不倫相手が既婚者と知らなかったら?慰謝料を拒否・減額する方法と証拠の集め方
独身だと思って交際していた相手が実は既婚者だったと発覚して、頭が真っ白になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、既婚者だと知らずに気づく余地もなかった場合は、慰謝料の支払い義務が否定されたり金額を大きく減らせたりする可能性があります。
場合によっては、あなた自身が交際相手へ損害賠償を請求できるケースもあります。
本記事では、慰謝料の発生条件と請求されたときの正しい対処法を具体的に解説します。
不倫の慰謝料とは|配偶者の不貞行為による精神的苦痛に対して支払われるお金
不倫の慰謝料とは、配偶者の不貞行為で害された「婚姻生活の平穏」や精神的苦痛を補償するために支払われる金銭です。結婚には、配偶者以外と性的関係を持たない貞操義務があります。
不貞行為は、この義務に反して相手の権利や平穏な生活を侵す不法行為にあたります。法的な責任は、次のように整理されます。
- 貞操義務に反してほかの異性と関係を持ち、配偶者に精神的苦痛を与えた責任を負う
- 婚姻共同生活の維持を著しく害する不適切な行為があれば、慰謝料が認められるケースがある
- 他人の配偶者と関係を持つ行為は、配偶者と共同でおこなった不法行為と評価され、同様に慰謝料を請求される
不倫の慰謝料は、貞操義務違反や婚姻生活の侵害に対する損害賠償です。不貞をした配偶者と不倫相手の双方が、その責任を追及される対象になります。
既婚者と知らなかっただけでは不倫慰謝料は免れない
既婚者だと知らなかった事実だけでは、慰謝料の支払い義務は免れません。免れるには、知らなかったことに加え、気づけなかったことに落ち度(過失)がなかったと言える必要があります。
法律上では、「相手が既婚者だと知っていたか(故意)」だけではなく、「注意すれば気づけたか(過失)」もあわせて判断材料にします。独身だと信じ込まされていても、不審な点を見過ごした落ち度があれば責任を問われます。
「自分は被害者だ」という思いが強くても、まずは冷静に法律上の基準を確認することが解決の第一歩です。
既婚者だったことを立証するのは請求する配偶者側
不貞行為やあなたの故意・過失を立証する責任は、慰謝料を請求する配偶者側にあります。裁判で慰謝料を認めてもらうには、請求する側が証拠をそろえなければなりません。
肉体関係があった・既婚と知り得たと示せなければ、請求が認められない場合もあります。証拠が不十分なまま高額を請求されても、鵜呑みにする必要はありません。
ただし、反論を通すには独身と信じた根拠といったあなた側の証拠も同じく重要になります。
既婚者と知らなかった場合でも不倫慰謝料が発生する3つのケース
既婚者だと知らなかった場合でも、状況によっては慰謝料の支払い義務が生じます。支払い義務の有無は、「知らなかった」という言葉ではなく、客観的な事実で判断されます。
特に、既婚と気づけたはずの状況・肉体関係を示す証拠・夫婦関係の破綻という3点が重要です。慰謝料が発生しやすい代表的な3つのケースを、順に見ていきます。
自分がどれに当てはまるかを確認してください。
①不倫相手が既婚者であることに故意・過失がある
相手が既婚者だと知らなかった場合でも、「不注意で気づけなかった(過失があった)」と判断されれば、慰謝料の支払い義務が生じます。法的な過失とは、少し注意すれば既婚者だと気づけたのに、その確認を怠った状態のことです。
完全に知らず落ち度もなかったと言えない限り、責任は免れません。過失の有無は、いくつかの状況から総合的に判断されます。
過失ありと見られやすいのは、共通の友人や知人がいるのに既婚かを確認しなかった・毎回ホテルや自分の家でばかり会っていたといったケースです。反対に、マッチングアプリの独身証明などで独身と信じ込まされたことが客観的に認められれば、免責の余地があります。
「相手が既婚者だと知らなかった」と述べるだけではなく、不審な点を見落とした過失が認められれば慰謝料を支払う責任は生じます。
②肉体関係があった証拠を配偶者が持っている
慰謝料の支払い義務が生じるかは、原則として肉体関係(不貞行為)を示す証拠の有無で決まります。不貞行為による損害賠償は、原則として肉体関係がある場合に発生します。
配偶者側が肉体関係を裏づける客観的な証拠を押さえていると、言い逃れは難しいです。肉体関係を示す有効な証拠には、いくつかの種類があります。
まず挙げられるのが、ラブホテルなどへ出入りする様子を捉えた写真や動画といった直接的な視覚証拠です。次に、ホテルの利用明細や領収書・クレジットカードの利用履歴などの利用の事実を示す証拠も有力です。
さらに、性的関係やホテル利用をほのめかすLINEやメールのやり取りも関係を裏づける材料になります。不貞の責任が問われる場面では、肉体関係を示す客観的な証拠の有無が重要な要素になります。
③円満な夫婦関係が不倫が原因で破綻した
不倫によって守られるべき婚姻生活の平穏が侵害されて離婚などに至った場合、慰謝料の支払い義務が生じやすくなります。不法行為(民法709条)の成立には、法的に保護される利益の侵害が必要です。
不倫では、夫婦が平穏に暮らす権利(婚姻生活の平和)が、この利益にあたります。責任は、いくつかの段階を経て明確になります。
まずは不貞によって夫婦の信頼関係や家庭の平穏が壊され、権利の侵害が生じます。次に、発覚をきっかけに関係が冷え込み、別居や離婚という重大な結果へつながります。
最後に、平穏を壊された精神的苦痛に対し、慰謝料の支払いが命じられる流れです。不倫は、単なる倫理の問題にとどまりません。
婚姻生活の平和という法的利益を著しく害する不法行為であり、夫婦関係を破綻・離婚させた場合は、明確な支払い義務が課されます。
既婚者と知らなかった場合に不倫慰謝料が発生しない4つのケース
既婚者と知らず、落ち度もなかった場合など、慰謝料の支払い義務が生じないケースもあります。どれかひとつでも当てはまる可能性があれば、支払いを約束する前に弁護士へ相談する価値があります。
具体的な4つのケースを解説します。
①既婚者だと気づける余地も過失もなかった
独身と信じる正当な理由があり、過失もなかったと認められれば、慰謝料の支払い義務は生じません。主な典型例は、相手に独身だと偽られていたケースです。
たとえば、婚活アプリに独身と登録して左手薬指の指輪も外しており、休日も普通に会えていたなら既婚を疑う手がかりはありません。共通の知人もおらず、婚姻の事実を確かめようがなかった状況も過失を否定する材料になります。
相手が既婚者だと偽っていた事情を裏づける証拠がそろえば、あなたが事実に気づけなかったという主張は説得力を増します。独身を前提としたやり取りの記録が残っていれば、なおさら有利です。
あなたに過失がなかったと客観的に示せれば、支払いを求められても堂々と反論できます。
②肉体関係を示す証拠を配偶者側が持っていない
不貞(肉体関係)を示す証拠がなければ、慰謝料請求は認められにくくなります。法律上、不貞行為と評価されるのは原則として肉体関係があった場合です。
二人で食事をした・メッセージを交わしたといった事実だけでは、慰謝料を支払う義務は生じないため、配偶者側が肉体関係を立証できないケースも少なくありません。場合によっては、写真やメッセージが状況証拠にとどまり、決定的な裏づけを欠く可能性もあります。
立証が不十分なら、請求はそのまま通りにくくなるため注意が必要です。一方、請求されたからといって安易に不貞を認めてはいけません。
認めた事実は、後の交渉で不利な材料として使われます。まずは相手がどこまで証拠を持っているかを見極めましょう。
③交際が始まった時点ですでに夫婦関係が破綻していた
交際が始まった時点で夫婦関係がすでに破綻していれば、賠償義務が否定される場合があります。破綻しているかどうかは、交際を始めた時点を基準に判断されます。
すでに家庭が壊れていたなら、不倫によって新たに侵害される婚姻生活の平穏は残っていないと考えられるためです。主な判断材料になるのは、長期間の別居や離婚協議が進んでいた事実です。
夫婦の実態がすでに失われていた状況を示せれば、責任を免れる余地が生まれます。ただし、破綻の立証は簡単ではなく、単なる不仲や一時的な別居では破綻とまで認められないのが実情です。
夫婦関係の破綻を立証するには、客観的な資料をどこまでそろえられるかが鍵になります。
④不倫慰謝料請求の消滅時効がすでに成立している
慰謝料請求の消滅時効が成立していれば、支払い義務は消滅します。時効の起算点は、配偶者が不貞の事実と相手の存在を知った時です。
時効の起算点から3年が過ぎると、慰謝料を請求する権利は原則として消滅します。不貞から長い年月が経っているなら、時効の可能性を検討する価値があります。
ただし、時効は自動的に成立するわけではありません。「時効を主張します」と相手へ明確に伝える援用と呼ばれる手続きが別途必要です。
援用しない限り、支払い義務は残り続けるため注意が必要です。時効の完成が近い場合や成立済みかもしれないと感じた場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。手続きを誤ると、主張できるはずの時効を活かせなくなります。
【重要】時効は不貞と相手を知った時から3年が原則
不倫慰謝料の請求権は、配偶者が不貞の事実と相手を知った時から3年で時効にかかるのが原則です。ただし民法724条では、損害と加害者を知った時から3年で消滅する短期の時効と、不貞行為の時から20年で消滅する長期の時効の2パターンが設けられています。
時効の起算点となるのは、配偶者が不貞行為の事実と相手の存在を知った日です。不貞があったという事実と相手が誰かの両方を配偶者が把握した時点から、3年のカウントが始まります。
不貞の存在を薄々感じていただけでは不足とされ、不倫相手を特定できて初めて時効は進行します。ただし、いつを起算点とするかは個別の事情によって判断が分かれます。
配偶者がいつ事実を知ったかをめぐって、争いになる場合も少なくありません。自分のケースで時効が成立しているか不安なら、弁護士に確認しておくと安心です。
不倫相手が既婚者と知らなかったのに慰謝料を請求されたときの対処法4つ
不倫トラブルにおいて、「独身だと思っていたのに突然慰謝料を請求された」という事態は決して珍しくありません。ただし、既婚者だと知らずに気づく余地もなかったのなら、支払い義務が否定されたり金額を大きく減らせたりする可能性があります。
ここでは、請求を受けたときに取るべき対処法を4つ紹介します。
①不倫相手との関係をすぐに解消する
相手が既婚者だと分かった時点で、速やかに関係を解消しましょう。関係をすぐに立ち切れば、慰謝料の減額につながりやすいです。
気づいた後にどのような行動を取ったのかは、責任の重さを判断する重要な材料になります。すぐに関係を解消していれば、悪質性は低いと評価されやすいです。
関係を解消した事実は、後から証明できる形で残しておくことが大切です。「今後は連絡しない」と伝えたメッセージや、関係を断った日付のわかる履歴を保存しておきましょう。
反対に、既婚と知りながらだらだら関係を続けると悪質とみなされるため注意が必要です。慰謝料の減額を望むならば、気づいた時点での早い決断が欠かせません。
②既婚者と知らなかった証拠を集めて過失がないことを示す
過失がないと示すには、独身と信じた根拠となる証拠を残しておくことが重要です。有効な証拠は、大きく三つに分けられます。
まずは、マッチングアプリの独身表示や独身と読み取れるSNSの投稿といった、相手のプロフィールに関する記録です。次に、将来の結婚をほのめかしたり実家暮らしだと述べたりといった、独身を前提としたメッセージが有効です。
さらに、独身と信じても無理はない生活実態を示す記録も役立ちます。頻繁に相手の部屋へ出入りしていた事実や休日に問題なく会えていた状況が例に挙げられます。
いずれの証拠も、相手が消してしまえば取り戻せません。アカウントやメッセージが残っているうちに確保しておくことが、過失を否定する土台になります。
③不倫相手に対して慰謝料の負担を請求する
支払った慰謝料は、不倫相手(既婚者本人)へ一部を請求できる場合があります。不貞行為は既婚者と交際相手の両方が損害賠償を負う責任があり、一方が全額を支払ったときは、もう一方へ負担分を求められます(求償権)。
特に既婚者側に強く騙されていた場合、主たる責任は既婚者本人にあると評価されやすくなります。独身と偽られて婚姻の事実を隠されていたなら、求償の割合も相手に傾きやすいでしょう。
こうしたケースでは、支払い済みの金額の相当部分を後から取り戻せる余地があります。配偶者へ慰謝料を払っただけで終わらせず、自分を騙した張本人にも負担を求めていきましょう。
④不倫問題に強い弁護士に分割払いや減額を依頼する
慰謝料を請求されたら、不倫問題の解決実績が豊富な弁護士へ速やかに相談してください。不倫分野に精通した弁護士なら、手元の証拠がどこまで通用するかを即座に見極められます。
「知らなかった」「不貞関係はない」といった相手の言い逃れも見越して、最適な戦略と妥当な金額を組み立ててくれます。また、今手元にある証拠で足りるか・不足分をどう補うかを的確に指示してもらえます。
過去の判例を踏まえた交渉で、減額や分割払いといった条件も引き出しやすくなるでしょう。相手との窓口を丸ごと任せられるため、精神的な負担も最小限で済みます。
ひとりで抱え込むより、専門家の力を借りるほうが有利な条件へ近づけます。無用な損を避けるためにも、早めの相談が解決への近道です。
配偶者や弁護士から連絡が来たときの注意点3つ
配偶者や弁護士から連絡が来ても、即答は避け、内容と証拠を確認してから対応してください。最初の対応が、その後の交渉の行方を大きく左右します。
動揺したまま謝罪や支払いを口にすると、不利な言質として使われかねません。具体的な注意点を解説します。
①まずは請求内容と証拠の有無の確認のみで留める
慰謝料を請求されても、内容と証拠を確認するまで支払いを約束してはいけません。まず見るべきポイントは、請求書や内容証明に書かれた項目です。
具体的には、誰から誰への請求か・金額の根拠・不貞の日時や回数がどこまで具体的に示されているかを確かめましょう。記載が曖昧なほど、相手の主張は固まっていないと考えられます。
中には、請求の裏づけとなる証拠が薄いケースも少なくありません。肉体関係を示す写真やメッセージがなく、状況証拠だけで高額を提示している場合もあります。
中身を十分に確かめないまま金額に応じたり、その場で即答したりするのは避けましょう。一度支払いに同意すると後から覆すのは困難なので、まずは冷静に事実を整理してください。
②相手が弁護士の場合は自分も弁護士に相談してから対応する
相手に弁護士が付いたら、自分も弁護士へ相談してから対応してください。交渉相手が法律の専門家になると、知識や経験の差がそのまま慰謝料の金額に響きます。
相手は法律や判例を熟知したうえで、有利な条件を引き出そうとします。一人で応じると、本来は減額できるはずの金額をそのまま受け入れてしまいかねないので注意が必要です。
多くの法律事務所では、無料相談を用意しています。自分に過失があったのか・慰謝料はどのくらいが妥当なのかを専門家の視点で早い段階から把握できるでしょう。
方針が定まれば過度な不安に振り回されずに済みますし、相談は早いほど選択肢が広がります。証拠がそろっている段階なら、減額交渉や免責の主張も組み立てやすくなります。
連絡が来てから迷う前に、まずは専門家の意見を仰ぎましょう。
③相手との直接交渉や証拠を隠ぺいする行為は避ける
感情的な直接交渉や証拠の削除は、かえって立場を不利にするため避けましょう。相手と直接やり取りをすると、勢いで不利な発言をしてしまう危険があります。
「関係を認める」と受け取れる一言を残せば、後の交渉で不利な言質として使われかねません。冷静な判断が難しい場面ほど、直接のやり取りは控えるべきです。
また、メッセージや画像を消去する行為も逆効果になります。証拠隠滅とみなされれば、裁判所や相手方からの信用が大きく損なわれ、自分に有利な事情まで示せなくなるおそれもあります。
原則として、相手とのやり取りは電話ではなく、LINEやメール・DMなどの記録に残る形で進めましょう。感情に任せた行動を避け、相手とやり取りをしている事実を積み上げる姿勢が解決への近道です。
不倫相手と知らなかった場合に慰謝料を請求できるケースと対処法
独身だと偽られていた場合、あなたから交際相手へ損害賠償を請求できる余地があります。慰謝料を請求される立場でも、事情によってはあなた自身も被害者です。
既婚の事実を隠され、独身と信じて交際させられていたなら、精神的苦痛を受けたといえます。ここでは、不倫相手と知らなかった場合に慰謝料を請求できるケースと対処法を解説します。
独身と偽られていた場合は貞操権の侵害として損害賠償を求められる
独身だと偽られていた場合、貞操権の侵害を理由に交際相手へ損害賠償を求められる場合があります。貞操権とは、誰と性的な関係を持つかを自分の意思で決める権利です。
相手が既婚の事実を隠して独身と偽って関係を持った場合、この権利が侵害されたと評価される余地があります。ただし、請求が認められるかどうかは事案ごとに判断が分かれます。
主に、相手が積極的に嘘をついていたか・あなたが独身だと信じたことに無理はなかったかといった事情が重視されます。単に相手が既婚だっただけでは、当然に認められるわけではないので注意が必要です。
過度な期待は禁物ですが、悪質な嘘で交際させられたと言える場合には責任を追及できる可能性があります。自分のケースで請求できるかは、証拠を整理したうえで弁護士に確認するのが正解です。
請求には独身と信じた証拠と精神的損害の立証が必要になる
交際相手へ請求するには、独身と信じた証拠と、受けた精神的損害の立証が必要です。請求する側は、自分の主張を裏づける証拠をそろえなければなりません。
相手が独身と偽っていた事実と、それを信じたことに無理がなかった点を示す必要があります。独身と信じた事情を示す証拠には、いくつかの種類があります。
まず有力なのが、マッチングアプリや婚活サービスに登録された独身のプロフィールです。次に、「結婚したい」といった独身を前提とするLINEやメールのやり取りも根拠になります。
さらに、独身証明書の提示を受けていた事実や独身限定サービスをともに利用した記録も信じたことの裏づけとして働きます。精神的損害は、金額として目に見えにくいものです。
交際の期間や深さ・婚約や同居の有無・発覚後の心身への影響などから総合的に評価されます。まずは手元にある記録を残し、不足がないかを早めに確認しておきましょう。
内容証明郵便で交際相手に責任を追及する必要がある
交際相手へ責任を追及する手段として、内容証明郵便を送る方法があります。内容証明郵便とは、いつ・誰が・どのような内容を送ったかを、郵便局が証明する制度です。
内容証明郵便を送れば、請求の意思を正式に伝えられるだけでなく、後から「言った・言わない」の争いを防げます。時効の完成を一時的に猶予する効果も期待できます。
内容証明に記載するのは、差出人と受取人の氏名・住所・独身と偽られた経緯などの事実関係などです。そのうえで、請求する損害賠償の金額と算定の根拠を示し、支払期限と支払方法まで明記します。
書式や表現には細かな決まりがあり、不備があると効力が弱まるため注意が必要です。文面に不安があるときや確実に責任を追及したいときは、弁護士へ作成を依頼すると安心です。
不貞行為の慰謝料相場は数十万〜300万円程度が目安
不貞行為の慰謝料の相場は、おおむね数十万円から300万円程度が目安です。金額には幅があり、事案ごとに大きく異なります。
夫婦の状況や不貞の内容によって、同じ不倫でも認められる額は変わります。特に、離婚に至ったかどうかで水準が次のように分かれます。
- 離婚・別居に至らない場合:数十万円〜100万円程度
- 別居に至った場合:100万円〜200万円程度
- 離婚に至った場合:150万円〜300万円程度
あくまで一般的な目安なので、実際の額は個別の事情をふまえて決まります。自分のケースでの見込みは、弁護士に確認するのが安心です。
既婚者と知らなかった場合の慰謝料相場は低く抑えられる傾向
既婚者と知らなかった場合の慰謝料は、一般的な相場より低く抑えられる傾向があります。不貞慰謝料は、離婚に至らなければ数十万〜100万円程度が目安です。
ただし既婚と知らなかった事情があると、この水準からさらに下がりやすくなります。理由は、慰謝料額が加害者側の落ち度の大きさに左右されるためです。
独身と信じ込まされていたなど、落ち度が小さいほど責任は軽く評価されます。金額を左右する具体的な要素は次の項目で解説しますが、まずは相手が既婚者だと知らなかったという事情が減額に働くという点を押さえておきましょう。
過失が小さいほど請求額より減額されやすい
既婚者だと気づきにくい事情があるほど、請求額は減額されやすくなります。慰謝料の額は、加害者の落ち度、つまり過失の程度に大きく左右されるためです。
相手が巧妙に嘘を重ねていたなど、気づくのが難しい状況だったと示せれば、責任は軽く見積もられます。反対に、疑う手がかりがあったのに確認を怠っていれば、過失は重く評価されます。
自分の過失がどの程度と見られるかは、証拠の中身次第で変わります。まずは有利な事情を洗い出すことが、減額交渉の出発点になります。
金額は婚姻期間・破綻の有無・不貞の回数などで変わる
慰謝料の金額は、婚姻期間や不貞の内容など、複数の要素で決まります。金額を左右する主な要素は、次のとおりです。
| 要素 | 慰謝料が高くなりやすいケース | 慰謝料が低くなりやすいケース |
| 婚姻期間 | 長い | 短い |
| 夫婦関係 | 円満だった | すでに破綻していた |
| 不貞の回数・期間 | 多い・長い | 一度きり・短い |
| 離婚の有無 | 離婚に至った | 関係を継続 |
| 子どもの有無 | 未成熟の子がいる | いない |
| 加害者の過失 | 既婚と知っていた | 知らず、過失も小さい |
自分の状況を各要素に当てはめると、おおまかな見通しを立てられます。ただし要素は互いに関係し合うため、判断は簡単ではありません。
正確な見込みを知りたいなら、弁護士に相談すると確実です。
不倫相手と知らなかったのに慰謝料請求された場合は弁護士に相談すべき理由
相手が既婚者と知らずに慰謝料を請求された場合、弁護士への相談・依頼が有効な選択肢になります。ひとりで抱え込むと、対応を誤って事態を長引かせてしまいがちですし、特に家族や職場に知られたくないという不安は大きいはずです。
弁護士に相談すべき理由を一つひとつ見ていきましょう。
不倫相手の配偶者側と交渉してくれる
弁護士に依頼すれば、あなたに代わって相手の配偶者側と交渉してもらえます。弁護士は法的な相場や過去の事例をふまえ、根拠に基づいて話を進めてくれます。
相手と直接やり取りをすると、感情がぶつかり合い、冷静な話し合いは望めません。弁護士が窓口に立てば、そうした消耗から解放されます。相手や相手方の弁護士と顔を合わせる必要もなくなり、連絡は全て代理人を経由します。
書面の作成や期限の管理まで任せられるため、対応の抜け漏れも防げます。交渉そのものに不安を感じるなら、早めに依頼して進行を委ねましょう。
慰謝料請求を減額できる可能性が高まる
慰謝料は、請求額が相場より高い場合や自分に有利な事情があれば、交渉によって減額できる可能性が高まります。相手から請求された金額はあくまで相手側の希望額にすぎず、法的な相場や個別の事情をもとに反論すれば適正な水準まで引き下げられるケースもあります。
有効なのが、請求額が相場より著しく高いという主張です。離婚しない場合の相場は50万円〜100万円程度とされ、300万円などの過大な請求には引き下げを求められます。
独身と偽られていたなど、故意・過失が薄い事情も交渉材料になるでしょう。不倫の前から長期間別居し、婚姻関係がすでに破綻していた事実も見逃せません。
金額を鵜呑みにせず法的な根拠を示せば、不当に高い支払いは避けられます。
不倫を周囲に知られるリスクを抑えられる
連絡窓口を弁護士に一本化すれば、不倫が家族や職場に知られるリスクを抑えられます。相手が自宅や勤務先へ直接連絡してくると、周囲に事情が伝わりかねません。
弁護士が代理人になれば、連絡先を事務所へまとめられ、望まない接触を防げます。相手の配偶者が感情的になり、自宅へ押しかけるような事態も避けやすいでしょう。
「今後の連絡は代理人へ」と一言伝えるだけで、直接のやり取りは断てます。示談交渉まで任せれば、相手と顔を合わせる必要もありません。
やり取りの記録は事務所側で管理されるため、書面が手元に散らばる心配も不要です。秘密を守って穏便に解決したいなら、早い段階で弁護士に相談しましょう。
不倫問題に強い弁護士探しはベンナビ不倫慰謝料がおすすめ
不倫問題に強い弁護士を探すなら、ポータルサイト「ベンナビ不倫慰謝料」の活用がおすすめです。ベンナビ不倫慰謝料とは、不倫・慰謝料の分野に力を入れる弁護士を、全国から探せるサイトです。
サイト内で地域や相談内容などを絞り込むだけで、自分に合った法律事務所を効率よく見つけられます。また、オンライン相談や土日祝日に対応している弁護士も探せるので、普段は仕事や家事で忙しい方でも安心して利用できます。
慰謝料を請求されて不安なときこそ、早めに専門の弁護士へ相談することが大切です。初回無料相談を受け付けている法律事務所も多数掲載されているので、まずは気軽な相談から始めてみてはいかがでしょうか。
不倫相手と知らなかった場合によくある質問
既婚者と知らなかったケースでは、証拠の残し方や対応をめぐって、多くの疑問が生じます。慌てて行動する前に、よくある質問と答えを確認しておきましょう。
Q1.マッチングアプリの独身プロフィールは証拠になるの?
マッチングアプリで独身と書かれたプロフィールは、相手が独身と偽っていたことを示す有力な証拠になるため、慰謝料請求を拒否できる可能性が高まります。ただし、アプリの情報は、相手の退会やアカウント削除で消えるおそれがあるので、記憶が新しいうちに必ず画面のスクリーンショットを保存しましょう。
保存する際は、プロフィール写真・自己紹介文・ユーザーIDなどの誰のアカウントかを特定できる画面も残しておいてください。登録条件や本人確認の有無がわかる画面も残しておくと、より強力な証拠になります。
Q2.独身限定の婚活サービスを使っていた場合は利用規約も証拠になるの?
「独身限定」と明記されたサービスであれば、利用規約や登録条件自体が過失を否定する有力な証拠になります。既婚者は登録不可という規約があり、公的書類での本人確認がおこなわれているサービスなら、「独身だと信じるのも無理はない」と判断されやすいです。
利用したサービス名とあわせて、規約内の利用資格・独身限定に関する条項をスクリーンショットやPDFで保存しておきましょう。また、独身証明書の提出義務といった本人確認の手順を示す資料もあわせて用意することが大切です。
Q3.独身であることを前提としたLINEやメールの履歴は残しておくべき?
独身を前提としたやり取りは、相手が意図的に既婚者であるのを隠していた決定的な証拠となるので、絶対に消さずに残しておいてください。具体的には、「将来結婚したいね」「休日は実家に帰っていた」など、独身を匂わせるメッセージが特に有効です。
トーク履歴のバックアップに加え、送信日時や相手の表示名がわかる形で、画面のスクリーンショットも撮っておきましょう。焦ってメッセージを削除すると、相手の嘘を証明できなくなり、交渉で極めて不利になるので注意が必要です。
Q4.出会いの経緯はメモに残しておいたほうがいいの?
出会いから交際、発覚に至るまでの経緯を時系列でメモにまとめておくと、交渉や相談を有利に進められます。「いつ・どのサービスで出会い・どのような説明を受けたか」を具体的に書き出せば、自分の主張に一貫性を持たせられます。
記憶は時間が経つほど曖昧になるため、覚えているうちに細かく記録しておいてください。これまでの経緯を時系列に整理すれば、弁護士に状況を正確に伝えやすく、限られた相談時間を有効に使えます。
Q5.ワンナイトの場合も慰謝料は支払う義務があるの?
一晩限りの関係であっても、相手が既婚者だと知っていた場合や注意すれば知り得た場合は、不法行為が成立して慰謝料の支払い義務が生じます。
不貞行為を犯した回数にかかわらず、既婚者と肉体関係を持つこと自体が、配偶者の婚姻生活の平和を侵害する不法行為にあたります。相手が既婚だと認識できた状況であれば、賠償責任は免れないため注意が必要です。
ワンナイトであっても、関係の深さよりも既婚だと知り得る状況だったかが判断基準になります。個別のケースは、弁護士などの専門家に相談・確認するのが正解です。
まとめ
既婚者と知らなかった場合でも、気づけなかったことに過失があれば慰謝料の支払い義務は生じます。免れるには、知らなかったことに加え、過失もなかったといえる必要があります。
ただし、不貞や過失を立証する責任は請求する配偶者側にあります。独身と信じた証拠がそろっていれば、請求を拒んだり大きく減額できたりする可能性があります。
逆に、独身と偽られていたならあなたから交際相手へ損害賠償を求められる余地もあります。慌てず、次の行動を進めましょう。
- マッチングアプリやLINEなど独身と信じた証拠を残す
- 出会いから発覚までの経緯を時系列で具体的に記録する
- 慰謝料の支払いを約束する前に、不倫問題に強い弁護士へ相談する
ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りることが早期解決への近道です。ベンナビ不倫慰謝料には、不倫問題に精通している法律事務所が多数掲載されています。
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