
離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。
- 相手に親権を渡したくない
- 養育費を払ってもらえなくなった
- 不倫相手に慰謝料を請求したい
弁護士保険は、法律トラブルで弁護士に依頼したときの費用が補償されます。
離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。
KL2020・OD・037
離婚をする際は、再出発のために財産分与で分配する財産を決めることがセオリーです。
しかし、夫婦の財産が多い場合や、配偶者と揉めておりとても話し合いが進まない状態の場合には、当事者だけで財産分与の取決めを行うことが困難です。
中には、弁護士へ依頼したいと考えている方もいるのではないでしょうか。ただ、その際にかかる弁護士費用が気になるところ…。
この記事では、財産分与にかかる手続きなどを依頼した場合の弁護士費用の相場や、弁護士費用を抑えるポイントなどについて解説します。
【関連記事】財産分与とは|相場以上の財産を獲得する方法と請求手順まとめ
財産分与を依頼した場合にかかる弁護士費用の相場と内訳は以下のとおりです。
費用の内容 |
金額相場 |
相談料 |
初回無料/1時間5,000円程度 |
着手金 |
30万円程度 |
報酬金 |
30万円程度/経済的利益の10~20% |
実費 |
書類作成費や交通費、日当 |
ただし、これはあくまでも相場で、実際には弁護士事務所によって価格も料金体系も異なります。詳しくは、依頼を検討している弁護士事務所にしっかり確認して見積りまで出してもらうことをおすすめします。
また、財産分与の場合は、取り決めた財産の額で弁護士費用が大きく左右されるため、○○万円と断言することができません。獲得できる財産のだいたい20~50%程度が弁護士費用になってくるとお考えください。
本来、弁護士に相談するだけでも1時間5,000円程度の費用がかかります。しかし、財産分与の相談では初回無料相談ができる弁護士がほとんどです。
無料相談だけでも、おおよそいくら(何割)くらいの財産を獲得できるのか?財産分与の対象の財産なのか?などを聞くことができますし、後述するように、複数の弁護士を比較するために、詳しい弁護士費用を確認したり、弁護士の人柄を判断したりすることもできます。
【関連記事】離婚の財産分与が相談できる法律相談窓口一覧と弁護士の解決事例
着手金は、弁護士に依頼した時点で発生する費用で、仮に結果が望まない内容になったとしても支払う必要があります。
財産分与での着手金の相場は30万円前後ですが、財産の額に応じて10~20%で着手金を決めている弁護士事務所もあります。
また、後述するように調停や訴訟に移行するごとに着手金がかかってくる場合もありますので、トータルでいくらかかるのかは依頼前にしっかり確認しておきましょう。
なお、着手金を後払いで事件に着手するスタイルがとれる事件や弁護士もいるので、事件の解決の相談の際には、費用の相談は詳細にすべきでしょう。
報酬金は、弁護士の活動によって経済的利益(財産)を得られた時に支払う費用です。
こちらは獲得できる財産の割合で設定している弁護士事務所がほとんどで、「事件終了で○○万円+経済的利益の〇%」と設定されている弁護士事務所もあります。
依頼者の状況によって大きく左右されますので、具体的に見積りを取ってもらい納得できる金額で依頼を引き受けてくれる弁護士を選びましょう。
財産分与をするにあたって、弁護士の移動や書類作成などの費用がかかってきます。この実費も弁護士費用として請求されることがありますので、事前に確認しておきましょう。
※着手金に実費がほとんど含まれている弁護士事務所もあります。
≪実費の主な内容≫
交通費 |
弁護士の交通費や宿泊費 |
手続費用 |
調停や訴訟を申し立てる場合にかかる手数料や収入印紙代 |
日当 |
裁判所に出廷する場合などにかかる。1日3~5万円が相場 |
その他の離婚問題 |
親権獲得や慰謝料請求など、ほかにも解決したい内容があるなら一緒に依頼ができる。その場合、別々に依頼するよりも着手金などを安く依頼できる。 |
財産分与は、当事者同士の話し合いだけではなく、裁判所を介した手続きの中で決めることもあります。
話し合い(協議) |
当事者同士の話し合い |
調停 |
裁判所を介した手続きで、調停委員を挟んだ話し合い |
裁判(訴訟) |
離婚の可否や財産分与を決めるための訴訟 |
【関連記事】財産分与を行う際の手順とかかる費用
財産分与を決める方法によって、弁護士費用も変わります。基本的には、話し合いから始めてそれでもまとまらなければ、『調停』→『訴訟』と進んでいきます。
ここで注意してほしいことが、協議で解決せずに調停に移った場合(調停→訴訟も同じ)、別途着手金が発生して、合計の弁護士費用が高くなることがあることです。
協議だけで解決した場合は、【協議の着手金+報酬金】が主な弁護士費用となりますが、調停にまで移行した場合、【協議の着手金+調停の着手金+報酬金】といった形で着手金が上乗せされます。
こちらも弁護士事務所によって設定が違いますが、解決まで長引けばそれだけ費用も高くなりやすいことは頭に入れておきましょう。
また、単に調停や訴訟を依頼するだけでも、金額が高く設定されている弁護士事務所が多いです。
あくまでも相場ですが、協議での依頼よりも調停での依頼の方が着手金が+10万円ほど高くなり、調停よりも訴訟の方がさらに着手金が高くなる傾向にあります。
≪解決方法と着手金の違いの例≫
協議 |
30万円 |
調停 |
40万円 |
訴訟 |
50万円 |
さらに、裁判所を介した手続きとなると、手続き費用や裁判所へ向かうための弁護士の日当も発生することもあります。
弁護士費用を抑えて依頼したいなら、なるべく早くの話し合いの段階での解決を目指したいですね。
財産分与を依頼した場合にかかる弁護士費用については上述したとおりです。
財産分与でしっかり財産を受け取ることができれば、弁護士費用でマイナスになることはないのですが、それでもできる限り費用は抑えておきたいところですね。
こちらでは、財産分与での弁護士費用を抑えるポイントについて解説します。参考にしながら、賢く費用を抑えましょう。
ここまである程度の金額をお伝えしてきましたが、実際には依頼する弁護士・弁護士事務所によって具体的な金額はバラバラです。
ひとつの弁護士にこだわらず、いくつかの弁護士を比較検討してみることも安く抑えられるポイントです。
お伝えのとおり、財産分与では無料で相談できる弁護士がほとんどですので、無料相談の中である程度の費用も確認しておきましょう。
トラブルからしばらく経って弁護士に相談しても、すでに揉めている内容が複雑化して当事者同士だけでは解決が難しくなってきます。
そうなると、調停や訴訟など、より費用がかかる方法を取らざるを得なくなる可能性も高くなりますね。
また、離婚からしばらくして財産分与の相談をしても、元配偶者が財産を隠す・売却していたり、遠くに引っ越していたりするなど、余計に手間や時間、費用がかかることがあります。
料金体系や価格は各弁護士事務所でバラバラだとはお伝えしましたが、財産分与で獲得できる財産の大小でどのような料金体系の弁護士事務所にするのか大まかな判断もできます。
例えば、成功報酬に固定の費用を設定している【A事務所】と、固定費用は採用せずにパーセンテージだけで設定している【B事務所】があったとします。
成功報酬の設定 |
財産100万円 |
財産1,000万円 |
【A事務所】30万円+10% |
40万円 |
130万円 |
【B事務所】20% |
20万円 |
200万円 |
財産が少ない場合にはB事務所の方が安くなりますが、財産が高額になればA事務所の方が安く依頼できます。
具体的に上限や細かい調整を行ってくれる弁護士事務所もありますので、詳しくは相談・見積りをしてもらって、納得できる費用を提示してくれる弁護士を見つけてください。
ここまで財産分与を弁護士に依頼した場合の費用について解説しました。確かに弁護士費用は弁護士を選ぶ上でもとても大事な要素です。しかし、費用だけが全てではありませんね。
安いからと実績がない弁護士に依頼してしまうと、トラブルが余計に悪化してしまう、もっと受け取れるはずだった金銭を受け取れないなどの事態になり、結果的に損してしまうことも。
この記事の最後に、費用以外の弁護士を選ぶポイントについて解説します。
【関連記事】財産分与が得意な弁護士に相談する方法と選び方・弁護士費用の相場
弁護士が活躍する場は数多くあります。離婚問題以外にも労働問題や刑事事件、相続など様々です。
財産分与の依頼をするのであれば、最低でも離婚問題を主に受けている弁護士に絞って探していきましょう。さらに、財産分与の実績や強い思いを持って取り組んでいる弁護士がいればなお良いです。
当サイトでは、離婚問題に注力している弁護士のみに絞って掲載していますので、財産分与の依頼ができる弁護士も探しやすくもなっています。ラクに弁護士を見つける手段として活用してみてください。
弁護士も人ですし、依頼すれば数ヶ月間お世話になりますので、人としての相性も重要です。幸い離婚問題では女性の弁護士も多くいますので、同性が話しやすいようであれば同性の弁護士に絞って探しても良いですね。
後は、実際に無料相談を活用しながら、その弁護士の人となりも判断してみましょう。
繰り返しになりますが、いきなり1人目の弁護士に決めてしまわなくても結構です。費用面でもそうですし、解決の方法、相性、離婚や財産分与への考え方なども弁護士によって変わってきます。
全ての項目で一番納得できる弁護士に決めた方が、ご自身のためになります。弁護士費用は決して安くはありませんので、十分に納得できる形で依頼をしましょう。
この記事では、財産分与でかかる弁護士費用の内訳や相場について解説しました。実際には弁護士事務所によっても違いますし、財産の額でも変わってきます。
しっかり見積りまでしてもらって、納得できる形で依頼を決めましょう。弁護士費用は、基本的に報酬基準を設定することが義務付けられています。
自分にはいくら必要なのか全体を把握できるように、必要な費用に関してはしっかりすり合わせしておくことが不可欠でしょう。
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