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卒婚とは?メリット・デメリット・ポイント・注意点などの基本情報をまとめて紹介

卒婚とは?メリット・デメリット・ポイント・注意点などの基本情報をまとめて紹介

夫婦の関係が冷え込み、気持ちの距離が広がったまま日々を過ごしている人は少なくありません。

離婚までは踏み切れない一方、以前のような関わり方に戻るのも難しく、息苦しさを抱えている人もいるでしょう。

そうした悩みを抱える人の中には、配偶者との関係を保ちながら生活面の自由度を上げる方法として「卒婚」に興味を持つ人が増えています

卒婚を選べば、世間体を保ちながら夫婦の関係性を整理しやすい点がメリットです。

ただし、扶養に関する負担が続くことや、親族との関わりが残る場面があるなど、理解しておくべき課題もあります。

メリットとデメリットを踏まえて、卒婚が自分たちの暮らしに合うかどうか冷静に検討しましょう。

本記事では、卒婚の意味や形式、メリットとデメリット、卒婚を成功させるためのポイントを解説します。

配偶者との今後の暮らしを考えるための参考にしてください。

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卒婚とは?意味や形式などの基本情報を確認しよう

まず、卒婚の基本的な考え方を整理しておきましょう。

1.卒婚とは|夫婦関係は続けるが、互いに干渉しない

「卒婚」とは、夫婦としての関係を続けながら、生活面での干渉を減らして過ごす考え方です。

教育ジャーナリストの杉山由美子氏の著書『卒婚のススメ』より広まった表現で、従来の「夫婦のかたち」を見直す生活スタイルとして注目されています。

険悪な状態から距離を置く「家庭内別居」や、外向けに仲が良いようにふるまう「仮面夫婦」とは異なり、卒婚は配偶者との対話を踏まえて生活を再構成する前向きな取り組みとして位置付けられます。

2.卒婚の主な形式|家庭内卒婚・別居卒婚・週末卒婚

卒婚の主な形式は、家庭内卒婚・別居卒婚・週末卒婚の3つです。

以下、それぞれの内容と具体例をまとめました。

形式

内容

具体例

家庭内卒婚

同居を続けながら、生活面の干渉を減らす暮らし方

・財布を別々にして管理する

・食事や睡眠時間を合わせず、それぞれのペースで過ごす

・友人との予定を気兼ねなく組む

別居卒婚

別居しつつ、婚姻関係は維持する暮らし方

・生活費は話し合いで決め、居住地は別にする

・相手の生活リズムに左右されず、自分の生活スタイルを優先する

・帰省や親族対応だけ最低限共有する

週末卒婚

平日は同居し、週末のみ別々の場所で過ごしたり、独立した時間を確保したりする暮らし方

・土日だけ別宅や実家で過ごす

・週末は趣味や習い事に使い、配偶者と行動を分ける

・平日は家事を共有し、週末だけ個別行動に切り替える

それぞれの特徴を踏まえ、自分の生活に取り入れやすいスタイルを検討すると、生活の負担を減らしながら距離感を調整しやすくなるでしょう。

卒婚を選択する主なメリット|配偶者としての権利が守られる

ここでは、卒婚を選ぶ主なメリットを紹介します。

1.世間体を維持できる

卒婚では婚姻関係を保つため、戸籍上の記載は変わりません

周囲から「離婚した夫婦」と見られないため、子どもや親族との関係に余計な摩擦を生まない点がメリットです。

家族への影響を抑えつつ距離を取りたい家庭では、生活の負担を減らす選択肢として取り入れやすいでしょう。

2.生活費を受け取れる

離婚すると、相手に生活費を請求できません。

しかし、卒婚では法律上の夫婦関係が続くため、夫婦間の扶助義務が残り、収入が低い側はこれまでと同じように生活費を受け取れる可能性があります。

経済面の不安を抱える家庭にとって、生活基盤を維持しながら距離を調整できる点は大きな安心材料でしょう。

なお、生活費の金額は収入や資産などを踏まえて、夫婦の話し合い(難しければ調停等)で決まります。

3.相手の財産を相続できる

離婚をすると相続権がなくなります。

しかし、婚姻関係が続いていれば配偶者として相続権が認められます

相手方が亡くなった場合に遺産を受け取れるので、将来の不安を軽減できるメリットもあるのです。

4.離婚に伴う手続きが必要ない

離婚を進める際は、離婚届の提出に加えて財産分与、氏の変更、年金の分割など多くの手続きが必要です。

争いが生じた場合は、調停や訴訟になるケースもあります。

しかし、卒婚であれば離婚手続きは不要です。

別居を選ぶときの住所変更以外に大きな手続きがないため、負担を抑えながら生活の距離を調整できます。

卒婚を選択するそのほかのメリット

そのほか、卒婚には以下のようなメリットもあります。

卒婚を選択するそのほかのメリット
  • 自由な時間が増え、趣味や休息に使える時間を確保しやすい
  • 生活の距離を調整することで、配偶者との関係が落ち着きやすい
  • 子どもへの影響を最小限に抑えられる

卒婚を選択する主なデメリット|夫婦関係は続くことになる

卒婚にはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあるので、見落としてはいけません。

ここでは、卒婚の主なデメリットを紹介します。

1.異性と恋愛すると浮気・不倫になる

卒婚では生活面の距離を広げられますが、法律上は夫婦のままです。

そのため、配偶者以外の異性と恋愛関係になった場合、不貞行為に当たり、慰謝料を請求されるおそれがあります。

また、重婚が禁止されているため、婚姻関係を続けたまま別の相手と結婚できません。

卒婚中に新しい恋愛や再婚を望む場合は、離婚を検討しましょう。

2.病気などになった配偶者の扶養の義務がある

卒婚を選んでも、法律上の扶助義務は変わりません

距離を取って生活していても、配偶者が病気や障がいで生活が難しくなれば、生活費の支援や介護の協力が求められる場合があります。

なお、2024年には民法の法定離婚事由から「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」が削除され、2026年4月1日に施行される予定です。

そのため、今後病気を理由に離婚を目指すためには、「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という理由で離婚を認めてもらう必要があります。

3.配偶者の親戚との付き合いなどは必要になる

卒婚で生活を分けても戸籍上は夫婦であるため、親族との関わりが完全になくなるわけではありません

たとえば、冠婚葬祭や介護の場面では、対応を求められることがあるでしょう。

そのため、親族関係の負担が重い家庭では、卒婚によってかえってストレスが増える可能性があります。

4.自分が早く亡くなった場合は財産を相続される

婚姻関係を続けている間は相続権が残るため、卒婚後に自分が亡くなった場合、配偶者に財産を相続されます。

遺言で一部の調整はできますが、配偶者には遺留分があり、完全に相続させない形をとるのは難しいでしょう。

「財産を配偶者に残したくない」という意向がある場合は、離婚を検討するのが賢明です。

卒婚を選択するそのほかのデメリット

そのほか、卒婚には以下のようなデメリットもあります。

卒婚を選択するそのほかのデメリット
  • 別居を選ぶと住居費や生活費が増える場合がある
  • 距離を広げた結果、夫婦間のつながりが薄れ、離婚に至る場合がある
  • 第三者からの理解を得られにくい

卒婚を成功させるために取り組むべき4つのポイント

卒婚は、夫婦関係を整えたい人や、無理のない距離を探したい人にとって前向きな方法です。

ただし、準備が不足したまま始めると、生活面で負担が増えるおそれがあります。

生活の安定を維持しながら卒婚を進めるために、以下4つのポイントを意識しつつ準備を整えましょう。

  • 卒婚時の生活についてよく話し合う
  • 取り決めたことは書面で残しておく
  • 家族に事情を説明し理解を得ておく
  • 離婚問題が得意な弁護士に相談する

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく紹介します。

1.卒婚時の生活についてよく話し合う

卒婚を始める前に、今後の生活について夫婦でしっかりと話し合っておきましょう

卒婚に対する認識に差があると、生活の場面で不満が積み重なりやすいからです。

生活スタイル・経済状況・将来の過ごし方に関する考え方を共有し、お互いにとって負担が少ない方法を選びましょう。

卒婚をする際に話し合っておくべき内容
  • 卒婚の形式
  • 生活費の分担
  • 病気・介護の対応

2.取り決めたことは書面で残しておく

卒婚を進めるうえで、生活に関わる約束は必ず文書にまとめておきましょう

口頭だけの話し合いでは、時間が経つにつれて受け止め方がずれたり、「言った・言わない」といった誤解が生じたりしやすくなります。

以下の項目を整理し、夫婦双方が納得した内容を文書に残しておくと安心です。

書面に残すべき主な内容
  •  生活費の額や分担割合
  •  財産管理の方法
  •  外泊・交友関係の範囲
  •  緊急時の対応や連絡体制

3.家族に事情を説明し理解を得ておく

卒婚は夫婦間の問題に見えても、家族や親族に影響が及びます。

とくに子どもや近い親族は生活の変化に不安を抱きやすいため、事前に説明することが大切です。

説明にあたり、以下のような点を事前に整理しておきましょう。

家族に伝えておきたい内容
  •  夫婦間での具体的な取り決め
  •  同居か別居か
  •  子どもや親族との接点の確保
  •  財産管理や緊急時の対応

4.離婚問題が得意な弁護士に相談する

卒婚では、生活費や財産管理など、法律が関わる場面が多くあります。

専門知識がないままルールを定めると、あとで負担が生じるおそれがあるので注意しましょう。

こうした不安を避けたい場合は、離婚問題が得意な弁護士へ相談するのが安心です。

弁護士に相談すれば、家庭の事情に沿った取り決めのポイントを整理しやすくなり、必要に応じて合意書の作成も依頼できます。

卒婚の結果離婚することになった場合でも、手続きの流れや準備すべき内容を案内してもらえます。

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卒婚を選択する前に知っておくべき3つの注意点

卒婚は生活の距離を調整できる方法ですが、始める前に理解しておきたい注意点があります。

主な注意点は、以下の3つです。

  • 配偶者が協力的ではない可能性がある
  • 経済的に安定していないと失敗しやすい
  • 最終的に離婚になってしまう可能性は高い

ここから、それぞれ紹介します。

1.配偶者が協力的ではない可能性がある

まず、卒婚に前向きな人もいれば、距離を広げる暮らし方に抵抗を感じる人もいることを覚えておいてください。

生活費の増加を心配していたり、夫婦関係が変わってしまうことに不安を抱いていたりすると、相手が卒婚に同意しないケースもあります。

卒婚に対して、相手の受け止め方が自分と異なる場合があると理解しておきましょう。

2.経済的に安定していないと失敗しやすい

卒婚は自由な時間を増やしやすい一方で、生活費の負担が増えるケースがある点に注意が必要です。

とくに、別居卒婚では住居費・光熱費、週末卒婚では宿泊費や活動費がかかります。

家庭内卒婚でも、家事を分担しない形を選ぶと出費が増える場面があるでしょう。

これらの収入と支出のバランスが取れないまま卒婚を始めると、生活が追いつかず継続が難しくなります。

卒婚後の生活を見据え、どれくらいの費用が必要になるかを事前に検討しておきましょう。

3.最終的に離婚になってしまう可能性は高い

卒婚で生活の距離が広がると、会話が減り、気持ちまで離れるケースがあります。

関係が薄くなることですれ違いが生じ、そのまま離婚に進む家庭もあるでしょう。

卒婚により夫婦関係が必ず改善するとは限らないため、状況を見ながら継続の可否を判断してください。

さいごに|卒婚のメリットやデメリットなどを踏まえてよく検討しよう

本記事では、卒婚のメリットやデメリット、始める際の注意点についてわかりやすく解説しました。

卒婚は、夫婦としての関係を保ちながら生活の距離を整える考え方です。

生活費や相続の仕組みを維持できる点は安心材料ですが、恋愛の制限、扶養、親族との関わりなど、見落としやすい負担が残る点には注意が必要です。

卒婚の特徴を踏まえ、自分たちの暮らしに合う方法かどうかを冷静に判断しましょう。

卒婚の進め方に不安が残る場合は、離婚問題を得意とする弁護士に相談するのがおすすめです。

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弁護士ごとの実績や特徴も確認しやすく、自分の状況に合う弁護士を見つけやすい点が特徴です。

相談する弁護士を見つけたい場合は、ぜひご活用ください。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
依頼者様のお気持ちを尊重し、一人ひとりに適したサポートを提供しています。離婚自体を争う事件や財産分与などを争う事件はもちろん、親権や面会交流、養育費などお子さんの関わる事件にも注力しています。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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