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「離婚調停を申し立てられたけど、離婚をしたくない」
上記のような悩みを抱える方に向けて、離婚の回避方法について解説します。
必ず離婚を避けられるわけではありませんが、回避できる可能性は高まります。
本記事を参考にして、夫婦関係を修復へ導きましょう。
離婚をしたくないのであれば、離婚調停で自分の意思を明確に伝えることが非常に重要です。
調停は話し合いの場であり、調停委員が離婚を決めるわけではありません。
しかし、調停委員はあなたと相手をつなぐ唯一の橋渡し役です。
調停委員の心証を良くし、離婚したくない旨を相手に伝えてもらうことで、離婚を回避できる可能性が高まります。
また、離婚勧告を受けないためには、「絶対に離婚しない」という強い決意を示しましょう。
初回から離婚しないと明言している当事者に対し、調停委員は通常、離婚を強く勧めません。
一方、「状況次第では離婚もやむを得ない」という態度を取ると、調停委員から離婚を勧められる可能性が高まります。
離婚をしたくないと考えている方にとっては、離婚調停自体が無駄に感じてしまうかもしれません。
しかし、離婚調停は離婚をしたくない側にとっても、以下2つの理由から重要といえます。
以下でそれぞれから得られるメリットについて解説します。
離婚調停において大切なのは、相手が離婚を求める理由を理解することです。
相手の気持ちを聞くことで、これまでのあなたの言動で問題となっていた点が明らかになります。
それを踏まえて、今後どのように行動を改善していくのかを伝えることが、離婚回避の第一歩となります。
パートナーが離婚を決意するには、そこに至るまでの積み重ねがあるため、すぐにあなたの言葉を信じてもらえないかもしれません。
それでも、根気強く伝え続けることが重要です。
調停と訴訟は別々の手続きであり、調停が不成立に終わっても自動的に訴訟に移行することはありません。
調停に提出した資料も、当然のことながら訴訟手続きに引き継がれることはありません。
しかし、裁判所によっては調停手続きと訴訟手続きを同じ裁判官が担当することがあります。
また、調停手続きで提出した書面や証拠が相手方から提出される可能性もあります。
このような場合、調停手続きでの主張と訴訟手続きでの主張に矛盾があると、裁判官に悪印象を与えてしまう恐れがあります。
そのため、調停手続きの段階から事実を正直に述べることが重要です。
調停による離婚を避けるためには、5つのポイントを意識した言動を心がけましょう。
反対に、上記のポイントをおさえておかないと、不利な立場になり離婚が認められてしまう可能性が高くなります。
以下で5つのポイントが重要な理由について解説します。
調停や夫婦の話し合いを無視することのデメリットは非常に大きいため、真摯に対応することが重要です。
離婚調停に正当な理由なく欠席することは、調停委員会からの印象を悪くするだけでなく、裁判に発展した場合に不利な立場に置かれる可能性があります。
さらに、裁判への出席も拒否すると、申立人の全面勝訴となり、離婚が成立してしまいます。
もし自分で対応するのが難しいと感じるのであれば、弁護士を代理人として自分の代わりに出席してもらうことも可能です。
離婚調停では、調停委員から数々の質問を投げかけられます。
この質問に対してしっかりと応答できないと不利になる可能性があるので、返答の準備をしておきましょう。
主に質問される内容と、どのような回答を用意すべきかについて、以下の表にまとめました。
主な質問 |
用意しておくべき回答 |
離婚の経緯や理由 |
・自分の態度に非がある場合は正直に伝える |
夫婦関係の修復可能性と現在の状況 |
・修復の意欲 |
財産分与や養育費などのお金に関すること |
・現在の財産状況や収入、支出について |
子どもの親権や面会交流について |
・子どもを最優先に考えていること |
上記の質問に対して何も考えていない状況では、夫婦関係の修復が望めないと判断される可能性があるので、必ず答えられるように準備をしておいてください。
離婚調停において、夫婦関係の修復を希望する場合、調停委員の共感を得ることが重要です。
調停委員の共感を得ることで、あなたの意見により耳を傾けてもらえるようになります。
たとえば、調停員に対して以下の内容を伝えると効果的です。
また、調停委員からの評価を高めるために、身だしなみや言葉遣いにも気を配りましょう。
離婚調停で意に反して離婚を申し立てられた場合、配偶者を責めるのは逆効果です。
配偶者を責めることで、調停委員から婚姻生活の辛さを理由に離婚を勧められる可能性があります。
また、相手の離婚したい気持ちが強まってしまう恐れもあります。
とくに、以下のような発言は、配偶者を責めている発言とみなされる可能性があるので注意しましょう。
調停の場では、配偶者の非を指摘するのではなく、自分の気持ちを伝えることに重点を置きましょう。
「離婚したくない理由」「夫婦関係を修復するために自分ができること」などを冷静に説明することが大切です。
法定離婚事由とは、民法第770条で定められている離婚の訴訟を提起できる5つの原因です。
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
これらの主張をされた場合に、反論をしておきましょう。
訴訟に発展した際に、調停での主張書面のやり取りが証拠として提出される可能性があるため、調停の段階で相手方に有利な証拠だけを残さないようにする必要があるからです。
たとえば、配偶者が「相手方の不貞行為」や「相手方からの暴力行為」を法定の離婚事由として主張してきた場合、それらの事実がないことを明確に反論しておく必要があります。
なお、反論の際には、具体的な説明や証拠を提示することで、自分の主張の正当性を示すことが大切です。
離婚の拒否を認めてもらいやすくするために、離婚したくない側が調停中におこなっておくべき対応についても知っておきましょう。
たとえば、以下の対応はおこなっておくべきです。
以下で、それぞれの対応をおこなっておくべき理由について解説します。
一方が離婚に同意していない場合でも、配偶者が勝手に離婚届を提出し、離婚手続きが進められてしまう事例があります。
このような事態を防ぐために、あらかじめ役所に離婚届に関する不受理申出書を提出しておくことをおすすめします。
たとえば、夫婦の一方が離婚に同意していないにもかかわらず、もう一方が役所に離婚届を提出してしまった場合、不受理申出書を事前に提出していれば、離婚届は受理されません。
不受理申出書を提出する際は、役所の戸籍担当窓口に行き、必要事項を記入した申出書を提出します。
ただし、配偶者が離婚訴訟を提起した場合は、不受理申出書の効力は及ばないため、注意が必要です。
夫婦関係が円満でなくなった場合、家庭裁判所の調停手続きを利用して、関係修復のための話し合いをすることができます。(円満調停)
円満調停では、当事者双方から事情を聞き、夫婦関係が円満でなくなった原因を特定し、各当事者がどのように努力すれば関係が改善するかを助言します。
ただし、離婚調停から関係を修復していくのは容易ではありません。
まずは、配偶者の離婚したい理由を確認し、修復の糸口を見つける必要があります。
夫婦関係を修復するためにも、離婚を拒否するためにも、カウンセラーに相談しておくことは大切です。
夫婦関係を修復するためにカウンセラーに相談するのは、自分の非を認めて努力をしているという事実となるからです。
調停委員に対しても良い印象を与えられます。
離婚を望まない場合、別居期間が長期化することで、法定の離婚事由である「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとみなされ、離婚訴訟で不利になる可能性があります。
そのため、冷静に話し合うための短期間の別居であっても、早めに同居を再開することが重要です。
長期間の別居は、夫婦関係の破綻を示す証拠となり得ます。
特に、別居中に夫婦間の交流がない場合、婚姻関係を継続することが難しいと判断される可能性が高くなります。
別居期間が長引くほど、夫婦関係の修復が難しいと判断される可能性が高くなるので、夫婦で話し合いをおこない、早めに同居を再開するようにしましょう。
調停で離婚を拒否するためには、弁護士への依頼も検討しましょう。
弁護士に依頼することで、以下3つのメリットを得られます。
実際に弁護士がどのようなサポートをしてくれるのか、以下で解説します。
弁護士は状況に応じて証拠をまとめ、良い結果に繋がるように活動してくれるため、離婚を防げる可能性が高まります。
また、調停委員が法律的に間違ったことを言ったり、ミスリードしたりする場合も、弁護士がフォローしてくれます。
弁護士は、あなたの立場に立って、証拠収集、交渉、調停委員へのアプローチなどをおこなってくれるので、離婚を防ぐために有利に働く可能性が高いといえるでしょう。
弁護士を代理人とすることで、本人が出席できない場合でも弁護士のみで調停に出席できます。
ただし、和解が成立する回など、当事者の出席が求められる場合もあるため、弁護士とよく相談した上で欠席について決めておきましょう。
また、弁護士は本人の主張を整理して説得力のある形で伝えてくれます。
本人が感情的になりやすい場面も弁護士が冷静に対応してくれるので、調停を有利に進められる可能性が高くなります。
弁護士に依頼することで、調停での主張の仕方や裁判所への出向きに対する不安を和らげ、調停において精神的な支えとなってくれます。
友人に相談するのとは異なり、弁護士は的確なアドバイスをしてくれるので、より心強いパートナーとして安心できるでしょう。
とくに調停では、初対面の調停委員に自分の主張を論理的に説明しなければならず、それ自体がストレスになる方も少なくありません。
弁護士に同席してもらえれば、心理的な安心感だけではなく、冷静な対応でサポートしてくれます。
離婚をしたくない場合には、調停中の生活にも気を付けなければなりません。
ふとした行動が、調停の有利不利に関わってくるからです。
以下でとくに気を付けるべき行動を解説するので、必ず守ってください。
離婚調停中に配偶者以外の異性と交際や同棲をすることは避けてください。
婚姻関係が明らかに破綻していない状況で、ほかの異性と交際等をおこなうと不貞行為と判断され、離婚請求が認められてしまったり、慰謝料を請求されたりする可能性があります。
たとえば、夫婦が別居しておらず、一方が離婚に同意していない状況で、もう一方が別の異性と交際を始めたとします。
この場合、交際を始めた側は不貞行為をおこなったとみなされ、有責配偶者となります。
万が一、調停中に新しい交際相手ができた場合は、弁護士に相談し、適切な対応方法を検討しましょう。
配偶者の意見や気持ちを無視して、暴力や暴言を用いて離婚を阻止しようとする行為は絶対にしないでください。
配偶者の言い分を聞かずに、感情的になって暴言を吐いたり、暴力を振るったりすることは、問題解決にはつながりません。
また、暴力を振るった場合、逆に「暴力を振るわれた」と法定の離婚事由として主張される可能性もあります。
夫婦関係の修復を目指すのであれば、一方的に我慢を強いる結果ではなく、双方の話し合いによる問題解決を目指しましょう。
離婚調停を申し立てられた場合、できるだけ早い段階で弁護士に相談しましょう。
弁護士の助言を受けることで、あなたの主張を調停委員に正しく理解してもらい、希望する条件での解決を目指せます。
離婚調停はこれからの未来を大きく変える手続きですから、後悔しないようにできるだけ早く弁護士に依頼してください。
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