自分で慰謝料請求するデメリットは以下のとおりです。
- 交渉が難航し、相場より低い金額になってしまう
- 支払いを拒否する相手に対し、何度も話し合わなければならず、時間や労力を無駄にしてしまう
- 不倫相手に連絡を絶たれてしまう
しかし弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、相場以上の慰謝料を請求できる可能性が高まり、面倒な交渉に時間を割くこともありません。
初回相談無料の弁護士事務所もありますから、まずは一度相談をした上で、自分で請求するか弁護士に依頼するかを再検討しましょう。
大切なパートナーが不倫をしていたら、あなたはどうしますか?
「相手に慰謝料を請求してやりたい!」と感じる方もいるのではないでしょうか。
不倫の慰謝料請求は、弁護士に依頼すれば何かしら法的な力で解決してくれることは想像できます。しかし、
依頼したら、高額な弁護士費用がかかってしまうのでは…?
裁判沙汰になってしまうのでは…?
あるいは、弁護士費用の相場を知った上で、「やっぱり弁護士費用の負担は難しい」「弁護士費用を差し引かれることなく慰謝料を得たい」と感じている方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、慰謝料請求を弁護士なしで行う方法、慰謝料請求を成功させるコツと失敗するケース、ご自身で行うリスク、弁護士に依頼する判断基準について解説します!
記事をご覧になれば、「自分で慰謝料を請求できる!」「やっぱり弁護士に依頼しよう!」と判断することもできるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
自分で慰謝料請求するデメリットは以下のとおりです。
しかし弁護士に慰謝料請求を依頼すれば、相場以上の慰謝料を請求できる可能性が高まり、面倒な交渉に時間を割くこともありません。
初回相談無料の弁護士事務所もありますから、まずは一度相談をした上で、自分で請求するか弁護士に依頼するかを再検討しましょう。
慰謝料の請求は、弁護士に依頼しても、ご自身で行っても、基本的に方法は一緒です。
相手との話し合いで請求するか、慰謝料請求訴訟を申し立てるかの2つです。
「慰謝料の請求は、裁判を申し立てないとできない」というのはよくある誤解です。
慰謝料の請求は訴訟を申し立てなくても可能です。
ここでは、話し合いでの請求と慰謝料請求訴訟の方法、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
話し合いでの請求をする場合の手順は、簡単です。
話し合いのできる場所で相手と会って話し合ったり、書面やメールで慰謝料の支払いについてやり取りしたりするだけです。
不倫の事実を指摘して、こちら側の要求を伝えます。
慰謝料の請求はもちろんですが、相手が合意する限り、例えば「パートナーに二度と接触しない」「嫌がらせなどの迷惑行為をしない」「違反した場合は違約金を支払う」といった約束をしてもらうことも可能です。
話し合いの結果、条件がまとまれば内容を示談書に明記して、双方で署名・印鑑をして、指定の口座に、指定の期日までに振り込まれるのを待つことになります。
なお、話し合いや書面でのやり取りの前提として、相手に請求内容を記載した内容証明郵便を送付することも方法としてはあり得ます。
内容証明郵便とは、送付した内容を郵便局が証明してくれる特殊な郵便です。
内容証明自体には、特段の法的強制力や効力はありません。
そのため、内容証明郵便を送れば、必ず相手に慰謝料を支払わせることができるというものではありません。
しかし、相手に対する一定の圧力をかけることはできますので、相手が話し合いに応じないとか、連絡がつながらないという場合に、一定の効果がある場合があります。
内容証明のメリットや、送付する方法については関連記事をご覧ください。
話し合いで解決するメリットは、訴訟よりは遥かに手軽かつ迅速であることです。
協議の内容には特段の制限はありませんので、相手と折り合いがつくのであれば柔軟に示談の条件を決定することができますし、相手とスムーズに話をすることができれば非常に早期な解決も望めます。
後述しますが、訴訟となると裁判所が証拠に基づいて事実を認定し、法的な判断を下すことになりますので、非常に時間がかかります。
また、裁判所は先例を踏まえて妥当と考える慰謝料額を認定しますので、必ずしも希望する水準での補償額となるかどうかはわかりません。
したがって、場合によっては、裁判よりも話合いの方が満足の行く結果になるということもあまり多くないですが、あります。
話し合いで解決するデメリットとして挙げられるのは、協議や交渉の状況が相手次第であるという点です。
相手の態度や出方によっては、話合いがうまくいかず、交渉が頓挫してしまいます。
また、結局、相手が承諾しない限り慰謝料の金額は定まりませんので、慰謝料の支払いを約束してもらうために、金額や支払方法その他条件について大幅な譲歩を求められることも多々あります。
話し合いで解決できない場合には、慰謝料を請求するために訴訟提起をしなければならないことがほとんどです。
民事訴訟の流れは次の通りです。
引用元:裁判所|民事訴訟
慰謝料請求訴訟の申立は、請求する慰謝料の金額によって、申し立てる裁判所が異なります。
140万円以下の請求 |
簡易裁判所 |
---|---|
140万円を超える請求 |
地方裁判所 |
申立は、相手の住まいを管轄する裁判所で行ってください。
申立には次のものが必要です。
慰謝料請求訴訟の訴状は、裁判所に訴えを提起するために主張を記載した書面です。
裁判所に対して正本と副本を1通ずつ用意して提出します。
訴状について決まった書式はありませんし、どのような紙に記載してもOKですが、普通は裁判所のホームページなどでダウンロードできる書式を使います。
下記は島根県松江地方裁判所のホームページですが、訴状の書式、証拠書類の提出方法、証拠書類のコピー例、証拠説明書などの記載例がまとめられています。
参考にしてみてください。
慰謝料請求訴訟の手数料は、請求する金額に応じた印紙を納付することで支払います。
また、訴訟提起にあたっては、印紙のほか書類送付に必要な郵券(郵便切手)を予納する必要もあります。
印紙額は全ての裁判所で共通ですが、予納郵券の金額は各裁判所で異なりますので、詳しくは訴訟提起先の裁判所に確認して下さい。
慰謝料請求訴訟のメリットは、下された判決に法的な強制力がある点です。
相手が任意で判決に応じなければ強制執行(差押)手続に移行して強制的に回収することもできます。
また、相手が訴状を無視して出頭もしないし、答弁書も出さないという対応をすると、あなたの言い分が全て認められます。
そのため、相手としても、訴状が届いた時点で無視できなくなります。
慰謝料請求訴訟のデメリットは、解決までに時間がかかること、必ずしも自分が望むとおりの判決となるわけではないことという点です。
訴訟は裁判官が、双方から提出される主張・証拠を考慮して事実を認定し、先例も踏まえて判断を下す手続です。
そのため、主張・立証の内容によっては請求そのものが認められないということもありますし、仮に請求が認められても想定より低い水準で金額を認定されるということも十分あり得ます。
また、訴訟手続はどんなに早くても半年、場合によっては1年以上の時間を要しますので、解決までに時間がかかります。
ここでは、不倫について一般的に妥当とされる慰謝料相場と慰謝料が増減されるポイントについて解説します。
もっとも、これはあくまで目安であり、法的な拘束力があるものではありません。
そのため、話合いの中で両者が納得するのであれば、この範囲を外れる金額での合意もあり得ます。
不倫慰謝料の相場は、50~300万円といわれています。
不倫が原因で離婚に至るケースでは、100~300万円で落ち着くケースが多いようです。
不倫が原因で離婚に至った場合 |
100~300万円 |
---|---|
離婚に至らない場合 |
50~150万円 |
離婚しないケースと比較すると、不倫が原因で離婚に至ってしまうケースのほうが、当然精神的苦痛が大きいと考えられ、慰謝料水準も比較的高額となりやすいといわれています。
離婚の慰謝料に関しては、不倫以外にもさまざま考えられます。
詳細は関連記事をご覧ください。
お伝えした通り、不倫の慰謝料の相場にはかなりひらきがあります。
一般的には、以下のような諸般の考慮要素を踏まえつつ慰謝料の金額を決定しています。
例えば、不貞行為の回数も一度きりであって、離婚にも至らないといったようなケースでは、慰謝料も低額になる可能性があります。
反面、婚姻期間が長く円満であり養育すべき子供もいるという状況の中、不倫が原因で夫婦関係が崩壊して離婚に至ってしまったといったようなケースでは、比較的慰謝料額も高額となる傾向にあると思われます。
ここでは、弁護士なしで、相手との話し合いで、慰謝料請求を成功させるコツについて解説します。
まず相手に慰謝料を請求する前に、何を目的としているのかを自分の中で明確にしておきましょう。
目的を明確にしておけば、自分がどう動くべきなのか、感情に惑わされずに済みます。
例えば、配偶者と離婚することを決めておりそのための生活資金とするのか、配偶者と離婚するつもりはないが二度と不貞行為に及ばないように釘を刺す趣旨なのか、不貞行為の相手にきちんと責任を取らせる趣旨なのか、相手に請求をする目的をはっきりさせておくことは、自身の行動の指針にもなります。
明確な目的もなく、相手に感情をぶつけるだけでは、適正な解決には至りませんし、精神衛生上もよくありません。
請求に先立って、自身の状況を冷静に見つめ直し、慎重に行動することが大切です。
慰謝料の請求で最も重要なのは、不貞行為の証拠を確保することです。
不貞行為の事実について証拠がないのに相手に慰謝料を請求しても、多くの場合は不貞の事実を否認され、慰謝料の支払いに応じてもらうことはできません。
このような状況で訴訟手続を行っても、証拠がなければ請求は認められませんので、結局相手には何も請求できないということになってしまいます。
不貞行為について慰謝料を請求したいと考えるのであれば、まずは請求の根拠となる事実関係を証明する証拠を探し、これを確保しましょう。
なお、多くの方が誤解していますが、配偶者などが不貞行為を口頭で認めたということだけでは、証拠としては極めて弱いです。
証拠となるのは、不貞行為があったことを客観的に裏付ける写真やメールなどの客観証拠です。
このような証拠がない場合には不貞行為の事実を立証することは困難である点には注意しましょう。
相手に慰謝料を請求するためには、相手の身元(氏名・住所)を認識しておく必要があります。
例えば相手の携帯電話しか分からない、相手のLINEしか分からないという状況では、相手が任意で支払わない場合にいざ訴訟を提起しようと思っても、できません。
ご自身で相手の身元をはっきりさせるには、パートナーと不倫相手が逢引している現場を押さえつつ、相手を尾行して職場や住居を特定する方法が理論的にはありえます。
しかし、このような尾行を素人が行うのは難しい場合も多いので、浮気調査のプロである探偵に依頼して証拠や相手の情報を入手する方が一般的かもしれません。
いざ相手と話し合うことになった場合は、冷静に対応することを心がけましょう。
相手の挑発にのったり、感情のままに相手を罵倒したりしても、交渉はうまくいかないことがほとんどですし、相手が反発して解決がより困難となる可能性もあります(話合いで解決するのであれば、相手の同意・合意が必要だからです。)。
なお、相手に対する悪感情から、相手の職場に対して名誉毀損的な行為を行ったり、相手に対して直接暴力をふるったり、相手を脅迫して金銭を要求するなどは論外です。
これらは犯罪であり、たとえ相手が不貞行為を行っていたとしても、あなたの行為が許されることはありません。
相手が警察に被害届を出せば、あなたが刑事責任を問われる可能性も大いにあります。
冷静さを欠いてしまえば、感情のままにこのようなあり得ない犯罪行為に手を染めてしまう可能性はゼロではありません。
もし感情が抑えられないようであれば、ご自身だけで解決しようと思わず、弁護士に依頼してください。
お伝えした通り、不倫の慰謝料は一般的には50~300万円の範囲に収まっています。
もちろん、当事者の交渉がこれに当然に拘束されるものではありませんが、相場から大きく外れるような金額では、相手の同意を得ることは困難であるのが通常です。
これを大きく外れる金額に固執して相手が支払いを拒否すれば、結局、裁判所に訴えを提起せざるを得なくなります。
そして、裁判所は先例を大きく外れるような金額を認定することはまずありませんので、最終的には時間をかけても自分の望む金額での解決はできないということになります。
したがって、感情的には納得ができないかもしれませんが、冷静な検討に基づいて、一般的な相場観を踏まえつつ両者納得できる妥協点を探るよう交渉することが肝要です。
例えば、最初は高額な請求をしてもかまいませんが、徐々に減額させることで、自分が本当に納得できる金額を支払ってもらうようにしましょう。
相手との話し合いで解決する場合に不可欠なのが合意内容を書面化することです。
一般的には「示談書」などの書面を作成し、示談条件として合意された条件を明記します。
「二度とパートナーに接触しない」「迷惑行為をしない」「違反したら違約金を支払う」など約束を記載することも可能です。
合意内容を書面で明確にしないと、後で言った言わないの水掛け論となり、結局解決には至りません。
この点は十分に注意しましょう。
示談書のサンプルは関連記事をご覧ください。
事前に弁護士へ相談しておくことで、慰謝料請求に関するアドバイスがもらえます。
無料相談なら費用もかかりません。
まずは相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?
慰謝料請求を失敗してしまうケースの一つが、相手に対する要求が過剰である場合です。
例えば、慰謝料が相場を大きく外れて高額であるとか、土下座などの過度の謝罪を要求するとか、相手に仕事をやめさせるとか、相手に引っ越しを求めるなど要求すれば、当然、交渉は頓挫します。
交渉が頓挫すれば、当然、解決には至りません。
不倫をされた被害者はあなたであり、納得いかない気持ちもありますよね。
しかし、相手への配慮を欠いた交渉を行っても、交渉がうまくいくことはありません。
相手が加害者であっても、非常識であっても、どうか冷静さを保つようにしてください。
この点は十分に留意してください。
ここまでは、慰謝料請求を弁護士なしで行う場合に成功させるコツと、慰謝料請求を失敗するケースを解説してきました。
ここでは、慰謝料請求を弁護士なしで行う場合のリスクについて解説します。
慰謝料請求を弁護士なしで行う場合のリスクの一つが、相手に弁護士がついた際に対応が難しいということです。
弁護士は、不貞行為が立証可能であるのか、立証可能であるとして慰謝料額は妥当であるのか、など様々な観点から反論してきます。
このような反論に対して、法的な知識・経験に不足する素人が対等にやり取りすることは一般的には困難です。
また、交渉が決裂した場合、訴訟提起が必要ですが、訴訟手続は一定の訴訟ルールに基づく法的手続ですので、相手にのみ弁護士がいることはやはり相当な不利となり得ます。
したがって、相手に弁護士がついた場合には、あなたも弁護士に依頼することを積極的に検討するべきでしょう。
せっかく協議によって解決できたと思っていても、最終的に合意内容を的確に書面にすることができなければ、言った言わないの水掛け論となってしまい、協議が無意味となってしまうこともあり得ます。
合意内容を書面にすることは、慣れていればそれほど難しいものではありませんが、一般人はそのような経験に乏しいことがほとんどであり、記載内容が曖昧不明確となってしまい結局合意内容がよくわからないということになってしまう可能性も否定できません。
また、書面化する段階で「そのような合意はしていない」「そのような趣旨ではない」として相手が署名を拒否することも十分に考えられます。
さらに、合意内容を反故にすることについて何もペナルティを付さなければ、書面化したものの結局相手がこれに応じず、訴訟提起が必要となるということも考えられます。
このような事態を想定し、不備のない書面を作成するのであれば、専門家である弁護士の力を借りる方が適切かもしれません。
不貞行為の相手方に慰謝料請求をしたことを契機として、相手側から請求を受けるということもあり得ます。
例えば、不貞行為の相手にも配偶者がいた場合、相手の配偶者から、自身の配偶者に対して不貞行為の慰謝料請求を受けるという可能性があります。
自分にとって相手の行為が不貞行為となるように、相手の配偶者にとっても自分の配偶者の行為は不貞行為となるからです。
このような場合、家庭同士で見た場合、結局、互いに金銭請求をし合う関係となる可能性があり、最終的に損をしてしまうといこともあり得ます。
また、相手が既婚ではないとしても、相手が不貞行為の慰謝料を支払ったことを理由として、自身の配偶者に対して求償請求(※)をすることも考えられます。
このような求償権を行使され、結局、配偶者側でこれに対応しなければならない可能性もあります。
このような事態を想定して、弁護士のサポートを受けておいた方が良い場合もあります。
ここまでご覧になった方で、「やっぱり慰謝料請求は弁護士なしでは難しいかも…」と感じた方もいるのではないでしょうか。
次項では、弁護士に相談すべきかどうか判断する基準を解説しますので、参考にしてみてください。
では、慰謝料請求を弁護士に相談すべき人はどんな人なのでしょうか。
上記に一つでも当てはまるのであれば、無料相談を活用して、弁護士に相談してみることをおすすめします。
また、弁護士費用は最も気になる点ですよね。
獲得した慰謝料によっては、弁護士費用を差し引いても黒字にすることが可能です。
関連記事では、慰謝料請求の弁護士費用や、実際に獲得した慰謝料から弁護士費用がいくらくらいになるのかのシミュレーション、弁護士費用を抑えるコツをご紹介しています。
併せてご覧ください。
この記事では次の点について解説しました。
慰謝料請求を弁護士なしで行うことは不可能ではありません。
しかし、やはりお伝えしたようなリスクがあります。
話し合いで支払ってもらえないのであれば、やはり訴訟を申し立てなければならなくなります。
しかし、ご自身の力だけで訴訟を申し立てるのは簡単ではありませんし、時間をかけた所で思ったような結果にならない可能性もあります。
その段階で弁護士に依頼しても、弁護士費用の負担も大きなものとなってしまいます。
慰謝料請求が成功する確率を少しでも高めるためにも、可能なら弁護士への無料相談を活用して、弁護士費用や弁護士に依頼する必要性はあるかなども含めて、まず相談してみてください。
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