離婚慰謝料の時効は3年!時効を延長する5つの方法と請求手順を解説
配偶者の不倫・浮気が原因で離婚した後、慰謝料請求を検討するうえで、まず確認すべきは時効の問題です。
慰謝料請求権には時効があります。
法律で定められた時効期間が経過し、相手に時効を援用されると、請求は認められません。
また、離婚慰謝料と不倫(不貞行為)に基づく慰謝料では時効のカウント方法が異なります。
そのため、自分の状況に当てはまるルールを正確に把握しておくのが重要です。
本記事では、離婚慰謝料と不倫慰謝料の時効期間、時効の完成を猶予・更新する5つの方法を解説します。
状況別の時効期間もわかりやすく説明するので、自分のケースがまだ請求できる期間内かを確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
離婚・不倫(浮気)の慰謝料の時効期間は何年?
離婚や不倫(浮気)の慰謝料請求の時効期間は、原則3年です。
ただし、離婚慰謝料と不倫慰謝料では、時効のカウントが始まるタイミング(起算点)が異なります。
時効のルールを正しく理解しないまま放置すると、本来請求できるはずの権利を失うかもしれません。
以下では、それぞれの時効期間と起算点について詳しく解説します。
離婚慰謝料の時効は離婚が成立した日から3年

離婚慰謝料の消滅時効は、離婚が成立した日から3年です。
離婚慰謝料は、以下の2つの性質を含みます。
| 離婚原因慰謝料 | 離婚原因となった個別の不法行為により生じた精神的苦痛に対する損害賠償 |
|---|---|
| 離婚自体慰謝料 | 離婚によって配偶者の地位を失うことから生じた精神的苦痛に対する損害賠償 |
上記は、概念上は区分されるものの、離婚自体慰謝料が離婚原因慰謝料を包含すると理解されています。
離婚原因となる不法行為が発生した後の実態を踏まえているためです。
たとえば不倫が発覚しても、一時は再構築を目指すケースも少なくありません。
個別の不法行為時を起算点にすると、再構築を試みた末に離婚に至った場合、請求権がすでに時効消滅している事態が生じかねません。
そのため、離婚慰謝料は、離婚の成立によってはじめて損害が確定すると考えられています。
離婚慰謝料の時効の起算点「離婚が成立した日」とは
離婚が成立した日は、離婚の方法により、以下のとおり異なります。
| 離婚の方法 | 離婚が成立した日 |
|---|---|
| 協議離婚 | 離婚届が受理された日 |
| 調停離婚 | 調停が成立した日 |
| 裁判離婚 | 判決が確定した日 |
調停離婚・裁判離婚では、調停成立日や判決確定日に離婚が成立します。
後日提出する離婚届の受理日とは異なるため注意してください。
離婚の方法によって時効のカウントが始まるタイミングが変わるため、正確な日付の把握が重要です。
日付が不明な場合は、調停調書・確定証明書・戸籍謄本などで確認しましょう。
不倫(浮気)の慰謝料の時効期間は2パターンある
不倫慰謝料の時効は、以下のいずれか早い方で完成します。
- 不貞の事実と不貞相手を知った時から3年
- 不貞行為があった時から20年
時効期間を過ぎると、慰謝料を請求する権利は消滅します。
時効の進行のルールは類型ごとに異なるため、それぞれ正しく理解しておきましょう。
不倫の慰謝料の時効①不貞を知った時から3年

不倫相手に対する慰謝料請求権は、不貞の事実と相手を知った時から3年で時効が完成します。
相手を知った時とは、不倫相手の氏名や住所を特定できた時点を指します。
相手が誰か分からない状態では、時効は進行しません。
不倫の事実は把握していても、相手が特定できていなければ、不倫相手が判明した日が起算点となります。
婚姻期間中の不倫の事実を、離婚後に知る場合もあるでしょう。
配偶者に対する不倫慰謝料の請求権は、不貞の事実を知った時から3年で時効が完成します。
不倫の慰謝料の時効②不貞があった時から20年

不倫慰謝料の請求権は、不貞行為があった時から20年が経過すると時効が完成します。
ひとつめのパターンとは異なり、不倫の事実や不倫相手を知らなくても時効が進行します。
たとえば、離婚から21年後に過去の不倫を初めて知ったケースでは、原則として慰謝料請求は認められません。
不倫が長期間継続していた場合は、最後の不貞行為があった時から時効が進行すると考えられています。
つまり、関係が終了した時から20年以内であれば、請求の余地が残ります。
【状況別】離婚・不倫(浮気)の慰謝料の時効期間
慰謝料請求の時効は、請求する相手や状況によってカウント方法が異なります。
以下では、よくある3つのケースを取り上げ、それぞれの時効がどのように進行するかを具体的に解説します。
1.不倫発覚から3年以内に離婚した場合
不倫発覚から3年以内に離婚が成立したケースでは、請求相手によって時効の起算点が異なります。
不倫相手に対する不貞慰謝料請求権の時効は、不貞の事実と相手を知った時から3年です。
一方、元配偶者に対する離婚慰謝料請求権の時効は、離婚が成立した日から3年です。

多くの場合、不倫相手への請求が先に時効を迎えます。
請求相手と請求内容を整理したうえで、期限に余裕をもって行動しましょう。
2.不倫発覚から3年経過後に離婚した場合
不倫発覚から3年が経過してから離婚した場合、不貞相手への慰謝料請求は時効が完成している可能性があります。

不貞相手への慰謝料の起算点は、不貞の事実と相手を知った日です。
発覚から3年以上が経過している場合、不倫相手が時効を援用すると、請求は認められなくなります。
一方、配偶者への離婚慰謝料は、離婚が成立した日から3年以内であれば請求できます。
3.離婚後に婚姻中の不倫が発覚した場合
離婚後に婚姻中の不倫が発覚した場合は、元配偶者と不倫相手の双方に慰謝料を請求できる可能性があります。
離婚後に婚姻中の不倫が発覚した場合、不貞行為を理由とした離婚慰謝料は請求できません。
不貞行為と離婚に因果関係がないからです。
そのため、元配偶者と不倫相手に対して、不倫慰謝料を請求できるかどうかを検討する必要があります。
元配偶者と不倫相手では、3年の時効の起算点が以下のとおり異なります。
| 不倫相手への慰謝料請求 | 以下のいずれか早い方 ・不貞の事実と不貞相手を知った時から3年 ・不貞行為があった時から20年 |
|---|---|
| 配偶者への慰謝料請求 | 以下のいずれか早い方 ・不貞の事実を知った時から3年 ・不貞行為があった時から20年 |

離婚後に不倫が発覚しても、相手を特定するまでに時間がかかった場合は、元配偶者に対する慰謝料請求権が先に時効を迎えるでしょう。

不貞の事実と不貞相手が判明した時点で、すでに不貞行為から20年が経過していた場合も、請求権は時効によって消滅します。
時効が完成しても離婚・不倫の慰謝料は請求できる?
時効期間が経過しても、直ちに慰謝料を受け取れなくなるわけではありません。
時効の効果が生じるには相手の援用が必要であり、一定の条件を満たせば時効完成後でも受け取れるケースがあります。
消滅の効果を生じさせるためには時効の援用が必要
時効期間が経過しても、相手が時効を援用しなければ、消滅の効果は生じません。
時効の援用とは、時効の完成によって利益を受ける人が、時効の効果を受ける旨の意思表示をすることです。
つまり、相手が「時効期間の経過により、支払い義務が消滅しているので、慰謝料は支払いません。」と主張して初めて消滅時効の効果が生じます。
援用は口頭でも可能ですが、通常は内容証明郵便で書面によりおこなわれます。
相手が時効の存在に気づかなかったり、援用の手続きを取らなかったりすれば、支払い義務は消滅しません。
裁判になった場合でも、被告が時効を援用しない限り、裁判所は時効を考慮せずに判決を下します。
時効が来ても離婚・不倫の慰謝料を受け取れるケースもある
相手が時効完成後に支払いに応じた場合は、慰謝料を受け取れます。
たとえば、相手が時効の完成に気づかず、慰謝料の一部でも支払った場合、あとから時効の援用をするのは原則として認められません。
そのため、残りの部分の支払いを引き続き請求できます。
相手が時効の成立を認識したうえで、道義的責任から支払いの意思を示すこともあるでしょう。
時効が完成していても、相手の対応次第では慰謝料を受け取れる可能性があります。
離婚・不倫の慰謝料請求の時効を延長する5つの方法
時効の完成が迫っていても、適切に対応すれば時効の進行を先延ばししたり、リセットしたりできます。
慰謝料請求権の時効を延長する代表的な方法は、以下のとおりです。
相手に債務を承認してもらう
相手が債務を承認すると、時効が更新(リセット)されます。
債務の承認とは、以下のような相手が慰謝料の支払い義務があると認める言動・行為です。
- 慰謝料の一部を支払った
- 支払い期日の延長を求めた
- 分割払いの申入れをした
- 支払いを認める書面にサインした
債務承認による更新後の時効期間は5年です。
たとえば、時効が完成する前に相手が慰謝料の一部を支払った場合は、最後の支払いをした日から新たに5年の時効期間が始まります。
口頭での承認も法律上は有効ですが、あとから「認めた覚えはない」と否定されるリスクがあります。
書面で承認を取り付けておくと、後の証拠として有効です。
協議をおこなう旨の合意を取り付ける
慰謝料の支払いについて協議をおこなう旨を書面で合意すると、時効の完成を最大1年間猶予(延長)できます。
具体的には、以下のいずれか早い時まで時効は完成しません。
- 合意があった時から1年を経過した時
- 当事者間で協議の期間(1年未満に限る)を定めたときは、その期間満了時
- 一方が書面で協議続行の拒絶を通知したときは、通知から6か月経過した時
合意は必ず書面または電磁的記録でおこなう必要があります。
時効の完成が猶予されている間は、改めて協議する旨の合意ができます。
ただし、時効の完成が猶予される期間は、通算して5年が限度です。
猶予期間中に、訴訟の提起や債務の承認といった次の法的手段を準備する必要があります。
内容証明を送って催告をする
相手に内容証明郵便を送り、慰謝料請求の意思表示(催告)をすると、時効の完成を6ヵ月間猶予(延長)できます。
催告の方法に法律上の制限はなく、口頭・メール・普通郵便でもできます。
しかし、口頭での催告は証拠として残らないため、配達証明付き内容証明郵便でおこなうのが一般的です。
催告は、時効完成が目前に迫っているものの、訴訟の準備が間に合わないといった緊急時に有効な手段です。
ただし、猶予期間は6ヵ月のみで、再び催告をしてもさらに延長はできません。
猶予期間中に裁判を起こすなど次のアクションに移る必要があります。
慰謝料を請求する裁判を起こす
裁判を起こすと、訴訟手続き中は時効の完成が猶予(延長)されます。
さらに、判決の確定または和解の成立により時効が更新(リセット)されます。
更新後の時効期間は10年です。
裁判所に訴状を提出した時点で時効の完成が先延ばしになるため、権利を守る最も確実な方法といえるでしょう。
判決や和解で慰謝料請求権が法的に認められると、時効期間は確定時から10年にリセットされます。
時効が迫っているが証拠がある場合、裁判の提起は最も確実な手段です。
裁判には訴状・準備書面の作成や証拠の提出が必要なため、弁護士への依頼を積極的に検討してください。
仮処分・仮差し押さえを申し立てる
仮処分・仮差し押さえを申し立てると、手続き中は時効の完成が猶予(援用)されます。
仮処分・仮差し押さえは、相手が財産を隠すおそれがある場合に有効な手段です。
たとえば、裁判を起こす前に相手の預貯金を仮に差し押さえれば、将来の支払い原資を確保しつつ、時効の完成を先延ばしにできます。
ただし、仮処分・仮差し押さえは、あくまで暫定的な措置にすぎません。
手続きが終了してから6ヵ月以内に裁判を起こさなければ、時効が完成します。
手続きの要件や進め方は複雑なため、弁護士と連携したうえで対応しましょう。
離婚したあとに慰謝料を請求する方法
離婚後に慰謝料を請求する場合、まずは任意交渉による解決を目指します。
交渉で合意できなければ調停または裁判による解決を図ります。
交渉を経ずに最初から裁判を起こすことも可能です。
1.任意交渉(話し合い)をする
まずは相手との話し合いで解決を目指すのが一般的です。
請求方法に法的な決まりはなく、口頭でも書面でも構いません。
書面で請求する場合は、内容証明郵便を使いましょう。
時効が迫っている場合には、催告によって時効の完成を6か月間猶予させる効果があります。
交渉では、金額・支払期限・支払方法を明確に提示したうえで条件をすり合わせます。
相手の返答が曖昧な場合は、「〇日以内に返事がなければ訴訟に移行する」と期限を区切り、交渉の主導権を握りましょう。
合意に至ったら、示談書を取り交わします。
支払いへの不安がある場合は、強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくと、支払いが滞った際に裁判を経ずに強制執行に移れます。
2.調停を申し立てる
話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所に慰謝料請求調停を申し立てる方法があります。
慰謝料請求調停とは、中立的な立場である裁判所の調停委員を介し、合意形成を目指す制度です。
当事者同士が直接顔を合わせずに話し合いを進められるため、相手と直接交渉するストレスを軽減できるでしょう。
調停が成立すると、合意内容は調停調書に記載されます。
調停調書は確定判決と同じ効力を持つため、相手が支払いに応じない場合は、給与や預金口座の差し押さえといった強制執行の手続きに移れます。
3.裁判を提起する
協議や調停による解決が見込めない場合は、裁判(訴訟)を提起します。
裁判では、提出された証拠をもとに裁判官が慰謝料の支払い義務の有無と金額を判断します。
相手が合意しなくても、判決によって強制的に解決できるのが裁判のメリットです。
ただし、証拠が不十分だと請求が認められない可能性があります。
不貞行為の写真やメールのやり取り、DVの診断書など、客観的な証拠をあらかじめ確保しておきましょう。
訴状の作成や法廷での主張・立証には専門知識が求められます。
裁判を検討する場合は、弁護士への依頼をおすすめします。
証拠がなく離婚・不倫の慰謝料を請求できない場合の対処法
証拠がなくても、慰謝料請求を諦める必要はありません。
相手が不貞行為を認め、慰謝料の支払いに応じた場合は、証拠がなくても支払いを受けられます。
また、友人・知人の証言は、証拠のひとつとして活用できます。
証言をきっかけに新たな事実が発覚し、決定的な証拠を確保できるケースもあるでしょう。
証拠収集に時間がかかる場合は、時効のタイミングを踏まえ、必要に応じて催告などの手続きを検討してください。
慰謝料請求にこだわらず、財産分与など他の離婚給付を請求することで、実質的に慰謝料相当分を回収できる可能性もあります。
交渉次第では、財産分与に慰謝料相当分を含める形で解決できるかもしれません。
どうしても証拠を確保できない場合は、弁護士への相談をおすすめします。
離婚・不倫の慰謝料に強い弁護士に依頼するメリット
弁護士に依頼すれば、時効に関するリスクを最小限に抑えながら、有利な解決を目指せます。
時効の起算点や時効完成の有無を正確に判断するには、法的知識が不可欠です。
正しい知識がないまま自己判断で慰謝料請求の手続きを進めると、時効により権利を失いかねません。
弁護士に依頼すれば、時効の起算点とタイムリミットを正確に特定してもらえます。
時効完成が迫っている場合も、完成猶予・更新などの適切な措置を講じてもらえるため安心です。
過去の裁判例や実務経験に基づき、離婚慰謝料の相場を把握した適正額を提示することで、早期解決も期待できます。
交渉や法的手続きをすべて任せられるため、精神的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
離婚後の新しい生活の立て直しに集中するためにも、早い段階での弁護士への相談をおすすめします。
離婚・不倫の慰謝料の時効にお悩みなら「ベンナビ離婚」
離婚・不倫の慰謝料の時効問題でお困りなら、「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。
「ベンナビ離婚」では、全国の離婚問題に精通した弁護士を、お住まいの地域や相談内容で絞り込んで検索できます。
初回相談無料やオンライン対応の法律事務所も多数掲載されているため、気軽に相談を始められます。
休日・夜間に対応する事務所も掲載されており、仕事や育児で平日に時間が取りにくい方でも、相談の機会を作りやすい環境が整備されているのが特徴です。
時効が完成するまで余裕があると感じていても、気づかないまま期間が過ぎてしまうケースは少なくありません。
慰謝料請求の権利を確実に守るためにも、少しでも不安を覚えたら早めに弁護士への相談を検討してください。
離婚・不倫(浮気)の慰謝料の時効に関するよくある質問
本章では、離婚・不倫の慰謝料の時効についてよくある疑問に、Q&A形式で回答します。
Q.2020年4月の民法改正で離婚慰謝料の時効はなにが変わりましたか?
改正後の民法では、不法行為の時から20年の期間制限について、除斥期間ではなく消滅時効であることが明確にされました。
改正前の判例では、20年の期間は除斥期間と解されていました。
除斥期間とは、完成猶予事由や更新事由があっても、期間の経過により当然に権利が消滅するものです。
消滅時効に変更された理由は、被害者救済の観点からあまりに不公平という批判が強かったためです。
20年の期間が消滅時効に変更され、完成猶予や更新によって時効の完成を防げるようになりました。
また、DVなど生命・身体を侵害する不法行為による損害賠償請求権について、損害および加害者を知った時から3年の期間が5年に延長されています。
これにより、元配偶者からの暴力や虐待から退避し、身の安全を確保してから時間的にゆとりを持って慰謝料請求に移れるようになりました。
Q.慰謝料を分割払いにした場合の未払い分の時効はどうなりますか?
協議離婚で慰謝料の分割払いを取り決めた場合、原則として各支払期日から5年で時効にかかります。
公正証書で取り決めをした場合も同様です。
たとえば毎月末に5万円を支払うと合意したケースでは、支払われなかった各5万円について、それぞれの支払期日から個別に時効が進行します。
2024年1月分が未払いなら、2029年1月末をもって時効が完成する計算です。
調停や裁判で支払い義務が確定した場合は、各支払期日から10年が時効期間となります。
Q.不倫相手がわからないまま3年経過すると時効が完成しますか?
不倫相手を特定できていなければ、3年の消滅時効は進行を開始しません。
不倫慰謝料の時効は、不貞の事実と不貞相手の住所・氏名を知った時点からカウントが始まります。
不倫の事実は知っていても、相手の身元が判明していなければ、3年の時効は進行しません。
ただし、不貞行為があった時から20年が経過すると、相手が不明のままでも請求権は消滅します。
Q.不倫相手が複数いる場合の時効の起算点はいつですか?
不倫相手が複数いる場合、時効の起算点は相手ごとに個別に進行します。
具体的には、相手ごとに不貞行為の事実および相手の身元を知った時点から、それぞれ独立して時効が進行します。
たとえば、Aとの不倫を知ってから3年が経過して時効が完成していても、Bとの不倫を知ってからまだ1年しか経っていなければ、Bへの慰謝料請求は可能です。
配偶者に対する離婚慰謝料の請求においても、起算点の考え方は変わります。
配偶者への離婚慰謝料は離婚成立時が起算点となるため、不倫相手への慰謝料とは時効の進行が異なります。
複数の相手がいる場合、時効管理が複雑になりがちです。
請求漏れを防ぐためにも、不倫が発覚した時点で弁護士に相談し、相手ごとの時効を整理しておきましょう。
Q.不倫発覚から5年後に離婚したら、慰謝料は請求できませんか?
不倫相手を特定したのが3年以内であれば、不倫相手に慰謝料を請求できます。
一方、不倫の事実と相手の身元を知ってから3年が経過している場合、請求しても時効を援用されれば支払ってもらえません。
5年前の不倫が離婚の主な原因であると証明できれば、元配偶者に慰謝料を請求できます。
離婚が成立した日から3年以内なら、離婚慰謝料の請求権を行使できます。
もっとも、不倫発覚から離婚まで5年の期間が空いているケースでは、不倫と離婚の因果関係が争点になりやすいでしょう。
元配偶者を宥恕した(許した)と評価される事情があれば、慰謝料請求が認められない可能性があります。
Q.慰謝料以外の財産分与や養育費の請求にも時効はありますか?
財産分与にも養育費にも期間制限があります。
財産分与を請求できる期間は、離婚成立から5年(2026年4月1日以前に離婚が成立した場合は2年)です。
期間を過ぎると、家庭裁判所に調停や審判の申立てができなくなります。
財産分与の期間制限は除斥期間とされており、完成猶予や更新の制度が適用されないためです。
養育費は、子どもが経済的・社会的に自立するまでの間は、いつでも請求できます。
ただし、養育費の支払いの始期は請求時点とするのが一般的です。
相手方が任意に合意しない限り、離婚時まで遡って支払いを求められません。
まとめ|時効が完成しているかの判断は弁護士に相談を
離婚慰謝料の時効は、離婚が成立した日から3年です。
不倫慰謝料の時効は、不貞の事実と相手を知った日から3年、または不貞行為から20年のいずれか早い方で完成します。
請求する相手や状況によって起算点が異なるため、自分のケースに当てはまるルールを正確に把握しておくことが大切です。
時効の完成が迫っている場合でも、債務の承認や内容証明による催告、裁判の提起などにより時効の完成を猶予・更新できます。
弁護士に依頼すれば、時効の起算点を正確に特定してもらえます。
時効完成が迫っている場合も、適切な措置を講じてもらえるため安心です。
慰謝料請求を少しでも検討しているなら、「ベンナビ離婚」を活用のうえ、早めに弁護士に相談してください。
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