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熟年離婚の原因とは?夫婦のすれ違いから財産分与・年金分割の注意点まで徹底解説

熟年離婚の原因とは?夫婦のすれ違いから財産分与・年金分割の注意点まで徹底解説

長年連れ添った配偶者との離婚を考える熟年離婚。

一般的に婚姻期間が20年以上の夫婦の離婚を指しますが、「自分たちも当てはまるのだろうか」「なぜ急に離婚を切り出されるのか」と悩む方は少なくありません。

熟年離婚は、性格の不一致や定年退職、子どもの自立など、長年の不満や環境の変化が複合的に重なって起こります。

感情だけで進めてしまうと、離婚後の生活費や老後資金の不足といった思わぬリスクに直面するおそれもあります。

本記事では、熟年離婚の主な原因をはじめ、男女ごとの理由の違い、メリット・デメリット、後悔しないために押さえるべきお金や手続きのポイントまでわかりやすく解説します。

これからの人生を前向きに歩み出すためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

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目次

熟年離婚とは|婚姻20年以上の夫婦の離婚

熟年離婚とは、一般に婚姻期間が20年以上の夫婦が離婚することを指します。

実は、法律上の明確な定義はありません。

20年以上というのは、統計や実務のうえで使われている目安です。

世の中の熟年離婚という言葉が指す範囲には、多少のブレがあります。

20年をひとつの基準としつつ、子どもが独立した中高年夫婦の離婚を広く含めて使われるケースも多いです。

婚姻期間20年以上の夫婦の離婚は、長期的に見て増加傾向にあるとされています。

妻・夫のどちらから切り出すケースが多いか

熟年離婚は、妻から切り出すケースが多い傾向です。

家庭裁判所の司法統計を見ると、離婚をめぐる婚姻関係事件では、妻が申立人となるケースが多数を占めます。

長年の不満をため込んだ末に、妻側が行動を起こす構図がうかがえます。

一方で、突然離婚を切り出されて困惑する夫側も少なくありません。

妻の不満は日々の生活のなかで蓄積していることが多く、夫が「何の前触れもなかった」と感じる背景には、こうしたすれ違いがあります。

熟年離婚の主な原因6つ

熟年離婚の原因は、性格の不一致・定年退職・子どもの自立・介護・モラハラ/DV・浮気が複合的に絡み合って生じます。

どれかひとつだけが理由になることは少なく、複数の不満が積み重なって決断に至るのが特徴です。

まずは主な6つの原因を一覧で確認し、次の項目で自分のケースを照らし合わせてみてください。

  • 性格の不一致・価値観のズレ
  • 定年退職による在宅時間の増加
  • 子どもの自立
  • 配偶者・義父母の介護負担
  • モラハラ・DV・経済的DV
  • 浮気・不倫(不貞行為)

一つひとつ解説します。

①性格の不一致・価値観のズレ

熟年離婚でもっとも多いのが、性格の不一致や価値観のズレです。

若い頃は気にならなかった生活習慣や金銭感覚の違いが、長い年月のなかで少しずつストレスとして積み重なります。

ある日を境に「もう限界」と感じるのは、熟年層ならではのパターンです。

たとえば、休日の過ごし方が合わない・お金の使い方で毎回もめる・会話がかみ合わないなど、日常の小さなズレの積み重ねがきっかけとなります。

長年連れ添った相手ほど、価値観の違いは根深くなりがちです。

法律上、性格の不一致だけでは法律上の離婚事由には当たりません。

ただし、別居が長引くなどして夫婦関係が壊れていると認められれば、離婚は可能です。

②定年退職による在宅時間の増加

定年退職をきっかけに、夫婦関係が一気に悪化するケースも少なくありません。

主に、仕事中心だった夫の在宅時間が急に増え、これまで見えなかった不満が表面化します。

妻からは、「一日中家にいて会話もない」「家事を手伝わない」といった声が上がりやすくなります。

定年は、生活環境が大きく変わる転機であり、役割やペースの見直しが上手くいかないとすれ違いが加速します。

定年退職をして在宅時間が増える以上、話し合いをして家事や役割を分担し直すことも大切です。

夫側にとっても、退職後の過ごし方を妻と話し合えば、関係を立て直せる余地は十分にあります。

退職を迎える前から、これからの暮らし方を二人で話しておくと安心です。

③子どもの自立で離婚を我慢する理由がなくなる

「子どものために」と考えて続けてきた結婚生活が、子の自立を機に見直されるパターンも多いです。

子育てという共通の目的を終えたとき、夫婦二人の関係そのものに向き合うことになります。

残りの人生を自分らしく生きたいと考えるのは、決して身勝手な選択ではありません。

子どもの就職や結婚、卒業といった節目は、離婚の引き金になりやすいタイミングです。

「今なら誰にも迷惑をかけずに済む」という思いが、決断を後押しします。

一方で、勢いだけで決めると離婚後の生活に困るおそれがあります。

離婚後の家計や住まいの見通しを冷静に立ててから動けば、後悔は少なくなるでしょう。

④配偶者・義父母の介護負担の押し付け

介護に直面したときの態度が、離婚の決め手になるケースもあります。

具体的には、配偶者の親の介護を一方的に任されたり、自分の介護に非協力的だったりする場合などです。

介護したくない・介護させられるという双方の思いがぶつかり、不満が爆発します。

介護による負担は精神的にも肉体的にも大きく、長年の我慢が限界を迎える引き金になりやすい問題です。

介護の分担は早めに話し合っておき、負担が一方に偏らない形を二人でつくっておきましょう。

もし介護のために働けなかった期間があれば、財産分与で考慮される場合もあります。

離婚後の生活費や住まいも見据えて、早めに準備を始めておくと安心です。

⑤配偶者のモラハラ・DV・経済的DV

暴言や支配的な態度、生活費を渡さないといった行為から逃れるための離婚も少なくありません。

モラハラや経済的DVには、人格を否定する暴言・外出や交友の制限・大声や無視での意見の封じ込めなどが含まれます。

たとえば、「お前は何もできない」と繰り返されて生活費を渡してもらえないといった状況も、そのひとつです。

暴言や支配は、法定離婚事由や慰謝料請求に関わる可能性があります。

日付入りの録音や日記、LINEの履歴などをこまめに残しておくと、あとで大切な証拠になります。

ひとりで抱え込まず、自治体のDV相談窓口を頼ることも選択肢に入れておきましょう。

⑥配偶者による浮気・不倫(不貞行為)

配偶者の浮気や不倫が、離婚の直接的な原因になるケースもあります。

不貞行為は、民法が定める法定離婚事由に該当し、慰謝料請求にも直結します。

長年ため込んだ不信感が、発覚をきっかけに一気に噴き出すケースも少なくありません。

離婚を有利に進めるうえで大切なのが、証拠の有無です。

写真やメッセージの履歴など、客観的な証拠があるかどうかで交渉の結果が大きく変わります。

疑いの段階では、感情的に問い詰める前に証拠を確保しておきましょう。

先に問い詰めると相手に警戒され、証拠を隠されてしまうおそれがあるため注意が必要です。

証拠が消される前に、探偵への相談や記録の保存を進めておいてください。

妻側・夫側における熟年離婚の主な原因

熟年離婚の理由は、男女で傾向が分かれます。

妻側は情緒や尊重の欠如、夫側は性格や価値観の違いを挙げる傾向です。

司法統計をもとに、妻・夫それぞれの上位理由を比較したのが次の表です。

順位 妻が挙げる主な理由 夫が挙げる主な理由
1位 性格の不一致(37.1%) 性格の不一致(58.6%)
2位 生活費を渡さない(28.8%) 精神的虐待(21.6%)
3位 精神的虐待(26.1%) 異性関係(11.9%)
4位 暴力を振るう(16.7%) 浪費する(11.6%)
5位 異性関係(12.8%) 家族親族と折り合いが悪い(11.0%)

それぞれ分けて解説します。

妻が離婚を切り出す主な理由|精神的虐待・生活費の問題・無関心

妻側は、性格の不一致に加えて、精神的虐待・生活費の問題・無関心を理由に挙げる傾向があります。

司法統計でも、妻の申立て動機の上位には「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」がランクインしています。

金銭面での不安と、心をないがしろにされる苦しさが主な背景です。

特に経済的DVは、生活そのものを脅かす深刻な問題です。

必要な生活費を渡してもらえない状況が続けば、離婚を考えるのは自然なことといえます。

熟年層では、長年の「察してほしい」が叶わなかった積み重ねが表面化しやすいものです。

自分の不満がどこにあるのかを言葉にすると、状況を客観的に整理できます。

ひとりで抱え込まず、早めに気持ちの整理を始めることが大切です。

夫が離婚を切り出す主な理由|性格の不一致・異性関係・浪費

夫側は、性格の不一致・異性関係・浪費などを理由に挙げる傾向があります。

司法統計では、夫の申立て動機の上位に「性格が合わない」「精神的に虐待する」「異性関係」が並びます。

妻側が金銭面を重く見るのに対し、夫側は関係性や相性を挙げやすい点が特徴です。

長く一緒に暮らすうちに、会話が減り、心の距離が広がっていくケースも少なくありません。

定年後に生活リズムが変わり、すれ違いが目立ち始める場合もあります。

「妻と価値観が合わない」「会話が続かない」と感じている場合は、自分の言動を一度振り返ってみることも大切です。

気づいたときにしっかりと向き合えば、関係を立て直せる余地もゼロではありません。

熟年離婚される夫にみられる主な特徴

熟年離婚を切り出される夫には、いくつかの共通点があります。

具体的には、妻の意見を否定したり、感謝を伝えなかったり、家事や介護を任せきりにしたりする、といった傾向です。

次のチェックリストで、当てはまる項目がないか確認してみてください。

チェック項目 該当の有無
妻の話をさえぎり、意見を否定しがち □
「ありがとう」を言う習慣がない □
家事や育児、介護を妻に任せきり □
定年後も生活のペースを見直していない □
妻の趣味や交友関係に無関心 □

当てはまる項目が多くても、悲観する必要はありません。

多くは、日々の言動を少し変えるだけで改善できるものです。

感謝を言葉にする、家事を分担する、妻の話に耳を傾ける。

修復を望むなら、まずは小さな行動から始めてみましょう。

熟年離婚をおこなうメリット

熟年離婚には、時間とお金を自由に使える、ストレスから解放されるといった利点があります。

我慢を重ねてきた方にとって、離婚は自分らしい人生を取り戻す選択肢になり得ます。

ここからは、感情面と生活面の両方からメリットを見ていきます。

自分の時間とお金を自由に使える

離婚後は、配偶者に合わせる必要がなくなり、時間とお金を自分のために使えます。

行きたい場所へ出かけたり趣味に打ち込んだり、誰かの顔色をうかがわずに決められる自由は大きな解放感につながるものです。

これまで家族のために使ってきた時間を、これからは自分のために使えます。

離婚後は、学び直しや旅行など後回しにしてきたことに挑戦する方も少なくありません。

自由に使えるお金があるほど選べる楽しみも広がるので、まずは小さなことから自分の望みを叶えてみてください。

熟年層にとっては、人生の再スタートを切るきっかけにもなります。

ただし、収入や支出の見通しを立てたうえで踏み出すことが大切です。

結婚生活のストレスから解放される

モラハラや無関心による日常的なストレスから解放されるのも、大きなメリットです。

常に相手の機嫌をうかがう生活から離れて、心身の健康が改善するケースも少なくありません。

眠りが深くなった、気持ちが軽くなったという声もよく聞かれます。

家庭内の緊張から解き放たれると、表情や体調まで変わってくる方もいます。

溜め込んでいたストレスが減れば、毎日を穏やかに過ごせるでしょう。

また、ひとりの時間が増えると自分の気持ちと向き合う余裕も生まれます。

自分を大切にできる環境は自己肯定感の回復につながり、趣味や交友に使えるエネルギーも少しずつ戻ってきます。

長年蓄積してきた我慢やストレスを手放すことは、決して逃げではなく前向きな選択です。

独身時代のように恋愛できるようになる

法律上の縛りがなくなれば、新しい恋愛やパートナー探しを楽しめるようになります。

配偶者の束縛や介護などの負担から離れ、自分らしく人と向き合える自由が生まれます。

趣味の集まりや友人との交流を通じて、新たなつながりを築く方も多いです。

年齢を重ねてからの出会いは、価値観の合う相手を選びやすいのも魅力です。

焦らず、自分のペースで関係を育てていけます。

無理に相手を見つけようとせず、ひとりの時間を楽しむ選択もあります。

一方で、一人暮らしの寂しさや将来の病気・介護への備えは、自分で考えておく必要があります。

自由と不安の両方を見据えたうえで、次の一歩を選びましょう。

熟年離婚をおこなうデメリットと対策

熟年離婚には、経済的な不安・孤独感・生活面の負担といったデメリットもあります。

「悲惨」「生活できない」といった不安の声も見られますが、多くは事前の準備で和らげられるもの。

ここでは、熟年離婚をおこなうデメリットだけでなく対策も一緒に整理していきます。

経済的な不安と老後破産リスクが生じる

離婚後は収入や年金が減り、老後の生活設計が厳しくなるおそれがあります。

特に専業主婦だった場合、自分名義の収入基盤が弱く、生活費の確保が課題になりがちです。

婚姻中は世帯で収入を合算し、住居費や生活費も二人で分担できましたが、離婚後は自分の年金や収入だけで全てまかなう必要があります。

また、年金額も単身になれば見直しが必要になります。

経済的な不安は、財産分与や年金分割によって負担を小さくすることが可能です。

まずは離婚後の収入と支出を試算し、不足分を補う準備から始めていきましょう。

離婚を進める前にできるだけ早めに動けば、選べる対策も増えていきます。

独りになる孤独感・喪失感が生じやすい

離婚後は、話し相手の不在や、子・孫と会いにくくなる不安から孤独を感じやすくなります。

長年連れ添った相手がいない生活に喪失感を覚え、「ひとりで大丈夫だろうか」という不安をもつのは自然なことです。

ただし、地域の活動や友人とのつながり、公的な支援を活用すれば孤独は和らげられます。

自由に過ごせる時間の価値が、不安を上回っていくケースも多いものです。

同じ立場の人と話せる集まりに参加するのも、心の支えになります。

趣味のサークルや自治体のイベントは、新しいつながりや生きがいをつくるきっかけにもなります。

無理のない範囲で、外に出る機会を少しずつ増やしていきましょう。

家事や健康管理を一人で担う負担が生じる

離婚後は、家事・体調管理・緊急時の対応を全てひとりで担うことになります。

特に家事を配偶者に任せきりだった場合、日常生活のハードルが一気に上がります。

体調を崩したときに頼れる人がいない不安も現実的なリスクです。

まずは、料理や掃除など基本的な生活スキルを身につけておくと安心です。

見守りサービスや宅配、家事代行を活用すれば、負担はぐっと軽くなります。

無理に全てを自分で抱え込まないことが、長続きのコツです。

また、緊急時に備えて近所や親族との連絡手段を確保しておくことも大切です。

準備を整えておくほど、離婚後の一人暮らしは安定するでしょう。

熟年離婚で後悔しないために決めるべきポイント5つ

熟年離婚を後悔しないためには、感情的に動く前に生活とお金に関する取り決めを固めておくことが大切です。

住まい・財産・年金・慰謝料・子どもに関する準備をひとつずつ整理しておきましょう。

ここからは、決めるべき5つのポイントを解説します。

①離婚後の生活方針

離婚後に困らないためにも、離婚前の段階から住まい・仕事・お金の生活基盤を整えておきましょう。

高齢での離婚は、賃貸契約が難しくなったり、ブランクのある状態での再就職に苦戦したりしがちです。

無計画に進めると、離婚後の生活を建て直せなくなるおそれがあるため注意が必要です。

まず住まいは、自宅を売って現金化するか、一方が引き継ぐかを早めに検討しましょう。

あわせて、高齢でも借りられる賃貸の目星もつけておいてください。

仕事は、資格取得や面接対策を早めに始め、就職先の候補を探しておくと安心です。

生活費は、単身生活に必要な毎月の支出を試算し、年金や財産分与で不足分をどう補うかを計算しておきましょう。

②財産分与

熟年離婚を考えるなら、離婚を切り出す前に夫婦の財産を漏れなく把握しておくことが欠かせません。

財産分与は、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産を分け合う制度です。

婚姻期間が長いぶん対象となる資産が多く、分与額が高額になりやすい傾向があります。

対象になり得るのは、預貯金や株式などの有価証券・持ち家などの不動産・車・美術品や宝飾品といった高額な資産も含まれます。

熟年離婚で見落としがちなのが、退職金です。

すでに支給されたものや、支給の可能性が高いものは分与の対象になるため注意が必要です。

損をしないためにも、隠し財産がないかを含めて事前に調べてリスト化しておきましょう。

③年金分割

熟年離婚では、財産分与とあわせて年金分割の請求を忘れないことが大切です。

年金分割は、婚姻期間中に納めた厚生年金の記録を夫婦で分け合える制度です。

専業主婦(主夫)だった側でも、婚姻期間に応じた年金記録を受け取れます。

具体的な方法は、2パターンあります。

まず1つ目が、夫婦の合意や裁判所の決定で割合を決める合意分割という方法です。

2つ目が、2008年4月以降の第3号被保険者期間を一方の請求だけで半分に分けられる3号分割です。

請求できるのは原則として離婚の翌日から2年以内なので、年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取り、見込み額を確認しておくと安心です。

なお、2008年3月以前の期間については合意分割が必要になるため注意しましょう。

④慰謝料請求

相手に慰謝料を請求したいなら、離婚を切り出す前に不法行為の客観的な証拠を集めておくことが欠かせません。

慰謝料は、相手の不法行為による精神的苦痛に対して支払われるものです。

認めてもらうには落ち度を客観的に示す必要があり、単なる性格の不一致では請求できません。

対象となるのは、不貞行為・DV・モラハラ・生活費を渡さない悪意の遺棄などです。

有効な証拠としては、不倫相手との写真・メッセージ履歴・暴言の録音・DVの診断書・けがの写真などが挙げられます。

証拠は、日付や状況がわかる形で残すとより有効です。

言い逃れを防ぎ、適正な金額を得るためにも話を切り出す前に証拠を揃えておきましょう。

⑤子どもの親権

18歳未満の子どもがいる場合は、親権とあわせて養育費の支払条件を確実に取り決めておくことが大切です。

熟年離婚では、子どもが中学生・高校生・大学生と大きいことも多いものです。

食費や教育費、医療費など、自立までに必要な支出が増える時期と重なります。

養育費は、食費や光熱費などの生活費のほか、授業料・塾代・進学費用といった教育関連費も含めて考えます。

通院費や薬代、自立支援にかかる費用も、あらかじめ想定しておくと安心です。

特に大学進学の費用は大きいため、いつまで支払うのかも決めておきましょう。

金額や支払い期間は口約束のみにせず、書面としてしっかり残しておくことが重要です。

熟年離婚を進める3つの手続き

熟年離婚を進める方法は、協議・調停・裁判の3段階に分かれます。

まずは話し合いから始め、まとまらなければ次の手続きへ移るのが一般的な流れ。

それぞれの特徴を順に見ていきます。

協議離婚(当事者の話し合い)

協議離婚は、夫婦の合意があれば離婚届の提出だけで成立する、もっとも簡便な方法です。

手続きが早く費用もかからない一方、取り決めを口約束で済ませると、後のトラブルにつながります。

財産分与・年金分割・慰謝料などの条件は、離婚協議書に残しておきましょう。

さらに、協議書を公正証書にしておくと安心です。

公的証書にしておけば、相手が支払いを怠った場合に強制執行で回収しやすくなります。

調停離婚(家庭裁判所での話し合い)

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停で、第三者を交えて協議します。

申立ては、相手の住所地を管轄する家庭裁判所へおこないます。

費用は数千円程度で、期間は数ヵ月~1年程度が目安です。

調停委員が間に入るため、感情的な対立を避けやすいのがメリットです。

調停で合意に至ると、調停調書が作成されます。

判決と同じ効力を持ち、取り決めの履行を確実にできます。

裁判離婚(判決による離婚)

調停が不成立に終わった場合は、訴訟を起こし、判決による離婚を目指します。

裁判離婚では、法定離婚事由に当たる事実を、証拠にもとづいて主張する必要があります。

ただし、期間や費用は大きくなりやすく、その分だけ負担も重くなるのも事実です。

さらに、主張や立証には専門的な法的知識が欠かせないため、弁護士のサポートを受けるのを強くおすすめします。

いずれにしても時間とコストがかかるため、離婚裁判は最終手段としての位置づけと考えておきましょう。

熟年離婚を回避したい場合に夫婦で取り組むべきこと

離婚を切り出された側でも、関係を修復できる余地は残されています。

大切なのは、相手の気持ちに向き合い、歩み寄る姿勢。

ここからは、夫婦で取り組みたい3つのポイントを紹介します。

お互いの気持ちを正直に話し合う時間を作る

まずは、お互いの気持ちを正直に話し合う時間を作ることが大切です。

長年連れ添った夫婦ほど、「言わなくてもわかるはず」と会話を省きがちです。

すれ違いの多くは、思いを言葉にしてこなかったことから生まれます。

相手を責めるのではなく、自分がどう感じているかを穏やかに伝えましょう。

落ち着いて向き合える場を設けるだけでも、関係は少しずつ変わり始めます。

第二の人生のビジョンを夫婦で共有する

子育てを終えたあとの第二の人生を、夫婦で共有することも有効です。

これからどう過ごしたいか、どこに住み、何を大切にしたいか。

具体的な将来像を一緒に描いていけば、二人の目的が再びそろっていきます。

また、旅行や趣味などの共通の楽しみを見つけるのもおすすめです。

前を向いた会話が増えるほど、関係は前向きに変わっていくでしょう。

感謝や労いの気持ちを言葉と行動で示す

感謝や労いの気持ちを、言葉と行動で示すことも欠かせません。

長年の生活のなかで、「ありがとう」を言い忘れていないでしょうか。

当たり前になっている相手の支えに、あらためて目を向けることが大切です。

たとえば、家事を手伝う・相手の話に耳を傾ける・ねぎらいの言葉をかけるなど。

小さな積み重ねが、冷え切った関係を温めるきっかけとなるでしょう。

熟年離婚で弁護士に相談するメリット

熟年離婚は、財産分与や年金分割など、専門的な判断が必要な場面が多い手続きです。

弁護士に相談すれば、法的アドバイス・交渉の代行・精神的負担の軽減といったメリットが得られます。

ここからは、3つのメリットを順に解説します。

法的アドバイスが受けられる

弁護士に相談する最大のメリットは、状況に応じた法的アドバイスを受けられることです。

たとえば、自分のケースで慰謝料を請求できるのか・財産分与はどこまで対象になるのかといった判断に迷う場面で、専門家の視点から見通しを立ててもらえます。

特に熟年離婚は、退職金や年金など金額の大きい事項が絡み合う問題です。

早い段階で弁護士に相談すれば、損をしない準備を進めやすくなります。

年金分割では、婚姻期間中の記録を原則半分ずつに分けられます。

制度の使い方を誤らないためにも、法律のプロである弁護士のアドバイスは心強いものです。

なお、別居や離婚を切り出す前でも弁護士に相談して問題ありません。

無料相談を使えば、離婚がスムーズに進みそうかの見通しだけでも確かめられます。

離婚交渉を代行してもらえる

相手方との交渉を代わりに担ってもらえるのも、弁護士に依頼する大きなメリットです。

顔を合わせて話すのがつらい相手でも、弁護士が間に入れば直接やり取りせずに済みます。

感情的な対立を避けながら、有利な条件を引き出せる可能性が高まります。

財産分与や慰謝料の交渉では、相場や判例を踏まえた主張が欠かせません。

法律のプロである弁護士に任せれば、適正な金額を求めやすくなります。

また、本人に代わって書面を作成し相手や裁判所とのやり取りも進めてくれるのもメリットです。

話し合いが前に進みやすくなるだけでなく、もし話し合いがまとまらず調停や裁判になってもそのまま代理を任せられます。

もし手続きが長引いても、窓口を弁護士に一本化できるのは心強いところです。

精神的負担を最小限に抑えられる

弁護士に依頼すれば、離婚にともなう精神的な負担を軽くできます。

複雑な手続きや書類の準備、相手との駆け引きなどをひとり抱え込むと、心身ともに疲れ果ててしまいがちです。

弁護士に依頼すれば相手からの連絡の窓口になってくれるため、直接交渉するストレスから離れられます。

先の見通しが立つだけでも、不安はぐっと軽くなります。

離婚後の生活や、子ども・親族への対応まで相談できる相手がいる安心感は大きいものです。

ひとりで悩む時間が減るだけでも、気持ちにたしかな余裕が生まれるでしょう。

さらに、弁護士に手続きの多くを任せれば自分の生活の立て直しに集中できるのもメリットです。

何から手をつければいいかわからない段階でこそ、相談する価値があります。

熟年離婚に強い弁護士探しならベンナビ離婚がおすすめ

熟年離婚に強い弁護士を探すなら、離婚問題専門のポータルサイト「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。

ベンナビ離婚では、地域や相談内容から離婚問題を得意とする弁護士を効率的に検索できます。

財産分与に強い・モラハラ問題に対応など、自分の悩みに合った事務所を絞り込めるのが特徴です。

初回無料相談に対応している事務所も多く、費用を気にせず複数の弁護士を比較できます。

離婚すべきか迷っているという段階でも、気軽に相談を始められるのもメリットです。

初回無料相談を活用して、まずは気軽な相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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熟年離婚に関するよくある6つの質問

熟年離婚を検討するなかで、多くの方が抱く疑問をまとめました。

気になる項目から確認してみてください。

Q1.配偶者が定年後うつ病になったことを理由に離婚できるの?

配偶者がうつ病になったこと自体を理由に、一方的に離婚することは基本的に難しいとされています。

夫婦には互いに協力し扶助する義務があるため、病気を理由にした離婚は配偶者を見捨てる行為とみなされる可能性があります。

ただし、相手が離婚に同意すれば協議離婚は可能です。

判断に迷う場合は、弁護士に相談して見通しを立てるのをおすすめします。

Q2.法律上の離婚原因がなければ離婚は難しいって本当?

相手が離婚に同意しない場合、裁判で離婚するには法定離婚事由が必要です。

法定離婚事由とみなされるのは、不貞行為・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・その他婚姻を継続し難い重大な事由などがある場合です。

多くの場合、性格の不一致だけでは法定離婚事由に当たらないと判断されます。

一方で、協議や調停での話し合いで夫婦が合意すれば法定離婚事由がなくても離婚できます。

Q3.専業主婦でも財産分与は半分もらえるの?

専業主婦であっても、財産分与は原則として2分の1が目安です。

財産分与は、収入の有無ではなく夫婦の協力で築いた財産かで判断されます。

家事や育児で家庭を支えた貢献も正当に評価されるため、収入がなかった側でも2分の1の分与を求めることは十分に可能です。

財産分与を求める際は、対象となる財産を漏れなく把握しておくことが大切です。

Q4.現時点では未支給の退職金も財産分与の対象になる?

まだ支給されていない退職金でも、支給される可能性が高い場合は、財産分与の対象になり得ます。

退職金は給与の後払いという性質を持ち、婚姻期間に対応する部分は共有財産と考えられます。

定年が近く、支給がほぼ確実なケースほど対象として認められやすい傾向です。

ただし、金額の算定は複雑になりやすいため、正確な見込み額を求めるには弁護士に相談するのが確実です。

Q5.別居期間が長いと財産分与はどうなるか知りたい

財産分与の対象は、原則として別居した時点の財産で判断されます。

別居後に一方が築いた財産は、夫婦の協力によるものとは言えないため、対象から外れるのが基本です。

別居期間が長いほど、その後の資産は分与に含まれにくくなります。

いつの時点を基準にするかで、金額は大きく変わります。

別居のタイミングと財産の状況は、記録に残しておきましょう。

Q6.熟年離婚した場合、税金や社会保険料はどうなるの?

離婚すると配偶者の扶養から外れるため、税金や社会保険の手続きが必要になります。

まず税金では、配偶者控除が使えなくなり、自分の収入をもとに所得税や住民税が計算されます。

健康保険は、これまで配偶者の扶養に入っていた方は切り替えが必要です。

勤務先の健康保険か、国民健康保険への加入手続きをおこないましょう。

年金については、婚姻期間中の厚生年金を年金分割に分けられます。

請求すれば、それぞれの年金として受け取れます。

手続きに漏れがあると、あとで負担が増える場合もあるため、離婚の前に切り替えの流れを確認しておきましょう。

まとめ|熟年離婚は準備が決め手となる

熟年離婚の主な原因は、生活環境の変化と、長年ため込んだ我慢の限界にあります。

そして、最終的な結果を大きく左右するのが事前準備の有無です。

自分の不満を客観的に整理し、法的な判断基準を確認したうえで、財産分与や年金分割の準備を進めれば、離婚後の不安は具体的な対策に変わります。

長年の我慢を終えて自分らしい人生を選ぶことは、決して身勝手ではありません。

ただし、勢いだけで進めると経済的に苦しくなるリスクもあるのが事実です。

不安を安心に変える第一歩として、まずは弁護士の無料相談を活用してみてください。

「ベンナビ離婚」には、熟年離婚の相談実績が豊富な法律事務所が多数掲載されています。

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この記事の監修者
東京桜の森法律事務所
川越 悠平 (東京弁護士会)
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