養育費増額調停とは?申し立てが認められるケースや必要書類なども解説
離婚時に取り決めた養育費ですが、子どもの進学や収入の増減をはじめとする事情の変化が起こることは珍しくありません。
一度決めた養育費であっても、正当な理由があれば増額を求めることは可能です。
当事者同士の話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所の養育費増額調停を利用することで、適正な金額に見直せる可能性があります。
本記事では、養育費増額調停の仕組みや増額が認められる具体的なケース、手続きの流れから有利に進めるポイントまでをわかりやすく解説します。
子どもの将来と現在の生活を守るために、正しい知識を身につけて増額交渉の一歩を踏み出しましょう。
養育費増額調停とは|調停委員を介して養育費の増額を話し合う法的手続き
養育費増額調停は、一度決めた養育費を増やすことができるか、家庭裁判所で話し合う手続きです。
裁判官と調停委員が、当事者双方の事情や意見を公平に聴きながら話し合いを進め、最終的に合意に達することを目指します。
当事者同士の直接交渉で折り合いがつかない場合や、そもそも相手が話し合いに応じない場合は、養育費増額調停をおこなうことで解決の道が開けます。
感情的な対立を避けながら冷静な議論を進められる点も利点です。
合意に達した場合、裁判所は調停調書を作成します。
調停調書は確定判決と同じ法的効力を持つため、相手が約束を守らない場合には給与差押えなどの強制執行が可能です。
養育費の増額が認められるための要件
養育費の増額が認められるには、取り決めた当時には予測できなかった「事情の変更」があったと、客観的に認められる必要があります。
原則として、一度合意した養育費は尊重されるべきです。
しかし、その前提となった事情が大きく変わり、当初の金額を維持するのは著しく不公平だと判断される場合にのみ、見直しが認められます。
たとえば「子どもが15歳になった」という事情だけでは、離婚時に十分予測できたことなので「事情の変更」には該当しにくいです。
一方で「当初想定していなかった私立大学に進学し、学費が年間100万円以上増えた」といったケースでは、事情の変更として認められやすくなります。
(扶養に関する協議又は審判の変更又は取消し)
第八百八十条 扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。
引用元:民法 | e-Gov 法令検索
養育費の増額調停が認められるケース
養育費の増額が認められるかどうかは、個別の事情によって判断されます。
増額が認められやすい典型的なケースを具体的に解説します。
養育費を受け取る側の収入が減少した場合
養育費を受け取る側の収入が大幅に減少し、現在の養育費では生活が難しいという場合は、養育費の増額が認められる場合があります。
養育費は、子どもの健全な成長のために必要な費用です。
受け取る側の収入減少により、子どもの生活に支障をきたしてしまう事態は避けなければなりません。
とくに受け取る側の収入減少が会社の倒産やリストラなど、予期せぬ事情によるものであれば、増額が認められる可能性は高まります。
養育費の増額を請求する際は、収入減少の理由を明確に説明し、増額の必要性を具体的に示すことが重要です。
ただし、受け取る側が働けるにもかかわらず、自分の意思で働いていない場合は、増額が認められにくいです。
養育費を支払う側の収入が増加した場合
離婚後、養育費を支払う側の収入が上がった場合も、増額が認められる可能性があります。
たとえば、離婚時に夫(支払う側)の年収が400万円、妻(受け取る側)の年収が200万円で考えてみましょう。
養育費の金額を取り決めたあと、夫の年収が600万円に増加したにもかかわらず、妻の年収が200万円にとどまっている場合、以前と同じ養育費の金額では不公平感が生じます。

収入バランスの変化は、養育費見直しの根拠となりえます。
ただし、 離婚後は相手の収入状況を把握することが難しくなるのが実情です。
離婚時に「〇年に1回、お互いの年収を開示し、養育費を決め直す」という条件を盛り込んでおくとよいでしょう。
子どもの教育費が増加した場合
子どもの成長に伴い、進学や習い事などで教育費が増加した場合、養育費の増額が認められることがあります。
ただし、以下の条件に合致しなければ増額は認められません。
- 教育費用の増額分を見越して決めた金額ではない
- 支払う側が、受け取る側の教育内容を承知している
- 支払う側の教育歴と生活レベルを考慮した教育内容である
養育費の増額を請求する際は、教育費の増加分を具体的に示す必要があります。
学費の見積もりや領収書、塾や習い事の契約書などの資料を提示し、 増額の必要性を明確に説明しましょう。
子どもに高額な医療費が必要になった場合
子どもに疾患や障がいがあり、継続的に多額の医療費がかかる場合は、養育費増額の根拠として認められやすいといえます。
通常の養育費算定表には、疾患や障がいなどに対する医療費は含まれていません。
想定外の医療費が発生した場合は、その費用を養育費に反映させる必要性が認められやすいです。
養育費の増額を請求する際は、子どもの特別な事情と、それに伴う経済的な負担を明確に示す必要があります。
- 医療機関の診断書
- 療育施設の利用証明
- 医療費の領収書 など
継続的な治療やリハビリが必要な場合は、養育費の取り決め自体を見直すことを検討すべきです。
養育費増額調停の前にやるべきこと
いきなり家庭裁判所に調停を申し立てるのではなく、まずは段階を踏んで行動することが重要です。
養育費の増額調停前にやるべきことを解説します。
元配偶者との直接交渉する
調停を申し立てる前に、まずは当事者間で直接交渉(協議)を試みてください。
時間と費用の節約につながります。
調停は申し立てから解決まで平均6ヶ月以上かかるうえ、費用も発生します。
一方で、当事者同士の話し合いであれば、費用はかからず、双方が納得すれば数日で解決することも可能です。
電話やメールで「子どもの進学費用について相談したい」と冷静に切り出し、話し合いの機会を設けましょう。
感情的にならず、養育費算定表を参考にした妥当な金額を提示することで、相手も応じやすくなります。
直接の連絡が難しい場合は、弁護士に代理交渉を依頼する方法も有効です。
合意できた場合は公正証書などを作成する
話し合いで増額に合意できた場合は、内容を必ず書面に残してください。
作成する書類は、公正証書がおすすめです。
口約束だけの合意では、あとになって「そんな約束はしていない」と言われたり、支払いが滞ったりするリスクがあります。
強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、万が一支払いが止まった際も、裁判を経ずに相手の給与や預金を差し押さえることが可能です。
- 増額後の月額
- 支払いの始期と終期
- 支払日と振込先
- 強制執行に従う旨の文言
作成は公証役場で行い、手数料は合意内容によって異なりますが数万円程度であることが多いです。
養育費の増額調停における金額の決まり方
養育費の増額調停において、金額の決定には、一定の基準や算定方法が用いられますが、個別の事情も考慮されます。
金額決定の仕組みを解説します。
養育費算定表に基づいて決める
家庭裁判所では、裁判所が公表している「養育費算定表」を標準的な養育費の目安として利用しています。
養育費算定表は、両親の年収と子どもの人数・年齢などを考慮した養育費を迅速に算定するためのツールです。
調停や審判では、特別な事情がない限り、養育費算定表に基づいて計算された金額を基準とすることが多いです。
養育費の増額調停でも、まず現在の双方の収入を算定表にあてはめて適正額を確認します。
増額を求める場合は、現在の養育費が算定表の金額を下回っていることや、特別な事情により算定表以上の金額が必要であることを具体的に示す必要があります。
特別な事情がある場合は考慮される
養育費算定表はあくまで標準的な目安であり、個別の事情は反映されていません。
算定表で得られる金額は、公立学校に通う一般的なケースを想定しています。
そのため、私立学校への通学や高額な医療費の発生などの特別な事情により、算定表の金額では当事者間に著しい不公平が生じる場合は、これを考慮して養育費を決定します。
特別な事情を主張する際は、学費の見積書や医療費の領収書など、客観的な資料で裏付けることが不可欠です。
養育費増額調停を申し立てる流れ

当事者間の話し合いで解決できなかった場合は、家庭裁判所への調停申立てを検討しましょう。
養育費増額調停の流れについて解説します。
1.必要書類を準備する
まずは養育費増額調停の申し立てをおこなうための必要書類を準備してください。
主に必要な書類は、以下のとおりです。
- 申立書の原本及び写し:各1通
- 連絡先等の届出書:1通
- 事情説明書:1通
- 進行に関する照会回答書:1通
- 未成年者の戸籍謄本(全部事項証明書):1通
- 申立人の収入関係の資料(源泉徴収票、給料明細、確定申告書等の写し)
- 収入印紙:1,200円(未成年の子ども一人につき)
- 郵便切手(家庭裁判所により金額が異なる)
- 非開示の希望に関する申出書(必要に応じて提出)
上記のほか、 審理のために必要な場合は追加書類が求められます。
2.養育費増額調停を申し立てる
必要書類が揃ったら、相手方が実際に居住している地域を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
申立書に必要事項を記入し、子どもの戸籍謄本や増額の必要性を示す資料などを添付して、家庭裁判所に提出します。
原則として相手方の住所地の家庭裁判所が提出先となりますが、当事者間で合意があれば他の家庭裁判所を選ぶことも可能です。
申立書が受理されると、初回調停期日が調整されます。
決定した期日は、調停期日呼出状として当事者双方に郵送で通知されます。
.裁判官と調停委員を介して話し合いをする
調停期日には、当事者双方が指定された期日に裁判所へ出向き、話し合いをおこないます。
当事者双方が直接対面せず、調停委員を介して意見を交換できるため、感情的な対立を避けた冷静な議論が可能です。
調停委員は、当事者双方の事情や意見を聞き、養育費増額の可否や妥当な金額を検討します。
話し合いを通じて双方が合意に達すれば、裁判所で調停調書が作成されるのが一般的な流れです。
1回の調停で合意に至らなければ、1~1.5ヶ月に1回程度のペースで第2回、第3回と期日が開催されます。
4.調停調書が作成されて調停成立となる
話し合いがまとまれば、合意内容を記した「調停調書」が裁判所によって作成され、調停は成立(終了)となります。
調停調書は、裁判の確定判決と同じ債務名義としての強い法的効力を持つ文書です。
もし相手が約束通りに支払わない場合には、別途裁判を起こすことなく、給与や預金の差し押さえ(強制執行)が可能になります。
調書には「申立人と相手方は、子の養育費として、令和○年○月から月額△万円を支払うことを合意する」という具体的な内容が明確に記載されます。
養育費増額調停の申し立てにかかる期間
養育費増額調停の期間は、一般的に6ヶ月程度です。
ただし、争点が複雑な場合や相手が非協力的な場合は、1年以上かかることもあります。
お互いの譲歩によって、すぐに合意できれば短期間で終了します。
しかし、相手が収入資料を出さなかったり、頑なに増額を拒否したりする場合は、期間が長引きやすいです。
| 期間の目安 | 期日回数の目安 | |
| スムーズな場合 | 2~3ヶ月 | 2~3回 |
| 一般的な場合 | 6ヶ月前後 | 5~6回 |
| 対立が激しい場合 | 1年以上 | 6回以上 |
解決までの期間を見越して、早めに手続きを開始することが重要です。
養育費増額調停の申し立て費用
調停を申し立てる際裁判所へ納める費用は、子ども1人につき収入印紙1,200円と、連絡用の郵便切手代(数千円程度)のみです。
あくまで裁判所に納める手数料であり、弁護士に依頼する場合の費用は別途発生します。
弁護士費用の相場については後述します。
- 収入印紙:子ども1人につき1,200円(2人の場合は2,400円)
- 郵便切手:1,000円~数千円程度(裁判所からの指定によって異なる)
申し立て費用と必要書類(戸籍謄本の発行手数料など)があれば、誰でも調停を申し立てることが可能です。
養育費の増額調停を拒否・欠席された場合の流れ
相手が調停を拒否したり、欠席を続けた場合でも、手続きが止まるわけではありません。
調停不成立や欠席の場合の対応について解説します。
調停不成立の場合は養育費増額審判に移行する
話し合いがまとまらない場合、調停は不成立として終了しますが、そこで諦める必要はありません。
手続きは自動的に審判へと移行します。
審判で判断を下すのは、調停委員ではなく裁判官です。
双方の主張と提出された全ての資料を基に、増額の可否や妥当な金額を法的に決定します。
たとえば相手が「1円も増額には応じない」と強硬な態度を崩さず、調停委員が「合意の見込みがない」と判断した場合は、調停不成立として審判手続に移ります。
審判で決まった内容には法的拘束力があるため、相手が従わなければ強制執行が可能です。
正当な理由のない欠席は自動的に審判が下される
相手が調停の呼び出しを無視して欠席しても、手続きは進みます。
最終的には、申立人の主張や証拠に基づいて審判が下されるため、欠席は相手にとって著しく不利になることが多いです。
正当な理由なく出頭しない場合、裁判所は5万円以下の過料の制裁を科すことがあります。
(事件の関係人の呼出し)
第五十一条 家庭裁判所は、家事審判の手続の期日に事件の関係人を呼び出すことができる。
2 呼出しを受けた事件の関係人は、家事審判の手続の期日に出頭しなければならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、代理人を出頭させることができる。
3 前項の事件の関係人が正当な理由なく出頭しないときは、家庭裁判所は、五万円以下の過料に処する。
相手が一度も出頭せず、反論の書面も提出しない場合、申立人が提出した収入資料や増額理由の証拠がそのまま採用されます。
その結果、申立人の主張どおりの審判が下される可能性が高いです。
養育費の増額調停で聞かれること
調停委員は、公平な判断をするために以下の3点を重点的に質問します。
- 増額を求める具体的な理由(事情の変更)
- 希望する増額の金額とその算定根拠
- 相手方の収入や生活状況についての認識
まず、増額の妥当性を判断する理由として、なぜ養育費の増額が必要になったのか、根本的な理由について詳しく聞かれます。
家計の収支状況と合わせて、具体的な数字を交えて客観的に説明できるよう準備しましょう。
次に、具体的にいくらの増額を希望するのか、金額の算定方法を明確に説明するよう求められます。
感情的に訴えるのではなく、客観的資料に基づいた論理的な説明が重要です。
また、双方の事情を公平に把握し、現実的な解決策を探るため、相手方の現在の収入や生活状況をどのように認識しているか聞かれることもあります。
冷静に事実や自身の考えを述べることが大切です。
養育費の増額調停を有利に進める4つのポイント
養育費増額調停を有利に進めるためには、事前準備と調停期日での立ち振る舞いが重要です。
増額を実現するための具体的なポイントを解説します。
増額の必要性を証明できる証拠を用意する
養育費増額の調停や裁判では、 増額が必要であることを証明する客観的な証拠を提出することが重要です。
相手方の収入を示す資料があれば、調停において強力な証拠となります。
裁判官や調停委員は、当事者の主張だけでなく証拠に基づいて判断を下します。
相手の収入に見合った養育費が支払われていないことを証拠として示せば、増額の必要性を訴えることが可能です。
- 収入資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書など)
- 子どもの教育費がわかる学校の案内書類
- 塾や習い事の契約書
- 医療費の領収書 など
ただし、相手のプライバシーに配慮し、必要な範囲で証拠を収集しなければならないため、証拠収集の方法については、弁護士に相談するのが賢明でしょう。
資料に基づいた妥当な金額を請求する
養育費の増額を請求する際は、養育費算定表や具体的な支出増加額など、客観的な根拠に基づいた金額を主張しましょう。
単なる要望ではなく、説得力のある主張をマナーを守っておこなうことで、調停委員に好印象を与え、 調停を有利に進められます。
調停委員に自分の主張が正当であると理解してもらえれば、相手方への説得もおこなってもらえる可能性があります。
根拠のない高額請求は、かえって心証を悪くする恐れが高いです。
適切な資料に基づいた妥当な請求は、調停を有利に進める上で重要なポイントとなります。
調停委員に好印象を与える立ち振る舞いを心がける
調停委員は中立な立場ですが、人間である以上、心証は判断に影響します。
相手への不満や過去の悪口を言うのではなく、「子どもの健やかな成長のため」という一貫した姿勢で、冷静かつ協力的に話すことが重要です。
協力的で論理的な態度を示す当事者のほうが、より親身に解決策を探してもらいやすくなります。
「相手が浮気したから養育費を増やすべき」といった感情的な訴えは避けましょう。
「子どもの将来の選択肢を狭めたくないので、ご協力をお願いしたいです」といった前向きな姿勢で臨むことが大切です。
養育費の増額請求が得意な弁護士に相談・依頼する
養育費の増額を有利に進めるためには、離婚問題に精通した弁護士への相談・依頼が効果的です。
弁護士は事前準備の段階から、増額請求を有利に進めるためのポイントをアドバイスしてくれます。
どのような証拠を集めるべきか、どのくらいの増額が見込まれるかなど、具体的な見通しを立てることが可能です。
交渉が難航した場合の対処法についても助言が受けられるため、調停が長期化しても安心です。
弁護士費用はかかりますが、養育費は長期的に受け取るものなので、増額が実現すれば費用倒れにもなりにくいでしょう。
養育費の増額は「ベンナビ離婚」で弁護士に相談!
養育費の増額請求を検討しているならベンナビ離婚の利用がおすすめです。
ベンナビ離婚は、日本全国の弁護士を検索できるサイトです。
養育費の問題に強い弁護士が数多く在籍しており、自分に合った弁護士を検索できる絞り込み検索にも対応しています。
24時間相談可能なので、空いた時間に気兼ねなく相談できます。
養育費の増額調停をしようと考えている方は、子どもの将来のためにもベンナビ離婚で弁護士を探してみましょう。
養育費増額調停を弁護士に依頼するメリットと費用相場
弁護士への依頼を検討する際、気になるのはメリットと費用のバランスでしょう。
弁護士に依頼する具体的なメリットと、費用の相場について解説します。
弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼する最大のメリットは、以下の3点です。
- 面倒な手続きや書類作成を全て任せられる
- 相手と直接話すストレスから解放される
- 法的根拠に基づいた交渉で、有利な結果を得られる可能性が高まる
弁護士には具体的に、書類作成をはじめ、裁判所との日程調整、調停期日への出席などを全て代理してもらえます。
直接相手と話さなくてもよいため、相手からの心ない言葉による精神的苦痛を避けられる点も、大きなメリットです。
また、弁護士は交渉のプロであり、過去の判例や実務に精通しています。
個人で対応するよりも増額できる金額が大きくなるケースも少なくありません。
弁護士費用の相場
弁護士費用は事務所によって異なりますが、一般的な相場は総額で40万円~100万円程度です。
| 内訳 | 内容 | 相場の目安 |
| 相談料 | 初回の法律相談費用 | 30分あたり5,000円~1万円(初回無料の事務所も多い) |
| 着手金 | 依頼時に支払う費用 | 20万円~50万円程度 |
| 成功報酬 | 増額に成功した場合の費用 | 経済的利益の10%~20% |
| 日当 | 外での活動にかかる費用 | 3万円~(事務所によっては発生しない場合もある) |
| 実費 | 各種手続きの際に発生する費用 | 事務所によって費用は異なる |
依頼前に複数の事務所で見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
養育費増額調停を申し立てる際の注意点
養育費増額調停を申し立てても、 必ず増額が認められるわけではありません。
養育費の増額調停には、リスクがあることも理解しておきましょう。
養育費が減額される可能性がある
養育費の増額を求めて調停を申し立てたものの、逆に減額されてしまうリスクがあります。
養育費の増額請求では、双方の収入や支出の変動だけでなく、過去の支払状況や支払う側の負担も考慮されます。
支払う側が過度に負担をしてきたと判断された場合は、増額請求が却下され、減額される可能性が高いです。
調停を申し立てる前に、相手の現在の状況をできる限り把握しておくことが重要です。
算定表以上の養育費は認められにくい
家庭裁判所の調停や審判では、養育費算定表に基づいて金額が決定されるため、算定表以上の金額を獲得することは難しいとされています。
算定表は一般的なケースを想定しており、私立学校の学費や高額な医療費などの特別事情は含まれていません。
特別な事情を加味した増額を求める場合は、その必要性を具体的な資料で証明する必要があります。
調停委員の理解を得られれば、算定表を超える養育費が認められる可能性はあります。
ただし、原則として特別な事情がなければ算定表の範囲内で決定されることを念頭に置いておきましょう。
調停が終了するまでに時間がかかることがある
養育費の増額調停は、申立てから終了まで平均6ヶ月程度かかります。
また、当事者間の意見の相違が大きい場合や、複雑な事情がある場合には、複数回の調停が必要となり、1年以上長引くことも考えられるでしょう。
調停は平日の日中に開催されるため、仕事の都合で出頭できない場合は、日程調整に時間がかかりやすいです。
相手が非協力的な場合や争点が複雑な場合も、解決までの期間が延びる傾向にあります。
調停が長引く場合に備えて、弁護士への依頼を検討することも一つの選択肢です。
弁護士であれば代理で出頭できるケースもあり、時間的・精神的な負担を軽減できます。
養育費増額調停に関するよくある質問
最後に、養育費の増額についてよく寄せられる3つの質問に回答します。
Q1. 子どもが15歳になったら増額できますか?
「15歳になった」という理由だけで、増額するのは困難です。
離婚時に養育費を取り決める際、将来子どもが15歳になることは、当然予測できたこととみなされます。
単なる年齢経過は、事情の変更には当たりません。
ただし、15歳になり、当初想定していなかった私立高校に進学したことで、授業料や塾代が増えた場合は、増額が認められる可能性があります。
Q2. 過去に遡って増額分を請求することはできますか?
原則として、過去に遡って「あの時も大変だったから」と養育費の増額を請求することはできません。
法的には、増額請求の意思を明確に示した時点(内容証明郵便を送った月や、調停を申し立てた月)から効果が発生するとされています。
「もっと早く言えばよかった」と後悔しないよう、必要性を感じたらすぐに行動を起こすことが重要です。
Q3. 相手が再婚した場合、養育費は増額されますか?
相手の再婚自体は増額理由になりません。
逆に、相手が再婚して子どもが生まれた場合、相手の扶養すべき家族が増えたことになります。
相手の支払い能力(可処分所得)が減ったとみなされるため、養育費の減額を請求される可能性が高いです。
相手の再婚を知った際は、慎重な対応が求められます。
まとめ|養育費増額調停が必要なら早めに手続きを!
養育費の増額調停は、元配偶者との話し合いで解決できない場合に、適正な養育費を確保するための有効な法的手段です。
増額が認められるには、取り決め時には予測できなかった「事情の変更」と、それを証明する客観的な証拠が欠かせません。
子どもの生活と将来を守るためにも、増額が必要な事情が生じた場合は、躊躇せず早めに行動を起こすことが重要です。
手続きや交渉に不安がある場合は、ベンナビ離婚で養育費の増額調停に強い弁護士を見つけて、相談してみるのがおすすめです。
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養育費の金額は、養育費の内訳に計上できるものを基準に決定します。ただし、入学金や高額治療費などについては「特別費用」として養育費に算入することも可能です。少しで...
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本記事では、年収1,000万の養育費はいくらが相場になるのか、算定表を使った確認方法や、増額のポイントなどをわかりやすく解説します。
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養育費はいつまで支払い続けなくてはいけないのでしょうか。相手が再婚しても支払い義務があるのか、成人年齢の引き下げにより18歳まで払えばいいのか、養育費の支払い期...
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子どもの扶養義務が何歳まで続くかは、子どもが未成熟子かどうかで判断されます。合意内容にもよりますが、経済的に自立していなければ扶養義務が継続するのが基本です。本...
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元配偶者から養育費の増額を請求されたものの、さまざまな理由で断りたいと思うケースもあるでしょう。養育費の増額は必ずしも受ける必要はありません。本記事では、養育費...
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離婚する際に養育費を支払うと取り決めをしたのに、支払われなくなることはよくあるようです。弁護士に相談したくても、弁護士費用などのお金の心配があり一歩踏み出せない...
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