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産後クライシスとは?離婚すべき状況か一時的な危機か見極め方を解説

産後クライシスとは?離婚すべき状況か一時的な危機か見極め方を解説

出産という大きな喜びの後、なぜか配偶者に愛情を感じられなくなり、ささいなことでイライラが募る。そんな経験から「離婚」の二文字が頭をよぎり、一人で悩んでいませんか。

産後クライシスに陥り、夫婦関係の危機を感じるのは珍しくありません。しかし、産後クライシスは一時的なものの可能性が高く、感情的に離婚すると後悔する可能性があります。

本記事では、産後クライシスの原因や症状、関係を修復するための対処法から、離婚を検討すべきケース・注意点まで網羅的にお伝えします。

今の苦しい状況を客観的に理解し、あなたにとって最善の道筋を見つけるための一助となれば幸いです。

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目次

産後クライシスとは?高い離婚率の背景にある症状と夫婦の特徴

産後クライシスとは、出産後に夫婦仲が急激に悪化する現象です。

令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省

出典:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告|厚生労働省

令和3年度の厚生労働省の調査によると、離婚により母子世帯になった世帯のうち、約4割が末子の年齢0〜2歳の時に離婚しています。

産後クライシスの主な症状や陥りやすい夫婦の特徴を把握しておくことで、離婚を回避できる可能性があります。

産後クライシスの主な症状

産後クライシスの主な症状として、配偶者への急な嫌悪感、スキンシップの拒絶、コミュニケーションの断絶などが挙げられます。

妻側に現れやすい症状は以下のとおりです。

  • 夫の言動すべてにイライラする
  • 夫に触れられることに強い抵抗を感じる
  • 感情のコントロールができず攻撃的になる

一方、夫側にも以下のような症状が現れることがあります。

  • 家庭内で疎外感を抱く
  • 妻の変化に戸惑いを感じる
  • 育児や家事に無関心になる

産後クライシスは妻だけの問題ではなく、夫婦双方に上記の症状が現れる可能性があります。互いの変化が悪循環を生むケースも少なくありません。

産後クライシスに陥りやすい夫婦の特徴

産後クライシスに陥りやすい夫婦には共通の特徴が見られます。コミュニケーション不足、責任感の強さ、役割意識のズレが主な要因です。

産後クライシスに陥りやすい夫婦の特徴

出産後の生活について具体的な話し合いが不足している夫婦は要注意です。恋愛結婚で仲が良かった夫婦ほど、「言わなくてもわかるはず」という期待値が高くなりがちです。意思疎通が十分に図られないことで、産後に妻が求める親としての協力と、夫が考える妻への気遣いに隔たりが生じやすくなります。

また、妻が完璧主義で責任感が強く、夫にうまく頼れないケースも産後クライシスに陥りやすい典型例です。「母親だから完璧にやらなければ」と抱え込むことで、夫が育児参加への意欲を失い、家庭内で孤立する傾向があります。

さらに「育児は妻の仕事」という固定的な役割分担意識が強い夫婦や、実家が遠く外部のサポートを得にくい夫婦もリスクが高いでしょう。育児が加わることで妻の負担が限界を超えるおそれがあります。

産後クライシスが起こる4つの原因

産後クライシスは、単一の原因で起こるものではありません。ホルモンバランスの変化、環境の激変、コミュニケーション不足など、複数の要因が複雑に絡み合って発生します。

ここでは、産後クライシスが起こる代表的な4つの原因をご紹介します。

ホルモンの急激な変化

産後クライシスの原因の一つは、出産による女性ホルモンの急激な減少です。ホルモンバランスの乱れは、精神状態に大きな影響を与えます。

妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが増加します。しかし、出産を境にホルモンは急激に減少するため、情緒不安定やイライラを引き起こす原因となるでしょう。

また、出産後は「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌が活発になります。オキシトシンは、母子の絆を深める役割を果たす一方で、外敵から子どもを守ろうとする攻撃性を高める作用もあります。

そのため、夫を外敵のように感じてしまうことがあるでしょう。

妻の変化への戸惑いと父親としての重圧

産後クライシスは、夫側の戸惑いや重圧も原因の一つです。

妻の急な変化に戸惑い、どう接していいか分からなくなる夫は少なくありません。

出産後、妻は子ども中心の生活になります。夫に対して冷たくなったり、触れられることを嫌がったりすることもあるでしょう。こうした変化に対し、夫は「自分は必要とされていない」「家庭に居場所がない」と感じやすくなります。

また、「手伝っているつもり」が妻の求めるレベルに達していないケースも多いです。夫は育児に参加しているつもりでも、妻からすれば不十分に感じることがあります。

さらに、夫は父親、一家の大黒柱としての役割に重圧を感じることもあるでしょう。経済的なプレッシャーや、父親としてどう振る舞えばいいのかという不安が、家庭への積極的な関与をためらわせる一因になります。

睡眠不足や慣れない育児による心身の疲弊

慢性的な睡眠不足と心身の疲労も、産後クライシスの大きな原因です。疲弊した状態では、相手を思いやる余裕が失われます。

特に母親は、数時間おきの授乳や夜泣きへの対応に追われます。昼夜を問わない育児は、肉体的にも精神的にも大きな負担です。まとまった睡眠が取れない日々が続くと、心身は極限まで消耗していきます。

夫側も、仕事と不慣れな育児の両立に苦労するケースが多いです。妻への気遣いや、家事・育児の分担など、出産前にはなかった負担が増えます。夫婦双方が疲労困憊の状態に陥りやすいといえるでしょう。

疲労がピークに達すると、些細なことで相手を攻撃しやすくなります。普段なら気にならない言動にイライラし、きつい言葉をぶつけてしまうこともあるでしょう。

こうした負の連鎖が、夫婦関係を悪化させる原因となり得ます。

コミュニケーション・スキンシップ不足

産後クライシスの原因には、夫婦間のコミュニケーション不足も挙げられます。子ども中心の生活になると、夫婦の会話は減少しがちです。

出産後は、会話の量だけでなく質も変化します。愛情表現や雑談が減り、内容は育児や家事に関する事務連絡ばかりになることも珍しくありません。

スキンシップの減少も、すれ違いや摩擦を生む要因となります。産後の妻は、身体的・精神的な理由からスキンシップを拒否することがあります。夫にとっては寂しさを感じる状況でしょう。

これらの変化により、夫婦間の心の距離が広がっていきます。

産後クライシスに陥っても離婚は最終手段とすべき3つ理由

産後クライシスに陥っても、離婚は最終手段とすべきです。

産後クライシスは一時的な危機であり、多くの夫婦が乗り越えています。正常な判断ができない状態で離婚を決断すると、後悔するかもしれません。

以下では、離婚を急ぐべきでない3つの理由を解説します。

産後クライシスは一時的なものである可能性が高い

産後クライシスの主な原因は、ホルモンバランスの乱れと生活環境の変化です。これらは子どもの成長とともに落ち着いていきます。

出産直後、女性の体内では急激なホルモン変動が起こります。しかし、産後数か月から1年程度で、ホルモン分泌は徐々に正常化していくことが一般的です。

また、子どもの成長も心身の負担軽減に大きく影響します。生後6か月頃から夜通し眠るようになり、授乳間隔も空いてきます。睡眠時間が確保できるようになると、心の余裕が生まれやすくなるでしょう。

適切な対処でこの時期を乗り切れば、夫婦関係の修復は十分期待できます。一時的な感情で決断をせず、慎重に検討したほうがよいでしょう。

冷静な判断が難しい時期である

極度の睡眠不足やホルモンバランスの乱れは、正常な判断能力を著しく低下させます。

産後は、夜間授乳などで睡眠が分断され、常に睡眠不足の状態に置かれがちです。慢性的な睡眠不足は前頭葉の機能を低下させます。前頭前野は、意思決定・判断・集中力・感情のコントロールなどを司る部位です。

前頭前野の機能が低下すると、衝動的な判断をしやすくなると言われています。そのため、「離婚したい」という感情は、現状からの逃避願望である可能性も考えられます。

離婚という重大な決断は、心身が回復してから検討すべきです。産後1〜2年は様子を見て、冷静に考えられる状態になってから判断しても遅くないでしょう。急いで決める必要はありません。

夫婦関係を修復できる可能性が十分にある

産後クライシスを乗り越えることで、夫婦の絆が深まる可能性も十分にあります。

産後の育児を通じて、お互いの価値観を深く理解できることもあるでしょう。育児に対する考え方や家事分担の希望など、結婚前には見えなかった部分が明らかになるからです。危機を協力して乗り越えられれば、より強固なパートナーシップを築けるかもしれません。

次章では、具体的な関係修復の方法を解説します。離婚を決断する前にできることがないか確認してみてください。

産後クライシスによる離婚を回避する対処法4選

夫婦関係が悪化していても、関係修復の意思が双方にある場合には、離婚を回避できる可能性があります。

ここでは、夫側・妻側それぞれの取り組みと、夫婦で実践できる対策を解説します。

感謝を伝えて指示を具体的にする

「ありがとう」という感謝の言葉と「〇〇してくれると助かる」という具体的な要望をセットで伝えましょう。

やって当たり前の考えを一旦脇に置き、小さなことでも感謝を伝えることが大切です。夫のモチベーション向上にもつながります。

また「察してほしい」という期待はすれ違いの原因になります。依頼するときは以下のように具体的なタスクとして伝えましょう。

  • 「ゴミを出してくれると助かる」
  • 「お風呂掃除をお願いしたい」
  • 「子どもをお風呂に入れてほしい」

自分自身のケアも忘れてはいけません。1日30分でも一人の時間を確保し、心身をリフレッシュさせましょう。

妻の話を傾聴して家事育児を自分事と捉える

夫は、妻の話にただ耳を傾ける姿勢が大切です。

妻が求めているのは解決策ではなく共感であるケースが多いです。途中で意見を挟んだり、反対意見を述べたりせず、まずは妻の感情や考えをそのまま受け止めましょう。

また、家事育児を手伝うのではなく自分の仕事と認識を改めることも大切です。

主体的に家事・育児のタスクを見つけて実行しましょう。洗い物がシンクにあれば洗う、洗濯物が溜まっていれば畳むなど、小さなことからでも構いません。

産後の妻は心身ともに疲弊していることを理解し、思いやりを持って接する姿勢が夫婦関係の修復につながります。

夫婦で話し合う時間を設けてルールを決める

子どもの話題だけでなく、夫婦二人のことを話す時間を意識的に設けましょう。

互いの体調や気持ち、今後の協力体制など、日常的な会話では触れにくいテーマについて話し合うことが大切です。マイナスの感情であっても、互いの感情に寄り添いながら夫婦で考え、決めていく姿勢が関係修復につながります。

家事育児の分担を紙に書き出して可視化すると、お互いの負担を客観的に把握できます。どちらかに偏っている部分があれば、具体的な改善策を話し合いましょう。

また、一時的に子どもを預け、夫婦二人だけの時間を作ることも有効です。ベビーシッターサービスや自治体のファミリーサポート制度などを活用してみてください。

公的機関やカウンセリングへの相談

夫婦二人だけでの解決が難しい場合は、公的機関や夫婦カウンセラーへの相談も有効な手段です。客観的な視点を持つ第三者の介入で、状況が改善するケースは少なくありません。

相談できる窓口は以下のとおりです。

  • 自治体の育児相談窓口
  • 保健センターの相談員
  • 夫婦問題専門のカウンセラー

第三者を交えることで、感情的な対立を避けられます。冷静な話し合いが可能になり、建設的な解決策を見つけやすくなります。

「相談するほどではない」と感じるかもしれません。しかし、早い段階で専門家の意見を聞くことが、離婚回避への近道となる場合もあります。一人で抱え込まず、利用できるサービスを積極的に活用しましょう。

産後クライシスで離婚を検討すべき3つのケース

産後クライシス自体は、直接的な法定離婚事由にはなりにくいです。しかし、産後クライシスが引き金となり、法定離婚事由に該当する行為に発展するケースもあります。

ここでは、離婚を検討すべき3つのケースを解説します。

配偶者からDVやモラハラを受けている

配偶者からDVやモラハラに該当する言動がある場合は、離婚を含めた対応を早急に検討すべきです。

DVは裁判で離婚が認められる理由のひとつである「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。日常的に暴力を受けている状況では、あなただけでなく子どもの身にも危険が及ぶかもしれません。

日常的に暴言を吐かれたり、人格を否定されたりする精神的暴力(モラハラ)も、継続的に行われている場合は離婚事由となる可能性があります。

産後は心身ともに不安定になりやすく、些細なことでも傷つきやすい状態です。我慢を続けると、心身の健康を損ない、育児にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

DVやモラハラを受けていると感じたら、まずは安全確保を最優先に考えましょう。配偶者暴力相談支援センターや警察、弁護士への相談など、早い段階で専門家の力を借りることが賢明です。

配偶者が不貞をしている

配偶者の不倫が判明した場合、離婚を含め今後の夫婦関係のあり方を検討する必要があります。

不貞行為は民法770条1項1号の法定離婚事由に該当し、夫婦関係の信頼を損なう行為です。精神的な支えが不可欠な産後の時期の不倫は、配偶者としての配慮や責任をより重く問われる可能性があります。

ただし、直ちに離婚を決断しなければならないわけではありません。不倫の事実が確認でき、証拠を確保できている場合には、不倫相手に対して慰謝料を請求する方法も検討できるでしょう。慰謝料請求は、不倫の再発防止につながるだけでなく、あなた自身の気持ちを整理するきっかけにもなり得ます。

幼い子どもを抱えた状態で衝動的に離婚すると、後悔するおそれがあります。今後の生活や子どもへの影響を冷静に考えたうえで、決断しましょう。

配偶者が生活費を渡してくれない

配偶者が正当な理由なく生活費を渡さない状況が続く場合は、夫婦関係を見直した方がよいでしょう。

夫婦には互いに助け合って生活する義務があり、生活費を渡さない行為は夫婦の扶助義務に違反します。十分な生活費がないと子どもの健康面に悪影響を及ぼすかもしれません。

もっとも、すぐに離婚を選ぶべきというわけではなく、婚姻費用分担請求などの法的手段によって生活の安定を図る選択肢もあります。

生活費を渡してもらえない状況が続いているなら、弁護士や家庭裁判所に相談し、法的な対処を検討しましょう。

産後クライシスで離婚したいときに後悔しないための注意点

離婚を決意した場合は、冷静に準備を進めることが大切です。

勢いだけで離婚すると、経済的に困窮したり、子どものことで将来トラブルになったりするリスクがあります。後悔しないためにも、以下の注意点を把握しておきましょう。

産後クライシスだけで離婚や慰謝料請求はできない

産後クライシスのみを理由とした離婚請求や慰謝料請求は、原則として認められません。

産後クライシス自体は、法律上の離婚原因(法定離婚事由)には該当しません。また、不法行為とも評価されないため、慰謝料請求の根拠にもなりにくいのが実情です。

相手の合意なく離婚を進めるには、DVや不倫など、別の法定離婚事由を主張・立証する必要があります。

もっとも、夫婦間の話し合いや調停で相手が合意すれば、離婚が成立したり、慰謝料の支払いがなされることもあります。

産後クライシスは無視できない問題ですが、法的評価と感情の問題は分けて整理することが大切です。

離婚後の生活設計を立てておく

離婚後の生活で後悔しないために、経済的に自立できるかの見通しを具体的に立てておくことが大切です。経済的な基盤がなければ、あなたと子どもの生活が困窮するおそれがあります。

生活設計では、以下の項目を具体的に検討しましょう。

  • 仕事・収入の確保
  • 住居の手配
  • 保育園の確保
  • 養育費の見込み額
  • 児童扶養手当などの公的支援

これらをすべて計算に入れ、月々の収支をシミュレーションしてください。

離婚後の生活を具体的に計画し、見通しが立ってから次のステップに進みましょう。

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離婚の際に必ず決めておくべき法的条件4つ

子どもがいる夫婦が離婚する場合、感情的な問題とは別に、法律上必ず取り決めるべき条件があります。親権・養育費・財産分与・面会交流の4つです。

これらを曖昧にすると、離婚後の生活や子どもの将来に支障をきたすおそれがあります。以下では、それぞれの条件について具体的な内容と決め方を解説します。

親権

離婚時には、親権者をどちらにするか検討する必要があります。

親権とは、未成年の子どもの世話や財産管理を行う親の権利と義務です。離婚届を提出する際に、父母のどちらか一方を親権者として定める必要があります。現行法では、親権者の記載がない離婚届は役所で受理されません。

親権者の決定にあたっては、以下の要素が総合的に考慮されます。

  • これまでの養育実績
  • 子どもの年齢・意思
  • 今後の養育環境

判断基準は、どちらが親権者になることが子どもの福祉にとって最も望ましいかです。夫婦の感情的な対立とは切り離して考える必要があります。

離婚の話し合いでは子どもの福祉を第一に考え、親権者を誰にするかを決定しましょう

2026年4月1日施行予定の改正民法では、従来の単独親権に加えて共同親権が導入されます。また、親権者の協議が調わない場合でも、家事審判または家事調停の申立てがなされていれば、協議離婚の届出が受理されるようになります。

養育費

夫婦間で、養育費の金額や支払い方法を具体的に話し合いましょう。

養育費は、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用です。親権を持たない親も、離婚後も子どもの親であることに変わりないため、養育費の支払い義務を負います。

具体的には、以下の事項を夫婦間で話し合います。

項目

ポイント

養育費の金額(月額)

家庭裁判所が公表している養育費算定表を参考に金額を決定する。

支払期日

「毎月〇日」など支払期日を明確に定める。

支払方法

銀行振込、現金手渡しなど。振込の場合は、振込先の指定や振込手数料の負担などを明記する。

支払期間

「満〇歳に達する日の属する月まで」「大学を卒業する日の属する月まで」などと具体的に記載する。

塾や習い事の費用、私学・大学進学時の学費、高額な医療費など、養育費に含まれない費用の負担についても、事前に決めておくとよいでしょう。

取り決めた内容については、後日の紛争防止のため、書面に残してください。将来支払いが滞った際に備え、強制執行文言付き公正証書として残すことをおすすめします。

財産分与

夫婦で築いた財産をどのように分けるか話し合いましょう。

財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を公平に分けることです。特段の事情がない限り、2分の1の割合で分与するのが原則です。

財産分与の対象となるものとならないものの例は、以下のとおりです。

財産分与の対象となるもの

財産分与の対象とならないもの

婚姻期間中に取得・形成した財産

・預貯金、有価証券

・自動車

・不動産

・生命保険、学資保険

・退職金

・夫婦の共同生活や資産形成に関連して生じた債務 など

・婚姻前に取得した財産

・相続または贈与により取得した財産

・法人名義の財産

・名実ともに子ども名義の財産

・夫婦の一方の個人的な趣味やギャンブル等により生じた債務 など

対象となる財産を正確にリストアップし、各財産の価値を評価したうえで、分与方法を検討しましょう。

面会交流

面会交流について、具体的なルールを決めておきましょう。

面会交流は、子どもが離れて暮らす親と交流する機会であり、子どもの健全な成長のために行うもの。夫婦間の感情的な対立とは切り離して考えることが大切です。

離婚後のトラブルを避けるため、子どもの負担にならない範囲で、以下の事項を定めておきましょう。

項目

ポイント

頻度・日時

具体的に指定する場合は、双方の認識に齟齬が生じないよう「月〇回、第〇土曜日」「〇時~〇時まで」などと明記する

連絡方法

電話・LINE・メールなど、父母の連絡方法を決める

受け渡し場所

待ち合わせ場所や送迎の担当者を明確にする

宿泊の可否

休日や長期休暇の宿泊を認めるか、認める場合は条件を含めて取り決める

祖父母などの第三者の立会いの可否

第三者の立会いを認めるか、認める場合は条件を決めておく

いずれの項目も、子どもの年齢や学校行事を考慮し、無理のない範囲で設定することが大切です。事前にある程度のルールを取り決めておき、子の状況や成長に合わせて内容を変更するための協議条項を盛り込むのも良いでしょう。

面会交流は、親の都合ではなく、常に子どもの視点に立って冷静に話し合いましょう。

産後クライシスで離婚するときの流れ

離婚手続きは、夫婦間の話し合いから始めることが一般的です。

夫婦間での話し合いで合意できない場合や話し合いができない場合は調停での解決を図ります。最終的には訴訟(裁判)へと進みます。

具体的な流れは以下のとおりです。

産後クライシスで離婚するときの流れ

調停で合意に至らなかった場合でも、裁判所が夫婦にとって離婚が相当であると認めて、調停に代わる審判を下すことがあります(審判離婚)。ただし、夫婦どちらかが不服を申し立てれば審判は無効となり、離婚は成立しないので、実例としてはほとんどありません。

産後クライシスによる離婚問題を弁護士に依頼するメリット

産後クライシスによる離婚問題は、法律の専門家である弁護士に相談すると、最善の解決を目指せます。

離婚を決意した場合だけでなく、離婚すべきかどうか迷っているという段階でも、弁護士に相談することは非常に有益です。

弁護士はあなたの法的な代理人として、感情的になりがちな相手方との交渉や、複雑で煩雑な法的手続きをすべて代行してくれます。これにより、あなたは相手と直接顔を合わせるストレスから解放され、新しい生活の準備に集中できるでしょう。

弁護士に相談することで、自身の気持ちが整理でき、離婚以外の選択肢が見つかる可能性もあります。

多くの法律事務所では、初回無料相談などを実施しるので、一人で抱え込まず、まずは専門家の客観的なアドバイスを聞いてみましょう。

離婚問題に強い弁護士探しは「ベンナビ離婚」

産後クライシスによる離婚問題でお悩みなら、離婚問題に注力する弁護士を効率よく探せる「ベンナビ離婚」の利用がおすすめです。

お住まいの地域や、親権・財産分与など具体的な相談内容で絞り込めるため、状況に合った専門家を簡単に見つけられます。

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育児や仕事で忙しい方でも、時間を見つけて相談しやすい環境が整っています。

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産後クライシスによる離婚に関するよくある質問

ここでは、産後クライシスによる離婚に関して、多くの方が抱きがちな疑問にQ&A形式でお答えします。

産後クライシスと産後うつはどう違う?

産後クライシスと産後うつの最大の違いは、産後クライシスが夫婦関係の問題であるのに対し、産後うつは医学的な治療が必要な病気である点です。

産後クライシスは、不満や苛立ちの矛先が配偶者に限定される傾向があります。一方、産後うつは特定の対象なく、すべての物事に対して無気力や深い悲しみを感じるのが特徴です。

日常生活に支障が出るほどの気分の落ち込み、理由なく涙が止まらないといった症状があれば、うつのサインかもしれません。夫婦の問題として抱え込まず、速やかに専門の医療機関を受診してください。

産後クライシスで離婚したら後悔する?

一時的な感情のまま離婚を決断した場合、後悔する可能性が高いでしょう。

産後クライシスの主な原因であるホルモンバランスの乱れや極度の疲労は、時間が経てば改善されるからです。冷静になったとき「なぜあのとき離婚を決めたのか」「もう少し話し合えばよかった」と感じるケースは少なくありません。

離婚後に一人で子育てをする経済的・精神的な大変さに直面し、「夫婦で協力すれば乗り越えられた」と後悔する方もいます。

離婚という重大な決断を下す前に、まずは関係修復のための努力を試み、専門家に相談することをおすすめします。

産後クライシスで夫から離婚したいと言われました。どうすればいい?

まずは、夫が離婚を望む理由を冷静に聞いてみましょう。

夫側もまた、産後の妻の変化に戸惑い、孤独や疲労を感じて追いつめられている可能性があります。一方的に自身のつらさを主張しても、話し合いは平行線をたどるでしょう。

すぐに結論を出そうとせず、以下のような対応を検討してみてください。

  • 一度別居して冷却期間を置く
  • 夫婦カウンセリングなど第三者を交えた話し合いを提案する
  • 話がまとまらない場合は、弁護士に相談して夫婦円満調整調停を検討する

感情的に対立するのではなく、相手の言い分を聞き、解決策を共に探る姿勢を心がけましょう。

さいごに|関係修復か離婚か最善の道を見つけるためにも弁護士に相談を

産後クライシスは、多くの夫婦が経験する一時的な危機です。あなたは決して一人ではありません。

産後クライシスの主な原因は、ホルモンバランスの乱れや睡眠不足であり、時間の経過とともに改善する可能性があります。一時的な感情で離婚を決断すると、後悔につながりやすいです。

夫婦間のコミュニケーションや第三者のサポートによって、危機を乗り越えられるケースも少なくありません。

それでも離婚を選ぶ場合は、離婚後の生活設計を立てたうえで、離婚条件を冷静に検討することが大切です。

関係修復を目指す道も、離婚して新しい生活を始める道も、どちらも弁護士がサポートできます。弁護士に相談することで、離婚以外の選択肢を見つけられる可能性もあります。

一人で抱え込まず、まずは無料相談を活用して、ご自身の状況を話してみてください。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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