金銭面や親権、お互いに対する感情や執着などに折り合いが付けられれば、円満離婚も決してあり得ない話ではありません。
ただし、円満離婚するためには、お互いが離婚することに合意しており、経済的に安定しているもしくは離婚してもお互いに経済的に困窮しないこと(十分な支援ができること)が重要です。
本記事では、円満離婚を成功に導く13のことについて紹介します。
もし、円満離婚を目指してみたものの、お互いに条件が譲れず険悪な状況になってしまう場合は、「円満離婚」を諦め「自分が納得できる離婚」を目指しましょう。
配偶者とできるだけ円満に離婚したいあなたへ
離婚を検討していても、長い間家族だった人と揉めるのは避けたいところですよね。しかし、どうしたら円満に離婚できるのかわからず悩んでいませんか。
円満に離婚したいなら、相手との話し合いの前に弁護士に無料相談することをおすすめします。たとえ協議離婚であっても、あなたが円満に離婚できるよう、法的な観点からさまざまなアドバイスをもらえるので、心強い存在となってくれますよ。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 円満に離婚するためのアドバイスをもらえる
- 離婚条件の話し合いで注意すべき点を教えてもらえる
- 自分の希望条件が適切かを判断してもらえる
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この記事に記載の情報は2024年08月07日時点のものです
円満離婚を成功に導く13のポイント
それでは、円満離婚を成功させる13のポイントを紹介します。
- 円満離婚を目指すなら協議離婚でとことん話す
- 離婚を切り出すタイミングをしっかり押さえる
- 離婚までの期間は半年から1年以上と考えておく
- 子どもの親権はどちらが持つか決めておく
- 離婚後の養育費の支払いについて話し合う
- 親権者は面会交流権を認めてあげる
- 財産分与について決めておく
- 住宅ローンに関する対応を決めておく
- 慰謝料に関して取り決めておく
- 離婚に関する決め事は公正証書にしておく
- 離婚後の生活をどのようにするのか決めておく
- 離婚後に幸せになれるかどうか考える
- 離婚届を出す際は証人を見つけておく
以下で詳しく解説します。
会話をほとんどしないまま円満離婚は目指せません。
夫婦で納得し離婚するには、離婚理由からお金のことまでとことん話しお互いに理解し納得する必要があります。
一方が離婚に納得できない場合は、時間をかけて説明し納得してもらうことが重要です。
結婚が人生の転機となるケースが多いように、離婚もお互いの転機になると考えてください。
離婚したことで何かが変わることはないと思うかもしれませんが、あなたが思う以上に周りの環境や、特に精神的に大きな変動が訪れるので、前もって心の準備をしておくのも大事なことです
それでは、「お互いが円満に離婚するためにはいつ離婚を切り出せばいいのか」という問題ですが、「夫が退職するとき」や「相手を説得できると思ったとき」などが良いでしょう。
具体的な理由については「離婚するベストなタイミングと上手な離婚の切り出し方」で解説しています。
いずれにしても切り出してから即離婚とは考えず、離婚しようと思った理由を説明して、なるべく考える時間を与えることが重要です。
もし、「DVやモラハラ等が原因で離婚する場合」でも、急いで離婚はせず、まずは別居を検討し、一旦は相手から離れるようにしてみましょう。
離婚したあとは自分の生活や、子どもがいる場合は子どもの環境を整えてあげる必要もあるので、急に離婚をすると路頭に迷うケースも考えられます。
金銭面の一つの指標として「100万円が必要」とよくいわれています。
100万円はかなりの大金です。そうそう揃えられるものではないでしょう。
しかし、必ずしも100万円が必要になるというわけではなく、「実家に帰る」という選択肢を視野にいれて、子どもの転校先や新しい仕事先の選定から始めてみるのが無難でしょう。
もし離婚理由が浮気などであればこの期間中に「浮気の証拠となるもの」を集めておくことで、のちのち何かの役に立つかもしれません。
一口に親権といっても、親権には「身上監護権」と「財産管理権」という二つの権利があります。
一般的に親権といわれる子どもと一緒に住む権利は「身上監護権」のほうです。
離婚届には親権者を書く必須の欄があり、これを記入できないと離婚はできません。
お互いがよく話し合って、どちらが子どもと住んだほうがより幸せにできるのかを判断していく必要があります。
詳しくは「離婚時に親権者となれる条件」をご覧ください。
もちろん、お金さえあれば幸せになれるわけでも、いつも一緒に居られるから幸せというわけでもありません。
教育や環境も大きな要因になります。
裁判では最終的に「子どもが幸せになれるのはどちらか」を判断しますが、協議離婚でも同様に「子どもの幸せ」を尊重して決めましょう。
なお、子どもの幸せを尊重することと、子どもの意思に委ねることはまったく別です。
まだ未成年の子に「お前が決めろ」などという残酷な決断を押し付けないように注意してあげてください。
子どもがまだ未成年の場合は、どちらが養育費を払うのかは大きな問題です。
夫婦が離婚して他人となった場合でも、子どもを育てる義務が消えたわけではありません。
これは親権者に関係なく父と母が分担すべき費用であり、収入が多い親から少ない親へ、子どもと離れて暮らす親から養育している親へ資力に応じて支払うのが一般的です。
養育費の支払い方法や支払い期限は、話し合いで自由に決めることができ、期限は「子どもが社会人となって自立するまで」が目安とされています。
面会交流のルールについても相手方とよく話し合って決めましょう。
親権者となったほうは、離婚後も相手に月1回程度は子どもに会わせてあげることを考えてみてください。
頻度や回数、メールなどのやり取りはOKなのかどうかも細かく決めておくことでいらぬ心配は減っていくでしょう。
離婚したあとも元配偶者には会いたくはないかもしれませんが、子どもにとって親の離婚事情はまったく関係ありません。
財産分与とは、夫婦の共有財産を分けることです。
基本的に夫婦には平等の権利があり、2分の1ずつの財産分与になりますが、それぞれの財産における貢献度(寄与度)を考慮して決めていきます。
財産分与で共有財産を平等に分けておかないと、のちのちトラブルになる可能性があるので必ずやっておきましょう。
たとえば、マンションなどを購入していた場合、共有名義だと住宅ローンを組むときに夫婦の収入を合算するので、より多くのお金を借りられるというメリットがあります。
しかし、「一緒に返済していこう」と約束していた夫婦でも、離婚した際に共有名義であることでさまざまな問題を引き起こす恐れがあります。
住宅は財産分与として重要な位置づけがされています。
もし、離婚成立後に住宅ローンが残っている家にどちらかが住むことになった場合、その対応を決めておく必要があります。
離婚前にさまざまなケースを知っておくことで、夫婦間で納得のいく処理をしていくことができるでしょう。
離婚成立後に住宅ローンが残っている家にどちらかが住む場合、主に以下の4パターンの対応があり、それぞれ一長一短があります。
- 不動産を売却し売却益で住宅ローンを返済する
- 不動産と住宅ローン名義を夫のままで夫が住み続ける
- 不動産と住宅ローン名義を妻に変更し妻が住み続ける
- 不動産と住宅ローン名義・ローンの支払いは夫で妻が住み続ける
浮気など慰謝料が発生しうる問題があっても、すでに解決している場合や、無理のない範囲で慰謝料の取り決めができる場合であれば円満離婚を目指せます。
あくまで慰謝料は不倫やDVなど不法行為が発生した場合に請求できるものであり、「離婚を請求された」などの理由では慰謝料請求できません。
これまで夫婦間で話してきた内容は、必ず離婚協議書にまとめ、公正証書にしてもらうことをおすすめします。
公正証書とは、公証役場の公証人が法律に則って作成する公文書のことです。
公正証書があれば、話し合った内容について高い証明力を持たせることができます。
養育費などの金銭的支払いが滞るような場合に、裁判所での手続きをおこなうことなく強制的に相手の財産を差し押さえることが可能です。
若干の費用と手間がかかりますが、のちのちお互い嫌な思いをしなくて済むことを考えれば、公正証書を作成したほうが良いでしょう。
作成の手順などは「離婚時に公正証書を作成すべき理由と作成方法の手順」を参考にするのがよいでしょう。
離婚することだけでなく、今後の生活や当面の費用を考えておくことも必要です。
特に女性にとって、離婚後の生活が上手くいくかどうかの分かれ目は、経済的な自立ができるかどうかにかかっているといってもよいでしょう。
円満離婚を目指す場合は配偶者からの援助がもらえて、さらに公的機関からの支援も期待できます。
ただ、それだけで生活がしていけるほど十分な額が集まることはまれだと思ったほうがよいでしょう。
再就職が厳しい時代ですが、まずは転職サイトや転職エージェントなどに登録し、仕事を探すことから始めてみるのがよいでしょう。
離婚しても幸せになれるかどうかは人それぞれで幸せの感じ方が違うため、一概にはいえません。
あくまで一般的な意見ではありますが、下記の項目にあてはまる方は概ね幸せといってよいかもしれません。
経済面
- 生活費が賄えるだけの収入を得られる仕事がある
- 預金や不動産収入がある
- 離婚後の慰謝料・財産分与・年金分割などが期待できる
精神面
- ひとりでも辛くない
- 周りの人に離婚について中傷されても傷つかない
- 離婚を少しも後悔しない
環境面
- 親身になって相談できる友人が身近にいる
- 頼りになる離婚経験者がいる
- 両親が離婚に理解がある
これが全てではないですが、離婚後に幸せな生活を送るには、自分にとって納得感の高い生活とはどんなものなのかを考え、その準備をする必要があります。
後悔のない離婚をするために、配偶者との入念な話し合いをおすすめします。
その他については「離婚しても幸せになるために知っておきたい幸せの条件」をご覧ください。
知らない方もいるかもしれませんが、離婚届には証人2名の署名捺印が必要です。
証人には18歳以上であれば誰でもなれます。
夫婦の親・兄弟姉妹や友人でも構いませんが、実際は両親と友人が多いようです。
ちなみに、全然知らない他人でも問題ありません。
この証人が必要になるのは、協議離婚と呼ばれる夫婦間の話し合いのみで離婚が成立した場合です。
調停離婚や裁判離婚では証人は必要ありません。
より詳しい解説は「離婚届の証人になれる人と証人が見つからない場合の対策」の記事をご覧ください。
円満離婚を目指す夫婦が絶対にしてはいけない3つのこと
円満離婚を目指すうえで夫婦が絶対にしてはいけない3つのことがあります。
- 夫・妻の嫌いなところを指摘する
- 周囲の友人などに言いふらす
- 少しでも良い条件で離婚しようとする
以下で詳しく解説します。
すでに離婚を前提にしている場合でも、後味が残るように、相手の嫌いなところや不満を指摘するのはよくありませんし、トラブルになる元です。
憎み、いがみ合って離婚するよりも、今までのことを水に流し前向きな離婚をしたいものです。
そのためには、言う必要のないことは言わないで冷静に話し合うほうがいいでしょう。
離婚について悩んでいることを、軽々しく友人などに相談するのはやめたほうがよいでしょう。
離婚は夫婦だけでなく、家族にとっても大きな問題です。それがパートナーに伝わってしまったら不必要に相手を傷つけることになります。
辛い気持ちはわかりますが、相談するなら信頼のできる友人だけにしましょう。
3.少しでも良い条件で離婚しようとする
離婚問題で一番の問題になるのは親権とお金(財産)についてです。
配偶者が合意する場合は別ですが、「少しでも自分に良い条件で離婚したい」「少しでも多くお金をもらいたい」と考えてしまうと、円満離婚から遠ざかってしまうでしょう。
もちろん、離婚後に子どもがいるため少し多くもらったり、子どもと住むために家は自分がもらうなどの取り決めはあり得ます。
ただし、その場合でも現金を相手へ多めに分与したりして公平さを重視する必要があります。
協議離婚がなかなか進まない場合の対処法2つ
円満離婚を目指し、離婚について話してみたものの、協議離婚がなかなか進まないケースもあるでしょう。
なかなか離婚に向けた手続きが進まない場合、以下の2つの対処法をおすすめします。
- 弁護士に仲介してもらう
- 離婚調停を利用する
1.弁護士に仲介してもらう
協議離婚が進まない場合、弁護士に依頼して協議離婚の仲介役となってもらいましょう。
弁護士であれば代理交渉を依頼できるうえ、一般的にどのように離婚条件を決めるのかアドバイスもしてもらえます。
そのため、今まで迷っていたことも過去の判例や一般的な離婚事例を参考にして、お互いの妥協点を探すことが可能です。
また、自分にとって良い条件で離婚するためのアドバイスをもらえたり、離婚調停や裁判離婚に移行した場合のサポートなども依頼でき、できるだけ納得のいく形で離婚したい方にとって心強い味方になってくれます。
2.離婚調停を利用する
協議離婚が進まない場合、話し合いだけではなく離婚調停を利用することもおすすめです。
離婚調停では、調停員を経由して話し合い妥協点を探していきます。
まとめ
円満離婚を目指すなら、なるべくは夫婦同士で話し合って解決をしていくことが一番です。
それが難しそうな場合は、弁護士などの専門家に間に入ってもらって解決を図ることをおすすめします。
また、話し合い(協議離婚)ができなかった場合は、調停や裁判などで解決させる方法もあります。
弁護士であれば、それらの対応も一任できるので、まずは無料法律相談から利用してみることを検討しましょう。
配偶者とできるだけ円満に離婚したいあなたへ
離婚を検討していても、長い間家族だった人と揉めるのは避けたいところですよね。しかし、どうしたら円満に離婚できるのかわからず悩んでいませんか。
円満に離婚したいなら、相手との話し合いの前に弁護士に無料相談することをおすすめします。たとえ協議離婚であっても、あなたが円満に離婚できるよう、法的な観点からさまざまなアドバイスをもらえるので、心強い存在となってくれますよ。
弁護士に相談することで、以下のようなメリットを得ることができます。
- 円満に離婚するためのアドバイスをもらえる
- 離婚条件の話し合いで注意すべき点を教えてもらえる
- 自分の希望条件が適切かを判断してもらえる
- 万が一話し合いで揉めても、依頼すれば代理交渉してもらえる
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