされるリスクを減らせるでしょう。

離婚後の仕事はどうするか

離婚後の経済的な自立のために、仕事についての見通しを立てておくことが重要です。

離婚後は婚姻費用を受け取れないため、自分で充分な生活費を稼がなくてはいけません。

特に専業主婦やパート勤務の場合は、フルタイムの仕事を探す必要があるでしょう。

ハローワークでは就職支援や資格取得支援を受けられるので、早めに相談に行くのがおすすめです。

なお、離婚後に子育てと仕事を両立する必要がある場合は、勤務時間や勤務場所の融通が利く職場を探すことが大切です。

別居期間中に就職活動を進め、離婚後の収入源を確保しておきましょう。

子どもの親権をどちらがもつか

未成年の子どもがいる場合、離婚時に親権者を決める必要があります。

離婚届は、親権者の記載がないと受理されません。

親権獲得を希望する場合は、別居中に安定した監護実績を積み重ねることが重要です。

子どもの生活環境を整え、学校行事にも積極的に参加するなど、親として適切に監護している証拠を残しておきましょう。

なお、法改正により2026年4月から共同親権が選択できます。

改正前に離婚が成立していても、共同親権への変更申立てが可能です。

共同親権を選ぶか単独親権を選ぶかは、親同士の関係性やコミュニケーションの状況、そして「子どもにとって最善の環境は何か」を基準に慎重に検討することが大切です。

養育費をいくらにするか

子どもの養育費の不払いは深刻な社会問題となっており、その多くは離婚時に取り決めが不十分だったことが原因です。

子どもがいる場合は、養育費について曖昧なまま離婚することは絶対に避けなければなりません。

少なくとも、次の点は明確に決めておきましょう。

  • 養育費はいくら必要とするのか
  • 何歳まで支払うのか(原則として成人・大学卒業までなど)
  • 支払い方法や支払い日をどうするか
  • 支払いが滞った場合の対応(公正証書の作成、強制執行の可否 など)

また、決めた条件は口約束で終わらせず、離婚協議書を公正証書にして「強制執行認諾文言」を入れておくことが重要です。

不払いがあった場合に、裁判なしで相手の給与や財産を差し押さえることができます。

なお2026年4月の法改正後は、離婚時の取り決めがなくても法定養育費(月額2万円の方針)を請求することが可能です。

ただし、法改正後に離婚したケースのみに適用されます。

慰謝料を請求するか

相手が不法行為をした場合は、離婚する・しないに関わらず、慰謝料を請求できます。

請求するかどうか、いくら請求するかを検討しましょう。

慰謝料を請求できるケース
  • 不貞(不倫)行為があった
  • 悪意の遺棄があった(生活費を渡さない・育児放棄など)
  • DVやモラハラがあった
  • そのほかの理由があった(性交渉の拒否・過度な浪費など)

慰謝料請求には客観的な証拠が必要です。

証拠がなければ相手が事実を否定した場合に反論できないため、別居中に有効な証拠を集めておきましょう。

また慰謝料の相場は不法行為の種類によって異なり、例えば不倫に対する慰謝料相場は100万円~300万円です。

ただし、実際に請求できる金額はケースごとに異なるため、弁護士に相談し、適切な慰謝料金額を見極めてもらいましょう。

同時に証拠収集の方法や請求手続もサポートしてもらうことで、より確実に慰謝料を得られます。

財産分与で得たい財産はあるか

財産分与で何を受け取りたいか、優先順位を決めておきましょう。

全ての希望を通すのは難しいため、譲れないラインを明確にしておくことが重要です。

財産分与の対象となるのは、次のとおりです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 自動車
  • 保険の解約返戻金
  • 退職金など

「現金を受け取りたい」「家に住み続けたい」など、自分にとって優先度の高い財産を整理しておきましょう。

住宅ローンが残っている不動産がある場合は、売却するか、どちらかが住み続けるかによって対応が異なります。

複雑な問題が絡む場合は、弁護士に相談するとスムーズです。

別居・離婚を考えたら「ベンナビ」で弁護士に相談しよう

別居や離婚の手続きは複雑で感情的な対立も生じやすいため、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士のサポートを受けることで、法的に不利になることを避け、自身の権利を最大限に守ることができます。

弁護士は相手との交渉や法的手続を代行してくれるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。

離婚問題に強い弁護士を探すなら、「ベンナビ離婚」を活用してください。

地域や相談内容から、離婚問題に特化した弁護士や法律事務所を検索できます。

無料相談に対応している事務所も多く掲載しているため、費用面が心配な方でも気軽に利用してみてください。

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別居や離婚に関してよくある質問

別居や離婚に関して、よく寄せられる質問にお答えします。

疑問点を解消しておきましょう。

別居中の子どもを連れ戻したい場合はどうすればいい?

相手が子どもを連れて家を出た場合、まずは話し合いを試みましょう。

話し合いに応じない場合は、家庭裁判所に「子の引渡しの審判」や「面会交流調停」を申し立てる法的手段があります。

決して、子どもを無理やり家へ連れ戻すのはやめてください。

学校の帰りに待ち伏せをしたり、相手の家に無断で立ち入って連れ去ると法的なトラブルに発展する可能性があります。

話し合いで解決しない場合は、弁護士に相談したうえで適切な手続きを進めることをおすすめします。

別居中にどうやって離婚を切り出せばいい?

相手の性格や関係性に応じて、冷静に話し合える方法を選びましょう。

離婚の意思と理由、今後の話し合いの希望を明確に伝えることが重要です。

直接の対話は感情的な対立を招きやすいため、書面(手紙、メール、LINE)で伝える切り出し方法もあります。

書面なら記録が残り、冷静な意思伝達が可能です。

DV・モラハラの懸念がある場合は、二人きりで直接話し合うのは避けましょう。

第三者を交えて話し合うか、弁護士に代理交渉を依頼するのが、安全かつ確実な方法です。

別居中に相手が離婚話に一切応じてくれないときはどうすればいい?

離婚の話し合いが困難な場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てるのが一般的な解決策です。

調停は、当事者間の話し合いによる解決を目指す手続き。

調停員を介して、互いの主張をすり合わせて解決を図ります。

もし相手が調停に出席しない場合や、調停でも合意できない場合は、離婚訴訟に移行します。

裁判では、法定離婚事由の存在を証明しなくてはいけません。

長期間の別居も法定離婚事由のひとつになり得るため、別居を継続しながら調停・訴訟を進めることも選択肢です。

一方的に家を出て別居した場合、悪意の遺棄として不利になる?

理由なく一方的に家を出て生活費を入れない場合は、悪意の遺棄として不利になる可能性があります。

例えば、「自由に生活したかった」「不倫相手と一緒になりたい」といった理由で家を出た場合、悪意の遺棄に該当するでしょう。

一方、DVやモラハラ、相手の不貞行為など正当な理由があれば、悪意の遺棄にはなりません。

特に暴力や脅迫行為で命の危険がある場合は、身の安全を最優先にしてください。

正当な理由がある別居かどうかは、離婚手続で重要な判断材料となるため、必要に応じて証拠を残しておくことも大切です。

別居中の住民票は移すべき?

原則、別居中には住民票を移すべきです。

住民票は行政サービスを受ける上での基本的な登録情報であり、実際の居住地に登録することが法律で求められています。

住民票を移すと、児童手当の受給者変更や保育園の入園申請なども可能です。

もしDVなどで相手に住所を知られたくない場合は、役所で「住民票の閲覧制限」を申請できます。

支援措置の申請により、加害者による住民票の閲覧・交付を制限することが可能です。

別居から離婚する人はどれくらい?別居婚の離婚率は?

最初から別居婚をしている夫婦の離婚率において公的機関のデータはありません。

また、別居から関係修復にいたる夫婦の割合も公的なデータがありません。

ただ、厚生労働省の統計によると、令和2年に裁判離婚が成立した夫婦の56.8%が別居期間1年未満、34.1%が1~5年未満です。

協議離婚においては1年未満が86.2%となっており、多くの夫婦が別居期間平均5年以内で離婚かするかどうかの選択をしていることがわかります。

まとめ

別居は単なる「離れて暮らす」という行為ではなく、離婚を有利に進めるための重要なプロセスです。

特に次のケースでは、別居が最善の選択となり得ます。

  • 配偶者が離婚に同意してくれない
  • DVやモラハラの被害にあっている
  • 子どもに悪影響を及ぼしている

また、裁判で離婚が認められやすくなる、親権獲得につながるなど、別居には多くのメリットがあります。

しかし、夫婦関係の修復が難しくなったり、金銭面のデメリットがあったりするため、慎重に判断しましょう。

まずは現状を客観的に整理し、自分と子どもにとって最も安全で納得のいく選択ができるよう、必要に応じて弁護士のサポートを得ながら進めていくのが重要です。

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この記事の監修者
東日本総合法律会計事務所
加藤 惇 (第一東京弁護士会)
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