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DVの無料相談窓口15選|状況に合う相談先と解決までの全手順を解説

DVの無料相談窓口15選|状況に合う相談先と解決までの全手順を解説
「DV」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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「DVで毎日がつらい…。」「相手のことは好きでも、暴力だけはやめてほしい。」「もしこのまま続くなら別れたい…。」

DVの悩みは、放置すれば心身ともに深い傷を残す危険があるため、早めに解決するべきです。

DVの悩みを無料で相談できる窓口は、弁護士や行政サービスなど多数あります。

相談方法や受付時間なども多彩なので、自身の状況に合わせて最適な相談先を見つけるのが重要です。

この記事では、DVについて無料相談できる窓口15選を紹介します。

相談前に準備すべきことや生活再建までの流れも解説するので、参考にしてみてください。

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被害が酷くなることや、子どものことを考えDV被害を我慢していませんか?
もしも、少しでもDV被害での離婚を検討しているのであれば、弁護士への相談をおすすめします。

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目次

その言動、DVに該当します|5つのDVの種類と具体例

5つのDVの種類と具体例

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、配偶者や恋人など親密な関係にある相手からの暴力全般を指し、その形は身体的なものだけにとどまりません。

精神的、経済的、性的、社会的な暴力もDVに含まれます

まずは、あなたが受けている言動がDVに該当するのかどうか、以下の5つの種類と具体例で確認してみましょう。

身体的暴力

具体例
  • 殴る
  • 蹴る
  • 物を投げつける
  • 髪を引っ張る など

身体に危害が加えられる行為が、身体的暴力です。

最初は軽く頭を叩くなど些細なことから始まるケースがほとんどですが、そのうち罪悪感が薄れ暴力がエスカレートします。

あざや傷など目に見える怪我を負わせるような暴力をふるうこともあります。

精神的暴力

具体例
  • 人格否定
  • 長期間の無視
  • 行動の制限
  • 脅迫
  • 人前での侮辱

精神的暴力とは、暴言や無視、行動の監視などによって相手の心を傷つけ、支配しようとする行為です。

外傷は残らず被害が見えにくい一方で、自己肯定感を奪い、長期的に深刻な影響を与えます。

経済的暴力

具体例
  • 生活費を渡さない
  • 出費を厳しく監視する
  • 借金を強要する
  • 貯金や財産を勝手に使い込む・取り上げる

経済的暴力とは、お金を支配することで相手の自由を奪い、精神的に追い詰める行為です。

特に収入の少ない人や専業主婦が被害に遭いやすく、自立の道を閉ざされ逃げられなくなることも少なくありません。

性的暴力

具体例
  • 望まない性行為を強要される
  • 避妊に同意してもらえない
  • 妊娠や出産に関する選択を制限される

夫婦間であっても、望まない性行為を強要されることは「性的DV」にあたります。

どんな関係であれ、気分が乗らない日や拒否したいときがあるのは自然なこと。

それにもかかわらず、相手の意思を無視して欲求を押し付ける行為は、明確な性的暴力です。

社会的暴力

具体例
  • 電話やメール、SNSなどのチェック
  • 外出や交流の禁止・監視
  • 仕事を辞めさせる・転職を妨害する
  • 周囲に悪口を広め信用を失わせる

社会的暴力とは、交友関係や家族との繋がりを断たせ、被害者を社会的に孤立させる行為です。

こうして被害者は社会との接点を奪われ、「自分には加害者しかいない」と思い込まされ、DVから抜け出せなくなります。

【状況別】DVの無料相談窓口15選

【状況別】DVの無料相談窓口15選

DVについて無料で相談できる窓口は、警察や行政、弁護士、NPOなど多岐にわたります。

それぞれ役割や専門性が異なるので、詳しくみていきましょう。

1. 弁護士|法的な解決を勧めたいなら

DVからの離婚や慰謝料請求を検討している場合、弁護士への相談が最も確実です。

弁護士は離婚手続きや保護命令の申立て、財産分与、養育費請求などを一括してサポートしてくれます。

また、加害者との直接のやりとりを避けられる点も大きな安心材料です。

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「ベンナビ離婚」は、DVやモラハラ問題に注力する弁護士を検索・相談できるポータルサイトです。

無料相談を受け付けている法律事務所も多く、地域や実績から最適な弁護士を選べます。

電話や24時間対応のLINEでも問い合わせできるため、初めての一歩として利用しやすいのが特徴です。

法的対応を検討する方には心強い窓口となります。

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2. DV相談ナビ(#8008)|どこに相談すべきか分からないなら

「DV相談ナビ(#8008)」は、全国共通の電話相談窓口です。

発信地に応じて最寄りの専門機関へ自動的につながるため、どこに連絡すればよいか迷う方に最適です。

匿名で相談でき、相談内容に応じて支援センターや警察などへスムーズに案内してもらえます。

DV相談ナビ
連絡先 #8008
受付時間 各支援センターに準ずる
支援内容 居住地に近いDV相談窓口に転送され、専門スタッフに直接相談できる
ホームページ https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/index.html

3. DV相談+(0120-279-889)|深夜や休日でも相談したいなら

「DV相談+」は、電話・メール・チャットでの相談が可能な全国窓口です。

24時間365日対応しており、深夜や休日でも安心して利用できます。

外国語や手話にも対応しているため、多様な環境の方が利用できる点が特徴です。

匿名相談も可能で、緊急時には関係機関へつなげてもらえます。

DV相談+
連絡先 0120-279-889
チャット
プラス相談箱
受付時間 電話:24時間
チャット:12時~22時
プラス相談箱:24時間
支援内容 ・面接、同行支援などの直接支援
・安全な居場所の提供
特徴 ・10か国語対応(チャット)
・男性の相談にも対応(専用回線 毎週日曜15~21時)
ホームページ https://soudanplus.jp/

4. 配偶者暴力相談支援センター|避難や具体的な支援を望むなら

配偶者暴力相談支援センターは、避難場所の確保や保護命令申立て支援などのサポートが受けられる公的機関です。

自治体ごとに設置されています。

心理的支援やシェルターへの入所調整もおこなっており、DVから安全に離れるための中核的な相談先です。

配偶者暴力相談支援センター
連絡先 各自治体の支援センターの窓口
もしくは#8008で最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながる
受付時間 各施設に準ずる
支援内容 ・被害者の安全確保
・自立支援
・保護命令制度申請の援助

5. 児童相談所(全国共通ダイヤル #189)|子どもへの影響が心配な場合

子どもに暴力が及んでいる、またはその可能性がある場合は「#189」へ。

全国どこからでも、地域の児童相談所につながります。

相談所では子どもの安全確保や一時保護、心理的ケアまで包括的に支援してくれます。

児童相談所
連絡先 #189
公式LINEより相談可能
受付時間 24時間365日
支援内容 ・子どもの支援、保護
特徴 ・LINEで相談も可能
所在地 児童相談所一覧

6. シェルター・ステップハウス|別居して生活再建を望むなら

シェルターやステップハウスは、自治体やNPOが運営している、加害者から安全に離れるための一時的な避難先です。

安全性を確保するために所在地は非公開。

利用するには、「配偶者暴力相談支援センター」や「警察」「DV相談+(プラス)」などから紹介してもらう必要があります。

入所が決まると、衣食住の提供に加え、住居探しや就労支援、子どもの学校手続き、離婚や保護命令など法的対応のサポートも受けられます。

7. 警察(相談は#9110、緊急時は#110)|身の危険を感じているなら

命の危険を感じたときは、ためらわずに110番通報してください。

緊急性が低い場合は、全国共通の警察相談専用電話「#9110」にかけると、地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。

警察では、相談内容に応じて事情聴取や生活安全課への案内、保護命令の申立てサポートなどをおこない、被害者の安全を第一に対応します。

危険を感じたら一人で抱え込まず、すぐに警察に連絡してください。

警察
連絡先 相談:#9110
緊急:#110
受付時間 #9110:平日8時30分~17時15分
(都道府県警察本部により異なる場合あり)
#110:24時間365日
支援内容 ・緊急時の駆け付け、被害者保護
・加害者への警告や逮捕
・生活安全課による相談対応
・保護命令の申立てや避難支援のサポート
特徴 ・命の危険が迫る場合は最も迅速な対応が可能
・DV加害者との接近禁止命令など、裁判所手続きへの連携も可能

8. 女性相談支援センター(#8778)|DVを含む女性の幅広い悩みを相談するなら

女性相談支援センターは、DVを含む女性の生活全般に関する相談に対応しています。

全国共通ダイヤル#8778、もしくは各自治体の女性相談支援センターに直接電話で相談可能です。

就労支援や生活再建のための情報提供もおこなっており、長期的な自立を支える窓口となってくれます。

女性相談支援センター
連絡先 全国共通番号:#8778(はなしてなやみ)
もしくは直接各自治体の女性相談支援センターへ連絡
支援内容 女性のさまざまな悩み・相談に対応
特徴 ・女性専門の相談窓口で安心
・地域の支援機関と連携し、実際の支援につながりやすい
ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40452.html

9. みんなの人権110番(0570-003-110)|「人権侵害」として法的に訴えたいなら

法務省が運営する「みんなの人権110番」では、DVを人権侵害として相談できます。

相談は電話で受け付けており、各地の法務局や地方法務局につながります。

みんなの人権110番
連絡先 0570-003-110
受付時間 平日8時30分~17時15分
支援内容 専門家が事情を聞き取り、必要に応じて関係機関と連携して支援。
特徴 DVを単なる家庭問題ではなく、人権侵害として法的措置を検討してくれる。
ホームページ https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html

10. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(#8891)|性的暴力の被害を受けているなら

DVの中でも性的暴力に悩む方は、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」に相談しましょう。

医療・心理・法律の各専門機関が連携し、被害直後から切れ目なく支援を受けられます。

婦人科での診療や証拠採取、カウンセリング、法律相談などを一括して案内してもらえるため、被害者が複数の機関を自分で探す必要がありません。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
全国共通窓口 #8891(携帯・アナログ固定電話)/0120-8891-77(ひかり電話)
各自治体のセンター https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/pdf/one_stop.pdf
支援内容 医療機関(婦人科など)での診療・証拠採取、カウンセリング、法律相談、警察との連携支援
特徴 複数の機関を一度につなぐ「ワンストップ」支援。 秘密厳守で安心して利用可能
ホームページ https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

11. よりそいホットライン(0120-079-338)|DVや他の悩みについて話を聞いて欲しいなら

よりそいホットラインは、どんな悩みにも24時間365日無料で対応してくれる全国共通の相談窓口です。

匿名で利用でき、漠然とした不安や「誰にも話せない悩み」にも専門相談員が寄り添って対応してくれるのが特徴です。

必要に応じて他の支援機関につなげてもらうことも可能です。

よりそいホットライン
全国共通窓口 フリーダイヤル:0120-279-338/岩手・宮城・福島:0120-279-226
受付時間 24時間365日
支援内容 制度に関する情報提供や面接相談、他機関への同行支援
特徴 ・DV・性暴力・女性専用回線あり
・専門相談員が対応し、必要に応じて他機関と連携
ホームページ https://www.since2011.net/yorisoi/

12. 法テラス(0570-078374)|弁護士費用が心配なら

法テラスは、弁護士相談の費用が心配な方に向けた公的機関です。

DVやストーカー、児童虐待の被害者支援の経験がある弁護士を紹介してくれます。

資産が300万円以下の方は相談料が無料(300万円を超える方は5,500円)のため、費用が心配な方でも相談しやすいでしょう。

法テラス
全国共通窓口 0570-078374(おなやみなし)
受付時間 平日9:00~21:00、土曜9:00~17:00(日曜・祝日・年末年始は休み)
支援内容 ・無料法律相談(資産が300万円以下の人)
・弁護士費用の立替制度(分割返済・免除制度あり)
・DVに関する法的手続き支援
特徴 ・DV問題に強い弁護士を無料紹介
・民事(離婚手続や損害賠償請求)、刑事(告訴、先方からの示談への対応)両方に対応可能
ホームページ https://www.houterasu.or.jp/

13. NPO法人(例:NPO法人よつば等)|民間の柔軟な支援を受けたいなら

民間NPO法人は、行政にはない柔軟な支援が特徴です。

NPO法人よつばなどでは、相談から生活再建支援まで幅広いサポートを提供。

シェルター運営やカウンセリングなど、利用者に寄り添った対応が期待できます。

NPO法人よつば
無料相談窓口 050-5527-5355(カウンセラー直通番号 050-5527-5355)
メールアドレス
専用フォーム
受付時間 9:00~20:00(年中無休)
支援内容 ・専門カウンセラーによる無料の心理的サポート
・緊急時の安全確保
・専門機関の紹介
・生活再建のための情報提供
特徴 法律で解決できない幅広い問題や心理的側面への支援が中心
ホームページ https://npoyotuba.com/

14. 福祉事務所|避難後の生活費に困っているなら

DVから避難した後の生活費に困窮した場合は福祉事務所で生活保護の申請が可能です。

住居確保給付金や一時的な生活資金の支援も受けられます。

経済的に立ち直るための公的な制度を活用しましょう。

東京都千代田区福祉事務所
窓口 TEL 3264-2111
FAX 3264-0927
所在地 102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1
支援内容 ・生活福祉資金貸付制度
特徴 ・DV避難中の方の場合、避難先住所で申請可能
・返済猶予や収入非課税世帯に対する返済免除措置あり

その他全国の福祉事務所一覧はこちら:福祉事務所|厚生労働省

15. 精神保健福祉センター・保健所|心の傷の専門的なケアが必要なら

精神保健福祉センターや保健所では、専門的なカウンセリングや精神医療への橋渡しをおこなっています。

DVによる心の傷は深刻。

立ち直るには専門的なサポートが必要です。

被害によるPTSDや不安障害に悩む方は、心のケアを含めた支援を受けましょう。

東京都立精神保健福祉センター
窓口 03-3844-2210
所在地 110-0004 東京都台東区下谷1-1-3
支援内容 ・心理的支援・カウンセリング
・精神的・社会的自立支援
・精神的危機時の専門対応
特徴 ・精神的影響への支援を専門的に担う機関
・生活支援や避難支援をおこなう他の窓口との橋渡しもおこなう

その他全国の精神保健福祉センター一覧はこちら:全国の精神保健福祉センター|厚生労働省

DV相談後に受けられる支援|安全確保から生活再建までの4ステップ

DV相談後に受けられる支援

 DV相談をした後どういった支援が受けられるのか、こちらで解説していきます。

ステップ1:身の安全を確保する|一時保護と専門員による心のケア

DV被害においてまず優先されるのは、心身の安全を確保することです。

相談を受けた機関は、必要に応じて一時保護制度を活用し、公的シェルターや母子生活支援施設への避難を手配します。

加えて、心理カウンセラーなど専門員が心のケアをおこない、落ち着いて今後を考えられる環境を整えます。

ステップ2:加害者を遠ざけ生活を安定させる|保護命令と行政手続きのサポート

安全な場所を確保した後は、DV防止法第10条に基づく保護命令で加害者を遠ざけます

保護命令の種類と内容
種類 内容 期間
接近禁止命令 被害者やその親族へのつきまとい、住居・勤務先周辺のはいかいを禁止 最長6か月
退去等命令 加害者に住居から退去を命じ、その家の周辺のはいかいを禁止 2か月
電話等禁止命令 面会要求、無言電話、メールやSNSなどでの連続的な連絡を禁止 最長6か月(接近禁止命令と併用されることが多い)

また、相談機関が発行する証明書があれば、DV等被害者への支援措置として、住民票や戸籍の附票の閲覧を制限することができます。

これにより、新住所を知られないようにできるので安心です。

ステップ3:法的に関係を清算する|弁護士紹介と無料法律相談の活用

加害者と直接会うことなく、離婚や慰謝料請求といった法的手続きを安全に進めたいのであれば、専門家の支援を受けましょう。

「弁護士に頼むとお金がかかる」「加害者と顔を合わせたくない」と心配される方もいますが、経済的に余裕がなくても安全に専門家の力を借りることが可能です。

無料で弁護士に相談できる窓口

  • ベンナビ離婚|24時間無料相談できる弁護士が見つかる
  • 法テラス|資産が300万円以下の人は無料
  • 弁護士会|都道府県ごとに無料相談できる内容は限られる
  • 市役所・区役所の法律相談窓口|開催日時の問合せが必要

弁護士が代理人となれば、加害者と直接やり取りする必要はありません

離婚調停も、弁護士が代わりに進めてくれます。

調停期日に裁判所に出向く必要がありますが、加害者と被害者が顔を合わせないように、安全が最大限に配慮されます。

裁判所には「事件係属の秘匿」という制度もあるため、現住所などの個人情報が相手にバレることもありません。

調停が不成立の場合は「裁判離婚」に進みますが、事案では弁護士を通じた書面でのやり取りが中心となるので、法廷に出向く必要が最小限に抑えられます。

このように、専門家の力を借りることで、安全に関係を清算し、DVから脱却できる仕組みが整っています。

ステップ4:新しく生活を再建する|生活・経済・子供の包括的自立支援

暴力から逃れた後は、住まい・仕事・お金・子どものことまで、生活を建て直すための包括的な支援が受けられます。

主な公的支援の例
分野 支援内容
住まい ・公営住宅への優先入居
・母子生活支援施設での生活・就労サポート
経済 ・生活保護で最低限の生活を保障
・児童扶養手当の支給
・母子父子寡婦福祉資金貸付(修学・事業資金など)
仕事 ・ハローワークでの専門相談・職業紹介
・高等職業訓練促進給付金(資格取得中の生活費支援)
子ども ・就学援助制度(学用品・給食費の一部を援助)
・スクールカウンセラーによる心のケア

シェルターを出た後に母子生活支援施設に入居し、就職活動を経て公営住宅へ移り住むといった流れで、安心して新生活を始められます。

DV相談をためらわなくて良い3つの理由

DV相談をためらわなくて良い3つの理由

「相談したことがバレるかも」「お金がない」「誰も助けてくれない」―そんな不安は不要です。

被害者が安心して相談ができるように、法律や制度が整備されています。

理由1:プライバシーは法律で守られる

配偶者暴力相談支援センターなどの職員には守秘義務が課せられており、相談内容が同意なく漏れることは法律で固く禁じられています

また、相談していることを加害者に悟られないように、相談員は連絡方法などにも配慮してくれるため、相談したことがバレる可能性はほぼありません。

理由2:公的窓口の相談は無料

配偶者暴力相談支援センター、警察、DV相談ナビ、DV相談+など公的窓口は、すべて国や自治体の予算で運営されており無料です。

そのため、「経済的DVで手元にお金がないから相談できない」ということはありません。

弁護士に依頼する際も、法テラスを使えば負担を軽減できます。

理由3:被害者と子どもを守る制度がある

「相談したことでDVがひどくなるのでは」と不安に思う方もいますが、DV防止法に基づき被害者を守る制度が整っています

  • 一時保護制度:危険が迫ったときにシェルターへ避難できる
  • 保護命令制度:裁判所の命令で加害者の接近を禁止できる

さらに、子どもの転校手続きや心のケアもサポートされるため、安心して新しい生活を始められます。

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相談前に準備すべき、DVの証拠となるもの

相談前に準備すべき、DVの証拠となるもの

離婚や慰謝料を裁判で認めてもらうためには、DVの被害を裏付ける証拠が不可欠です。

LINEのやり取りや短いメモでも、積み重ねれば十分に証拠となるため、しっかり集めておきましょう。

具体的には、以下のようなものが有力な証拠になります。

1. DV現場の録画・録音

殴打や暴言の録音・録画は証明力の高い証拠です。

ただし、録音が配偶者に知られると暴力が悪化する可能性があります。

無理のない範囲でおこない、困難な場合は他の証拠を集めましょう。

2. 医師の診断書・受診記録

外傷だけでなく、うつ病や不眠症など精神的被害の診断書も有効です。

受診時は以下に注意してください。

  • 小さな怪我も申告する
  • 受診期間が分かるように記載を依頼する
  • DVが原因であることを医師に伝える

3. 被害の写真

DVで受けた怪我や壊れたモノを写真に残しておくことも、証拠になります。

あなたが受けた怪我であることを示すために、怪我とあなたの顔が分かるように写真を撮ることがポイントです。

被害の写真では、DVの被害なのか、事故などによるものか判断ができないと、証拠として認められない場合もあります。

DVを受けた場合には、必ず病院に行くことをおすすめします。

4. 預金通帳・家計簿・給与明細等

経済的なDVを受けている場合には、預金通帳や家計簿によってお金が渡されていないことを証明すればDVの証拠にできます。

配偶者の収入もわかるようにしておくと効果的です。

給与明細や源泉徴収、課税調整表などを数年分集めておくとよいでしょう。

5. メール・電話の記録

配偶者がDVについて認めていた場合、メールの文面や電話の録音が強力な証拠になります。

LINEやメールで「叩いてごめん」「もう手を上げない」といった謝罪や、DVを認める発言があれば、必ずスクリーンショットをとってください。

日付と時刻を含めて保存し、クラウドなど安全な場所にバックアップしておきましょう。

6. メモ・日記・子どもの証言

被害の日付、場所、内容を記録したメモや日記も有効です。

また、子どもの証言が証拠となる場合もあります。

ただし、これら単独では証明力が弱いため、他の証拠と組み合わせることが望ましいです。

DV被害を受けている人が知っておくべきこと

DVを受けている場合には、慰謝料請求や離婚、さらにあなたが望む場合には、配偶者に刑事罰を与えることも可能です。

DVを理由に離婚はできる

日本の民法には「法定離婚事由」があり、次の4つに該当すれば配偶者の合意がなくても裁判で離婚を成立させられます。

  • 不貞行為(不倫)
  • 悪意の遺棄
  • 配偶者の3年以上の生死不明
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由

このうちDVは「悪意の遺棄」または「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたる可能性があります。

ただし、離婚を認めてもらうにはDVの証拠が必要です。

DVを原因とした慰謝料請求ができる

DVを理由に慰謝料を請求することも可能で、多くは離婚裁判と同時におこないます。

慰謝料額は以下を考慮して判断されます。

  • DVの回数・期間・被害の程度
  • 婚姻期間や子どもの有無
  • 加害者・被害者の年齢など

過去の裁判例から、慰謝料は50万~300万円程度が目安です。

【注意】慰謝料の請求には時効がある

慰謝料の請求を検討しているなら、時効に気を付けなくてはなりません。

  • DV行為自体に対する慰謝料:「DV行為があったこと」と「加害者を知ったとき」から3年
  • 離婚慰謝料:DVが原因で離婚に至った場合は、離婚した時点から3年以内

時効が過ぎると慰謝料が認められなくなる可能性があります。

DVを理由とした慰謝料請求を考えているのであれば、早めに弁護士に相談して法的手続きを取りましょう。

DVを原因とした刑事罰を求められる

DVは、被害者が被害届や告訴状を提出することで、犯罪として処罰される場合があります。

  • 被害届:最寄りの警察署に提出
  • 告訴:処罰を求める意思を示し、警察や検察庁に告訴状を提出

警察・検察が捜査を開始し、配偶者を逮捕すると、刑事罰を科すことが可能です。

DVによって成立する可能性がある犯罪としては、主に以下のようなものがあります。

DV行為の具体例 成立し得る犯罪 刑事罰
暴行によってけがを負わせた 傷害罪 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑(刑法第204条
暴力を振るった 暴行罪 2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金刑、または拘留もしくは科料(刑法第208条
性的な行為を強要した 不同意性交等罪 5年以上の有期拘禁刑(刑法第177条
人前で暴言を浴びせた 侮辱罪 1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金刑、または拘留もしくは科料(刑法第231条
言動によって畏怖させた 脅迫罪 3年以下の懲役(刑法第223条
物を壊した 器物破損罪 3年以下の拘禁刑、30万円以下の罰金、または科料(刑法第261条
暴行・脅迫を加えて金銭や財物の交付を要求した 恐喝罪 10年以下の懲役刑(刑法第249条

刑事罰を与えることは、加害者に法的な制裁を加えられるのはもちろんのこと、逮捕されて勾留されている間に避難する準備を整えられるというメリットもあります。

裁判所に保護命令を出してもらえる

命や身体に危険があるときは、配偶者暴力防止法に基づき地方裁判所に「保護命令」を申し立てられます

身の危険を感じずに新しい生活を送れるので安心です。

  • 接近禁止命令
  • 退去命令
  • 電話等禁止命令
  • 子どもへの接近禁止命令
  • 親族への接近禁止命令

申立書には、被害の状況や生命・身体に重大な影響がある事情を記載します。

事前に内容を整理し、弁護士や相談窓口の支援を受けながら進めましょう。

DVの無料相談に関するよくあるご質問(Q&A)

ここでは、DV相談に関して多くの方が抱く疑問や不安について、Q&A形式でお答えします。

Q. 殴られた怪我や暴言の録音など、明確な証拠がなくても相談できますか?

A. はい、証拠が全くなくても相談可能です。

窓口の目的は安全確保と心のケアであり、裁判をすぐに起こすわけではありません。

相談の段階では証拠は不要です。

ただし今後に備えて、録音・診断書・写真などを集めておくと有効です。

Q. 警察に相談したら、すぐに加害者へ連絡がいって逆上されませんか?

 A. いいえ、警察が被害者の意思を無視して加害者に連絡することはありません。

相談専用電話(#9110)は被害者の希望を確認した上で対応します。

「記録だけ残したい」と伝えることも可能です。

ただし命の危険が迫る緊急時(110番通報)では、直ちに介入がおこなわれます。

Q. 身体的な暴力はないのですが、ひどい暴言や無視(モラハラ)だけでも相談できますか?

A. はい、相談できます。

DV防止法では、人格否定や無視などの精神的暴力もDVに含まれます。

「稼ぎが悪い」と見下され生活費を渡されないなどの経済的DVも対象です。

目に見えない暴力であっても深刻な人権侵害ですので、必ず相談してください。

Q. 男性でもDV被害の相談は可能ですか?

 A. はい、可能です。

DVは性別を問いません。

内閣府は男性相談窓口を設け、法務省や「DV相談+」などの機関も性別を問わず対応しています。

「妻から暴力を受けている」「彼女の束縛が激しい」といった悩みも相談対象です。

自治体によっては男性専用ダイヤルも設けられています。

Q. 結婚していませんが、恋人からの暴力(デートDV)も相談対象ですか?

A. はい、対象です。

DV防止法は事実婚や交際相手からの暴力も含みます。

結婚の有無に関わらず「殴られる」「SNSを監視される」といったデートDVも深刻な問題として扱われます。

実際に多くの相談が寄せられており、解決に向けた支援が受けられます。

Q. 結局、どこに一番最初に電話すれば良いのでしょうか?

A. 迷ったらまずは弁護士か「DV相談+」(24時間・チャット対応)、「DV相談ナビ(#8008)(最寄りの専門機関に自動接続)がおすすめです。

状況に合わせて、以下のように使い分けるのが良いでしょう。

状況 おすすめの相談先
法的手続きをとって関係を清算したい。 弁護士
ベンナビ離婚
パートナーが近くにいる。 夜中や早朝で不安になった。 DV相談+(プラス)へチャット相談
平日の日中。 どこに相談すればいいか分からず、専門家と話したい。 DV相談ナビ(#8008)へ電話
今まさに身の危険が迫っている。 緊急で助けが必要。 迷わず警察(110番)へ通報

まとめ

配偶者や恋人から日常的に暴力を振るわれているのなら、それは明確なDV被害です。

身体的暴力だけでなく、暴言や無視、生活費を渡さない、行動を監視するといった精神的・経済的・社会的な暴力もすべてDVに該当します。

DVは放置すれば継続性が高く、エスカレートしやすい特徴があります。

だからこそ、早めに専門家に相談し、安全な環境で今後の選択肢を考えることが重要です。

状況に応じて、以下の窓口に相談してください。

  • 法的に関係を清算したい:弁護士(ベンナビ離婚で無料相談可能な弁護士を検索)
  • どこに相談すべきか分からない:DV相談ナビ(#8008)で最寄りの専門機関につながる
  • 深夜や休日でも相談したい:DV相談+(0120-279-889)が24時間365日対応
  • 避難や具体的な支援を受けたい:配偶者暴力相談支援センター
  • 今すぐ身の危険がある:迷わず警察(110番)へ通報

相談したからといって、必ずしもすぐに離婚や避難をしなければいけないわけではありません。

まずは「話を聞いてもらう」「自分の状況を整理する」だけでも大きな一歩です。

今日こそ勇気を出して、解決に向け踏み出してください。

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この記事の監修者
東日本総合法律会計事務所
加藤 惇 (第一東京弁護士会)
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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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