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日本の夫婦の離婚率は35%!実態と原因・離婚回避のためにできること

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
日本の夫婦の離婚率は35%!実態と原因・離婚回避のためにできること
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日本では年間どのくらいの夫婦が離婚しているか知っていますか?

日本の離婚率は約35%前後になっており、2019年度の厚生労働省の調査によると離婚件数は約20万9,000件にものぼります。

一方、婚姻件数は約59万9,000件にものぼりますが、3組に1組の夫婦が離婚しているというのが現状です。

離婚の理由は様々ですが、夫婦はなぜ離婚の道を歩むのでしょうか。

本記事では、日本の離婚実態を知るためにも、様々な角度からどのような夫婦が離婚しているのか解説します。

離婚は決して人事ではありません。この機会に、良い夫婦関係を送るために必要なことを考えてみましょう。

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この記事に記載の情報は2024年06月07日時点のものです

日本の夫婦の離婚率

日本の離婚実態を知るためにも、ここでは年代別・婚姻期間別・都道府県別の離婚率と離婚件数を解説します。

年代別からみる離婚率

年代別からみる離婚率

2018年の国立社会保障・人口問題研究所の調査結果をもとに、まずは年代別の離婚率を解説します。

下記の図は夫・妻それぞれの離婚率を表したもので、19歳から70歳まで5歳ごとに区切られています。

図を見比べてみると大きな差はないものの、妻の方が20代・30代の離婚率がわずかに高いことがわかります。

婚姻期間からみる離婚率

婚姻期間からみる離婚率

こちらも同様に2018年に離婚した夫婦の離婚率を表したもので、婚姻期間別に細かくみると5年から9年の間に離婚する夫婦が多いのが特徴です。

また、婚姻期間が20年以上ある夫婦のことを熟年夫婦と呼びますが、熟年夫婦の離婚(熟年離婚)も非常に多いことがわかります。

都道府県別の離婚率

次に、以下は2019年に婚姻した夫婦と離婚した夫婦を都道府県別で表したものです。なかには、離婚率が40%を超えている都道府県もいくつかあります。

例えば東京の場合、婚姻件数が86,059件であるのに対して離婚件数は22,707件であり、離婚率は26.4%です。

東京は比較的離婚率が低い方ではありますが、それでも4組に1組が離婚している計算になります。

都道府県

婚姻件数

離婚件数

離婚率

北海道

23,417

9,833

42.0%

青森

4,601

2,009

43.7%

岩手

4,489

1,754

39.1%

宮城

10,073

3,780

37.5%

秋田

3,161

1,278

40.4%

山形

4,014

1,433

35.7%

福島

7,510

2,985

39.7%

茨城

12,270

4,664

38.0%

栃木

8,572

3,181

37.1%

群馬

8,238

3,142

38.1%

埼玉

33,671

12,067

35.8%

千葉

28,649

10,072

35.2%

東京

86,059

22,707

26.4%

神奈川

45,922

14,890

32.4%

新潟

8,742

2,823

32.3%

富山

4,226

1,327

31.4%

石川

4,985

1,532

30.7%

福井

3,320

1,093

32.9%

山梨

3,664

1,356

37.0%

長野

8,809

2,981

33.8%

岐阜

8,227

3,004

36.5%

静岡

15,848

5,834

36.8%

愛知

39,933

12,342

30.9%

三重

7,743

2,864

37.0%

滋賀

6,439

2,095

32.5%

京都

11,497

4,022

35.0%

大阪

46,395

16,282

35.1%

兵庫

25,109

9,143

36.4%

奈良

5,249

2,024

38.6%

和歌山

3,860

1,595

41.3%

鳥取

2,389

885

37.0%

島根

2,625

945

36.0%

岡山

8,734

3,064

35.1%

広島

13,185

4,484

34.0%

山口

5,620

2,143

38.1%

徳島

2,878

1,123

39.0%

香川

4,237

1,674

39.5%

愛媛

5,360

2,151

40.1%

高知

2,630

1,240

47.1%

福岡

25,777

9,774

37.9%

佐賀

3,394

1,329

39.2%

長崎

5,472

2,126

38.9%

熊本

7,535

2,950

39.2%

大分

4,954

1,944

39.2%

宮崎

4,633

2,040

44.0%

鹿児島

6,865

2,895

42.2%

沖縄

8,027

3,617

45.1%

全国

599,007

208,496

34.8%

離婚率が上がる理由

ここでは離婚原因ランキングをもとに、離婚率が上がる要因を解説します。

離婚原因ランキング

以下は、2017年の裁判所の司法統計をもとにした離婚原因ランキングです。なかでも圧倒的に数が多いのが性格の不一致という結果になっています。

一口に性格の不一致と言ってもさまざまな要素がありますが、例えば価値観や考えの違いなどから夫婦関係の継続が難しくなるということもあるでしょう。

 

男性

女性

件数(男性)

件数(女性)

1位

性格が合わない

性格が合わない

11,030

18,846

2位

精神的に虐待する

生活費を渡さない

3,626

13,820

3位

その他

精神的に虐待する

3,545

12,093

4位

異性関係

暴力を振るう

2,547

10,311

5位

家族親族と折り合いが悪い

異性関係

2,463

7,987

6位

性的不調和

その他

2,316

5,173

7位

浪費する

浪費する

2,218

5,000

8位

同居に応じない

家庭を捨てて省みない

1,569

3,946

9位

暴力を振るう

性的不調和

1,500

3,500

10位

家庭を捨てて省みない

家族親族と折り合いが悪い

1,011

3,254

※上記は、調停を申立てた申立人の動機について主なもの3つを挙げる方法で調査集計したものです。

熟年離婚

熟年離婚が多いことも全体の離婚率を上げる要因の一つです。熟年離婚とは、夫婦の年齢に限らず20年以上の婚姻期間があった夫婦が離婚することを指します。

熟年離婚に至る背景はさまざまですが、例えば「離婚できないなんらかの理由があり結婚生活を続けてきたが、その理由が解消されたことで離婚を決意した」ということもあるかもしれません。

主な理由としては「子どもが自立して親としての役目に一区切りついた」「夫が定年退職したことで老後の生活を考え直すようになった」などがあるでしょう。

ナシ婚夫婦が多い

ナシ婚夫婦が多い

ナシ婚とは、結婚式を挙げずに結婚することを指します。

結婚式場を展開するアニヴェルセルでは、2016年に全国23~39歳の男女1,200名に対して『結婚式の有無に関するアンケート調査』を行っており、以下はそのアンケート結果をまとめたものです。

上記からも、離婚歴のある夫婦は結婚式を挙げない方が圧倒的に多いことが分かります。

一方、結婚式を挙げた場合には新たな責任や絆が生まれ、その結果として離婚率も低いのかもしれません。

親の離婚歴

親が離婚したからといってその子どもが離婚するとは限りません。

しかし親の離婚を間近でみた子どもは離婚に対するハードルが下がる恐れがあり、容易に離婚を決断してしまうこともあるでしょう。

ただし人によっては、親の離婚を反面教師にして幸せな結婚生活を送ることもあり得ますので、最終的にはその人次第というところもあります。

離婚率を下げるためにできること

すでに結婚している方・これから結婚する予定の方どちらについても、幸せな結婚生活を送るためには以下のポイントを押さえておきましょう。

男女の脳の違いを理解する

夫婦といえど、もとは生まれも育ちも違う他人同士であり、どれだけ仲が良くても意見の相違が生まれることは当たり前です。

そもそも男女は脳の作りが違うため、お互いに全く同じ考えや行動をとるほうが難しいといえるかもしれません。

一般的には、男性は脳の構造上ひとつのことに集中する傾向があり、女性は多くのことを同時に考える器用さを持ち合わせているとされています。

「基本的な部分が違うため衝突するのは当たり前」と考えて、相手の言動に理解できないことがあっても頭ごなしに否定することは絶対にやめましょう。

付き合いが長くなっても、相手を尊重する気持ちを忘れずに生活することです。

不満を溜め込みすぎない

不満を感じる度に吐き出すことはあまり望ましくはないものの、溜め込みすぎるのもよくありません。

もし度を越えるようなことがあったり、不満を溜めることで夫婦生活に支障が出たりする場合には、早めに自分の気持ちを相手に伝えましょう。

伝えるだけでは状況が変わらないかもしれませんが、そもそも想いは口に出さなければ何も伝わりません。

鏡の法則を振り返る

「夫婦は鏡」という言葉があるように、相手が変わってしまったと感じた際は自分自身も見つめなおしてみましょう。

すべてにおいて鏡の法則が適用されるとは限りませんが、良くも悪くも自分のしたことがそのまま返ってくるということはよくある話です。

相手を労い優しくすることで相手も同じように返してくれることもありますし、反対に意地悪や酷いことばかりしていると同じように返ってくることがあります。

思い通りにならないことがあることを理解した上で、相手の嫌な部分を変えたいのであれば、まずは自分のことを見つめなおすことから始めましょう。

すぐに変化が訪れなくても、継続することで相手が変わる前に自分の中で新たな発見があるかもしれません。

コミュニケーションをとる

良い人間関係を築くために最も大切なのがコミュニケーションをとることです。

特に、生活する中で「会話をする・食事を共にする・一緒に寝る」などはとても大切でしょう。

特に話すことがないときは、ただ抱きしめ合うだけでも心の繋がりを感じることができます。

結婚式を挙げる

離婚率と結婚式の関係について解説したように、これから結婚を迎える方は家族間だけでも結婚式を挙げることをおすすめします。

結婚式を通じて新たな絆が生まれることもあるでしょう。

あたらしい夫婦のカタチ

離婚を考えている夫婦が選ぶ新たな解決策として、卒婚というものがあります。

卒婚は「結婚を卒業する」という意味を持ち、夫婦間で自由にルールを決めて行うものです。

離婚はせずに婚姻関係を続けながら、それぞれが干渉せずに自由な人生を送ることを目的に考案された、新たな夫婦のカタチといえるでしょう。

まとめ

夫婦関係についてはそれぞれ事情が違うため、ときには離婚したほうが幸せな人がいるのも事実です。

一概に「離婚は絶対にしてはいけない」とは言えないものの、せっかくの縁があって出会った人と今後の人生をどうしていきたいのか、一度改めて考えてみることをおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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