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2020.7.20

公正証書とは一定の事項を公証人に証明させる文書のこと|作成目的とメリット

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事
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公正証書(こうせいしょうしょ)とは、公証人が当事者の合意を踏まえ法律に従って作成する公文書のことをいいます。公正証書は離婚に伴う慰謝料や養育費の支払いの取り決めをした際や金銭の貸し借りをしたときなどに利用されます。

公正証書には証拠としての高い価値や、(強制執行認諾条項を記しておけば)強制執行時の執行力がありますので、合意後に起こりがちなトラブルを避ける余地が生まれることもあります。このように公正証書は有用な文書であることがわかりますが、実際に公正証書を作成する際の手順や仕組みなどについては「よくわからない」という方が多いのではないでしょうか。

公正証書は誰にでも関わり得るものですから、公正証書とはどういったものであるかを予め把握しておくとよいかもしれません。この記事では公正証書を作成するにあたって必要な知識をわかりやすく解説します。

公正証書とは

公正証書とは

公正証書とは、公証人が当事者の合意を踏まえて作成する公文書のことをいいます。当事者または代理人が立会い、公証人によって作成されます。

公証人は法律の専門家で元裁判官、元検察官、元法務局長など法律実務を経験した人が選ばれるとされています。中立で公正な立場の公証人が作成していますから、公正証書は強い証拠力を持ちます。全国中の町中にある、公証役場において、公正証書を作ることはできますが、文章案の作成や各種必要な文書など、厳格に決まっています。

また、公正証書は公証人が作成した後に原本を公証役場(法務省が管轄する役所)で20年間保管されます。従って改ざんや偽造などの心配がないとされています。

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公正証書を作成する目的

公正証書を作成する目的は、金銭契約や遺言などの一定の事項を公証人に証明させて、紛争を未然に防ぎ、私的法律関係を明確にして安定させることにあります。前項の通り、公正役場で公証人に作成された原本は公証役場に保管されますから、安全性と信頼性が高い合意文書であるといえるでしょう。

公正証書を作成するメリット

公正証書には高い安全性と信頼性があることを前述しましたが、以下で公正証書を作成するメリットを具体的に解説します。

証拠として価値が高い

公正証書は法律の専門家である公証人が法律に従って、作成当事者の身元や合意の意思を確認してから作成します。また、公正証書は公証人が明確な文言で作成するため、内容の解釈でその後のトラブルも少ないといえます。

公正証書は当事者同士の合意を確定的なものにする証拠として信用性の高い資料となり得ます。なお、公正証書化された書類は当事者両方に交付されますが、万が一、当事者が書類を紛失したとしても原則20年間は公証役場に保管されていますので、安全性も高いといえるでしょう。

執行力がある

公正証書は信頼性の高い合意文書であるため、例えば、養育費など金銭債務の場合には公正証書に「強制執行認諾条項」を記しておけば相手方に対して強制執行の申立を直ちに行うことができます。本来であれば、強制執行をするには裁判所に訴訟を提起して勝訴の判決を受けることで初めて強制執行が確定されます。予め公正証書に強制執行認諾条項を記載しておくことで、これらの労力を省くことができるでしょう。

(債務名義)

第二十二条 強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。

一 確定判決

(中略)

五 金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

六 確定した執行判決のある外国裁判所の判決(家事事件における裁判を含む。第二十四条において同じ。)

六の二 確定した執行決定のある仲裁判断

七 確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)

引用:民法

ただし、公正証書に記した全ての内容について強制執行できるというわけではないので注意が必要です。

心理的拘束力が高い

公正証書には証拠として優れた効力があります。更に、公正証書に強制執行認諾条項の記載があれば、申立をすることにより直ちに強制執行ができますので、公正証書を作成した債務者にとっては心理的な圧力となり得るでしょう。

また、公正証書は裁判でも有力な証拠となり得ますので、債務者としては裁判で争うことを困難と自覚してできる限り履行しようとする可能性が高くなるでしょう。

債務者に対しての心理的な圧力も公正証書の重要な効力となり得ますので、公正証書を活用することである程度、紛争を避けることが可能でしょう。

公正証書作成の流れ

公正証書作成の流れを簡単に解説します。

当事者間で合意の確認をする

公正証書の内容について特段ルールが定められているわけではありませんが、事前に当事者間で法律関係を整理して明確に合意する必要があります。例えば、離婚時に公正証書を作成する場合、には以下の項目について当事者間で話し合いをしましょう。

  • 離婚の合意について
  • 慰謝料について
  • 財産分与について
  • 子の養育費について
  • 年金分割について など

当事者間の合意が前提となっていますから、合意された項目だけを記載するという処理も可能です。

必要な資料を収集する

当事者間で合意を確認した後に、公正証書を作成する際に必要な資料を収集します。以下は離婚について公正証書を作成する場合に必要な資料になります。

  • 作成した離婚協議書
  • 当事者双方の戸籍謄本
  • 当事者双方の印鑑証明または実印
  • パスポートなどの身分証明書

また、財産分与に不動産がある場合には不動産の登記簿謄本や物件目録などが必要です。年金分割を行う場合には年金手帳など年金分割に必要な資料が必要です。

公証役場に出頭する

公証役場

前項の必要資料を持って公証役場に出頭し、公証人と面談を行います。必要資料があれば、当事者の一方だけで面談を受けても問題ありません。その後、公証人が合意内容を踏まえて公正証書の原案を作成し、当事者が原案を確認します。

なお、公正証書の作成は容易であると考える方もいるかもしれませんが、当事者のみで公正証書の合意内容について話し合いをまとめることは簡単ではありません。作成に不安がある場合には弁護士に依頼することをおすすめします。

公正証書サンプル 美濃加茂公正役場

まとめ

公正証書とは、当事者の合意に基づき公証人が作成する公文書のことをいいます。公正証書は債務者に対する心理的圧力になりますし、裁判での証拠としても有用ですから作成しておくことをおすすめします。

ただし、作成に当たっては、詳細に案文を作成し、効力が生ずる形を明確にしておかなければなりません。また、少しでも有利にすべきですが、公正証書固有の事情から、作成できない内容もあるのが事実です。

作成について疑問がある場合には、弁護士に一度相談してみるとよいかもしれません。法律に沿った的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

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