【2026年4月法改正】法定離婚事由とは?離婚原因ランキング・離婚の注意点を解説
離婚を考え始めたとき、多くの人が気になるのが「どんな理由なら離婚できるのか」「自分のケースは当てはまるのか」という点ではないでしょうか。
裁判で離婚する場合は「法定離婚事由」に該当するかどうかが判断されます。
性格の不一致やセックスレスは認められないケースもあるため、注意が必要です。
とくに2026年4月からは民法が改正され、従来の離婚事由が一部見直されるため、最新の情報を知っておきましょう。
本記事では、法定離婚事由の内容やどのようなケースで離婚が認められるのかをわかりやすく解説します。
離婚を考えるときに知っておきたい注意点や、慰謝料の相場など後悔しないためのポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
男女別でみる離婚原因ランキング
まずは、離婚に至る原因を男女ごとのランキングに分けて解説します。
| 【男女別】主な離婚原因TOP5 | ||
|---|---|---|
| 順序 | 男性 | 女性 |
| 1位 | 性格の不一致 | 性格の不一致 |
| 2位 | 精神的虐待 | |
| 3位 | その他 | 精神的虐待 |
| 4位 | 異性関係 | 肉体的暴力 |
| 5位 | 精神的虐待浪費する | 異性関係 |
このように、離婚原因の上位にランクインするのは、「性格の不一致」「肉体的・精神的暴力」などが男女ともに共通しています。
一般的な傾向を知っておけば、あなたの状況がどこに当てはまるのか整理しやすくなり、次の行動を考えるときのヒントにもなるでしょう。
離婚方法によっては、法律で認められる理由が必要
離婚方法によっては、法律で認められる明確な理由(離婚事由)が必要となります。
| 離婚方法 | 概要 | 離婚理由 |
|---|---|---|
| 協議離婚 | 夫婦双方が合意し、離婚届を提出する | 離婚する理由は問わない |
| 調停離婚 | 家庭裁判所の調停委員が間に入る方法 | 離婚する理由は問わない |
| 裁判離婚 | 裁判所が離婚の可否・条件を決める方法 | 法律で決められた離婚事由が必要 |
協議離婚や調停離婚の場合、夫婦間で合意ができれば離婚は成立するので、法律上の離婚事由は必要ありません。
しかし裁判離婚では、不貞行為や悪意の遺棄といった明確な法定離婚事由が必要です。
次の見出しで後述する5つの法定離婚事由に当てはまらなければ、離婚は認められません。
裁判で離婚が認められる5つの法定離婚事由
裁判離婚が認められるには、民法第770条1項に定められた5つの法定離婚事由のいずれかに該当する必要があります。
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法第770条
これらの離婚事由について、具体的に解説します。
①配偶者に不貞な行為があったとき
不貞行為とは、配偶者以外の者と自由な意思に基づいて肉体関係を持つことを指します。
間違いやすい点として、不貞行為は「性交渉を伴う関係」が必要です。
単なる食事やデート、キスをするといった行為は「不貞行為」としては認められません。
| 不貞行為に該当する行為 | ・不倫相手の家に宿泊する ・ラブホテルに入る ・二人だけで宿泊を伴う旅行をする |
|---|---|
| 不貞行為に該当しない行為 | ・手を繋ぐ ・キスをする ・デートをする |
また不貞行為があったときに夫婦関係が破綻していれば、不貞行為が離婚事由として認められない場合もあります。
なお不貞行為が立証されれば、離婚が認められるだけでなく、不貞行為をした配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求可能です。
②配偶者から悪意の遺棄をされたとき
配偶者から悪意の遺棄をされたときも、離婚が認められます。
悪意の遺棄とは、正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を怠ること。
民法第752条に定められる「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という義務に違反する行為です。
以下は、悪意の遺棄が認められるケース・認められないケースの一例です。
- 一方的な長期間の別居
- 生活費を渡さない
- 病気の配偶者を放置する
- 一方的に家を出て連絡を絶つ
- 単身赴任や入院などの事情がある場合
- 生活費を渡せない理由が正当な場合
- 一時的な疎遠や小さな口論が原因の別居
「悪意の遺棄」は、義務違反であるのを認識しながら故意におこなうことを意味するので、単身赴任や入院などのやむを得ない理由がある場合は該当しません。
また最終的に悪意の遺棄が認められれば、離婚請求とともに慰謝料請求も可能となります。
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
配偶者の生死が3年以上確認できない場合、法定離婚事由として認められます。
ただし、以下の2つの条件を満たす必要があります。
- 最後の音信や消息があった時から起算して3年経過していること
- 生死不明であるという客観的な証拠があること
なお、生死不明であるという客観的な証拠とは、警察への捜索願いの提出、配偶者の知人や勤務先への陳述書などが必要です。
また、その他考えられる捜索方法を全て試みたが、見つけられなかったという事を証明する必要があります。
生きていることは確認できているものの、どこに居るかが不明な場合は「3年以上の生死不明」には該当しないので注意してください。
④配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
配偶者が回復の見込みのない強度の精神病(うつ病や統合失調症など)にかかっており、夫婦生活の継続が困難である場合も離婚事由となり得ます。
ただし、裁判所は離婚後の配偶者の生活保障や療養環境への配慮を重要視します。
原則として、単に精神病であるというだけでは離婚は認められず、夫婦の相互扶助義務を果たしてきたか、離婚後の生活や療養の見通しが立っているかなどが総合的に判断されます。
離婚事由として強度の精神病を挙げる場合は、医師の診断書や回復の見込みがないことを示す医学的意見が必要です。
【2026年4月~】法改正により強度の精神病だけでは離婚できなくなる
2026年4月より、民法770条1項4号に記されている「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」が削除され、精神疾患を理由に離婚を請求できなくなります。
従来の規定は、精神疾患を持つ人への差別や人権侵害につながる懸念がある点が問題視されていたため、離婚事由の見直しが求められ、令和6年に法改正が正式決定しました。
法改正後は、配偶者が重度の精神疾患で長期入院していることだけでは離婚は認められません。
ただし、病状が原因で婚姻関係が実質的に失われている場合や暴力・著しい意思疎通困難が起きている場合は、次で解説する5つ目の離婚事由に該当する可能性があります。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
上記4つに該当しない場合でも、夫婦関係が破綻しており婚姻生活の継続が著しく困難な状況なら、離婚が認められる場合があります。
該当する可能性がある事由は、次のとおりです。
- 性格の不一致
- DV・モラハラ
- セックスレス
- 長期間の別居
- 金銭問題
- 親族との不和
- 宗教活動への過度な傾倒
- 犯罪行為による服役など
裁判所は、婚姻関係が客観的に破綻しており、修復の見込みがないかどうかを総合的に考慮します。
なお、単一の事由では認められにくくても、複数の事由に該当したことで「婚姻を継続し難い重大な事由」と判断されるケースもゼロではありません。
一つひとつみていきましょう。
性格の不一致
性格の不一致は離婚理由でもっとも多いですが、単独では法定離婚事由として認められにくい傾向にあります。
性格の不一致を理由に離婚を認めると、ほとんどの夫婦が簡単に離婚できてしまうからです。
夫婦同士の性格・価値観に少なからず相違があるのは当然なので、裁判所は性格の不一致が原因で夫婦関係が完全に破綻している客観的な事実を重視します。
性格の不一致がきっかけで長期間別居に至り、夫婦関係修復の意思が完全に失われている状況であれば、婚姻を継続し難い重大な事由として認められる可能性があります。
多くの場合、別居期間、夫婦間のコミュニケーションの有無、修復努力の有無などが総合的に判断されます。
セックスレス・性的趣向の違い
正当な理由なく長期間性交渉を拒否し、婚姻関係が破綻した場合は離婚事由になり得ます。
性交渉は、円満な婚姻生活の重要な要素と認識されているためです。
互いに健康であるにもかかわらず、配偶者が性交渉を長期にわたって拒否しているケースでは、婚姻を継続し難い重大な事由として認められる可能性があるでしょう。
また、同性愛者であることを隠して結婚した場合や、性的異常によって夫婦関係が破綻した場合も離婚事由になり得ます。
ただし、病気や加齢による性交不能は認められにくい傾向にあるため、一概には言えません。
薬物中毒・アルコール依存
アルコール依存症や薬物中毒が原因で、夫婦の婚姻関係が実質的に破綻していると判断された場合、裁判上の離婚が認められる可能性があります。
依存症そのものではなく、暴力・経済的破綻・長期間の別居・意思疎通の困難などで、婚姻の実質的な破綻が生じているかどうかが判断基準です。
具体的なケース例は、以下のとおりです。
- アルコール依存が原因でDVが発生している
- 依存症が改善されず、長期間別居している
- 会話が成立せず、日常生活の協力関係が完全に失われている
このようなことが原因で家庭生活に重大な支障が生じ、夫婦関係が実質的に破綻している場合は、離婚事由として認められる可能性があります。
DV・モラハラ
家庭内でのDVやモラハラは、婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性が高い離婚理由です。
身体的暴力だけでなく、暴言を吐くといった精神的暴力や生活費を渡さないといった経済的暴力もDV・モラハラに含まれます。
軽度でも長期間続く場合や、一度でも重大な被害を伴う場合は離婚事由と判断されやすいでしょう。
ただし、夫婦喧嘩の範囲であると判断されると離婚は認められません。
DVやモラハラを決定づける証拠(動画や医師の診断書など)が必要です。
なお被害が深刻な場合は、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談し、身の安全を確保することを最優先に行動してください。
長期間の別居
夫婦が長期間にわたって別居している場合、婚姻関係が破綻していると判断され、離婚事由になり得ます。
一般的に、3年~10年程度の別居期間が目安とされていますが、個別の事情によって判断されます。
別居に至った経緯、別居中の生活費の負担状況、子供との関係、関係修復の努力の有無なども考慮されます。
夫婦が正当な理由なく5年以上別居しており、関係修復の意思が見られないケースでは離婚が認められやすくなります。
ただし、DV被害から逃れるための別居など、やむを得ない事情がある場合は、別居期間の長さだけで判断されるわけではありません。
家庭内別居
家庭内別居は、単独では離婚事由として認められにくい傾向にあります。
外見上は同居しているため、夫婦関係の破綻を客観的に示す証拠が必要となります。
裁判所は、実質的に夫婦としての生活が営まれていないことを重視しますが、物理的に別居している場合に比べて立証が困難です。
家庭内別居の事実だけでなく、家庭内別居に至ったほかの法定離婚事由(不倫など)があると、離婚が認められやすくなるでしょう。
また、性格の不一致などで家庭内別居に至った場合は、完全に別居することで婚姻関係の破綻を示せます。
金銭問題
配偶者の浪費癖や借金癖によって家計が破綻し、夫婦関係が悪化した場合は離婚事由になり得ます。
生活に支障をきたすほどの金銭問題は、婚姻生活の基盤を揺るがす重大な事由です。
- 夫がギャンブルで借金を繰り返し生活費を入れない
- 妻が収入に見合わない高額な買い物を繰り返す
- 借金を隠して結婚し発覚後も改善しない など
ただし、単なる金銭感覚の違いでは離婚は認められません。
生活を圧迫していることがわかる家計簿や借金の督促状といった客観的証拠が必要です。
親族との不和
親族との不和だけでは離婚は認められにくいですが、配偶者が不和を知りながら協力せず、夫婦関係が悪化すれば離婚事由になり得ます。
例えば、姑からのモラハラに対して何の助けもせず、夫婦関係が修復不可能になるケースです。
夫婦は互いに協力する義務があるので、一方が親族との関係で苦しんでいるにもかかわらず、配偶者が何ら対処しない場合は問題とみなされます。
配偶者に協力を求めたメールやメッセージ、第三者の証言などが証拠となるでしょう。
宗教活動
宗教信仰の自由は保障されますが、過度な宗教活動によって育児・家事・仕事に支障をきたし、家族に損害を与えた場合は離婚事由になり得ます。
このケースは、婚姻生活の維持に重大な悪影響を及ぼす場合にのみ、離婚事由として認められます。
宗教活動そのものが問題なのではなく、その活動が家庭生活を破壊する程度に達しているかが判断基準です。
宗教活動に没頭しすぎて生活費を入れない、子供の育児を放棄する、家族の声を無視して多額の寄付をする、宗教への入信を強要するといったケースが該当します。
宗教活動の頻度や時間、家計への影響、育児放棄の事実などを記録し、証拠として提出することが重要です。
犯罪行為による服役
殺人等の重大犯罪での服役や、家族に困難を生じさせるような犯罪行為の繰り返しは離婚事由になり得ます。
刑期の長さや犯罪の内容、家族への影響などが総合的に考慮されますが、具体的に次のようなケースが該当します。
- 配偶者に対する暴行罪で服役した
- 殺人や暴行罪を犯した
- 家族(配偶者や子ども)の私物を盗む行為を繰り返す
- 長期の服役により夫婦関係が実質的に破綻した など
一方、過失による犯罪や軽微な犯罪の場合は、単独では離婚事由として認められにくいでしょう。
家事・育児に非協力的
家事・育児への非協力は、単独では離婚事由として認められにくい傾向にあります。
法的観点においては、家事・育児の分担は夫婦で話し合って決めるべき事項であり、一方の不満だけでは離婚理由として弱いと判断されるからです。
一方が話し合いに応じず、家事・育児に全く協力しないのであれば、夫婦間の協力義務違反となり得ますが、直接的な破綻事由として認められるには、他の要因が必要です。
家事・育児の非協力が原因で夫婦喧嘩が頻発し、長期間の別居を経て夫婦関係が破綻した状態であれば、婚姻を継続し難い重大な事由として認められる可能性があります。
子供ができない
子供を持つかどうかは夫婦で話し合うべき事項であり、不妊そのものは離婚理由にはなりません。
このケースにおいては、不妊治療の有無や、子供がいない事実が夫婦関係にどう影響を与えたのかが考慮されます。
子供ができないことが引き金となり夫婦仲が悪化し、夫婦関係修復の意思がない状態であれば、婚姻を継続し難い重大な事由として認められる可能性があります。
ただし、健康上の理由で子供を作れないことを隠して結婚した場合は、重要な事実を秘匿していたとして離婚事由となる可能性が高まります。
慰謝料を請求できる離婚理由と相場
次に、離婚事由別に請求できる慰謝料の相場を解説します。
まずは、こちらの表をご覧ください。
| 離婚の理由 | 慰謝料の金額(目安) |
|---|---|
| 不貞行為 | 100万円~300万円 |
| DV・モラハラ | 50万円~300万円 |
| 悪意の遺棄 | 50万円~300万円 |
| セックスレス | 0万円~100万円 |
慰謝料を請求できるのは、配偶者に不法行為があり、あなたが精神的苦痛を受けた場合に限られます。
性格の不一致のように双方に明確な責任がないケースでは慰謝料は認められません。
慰謝料の金額は一律ではなく、不法行為の内容、婚姻期間、被害の程度、子供の有無、相手の収入など、複数の要素を踏まえて総合的に決定されます。
なお、民法709条(不法行為による損害賠償)に基づき、精神的損害も損害賠償の対象です。
ただし、どの事例も「証拠があるかどうか」によって請求できる金額が大きく変わります。
より具体的に金額を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
離婚理由を配偶者に伝えるときのポイント
離婚理由を伝える際は、感情的にならず事実と希望する結論を端的に伝えることが重要です。
夫婦トラブルで最も揉めるのは原因ではなく伝え方とされ、冷静さを欠くと協議離婚が成立しにくくなります。
突然、感情的になって「離婚したい」と伝えるのは、相手が強く反発し、暴力・話し合い拒否・不必要なトラブルにつながるリスクが高くなります。
具体的には、「離婚したいと考えている。長期間別居が続いており、関係修復が困難だ」のように事実をベースに伝えるのが正解です。
暴力の可能性がある場合は対面を避けて、手紙やメールを介すか、弁護士、第三者の力を借りましょう。
相手を責める言い方を避け、「あなたが悪い」ではなく「私にはこう感じた」と主語を自分にするのがポイントです。
離婚を子供へ説明する際に押さえておくべき注意点
子供に離婚するのを伝えるときは、両親の離婚は子供のせいではないことを明確に伝え、安心させることがもっとも重要です。
子供にとって、両親が離婚するのは非常に大きな出来事。
離婚した後も、両親が協力して育児をおこなう姿勢を示すことが子供の健全な成長には不可欠です。
なお、子供の年齢と理解度に合わせて言葉を慎重に選ぶことも重要です。
夫婦で協力して子供に説明し、「パパとママは一緒に住まなくなるけど、あなたのことはずっと大好きだよ」と愛情を伝えましょう。
一方的に伝えるのではなく、子供の気持ちを丁寧に聞き、「寂しい」「悲しい」といった感情を受け止め、子供の不安が少しでも軽くなる言葉を選びましょう。
配偶者の悪口を子供の前で言わない、どちらか一方が悪いという説明をしない、子供に離婚の責任を感じさせないといった配慮が必要です。
離婚を考え始めたらするべき3つのアクション

離婚を考え始めたら、まず現在の状況を客観的に記録し、必要な情報を収集し、専門家に相談しましょう。
感情的な判断だけでなく、客観的な証拠や法的知識に基づいて冷静に行動することが、後悔のない離婚につながる鍵となります。
ここでは、離婚を始めたらおこなうべき3つのアクションを具体的に解説します。
①離婚に必要な資料・証拠を集める
離婚を有利に進めるためには、結婚期間中の財産、収入、ローンの状況など、具体的な資料や証拠を正確に把握することが不可欠です。
| 財産・収入に関するもの | 預貯金通帳 源泉徴収票・給与明細 不動産の登記簿謄本 生命保険・医療保険などの保険証券 年金手帳 自動車の車検証 各種ローン・クレジット契約書 など |
|---|---|
| 不貞行為の立証に役立つ証拠 | 肉体関係を示唆するメール・LINE・SNSのやり取り ラブホテルの領収書・予約履歴 ラブホテルに出入りしている写真・動画 |
| DV・モラハラに該当するケースの証拠 | 医師の診断書 被害状況を記録した日記・メモ・音声 近隣住民・親族・友人など第三者の証言 警察・行政機関への相談履歴 |
財産分与や養育費、慰謝料などの算定には、これらの情報が直接影響するので、資料や証拠の有無によって結果が大きく変わります。
配偶者が情報開示を拒否する可能性もあるので、離婚を切り出す前に資料や証拠を集めておくことが重要です。
預貯金通帳のコピー、源泉徴収票、不動産の登記簿謄本、保険証券、年金手帳、車検証、ローンの契約書などを事前に準備しましょう。
不貞行為の証拠として、メールやLINEのやり取り、ホテルの領収書、写真や動画なども保存します。
DV・モラハラの場合は、診断書、日記、録音、第三者の証言などが証拠となるでしょう。
②自分の状況に合った離婚方法を検討する
離婚方法ごとに、手続きの期間や費用、精神的負担の度合いが異なるので、あなたの状況に合った方法を選ぶことが重要です。
以下では、3つの離婚方法と概要、合っている人の特徴をまとめました。
| 離婚方法 | 概要 | 合っている人の特徴 |
|---|---|---|
| 協議離婚 | 夫婦双方が合意し、離婚届を提出する | ・話し合いで解決できる人 ・争いごとを避けたい人 ・親権や財産分与に問題が少ない人 |
| 調停離婚 | 家庭裁判所の調停委員が間に入る方法 | ・相手と意見が合わないが裁判を避けたい人 ・法的に解決したいが感情的対立を避けたい人 |
| 裁判離婚 | 裁判所が離婚の可否・条件を決める方法 | ・相手が全く離婚に応じない人 ・不貞や暴力など法的根拠がある人 ・配偶者と徹底的に争って勝ちたい人 |
まず、協議離婚は費用と時間が最小限ですが相手の同意が必要です。
次に、調停離婚は第三者が介入するため公平性が高まりますが、半年から1年程度の期間を要します。
最後に、裁判離婚は裁判の場で認められる法定離婚事由が必要であり、費用も高額です。
まずは協議離婚を目指し、それが難しい場合は調停を申し立てるなど、段階的に検討しましょう。
場合によっては、弁護士に相談して法的観点に基づいたアドバイスを受けるのをおすすめします。
③精神的な負担を軽減する相談先を見つける
弁護士やカウンセラーなどの専門家に相談すれば、精神的な負担を軽減し、法的なアドバイスを得ながら冷静に離婚問題の解決を目指せます。
離婚問題は非常に強い精神的ストレスがかかるので、一人で抱え込まず、第三者のサポートを得ることが重要です。
専門家は多くの離婚事例を扱っているので、客観的な視点からアドバイスをしてくれます。
弁護士に法的な手続きや権利について相談した後は、今後の見通しを立てましょう。
場合によっては、カウンセリングで心のケアを受けることも重要です。
以下の記事では、離婚を相談したいときの窓口を紹介しています。
あわせて参考にしてみてください。
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離婚を考えたら、まずは弁護士に相談することが重要です。
早期に専門家のアドバイスを受ければ、証拠収集や手続きがスムーズになり、後悔しない離婚を進めるための第一歩となるからです。
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また、オンライン相談が可能で初回無料相談を提供する事務所も多いので、手軽に専門家の意見を聞けるのもポイントです。
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弁護士は守秘義務があるので、相談内容が配偶者に漏れる心配は一切ありません。
できるだけ早めに弁護士へ相談し、ベンナビを活用して離婚問題を解決しましょう。
離婚に関するよくある質問
最後に、離婚を考える際によくある質問と回答例を紹介します。
離婚は人生の重要な決断であり、法的な知識や手続きについて不安を感じるのも不思議ではありません。
離婚に関する疑問点が残らないように、しっかりと頭に入れておきましょう。
Q1.性格の不一致のみで離婚できる?
協議離婚や調停離婚であれば、お互いが同意すれば性格の不一致を理由に離婚できます。
ただし裁判離婚の場合、性格の不一致だけでは離婚できないと考えてください。
性格の不一致は少なからず多くの夫婦に存在するため、ただ性格が合わないだけでは「婚姻を継続し難い重大な事由」とはみなされません。
離婚が認められるには、性格の不一致を原因とする長期間の別居や、修復不可能な関係破綻の証拠が必要です。
Q2.相手が離婚に応じてくれない場合どうすればいい?
協議離婚ができない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることが次のステップとなります。
調停は裁判前に必ず経るべき手続きであり、調停委員を介して話し合いを進められます。
調停では、裁判官と調停委員が夫婦双方の意見を聞き、離婚条件について合意形成を目指します。
調停でも合意に至らない場合は、離婚裁判を提起することになります。
なお、裁判では法定離婚事由の存在を証拠によって立証する必要があります。
弁護士に依頼すれば、調停や裁判の手続きを代理してもらえるので、精神的負担を軽減できます。
Q3.別居期間はどれくらいあれば離婚できる?
一般的に3年~10年以上の別居期間が目安とされていますが、明確な期間の定めはありません。
別居期間が長ければ長いほど離婚が認められやすい傾向ですが、夫婦関係の破綻度合いや未成熟子の有無などの事情も考慮されます。
別居期間だけでなく、別居に至った経緯、別居中の生活費の負担状況、関係修復の努力の有無なども総合的に判断されます。
もし夫婦のどちらかが一方的に家を出た場合は、別居期間が長くても離婚が認められにくいですが、双方の合意に基づく別居であれば比較的短期間でも認められる可能性があります。
子供が幼い場合は、子供の福祉を考慮して離婚が認められにくくなる傾向があります。
Q4.過去の不貞行為は離婚事由になる?
過去の不貞行為も離婚事由になる可能性はあります。
民法では「配偶者に不貞な行為があったとき」を法定離婚事由の一つとして定めています。
ただし、過去の不貞行為が原因で婚姻関係が破綻し、回復の見込みがなくなったという経緯が必要です。
不貞発覚後に別居に至った場合や、信頼関係が完全に失われた場合などは認められる傾向にあります。
一方、不貞発覚後も円満な夫婦関係が続いていた場合は、不貞行為を「許した」とみなされ、離婚事由として認められにくくなります。
そのため、配偶者が過去に不貞行為をおこなった事実がある場合は、弁護士への相談をおすすめします。
まとめ
協議離婚や調停離婚で話し合って離婚する場合にはどんな理由でも問題ありませんが、裁判で離婚するためには法定離婚事由が必要です。
- 配偶者に不貞な行為(不倫)があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
※2026年4月からの法改正によって、精神疾患そのものを理由とした離婚請求はできなくなります
性格の不一致やセックスレスだけでは、婚姻を継続しがたいとは認められず、離婚できない可能性があります。
もしあなたが離婚を考え始めているなら、現在の状況を客観的に記録し、必要な情報を収集し、弁護士やカウンセラーなどの専門家へ早めに相談することが重要です。
離婚理由を配偶者に伝える際は、感情的にならず事実と結論を端的に伝え、安全に配慮しながら進めましょう。
子供への説明は両親で協力し、子供に責任を感じさせないような配慮が必要不可欠です。
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配偶者の同意を得ずに無断で別居を強行することは、同居義務違反に該当します。この記事では、この同居義務違反について、具体的に該当するケースや無段で別居された時の対...
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