離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
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一般的に養育費は「養育費算定表」という表を参考にし、父母の年収をもとに決定することが多いです。
しかし、その年収は「税引き前なのか、税引き後なのか」「今年なのか、前年なのか」などのように、どれを基準にするべきか迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、養育費の年収について知りたい方に向けて以下の内容について解説します。
本記事を参考に正しい年収の考え方を知り、適正な金額の養育費を算定できるようになりましょう。
養育費は一般的に「養育費算定表」を使って決定することが多いです。
この養育費算定表は、子どもの人数と年齢に応じて設けられており、権利者と義務者の働き方(給与所得者・自営業者)と年収に応じて養育費を決められるように作られています。
ここでは、特に養育費の決定で重要になる「年収」について確認しましょう。
養育費は、税引き前の年収(所得)をベースにするのが一般的です。
そのため、税引き後の年収で計算すると間違った金額になってしまうので注意しましょう。
養育費の算定根拠となる年収は、原則として前年の年収です。
たとえば、2024年(令和6年)中に養育費を決める場合は、2023年(令和5年)1月1日から12月31日までの年収(所得)を利用することになります。
前年の年収は、源泉徴収票や確定申告書などで確認できます。
しかし、以下のような事情が生じたときには、前年と今年の年収に大幅な違いが出る可能性が高いでしょう。
このような事情がある場合、例外的に今年の年収を推定計算等して、養育費の金額を算定するケースがあります。
養育費の金額を算定するときには、年収以外にもさまざまな事情が考慮されます。
ここでは、養育費を算定する際に考慮される要素について確認しましょう。
養育費を算定するときには、子どもの人数と年齢が考慮されます。
子どもが多くなればその分、義務者が負担する養育費は高額になります。
また、子どもが15歳以上の場合は、生活費指数が大きくなるため義務者の負担する養育費は高額になります。
生活費指数とは、大人の生活費を100とした場合の子どもの生活費の割合のことです。
生活費指数は、子どもの年齢が0~14歳の場合は62、15歳以上の場合は82と決められています。
養育費算定表は、子どもが成人するまでに必要になる標準的な費用を考慮して作られています。
そこで、私立学校への進学や高額な医療費などは、別途、考慮する必要があります。
養育費算定表は、公立学校に進学したときの教育費を前提に設定されています。
そのため、私立学校の入学金・授業料や、塾代・予備校代などは考慮されていません。
子どもがすでに私立学校や大学、予備校に通っている場合や、将来的に通う可能性がある場合には、これらを考慮して養育費を加算できる可能性があります。
養育費算定表では、例えば子どもの障害・持病が有る場合の医療費は考慮されません。
標準的な医療費を超える場合は、その一部を養育費に加算できる可能性があるでしょう。
ここでは、養育費の相場を年収・子どもの人数ごとに紹介します。
なお、以下で紹介している養育費の相場は、裁判所作成の養育費算定表の内、子が0歳~14歳である場合の表を参考にしています。
受け取る側の年収(給与) |
子どもの人数 |
支払う側が会社員の場合 |
支払う側が自営業の場合 |
0円 |
1人 |
4万~6万円 |
4万~6万円 |
2人 |
4万~6万円 |
6万~8万円 |
|
3人 |
6万~8万円 |
8万~10万円 |
|
100万円 |
1人 |
2万~4万円 |
4万~6万円 |
2人 |
4万~6万円 |
4万~6万円 |
|
3人 |
4万~6万円 |
6万~8万円 |
|
300万円 |
1人 |
2万~4万円 |
2万~4万円 |
2人 |
2万~4万円 |
4万~6万円 |
|
3人 |
2万~4万円 |
4万~6万円 |
受け取る側の年収(給与) |
子どもの人数 |
支払う側が会社員の場合 |
支払う側が自営業の場合 |
0円 |
1人 |
6万~8万円 |
8万~10万円 |
2人 |
8万~10万円 |
12万~14万円 |
|
3人 |
10万~12万円 |
14万~16万円 |
|
100万円 |
1人 |
4万~6万円 |
6万~8万円 |
2人 |
6万~8万円 |
10万~12万円 |
|
3人 |
8万~10万円 |
12万~14万円 |
|
300万円 |
1人 |
4万~6万円 |
4万~6万円 |
2人 |
6万~8万円 |
8万~10万円 |
|
3人 |
6万~8万円 |
10万~12万円 |
受け取る側の年収(給与) |
子どもの人数 |
支払う側が会社員の場合 |
支払う側が自営業の場合 |
0円 |
1人 |
6万~8万円 |
10万円~12万円 |
2人 |
10万~12万円 |
14万~16万円 |
|
3人 |
12万~14万円 |
16万~18万円 |
|
100万円 |
1人 |
6万~8万円 |
8万~10万円 |
2人 |
8万~10万円 |
12万~14万円 |
|
3人 |
10万~12万円 |
14万~16万円 |
|
300万円 |
1人 |
4万~6万円 |
6万~8万円 |
2人 |
6万~8万円 |
10万~12万円 |
|
3人 |
8万~10万円 |
12万~14万円 |
受け取る側の年収(給与) |
子どもの人数 |
支払う側が会社員の場合 |
支払う側が自営業の場合 |
0円 |
1人 |
12万~14万円 |
16万~18万円 |
2人 |
18万~20万円 |
22万~24万円 |
|
3人 |
20万~22万円 |
26万~28万円 |
|
100万円 |
1人 |
10万~12万円 |
14万~16万円 |
2人 |
16万~18万円 |
20万~22万円 |
|
3人 |
18万~20万円 |
24万~26万円 |
|
300万円 |
1人 |
8万~10万円 |
12万~14万円 |
2人 |
14万~16万円 |
18万~20万円 |
|
3人 |
16万~18万円 |
22万~24万円 |
受け取る側の年収(給与) |
子どもの人数 |
支払う側が会社員の場合 |
支払う側が自営業の場合 |
0円 |
1人 |
18万~20万円 |
22万~24万円 |
2人 |
26万~28万円 |
32万~34万円 |
|
3人 |
30万~32万円 |
38万~40万円 |
|
100万円 |
1人 |
16万~18万円 |
20万~22万円 |
2人 |
24万~26万円 |
30万~32万円 |
|
3人 |
28万~30万円 |
36万~38万円 |
|
300万円 |
1人 |
14万~16万円 |
18万~20万円 |
2人 |
20万~22万円 |
28万~30万円 |
|
3人 |
24万~26万円 |
32万~34万円 |
最高裁判所の「令和4年司法統計年報」によると、調停や審判で決定された母親が監護者になった場合の養育費の金額は以下のようになっています。
子どもの人数 |
1人 |
2人 |
3人 |
4人 |
5人以上 |
合計 |
1万円以下 |
176件 |
117件 |
39件 |
4件 |
1件 |
337件 |
2万円以下 |
683件 |
381件 |
122件 |
30件 |
4件 |
1,220件 |
4万円以下 |
2,630件 |
1,362件 |
287件 |
41件 |
0件 |
4,320件 |
6万円以下 |
1,905件 |
1,266件 |
279件 |
39件 |
5件 |
3,494件 |
8万円以下 |
848件 |
776件 |
159件 |
39件 |
6件 |
1,828件 |
10万円以下 |
376件 |
454件 |
199件 |
21件 |
2件 |
1,052件 |
10万円超 |
487件 |
609件 |
265件 |
41件 |
7件 |
1,409件 |
毎月、養育費として2万~4万円を受け取っている世帯は、全体の31.6%を占めています。
また、4万~6万円を受け取っている世帯は25.5%、6万~8万円の世帯は13.4%となっています。
2万~8万円で約75%を占めているため、多くの場合はこの金額帯の養育費になると考えられるでしょう。
ここでは、養育費の算定や請求を弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。
適正な金額の養育費を算出するためには、それぞれの家庭の事情を考慮する必要があります。
たとえば、以下のようなケースでは、養育費算定表を見るだけでは適正な養育費を把握することはできません。
養育費トラブルが得意な弁護士に相談すれば、このような個別事情を考慮した養育費を算出してくれるでしょう。
弁護士に養育費に関する交渉を依頼すれば、以下のようなことが期待できるでしょう。
また、話し合いがまとまらなかった場合には、調停や審判といった裁判所でおこなう手続きも任せることができます。
交渉や調停によって養育費に関する合意が取れたとしても、将来的に養育費が支払われなくなるケースはあります。
弁護士に依頼している場合、こうした養育費の未払いに備えて、養育費に関する合意を公正証書にするなどの対応を講じる場合もあります。
また、実際に養育費の未払いが生じたとき、即座に養育費を回収するための訴訟、差押え等強制執行の手続きをおこなってくれるでしょう。
最後に、養育費の算定に関するよくある質問に回答します。
年収を確認する手段は、会社員と自営業者で異なります。
区分 |
収入・所得を確認できる主な書類 |
会社員の場合 |
✔源泉徴収票 ✔給与明細・賞与明細 ✔所得証明書(課税証明書) |
自営業者の場合 |
✔確定申告書 ✔所得証明書(課税証明書) |
養育費の支払い期間に関する特別な決まりはありません。
一般的には「成人まで」と決めることが多いですが、学生は成人後も経済的に自立していません。
そこで、成人までとする場合の他、以下のように養育費の支払期限を取り決める場合もあります。
なお、養育費の支払い期間を取り決めていなかった場合、民法が改正される前の成人年齢であった「20歳まで」とされることが見込まれます。
会社の倒産や整理解雇などにより失業した場合は、養育費の減額が認められる可能性があります。
しかし、転職活動をしないなどの事情がある場合は、減額が認められにくくなるので注意が必要です。
なお、自己都合退職の場合は、家業を継ぐなどの正当な理由があるケースでは養育費の減額が認められるでしょう。
義務者が養育費を支払わない場合には、それぞれの状況に応じて以下のような対応を検討しましょう。
状況 |
対策 |
養育費の公正証書、調停(審判)調書がない場合 |
・内容証明郵便を送付して養育費を請求する ・家庭裁判所に養育費の支払いを求める調停を申し立てる |
養育費の公正証書がある場合 |
・地方裁判所に強制執行の申し立てをする |
養育費の調停(審判)調書がある場合 |
・地方裁判所に強制執行の申し立てをする |
養育費を決定する際の年収には、基本的には「前年度の年収」に基づいて算出されます。
しかし、仕事を変更したり、昨年度の給料よりも今年の給料が著しく増えたり減ったりした場合などは、今年度の年収に基づいて算出される場合もあります。
養育費の算定について疑問や悩みがあれば、養育費のトラブルを得意とする弁護士に相談すると良いでしょう。
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