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財産分与の無料相談ができる窓口|財産分与で損しないコツを解説

野条健人 弁護士
監修記事
「財産分与」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
「財産分与」が得意な弁護士に相談して悩みを解決!

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性格の不一致やパートナーの不貞などで離婚を決断した場合、財産分与の問題を解決しなければなりません。

しかし、財産分与の決め方はあまり知られていないため、以下のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

  • トラブルを避けるために事前に専門家に相談しておきたい
  • 無料相談できる窓口はある?
  • 財産分与はどのくらいの割合が妥当なの?
  • 財産分与で損しないコツはある?
  • 財産分与でもめたときの解決方法はある?

財産分与は事務的に解決できないので、離婚問題に詳しい専門家の意見も参考にしてみましょう。

財産を多く分けてもらった結果、多額の税金が発生するケースもあるので注意しなければなりません。

ここでは、財産分与の問題を無料相談できる窓口や、弁護士に相談するメリットをわかりやすく解説しています。

財産分与の無料相談先でお悩みのあなたへ

財産分与について悩んでいるけど、誰に相談したらいいかわからない…と悩んでいませんか?

 

結論からいうと、財産分与の相談は弁護士にするのがおすすめです。弁護士に相談・依頼することで以下のようなメリットを得ることができます。

  •   
  • 正しい財産分与の方法や自分の取り分がわかる
  • 依頼すれば相手との交渉や調停・裁判を任せられる
  • 財産分与以外の離婚問題についても相談できる
  • 相談することで精神的に楽になる

ベンナビ離婚では、財産分与について無料相談できる弁護士はもちろん、電話相談や休日夜間に相談できる弁護士も多数掲載しています。まずはお気軽にご相談ください。

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目次

財産分与の無料相談ができる窓口4つ

離婚時の財産分与は何をもらうか、割合をどうするかなどの問題が発生し、なかなか決まらないケースが多いので、専門家の無料相談を利用してみましょう。

財産分与の無料相談には以下の窓口があり、それぞれ悩みやトラブル、分与する財産などの状況に応じた相談に乗ってくれます。

弁護士|財産分与でもめている方

メリット

デメリット

・夫婦間の紛争解決を依頼できる
・財産調査を依頼できる
・不利な財産分与を回避できる
・調停や訴訟もサポートしてもらえる

・ほかの専門家よりも費用が高い
・夫婦間の問題に注力していない弁護士もいる

弁護士には財産分与も含めた離婚問題全般を相談できます。

パートナーが隠している財産の調査や財産分与の交渉も依頼できるので、もらえる財産が不当に少なくなってしまうことはないでしょう。

また、調停や訴訟の手続きもすべて依頼できるため、忙しい方でも財産分与の問題を解決できます。

ただし、ほかの専門家よりも費用が高くなり、離婚や財産分与の問題に注力していない弁護士もいるので、専門分野をよく調べてから相談する必要があるでしょう。

司法書士|不動産を財産分与する方

メリット

デメリット

・不動産の登記を依頼できる
・離婚協議書などの書類作成を依頼できる
・弁護士よりも費用が安い

・紛争解決の依頼は制限される
・依頼者の代理人になれない

法務局への登記申請は司法書士の独占業務になっているので、不動産を財産分与して登記する場合は司法書士に相談してみましょう。

司法書士は弁護士よりも費用が安く、離婚協議書や財産分与協議書などの書類作成も依頼できます。

ただし、司法書士は紛争解決の業務が制限されており、相手と争う金額が140万円を超える場合は訴訟代理人になれません。

財産分与の代理交渉も依頼できないので、紛争に発展しているときは弁護士に相談したほうがよいでしょう。

行政書士|書類作成のみ依頼したい方

メリット

デメリット

・もっとも費用が安い
・離婚協議書などの書類作成を依頼できる
・財産調査を依頼できる

・紛争解決の依頼はできない
・依頼できる業務が限定されている

行政書士は弁護士や司法書士よりも費用が安く、離婚協議書や財産分与協議書などの書類作成を依頼できます。

行政書士にはパートナー名義の財産調査も依頼できますが、紛争解決や登記申請には対応できないので、書類作成だけ依頼したい場合など、限定的な利用になるでしょう。

カウンセラー|財産分与の悩みを聞いてほしい方

メリット

デメリット

・離婚の悩み全般を相談できる
・財産分与のアドバイスを受けられる
・専門家を紹介してもらえる

・業務と依頼できることはほとんどない
・費用が割高になるケースがある

離婚には親権や養育費などの問題もあるので、財産分与以外の悩みもある方はカウンセラーに相談してみましょう。

「離婚+カウンセラー」などのキーワードで検索すると、近くのNPO法人などが見つかるケースもあります。

ただし、カウンセラーは悩みに応じた解決手段の提案しかできないため、紛争解決や離婚協議書などの作成、不動産登記などの業務には対応していません。

代理交渉や書類作成などが必要な場合は弁護士や司法書士を紹介してくれますが、「それなら最初から弁護士に相談すればよかった」となるケースもあるので注意してください。

財産分与の決定を弁護士に相談するメリット

離婚時の財産分与がなかなか決まらないときは、弁護士に相談して解決策を提案してもらいましょう。

弁護士に相談すると以下のメリットがあるので、裁判離婚になる前に財産分与の問題を解決できる可能性が高くなります。

代理人としてパートナーと交渉してくれる

すでに夫婦関係が冷え切っており、財産分与の話し合いが苦痛に感じるときは弁護士に相談してください。

弁護士は依頼者の代理人としてパートナーと交渉してくれるので、ストレスなく財産分与の問題を解決できます。

当事者同士の話し合いは感情的になりやすく、冷静な話し合いが難しいケースもありますが、弁護士が介入すると交渉も進みやすくなるでしょう。

なお、弁護士に代理交渉を依頼するときは、希望する財産分与の割合や必ずもらいたい財産など、パートナーと交渉したい内容をあらかじめ決めておいてください。

お互いが納得できる財産分与を提案してくれる

弁護士はお互いが納得できる財産分与を提案してくれるので、離婚問題の解決が早くなります。

すでに離婚が決定しており、夫婦関係も破たんしている場合はお互いに遠慮なく財産分与を主張するため、話し合いがこう着するケースもあるでしょう。

ただし、生活拠点を失いたくないので自宅がほしいと主張しても、今後の収入を考えると固定資産税や都市計画税、住宅ローンや修繕費が負担になるかもしれません。

夫婦間の財産分与は必要な財産の取得を主張するべきですが、感情論が先立つと「相手からどれだけ奪うか」を優先してしまうため、建設的な話し合いができなくなってしまいます。

もらった財産が負担になってしまう可能性もあるので、財産分与の話し合いは弁護士のアドバイスを受けながら進めていきましょう。

離婚協議書や公正証書の作成をサポートしてくれる

弁護士は書類作成にも対応してくれるので、財産分与がまとまったあとは離婚協議書の作成も依頼できます。

離婚協議書では以下のように多くの項目を決めることになり、法的な有効性も担保しなくてはならないため、弁護士に作成を依頼したほうがよいでしょう。

  • 財産分与
  • 親権者の指定
  • 養育費の金額や支払い方法
  • 慰謝料の金額や支払方法
  • 住宅ローンの負担に関する取り決め
  • 年金の分割
  • 子どもとの面会交渉
  • 免責事項
  • 離婚協議の決定日
  • 当事者の住所氏名

なお、離婚協議書を公正証書にすると法的効力が確実になります。

公正証書は公証役場で作成してもらえますが、原案は自分で用意しなくてはならないため、弁護士に作成してもらったほうが確実になるでしょう。

慰謝料や養育費の算定を依頼できる

離婚問題に詳しい弁護士は慰謝料や養育費も算定してくれるので、離婚原因が相手にあるときや、子どもの親権者になる場合は必ず相談しておきましょう。

離婚の慰謝料は50~300万円程度が相場になっており、相手の暴力や浮気、性行為拒否などの離婚原因によって増減しますが、婚姻期間も考慮しなければなりません。

また、養育費は子どもの人数や年齢、養育費の支払義務者の年収など、さまざまな要素を考慮するので簡単には決まらないケースが多いでしょう。

相手の経済力を超える請求は支払いが滞るリスクもあるため、慰謝料や養育費は弁護士に算定してもらうことをおすすめします。

裁判離婚の手続きを任せられる

訴訟による裁判離婚は判決までに1年以上かかるケースがあり、訴状の提出や当事者の尋問など、さまざまな裁判手続きに対応しなくてはなりません。

裁判は平日におこなわれるため、休暇を取得できない場合は欠席裁判となってしまい、相手側が原告だったときは「被告に争う意思がない」と判断されます。

原告側が欠席するケースはあまり考えられませんが、平日の昼間に時間を確保できない方は裁判が難しいでしょう。

しかし、弁護士には裁判の手続きをすべて任せられるため、多忙な方でも離婚裁判を進めることができます。

弁護士に依頼すると離婚の妥当性を論理的に主張し、有効な証拠も準備してくれるので、有利な判決になる可能性が高いでしょう。

財産分与を弁護士に無料相談する方法

離婚や財産分与の問題には以下の相談窓口があり、いずれも無料相談に対応しています。

財産分与を急ぐ場合、またはひとまず相談だけしたいケースなど、状況に応じた相談窓口を利用してください。

ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)で探す|電話相談・夜間休日相談したい方

弁護士に電話で相談したい方や、夜間や休日に相談したい方はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)で無料相談できる弁護士を探してみましょう。

ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)には離婚問題の解決が得意な弁護士のみ登録されており、弁護士検索を利用すると以下の情報が一覧表示されます。

  • 相談方法:電話、メール、直接面談、LINEやオンライン面談
  • 無料相談の対応
  • 土日や祝日、夜間の対応
  • 営業時間・定休日
  • 事務所の住所・電話番号や最寄駅
  • 弁護士費用

ほとんどの弁護士が初回の無料相談に対応しており、事務所によってはキッズルームも設置されています。

弁護士のプロフィールや顔写真も掲載されているので、相性のよさそうな弁護士や女性弁護士も見つかりやすいでしょう。

近くの弁護士を効率的に探したい方もベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)の活用をおすすめします。

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市区町村の無料法律相談|ひとまず相談だけでもしておきたい方

各市区町村では法律問題の無料相談窓口を設置しており、弁護士や司法書士が離婚や財産分与の相談に乗ってくれるので、ひとまず相談だけでもしておきたい方は利用してみましょう。

相談日時や場所、予約の有無が市区町村ごとに異なっているので、役場の担当窓口または自治体のホームページで確認してください。

なお、相談日は平日になっているケースが多く、地域によっては月に2~3回程度しか利用できないため、休暇を取りにくい方や急ぎの方には向いていないかもしれません。

担当弁護士が離婚問題に注力していなかったり、紛争解決の相談ができない司法書士が担当していたりするケースもあるので、何を相談できるのか事前に確認する必要があります。

また、原則として相談の受付のみとなっており、その場で正式な依頼はできないので注意してください。

法テラス(日本司法支援センター)|経済的な余裕がない方

法テラスの相談窓口は各都道府県に1カ所以上設置されており、経済的な余裕がない方は民事法律扶助制度を利用できるので、30分程度の法律相談が3回まで無料になります。

相談方法は直接面談や電話、メールの3パターンがあり、民事法律扶助制度では弁護士や司法書士費用の立替払いも利用できますが、以下の要件を満たさなければなりません。

  • 月収が一定額以下であること:3人家族の場合は27万2,000円以下
  • 保有資産が一定額以下であること:3人家族の場合は270万円以下
  • 和解や調停成立などの見込みがあること
  • 民事法律扶助の趣旨に適していること:報復目的の利用は不可

また、弁護士や司法書士は相談者が指名できないため、離婚問題や財産分与に詳しくない弁護士などが担当する可能性もあります。

電話で相談する場合は通話料がかかるので、費用をかけずに相談したい方は直接面談やメール相談を選んだほうがよいでしょう。

【参考】法テラス(日本司法支援センター)

日弁連の法律相談センター|近くに専門家がいない方

近くに離婚問題や財産分与の専門家がいない方は、日本弁護士連合会が各都道府県に設置している法律相談センターを利用してみましょう。

法律相談は基本的に有料ですが、一部の地域では商業施設やオフィスビル内に無料相談窓口を設置しており、過疎地でも定期的に無料相談会をおこなっています。

日時を指定して弁護士と面談したい場合は以下のネット予約、または電話予約を利用できます。

  • ひまわり相談ネット:ネット上から相談場所・相談種類を選択して予約可能
  • ひまわりお悩み110番:0570-783-110に連絡して予約可能

なお、有料で相談する場合は概ね30分で5,500円の相談料がかかります。

【参考】全国の弁護士会の法律相談センター(日本弁護士連合会)

財産分与の解決を弁護士に依頼したときの費用

弁護士費用は相談料や着手金、報酬金などで構成されており、財産分与の解決を依頼した場合は以下のような金額になります。

ただし、詳細は事務所によって異なりますので、依頼する際には必ず事前に確認しておきましょう。

相談料

弁護士の法律相談料は30分で5,500円、1時間で1万1,000円程度になります。

なお、初回のみ無料相談に対応している弁護士が多いので、以下のように情報を整理しておくと短時間でも要点が伝わります。

  • 離婚に至る経緯や原因
  • 財産の内容や金額
  • 財産分与してほしい財産の種類または金額
  • 当事者の年収
  • 親権者
  • 子どもの人数や年齢

弁護士は何も知らない状態で相談に乗るため、情報はできるだけ多く提示できるようにしておきましょう。

着手金

財産分与を解決する場合の着手金は以下のようになっており、問題解決の成否に関わらず発生する費用です。

  • 依頼者の経済的利益が300万円以下:経済的利益の8.8%
  • 300万円超~3,000万円以下:経済的利益の5.5%+9万9,000円
  • 3,000万円超~3億円以下:経済的利益の3.3%+75万円9,000円
  • 3億円超:経済的利益の額の2.2%+405万9,000円

一般的には協議離婚で20~30万円、調停・裁判離婚の場合は30~50万円程度になるケースが多いようです。

なお、着手金の最低額は11万円になっており、弁護士と委任契約を締結した際に一括で支払います。

分割払いに応じてくれる弁護士もいるので、まとまった資金がないときは相談してみましょう。

報酬金

報酬金も依頼者が受ける経済的利益がベースになっており、受任した案件の成功によって以下の報酬が発生します。

  • 依頼者の経済的利益が300万円以下:経済的利益の17.6%
  • 300万円超~3,000万円以下:経済的利益の11%+19万8,000円
  • 3,000万円超~3億円以下:経済的利益の6.6%+151万円8,000円
  • 3億円超:経済的利益の4.4%+811万8,000円

なお、受任した案件が不成功だった場合は報酬金が発生しません。

実費や日当

弁護活動には以下のような実費が必要となり、弁護士が事務所を離れて活動する場合は日当も発生します。

【実費の例】

  • 交通費や通信費
  • 宿泊料
  • 裁判離婚の場合は裁判所に支払う収入印紙代
  • 離婚協議書作成などの事務手数料

【日当の例】

  • 半日分の日当:3~5万円程度
  • 1日分の日当:5~10万円程度

日当は1時間あたり1万円のタイムチャージ制にしている弁護士が多いでしょう。

離婚と財産分与の基本的なルール

離婚と財産分与は以下ように基本的なルールがあり、分与できる財産・できない財産なども決まっています。

慰謝料や養育費の決め方にも基準があるので参考にしてください。

財産分与はそれぞれ2分の1ずつが基本

離婚するときの財産分与は基本的に夫婦2分の1ずつの割合になります。

夫婦の財産は夫婦共同で形成・維持したものという考え方があり、夫だけに収入があった場合でも、妻の家事労働があったからこそ形成できたということになります。

財産分与できるもの・できないもの

分与できる財産を「共有財産」といい、以下のように夫婦の協力で形成・維持できている財産です。

  • 現金や預貯金
  • 婚姻後に購入した不動産
  • 婚姻後に購入した家財道具や自動車
  • 婚姻後に購入した貴金属類や宝飾品、美術品など
  • 婚姻後に購入した株式などの有価証券
  • 婚姻後に加入した生命保険や損害保険など
  • 退職金や年金

一方、分与できない財産を「特有財産」といい、以下のような例があります。

  • 婚姻前から保有している預貯金や不動産、有価証券など
  • 相続や贈与によって取得した財産

夫婦協力によって形成・維持されたものではない財産は分与できません。

別居中の婚姻費用も請求できる

婚姻費用には生活費が含まれており、離婚前から別居していた場合の家賃や食費、医療費などの費用は収入が多い相手に請求できます。

子どもの教育費も生活費に含まれるので、親権者になった場合は忘れずに請求しておきましょう。

慰謝料の決め方

慰謝料は離婚原因をつくった側に請求できますが、法的なルールはないので夫婦間の話し合い、または離婚調停などで金額を決定します。

離婚原因が相手の浮気や不倫の場合は50~300万円、性行為の拒否などは0~100万円程度になり、収入や保有資産、子どもの有無や婚姻期間なども考慮されます。

なお、当事者だけで話し合うと慰謝料がなかなか決まらず、経済的に困っている状況でも相手が支払いに応じてくれないケースが少なくありません。

慰謝料を決めるときは弁護士に相談しておくことをおすすめします。

子どもの養育費の決め方

子どもの養育費は夫婦の話し合いや調停などで決めますが、裁判所や日本弁護士連合会が作成した算定表を使うと、お互いが納得できる金額になるでしょう。

どちらも養育費の支払義務者の収入、子どもの年齢や人数を参考にしており、基本的な考え方は同じですが、金額は日本弁護士連合会の算定表が高めになっています。

ただし、離婚調停や裁判で養育費を決めるときは裁判所の算定表が基準になります。

【参考】令和元年版の養育費・婚姻費用算定表(裁判所)

【参考】平成30年版の養育費・婚姻費用算定表(日本弁護士連合会)

年金の分割方法

年金は夫婦の共有財産になるため、婚姻後に納めた金額の2分の1ずつを財産分与します。

なお、年金分割は厚生年金だけに限られており、国民年金や国民年金基金は財産分与の対象にならないので注意してください。

財産分与で損しないためのポイント5つ

財産分与は「多くもらうほうがよい」とは限りません。

配分が多くなったことで損するケースもあるので、以下のポイントをよく理解しておきましょう。

高額な財産分与には贈与税がかかる可能性あり

財産分与で取得した財産に贈与税はかかりませんが、夫婦の協力で形成・維持した財産の額を大幅に上回る場合は、贈与税の課税対象になる可能性があります。

また、財産分与で不動産を取得すると、登録免許税や不動産取得税もかかるので注意してください。

不動産や株式の評価額がわからないケース

不動産の評価額は財産分与するときの時価になり、土地の場合は公示地価や実勢価格、建物は固定資産税評価額を基準にするケースが一般的です。

ただし、立地条件や建物の築年数などを考慮しなければ正確な価値はわかりません。

また、上場株式は常に株価が公開されていますが、非上場株式は決算情報などをもとに自分で計算しなくてはならないため、専門知識がなければ評価は困難です。

仮に夫が株式1,000万円、妻が預貯金1,000万円を取得して公平な財産分与にしたつもりでも、正確に評価すると株式が1,500万円になっている可能性もあるでしょう。

不動産や非上場株式は評価が難しいので、財産分与するときは弁護士や税理士などに相談することをおすすめします。

自宅に住宅ローンが残っている場合

自宅に住宅ローンが残っている状況で財産分与する場合、自宅を売却して現金を分け合うこともできますが、ローンを完済して金融機関の抵当権を解除する必要があります。

また、夫が住宅ローン契約している自宅を妻が取得するようなケースでは、夫のローン返済が滞ったときに金融機関が自宅を差し押さえることになります。

夫婦でローンを組んでいる場合はどちらかが引っ越すと契約違反になるため、難しい判断を迫られるでしょう。

自宅に住宅ローンが残っている場合、よく考えて財産分与しないと大きな損失になってしまうので、弁護士に相談してアドバイスを受けるようにしてください。

パートナーが財産を隠している可能性

預貯金や株式などの財産は目に見えにくいため、パートナーが隠している可能性も考えられます。

預金や証券などの隠し財産が疑われる場合は弁護士に相談してみましょう。

弁護士は「弁護士会照会」の制度を利用できるので、預金情報などの調査に対応してくれます。

財産分与の請求権が消滅する期間

財産分与の請求権は、消滅時効ではなく、除斥期間とされているため(民法768条2項)、離婚成立から2年以内に財産分与を請求しなければ、権利が消滅してしまいます。

除斥期間は、消滅時効とは異なり、期間を延長したり、リセットすることはできないため、離婚成立後、元配偶者との間で財産分与の協議がまとまらない場合には、なるべく早めに弁護士などの専門家に相談することをおすすめいたします。

財産分与に関するよくある質問

弁護士には財産分与に関して以下のような質問が寄せられます。

代表的なものを紹介しますので参考にしてください。

財産分与の弁護士費用は誰が払うのですか?

弁護士費用は原則として依頼者が支払います。

相手に一部を請求しても構いませんが、支払いに応じてくれる可能性は低いでしょう。

財産分与は弁護士なしでもおこなうことはできますか?

弁護士に依頼しなくても財産分与は可能です。

ただし、以下のようなケースはトラブルになりやすいので注意が必要です。

  • 評価の難しい財産がある
  • 自宅に住宅ローンが残っている
  • 財産の全容が把握できていない
  • お互いの主張が噛み合わない
  • 財産分与の時効が近い

いずれも解決が難しい問題なので、困ったときは弁護士に相談してください。

財産分与の「経済的利益」とはなんですか?

財産分与の場合、弁護士へ依頼したことで取得できた財産が経済的利益です。

なお、離婚問題の解決内容によっては養育費や慰謝料、子どもの面会交流に関する取り決め、離婚の成立なども依頼者の経済的利益になります。

まとめ|財産分与は弁護士に相談して円満解決を目指そう

財産分与は基本的に2分の1ずつの割合になりますが、離婚原因や離婚後の収入なども考慮するため、簡単には決まらないケースが多いでしょう。

また、パートナーの不貞や暴力などが原因で離婚する場合、顔を突き合わせた交渉は大きなストレスになってしまいます。

財産分与の解決には専門知識や交渉力も欠かせないため、トータルでサポートしてくれる弁護士への相談が理想的です。

多くの弁護士は初回の相談料を無料にしているので、財産分与で悩んでいる方は早めに相談してみましょう。

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この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
野条健人 弁護士 (大阪弁護士会)
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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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