ホーム > 離婚コラム > 養育費 > 認知とは法律上の親子関係を結ぶ行為|認知の種類と認知するメリット
キーワードからコラムを探す
Sidebar writer recruit

認知とは法律上の親子関係を結ぶ行為|認知の種類と認知するメリット

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%88%e3%82%991
「養育費」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
「養育費」が得意な弁護士に相談して悩みを解決!

お悩み内容から探す

Free consult btn

認知とは、婚姻関係にない男女間に生まれた子供、またはこれから生まれる子供と、その父または母の間に親子関係を法的に成立させる行為のことをいいます。

噛み砕いて説明すると、結婚していない男女の間に生まれた子供、またはこれから生まれる子供を自分の子供として認める身分行為のことです。女性が妊娠したとしても全てのケースが結婚した男女間での子供というわけではなく、婚姻関係がない状態で出産することもあるでしょう。

「認知」という言葉自体はテレビドラマなどで耳にしたことがあるかもしれません。しかし、認知とはどのような行為であるかを正確に把握している方は少ないでしょう。認知は当事者の身分関係に大きく影響する行為ですから、知っておいて損はないでしょう。

この記事では、「認知とはどのような行為なのか」や「認知を拒否された場合の対処法」などをわかりやすく解説します。認知の問題を抱えている方は参考にしてください。

【関連記事】
未婚の母とは|シングルマザーが知っておきたい認知と養育費と支援一覧
不倫で妊娠した・させた場合に今すぐすべき対応|立場別の対応と選択肢

認知とは

認知とは、戸籍上で結婚をしていない男女の間に生まれた子供と、その父親または母親との間に法的な親子関係を成立させる行為のことをいいます。婚姻関係にある男女の間に生まれた子供を嫡出子といいますが、婚姻関係にない男女の間に生まれた子供は非嫡出子と呼び、現行法の下では非嫡出子と父親との間には認知行為がなければ親子関係を認められません。

(認知)

第七百七十九条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

引用:民法

このように認知は、基本的には父と非嫡出子との間の親子関係を成立させる機能を有しており、母親による認知が問題となるケースは非常に稀です。というのも、母親との親子関係はその母親から子供が生まれたという事実のみで当然に認められると考えられており、母親による認知は捨て子・迷子など子供を分娩したことが客観的に判断できない非常に限定的な場合に問題となるに過ぎません。

そのため、実務的には母親と子供との間に認知の問題が生じることは殆どありません。父親が非嫡出子を認知すると、子供の戸籍には父親の名前が明記され、父親の戸籍にはその子供を認知したことが明記されます。

認知の種類

認知の種類

認知には任意認知と強制認知の2つの方法があります。以下、解説します。

任意認知

任意認知とは、父親あるいは母親が自分の意思によって子供(非嫡出子)を認知することをいいます。任意認知は戸籍法の定めるところにより、市町村役場に認知届を提出する必要があります。

(認知の方式)

第七百八十一条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。

2 認知は、遺言によっても、することができる。

引用:民法

任意認知は妊娠中でも可能ですが、出生前に認知する場合、母親の承諾が必要です。子供が亡くなっている場合にも認知できますが、その子供に直系卑属(子や孫など)がある場合に限ります。後述しますが、死亡した子供でも認知を通じて相続関係や扶養関係が発生するため、死亡した子供を認知するか否かで大きな問題となることがあります

(胎児又は死亡した子の認知)

第七百八十三条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。

2 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。

引用:民法

また、その子供が成人している場合には子供本人の承諾が必要となります。父親と母親だけで認知を成立させることはできませんので注意しましょう。

(成年の子の認知)

第七百八十二条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。

引用:民法

強制認知

強制認知とは、任意に認知しない親に裁判所を通じて強制的に認知させることをいいます。主に父が親子関係を認めないとき、または父が死亡していたり病気していたりして認知できないときに利用されます。

(認知の訴え)

第七百八十七条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

引用:民法

死後認知

父親が亡くなった後で認知してほしいとなった場合、認知する方法には「父親の遺言による認知」と「死後の強制認知」の2つがあります。

遺言による認知は何か事情や問題があって生前に認知の届出ができなかった場合に行われます。認知の効力は遺言者の死亡時(遺言書の効力発生時)に発生しますので、父親の遺言に自分の子供として認知する旨が入っていれば親子関係が認められる余地があります。

(認知の方式)

第七百八十一条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。

2 認知は、遺言によっても、することができる。

引用:民法

しかし、遺言書だけで認知の手続きが完結するわけではありません。遺言による認知が成立するためには遺言執行者が認知届を提出する必要があるでしょう。

第六十四条 遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から十日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、第六十条又は第六十一条の規定に従つて、その届出をしなければならない。

引用:戸籍法

また、父親が認知しないまま亡くなった場合、死亡から3年以内であればその子供から認知を求める裁判を起こすことが可能です。本来は父親を被告として訴えますが、亡くなってしまった人間を被告にすることはできませんので、検察官を被告として訴えることになるでしょう。

認知のメリット

認知のメリット

子供を認知することで、出生のときに遡って法律上の親子関係が生じます。法律上で親子関係が認められるということは、親子としての権利義務関係が生じるということです。

上記から得られる子供のメリットを、以下で解説します。

養育費請求ができる

認知によってその子供に対して扶養義務が発生するため、一方の親に養育費を請求できるようになります。扶養義務がある限り、たとえ別居していようとも、養育費を負担しなくてはなりません。

(扶養義務者)

第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

引用:民法

なお、養育費の金額や支払い方法については、夫婦間での手続外での話し合いや家庭裁判所の調停・審判手続きによって決定されます。養育費は父親・母親の収入や、子供の人数や年齢など様々な要素から算出されます。

既に一方に家庭がある場合、話し合いがうまく進まずに交渉決裂となってしまうケースも少なくありません。無料相談を受け付けている法律相談所もありますから、法律の専門家である弁護士に、話し合いで注意するべき事項などを確認しておくとよいかもしれません

【関連記事】
【法改正版】養育費の相場と養育費増額の効果的な方法|養育費計算について解説
【令和版】養育費の相談先は内容によって異なる!市役所・弁護士など相談先を紹介

相続権が認められる

認知によって戸籍上の親子関係が成立します。したがって、父親に認知を請求する場合、もし、父親が亡くなったとしてもその子供には相続権が発生することになり、父親の遺産を受け取る権利を持つことになります。

なお、かつては同じ親から生まれたとしても嫡出子と非嫡出子で相続権において差が設けられていましたが、憲法違反であると最高裁によって判断されたため、平成25年9月5日以降の相続については嫡出子と非嫡出子で区別することなく同じ相続分となりました。

参考:法務省:民法の一部が改正されました

父親を親権者にできる

認知によって親子関係が生まれることになりますが、それによって親権(子供の監護や財産管理の権限)が生じるわけではなく、親権については父親と母親との協議で決定することになります。

認知によって親子関係が生まれていれば、認知した親を親権者として定めることができるでしょう。また、事情があって母親が親権者になることが困難な場合、父親を親権者と定めることができます。

【関連記事】

親権者とは親権を持つ人のこと|親権者に関するよくあるQ&A【弁護士監修】

父親が認知しない場合の対処法

「妊娠したが父親が認知してくれない」というケースは少なくありません。父親が認知しない場合には養育費や相続といった子供の利益に直結する権利が認められないことになりますので、適切な対応を取れるようにしておきましょう

以下、父親が認知しない場合の対処法を解説します。

話し合いの場を設ける

まずは、相手との話合いにより認知を求めることが通常でしょう。話合いを通じて出生する子と相手との間に親子関係があることを説明し、納得してもらい、認知してもらうという流れが常識的な対応と言えます

なお、認知の手続きは戸籍窓口にて認知届を提出します。万が一、特別な事情などによって父親がその子供を認知できない場合には、父親の遺言によって認知する方法もありますし、子供が裁判所に認知を求めることもできます。

(認知の方式)

第七百八十一条 認知は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによってする。

2 認知は、遺言によっても、することができる。

引用:民法

調停手続きを利用する

父親が話合いをしても認知に応じない場合、裁判所の手続きを利用することを検討せざるを得ません。具体的には、認知請求の調停手続きを申し立て、家庭裁判所の調停員を介して話合いを進めることになります。調停で認知する旨の合意が成立し、家庭裁判所の調査の結果、当該合意に正当性があると認められる場合には、合意に従った審判により認知が認められます。

他方、調停で話がまとまらなかった場合には調停は不調となり、終了します。この場合には、訴訟手続を通じて認知を求める以外に方法はありません。この裁判では父親と母親の関係、妊娠の経緯、並びにDNA鑑定の結果などで親子関係を立証し、親子関係が認められれば認知を認める判決が下されます。もし、父親とのDNA鑑定により父子関係があると認められれば、基本的には判決で父子関係が認められる可能性が高いでしょう。

【関連リンク】
認知調停を申し立てる方へ
認知調停 _ 裁判所

認知について弁護士に相談することも有効

認知弁護士相談

認知について弁護士に相談することも一つの手段であることを覚えておきましょう。調停や裁判など法的措置をとる場合には個人での対応には限界があることも多いため、法的知識を有する弁護士に依頼することが得策です。

また、認知の問題が発生した場合、個人で話し合いの場を設けること自体が困難なケースもあります。そのような場合には弁護士に依頼することで、円滑に交渉を進めることができるかもしれません。弁護士がつくことによって相手に心理的圧力をかけることも可能でしょう。父親が逃げ回って話し合いに応じない場合には、一度、弁護士に相談してみましょう。

まとめ

認知とは、未婚の状態で出生した子と親(基本的に父)との親子関係を成立させる行為です。認知をしない場合、法律的には子供には父親がいないことになります。

このような認知をめぐる状況や事情は人によって様々です。家庭問題に注力している弁護士に相談することによって有益なアドバイスをもらえるかもしれません。少しでも不安なことがあるならば、一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。

10秒で検索!離婚・男女問題が得意な弁護士を検索
お住まいの都道府県を選ぶ
お悩みの問題を選ぶ
弁護士を検索する
離婚弁護士への依頼に備える弁護士費用保険

離婚問題を弁護士依頼すると、事務所にもよりますが50~100万円ほどの弁護士費用がかかります。いざ弁護士が必要になったとき、弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。

そんなときに役立つのが弁護士費用保険メルシーです。

Cta_merci
  • 離婚したいけれども相手が応じず離婚できない
  • 養育費を払ってもらえなくなった
  • 不倫相手に慰謝料を請求したい

弁護士費用保険メルシーでは、このようなことが起き、弁護士へ解決を依頼したときの費用(着手金・報酬金)が補償されます。

離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題、相続トラブル等でも利用することができます。

保険料は月額2,500円。追加保険料0円で子供や両親も補償対象になります。

より詳しい内容について知りたい方は資料を取り寄せてみましょう。

弁護士費用保険メルシーに無料で資料請求する

KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

養育費に関する新着コラム

養育費に関する人気のコラム

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

養育費コラム一覧へ戻る