離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
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配偶者に不倫をされたら「許せない」と感じる方が多いでしょう。
しかし、一方で「不倫や浮気を許す」という方も一定数います。
株式会社アルグリットが全国の男女200人におこなったアンケート調査では「浮気を許す」と回答した方が32%でした。
しかし、恋人関係の浮気と、婚姻関係にある不倫ではことの重大さが異なります。
本記事では、配偶者が不倫して許す場合のメリット・デメリットや、許さない場合に何をするべきかについて解説します。
不倫をされたら、ほとんどの場合「許せない」と感じるでしょう。
配偶者による裏切りであるため、許せない感情になるのが当然です。
しかし、感情だけではなく一度冷静に考えてみてください。
不倫を許すことによる以下のメリットもあります。
不倫を許すことで、生活水準を下げずにこれまでと同等の生活をおくれます。
共働きや配偶者の収入で生活が成り立っていた場合、離婚することによって生活水準が下がってしまうケースがほとんどです。
とくに子どもがいる家庭の場合、生活水準が下がってしまうことによりデメリットも多いでしょう。
「子どものため」「生活のため」と割り切って不倫を許すのもひとつの考え方です。
不倫を許してあげることで、しばらくの間は配偶者より有利な立場になりやすいです。
不倫をした側は引け目を感じた状態で「許してもらえた」という前提があるため、これまでよりも誠心誠意尽くしてくれる可能性があります。
ただし、長期的に続く感情ではないので、一時的なメリットといえます。
また、あまりにも関係性に差ができると、夫婦関係自体が崩れてしまうリスクがあります。
子どもの主たる監護者が不倫をした場合、離婚してしまうと、不倫をした配偶者に子どもの親権を失い、子どもと一緒に暮らせなくなるリスクが大きいです。
「子どもの親権を失いたくない」、「子どもと一緒に暮らし続けたい」と割り切って不倫を許すのもひとつの考え方です。
不倫を許さない結果離婚をする場合には、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産の半分を分与する必要があります。
その財産の価額によっては、不倫に対する慰謝料として配偶者から受ける額よりも、財産分与として不倫をした配偶者に支払う金額のほうが高いという事態になる可能性もあります。
不倫をした配偶者の中には、後ろめたい気持ちから財産分与は受け取らないという方もいますが、そうでない方も多く、不倫を許さないほうが経済的にデメリットとなることがあります。
そのため、経済的なメリットを考えて不倫を許すのもひとつの考え方です。
不倫を許すメリットもありますが、当然デメリットもあります。
主なデメリットは、以下の3つです。
メリットとデメリットを比較しながら、不倫を許すべきかどうかを検討しましょう。
不倫を許してこれまでと同じような生活になる可能性もありますが、反対に関係性が悪化するケースもあります。
不倫をされた側からすれば一度信用を裏切られているので、これまでのように配偶者を信用することができなくなってしまうでしょう。
また、ほかの異性と関係をもったという事実から、配偶者に対して嫌悪感を抱いてしまうケースもあります。
夫婦関係を修復できずに険悪な関係のまま共同生活を続けるのは精神的に苦しいものとなることが予想されます。
不倫を許したとしても、不倫された側の心の傷が癒されるわけではありません。
もし配偶者に嫌悪感を抱くようになってしまえば、嫌いな人と生活をしたり嫌いな人のために家事をしなければならなかったり、精神的ストレスを感じてしまうでしょう。
また、何をするにも「相手は一度不倫している」という記憶がよぎってしまい、穏やか生活をおくることが難しくなります。
不倫を許すことの最大のデメリットは、再度不倫をしてしまう可能性がある点です。
不倫を許すことで心から反省する方もいる一方で、「許してもらえる」とつけあがってしまうタイプもいます。
また、どれだけ反省していても、時間の経過とともに反省の気持ちが薄れてしまうケースもあるでしょう。
不倫を許す決断をされたのであれば、再発を防ぐ方法を考えなければいけません。
ただ許してしまうだけでは、今後も絶対に不倫しないとは言い切れないからです。
そのため、不倫を許すのであれば、以下の方法で再発を防ぐようにしましょう。
不倫を許すのであれば、まずはしっかり夫婦間で話し合いをおこないましょう。
わだかまりを抱えたままや、相手の反省が見えないままで不倫を許してしまうと、再発の可能性があります。
とくに話し合っておくべき内容は、以下の4つです。
ただし、これらはあくまで話し合いです。
相手を追及したり責めたりする雰囲気になってしまうと、相手の本音を聞けません。
お互いに冷静な感情で、ひとつひとつのわだかまりを解消しましょう。
不倫をした配偶者がどれだけ反省していても、二度と不倫をしないとは限りません。
一度でも不倫をしてしまった限りは、どれだけ口で「もうしない」と言っても信用できないでしょう。
そのため、不倫を許す場合には、次に不倫をしてしまった場合のペナルティを考えておくとよいです。
など、不倫の程度によっても異なりますが、何かしらのペナルティやルールを考えておき、合意書や公正証書として書面で残しておきましょう。
不倫を許さない場合は、離婚や慰謝料請求という形で対応するのが一般的です。
ただし、慰謝料を請求する場合においては、「離婚せずに慰謝料請求する」「離婚をして慰謝料請求する」の2つがあります。
また、配偶者ではなく、不倫相手へ慰謝料請求をする方法も考えられます。
それぞれの方法について解説するので、不倫を許さない場合にどの方法をとるか検討しましょう。
不倫が原因で「もう一緒に生活をしたくない」と考えるのであれば、離婚したうえで慰謝料請求をおこないましょう。
後述しますが、慰謝料請求自体は離婚しなくても可能です。
しかし、離婚した場合のほうが、より高額な慰謝料を期待できます。
不倫が原因で離婚した場合の慰謝料は、具体的事情や交渉によって異なりますが、求償権放棄を前提とせず、かつ、弁護士に依頼した場合には、おおよそ200万~300万円程度です。
不倫による配偶者への慰謝料請求は、離婚していなくても可能です。
不倫の慰謝料請求は、「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害する行為であるため、離婚しているかどうかは無関係になります。
ただし、先述したように、離婚しない場合の慰謝料相場は離婚した場合より低いです。
具体的事情や交渉によって異なりますが、求償権放棄を前提とせず、かつ、弁護士に依頼した場合には、おおよそ50万~150万円程度になります。
不倫をした配偶者ではなく、不倫相手に慰謝料を請求することもできます。
不倫相手も、配偶者と同様で貞操権という権利を侵害したことになるためです。
ただし、不倫相手に慰謝料請求をおこなう場合は、以下の条件を満たしていなければいけません。
上記の条件を満たしていない場合は、不倫相手に慰謝料請求するのは困難です。
とくに配偶者が「結婚していない」と嘘をついた場合、その点に疑義を抱くような事情を不倫相手が把握していない限り、不倫相手には落ち度がないとみなされてしまうケースが多いです。
また「不倫(不貞行為)」は、法令上は定義されていませんが、一般的には「配偶者がいるにもかかわらず自己の自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性的関係(必ずしも性器の挿入を伴う性行為に限られない。)を結ぶこと」と理解されているため、ハグやデートでは、法律上、基本的には不倫(不貞行為)に該当せず損害賠償請求の対象とならないと考えられています。
不倫を許せずに「離婚したい」と言っても、配偶者が「離婚したくない」と言うケースがあります。このような場合、なかなかスムーズに決着のつくものではありません。
いくら話し合いを重ねても離婚に応じないのであれば、法律の観点から考えていく必要があります。法律の観点から考えた場合、不倫による離婚については、民法で以下のように規定されています。
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。引用元: e-Gov法令検索|民法
しかし、不倫があればそれだけで離婚を認めるという規定ではありません。
同法では、以下のようにも定めています。
裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
引用元: e-Gov法令検索|民法
つまり、離婚をする場合は、離婚が原因で今後の生活には戻れない状態であるという証拠や事実が必要になるのです。
以下では、実際にどのように離婚を進めていくか、解説します。
まずは当事者間で離婚について協議しましょう。
協議して決めるべき事項は、以下の3つです。
離婚や親権者については、比較的スムーズにまとまる傾向にあります。
しかし、金銭関係は、財産分与・慰謝料・養育費などが含まれる複雑な問題なので、第三者の専門家を入れるなどを検討してもよいでしょう。
また、ある程度話がまとまったのであれば、必ず文書に残しておいてください。
公正証書を作成しておけば、離婚後に未払いがあった場合に、給与などを差し押さえられます。
当事者間での話し合いがまとまらない場合は、離婚調停に移ります。
原則として、調停を挟まずに訴訟はできません。
離婚調停では、家庭裁判所にて裁判所の調停員が仲介しながら話を進めます。
調停で協議がまとまれば、裁判官が調停調書という書面を作成してくれます。
この調停調書は、確定判決と同等の法的効力のある書面です。
離婚調停でも合意が得られない場合は、裁判に移ります。
話し合いではなく、争いになるので、不貞行為の事実や夫婦関係の維持が難しいということについて証拠を示して立証していかなければいけません。
このときには、不倫の証拠が重要になるので、離婚を考えだした時点から証拠を集めておくとよいでしょう。
ただし、不倫の証拠集めや訴訟などは、正しい法律の知識が必要になります。
そのため、自分一人で訴訟をおこなうのではなく、弁護士などの専門家に依頼しましょう。
不倫を許さずに慰謝料を請求したい場合は、不倫をした配偶者にも不倫相手にも慰謝料を請求できます。
配偶者への慰謝料請求は離婚の流れのなかでおこなわれるので、以下は不倫相手に慰謝料を請求する流れについて解説します。
まずは不倫相手と配偶者が不倫していたことを証明する証拠が必要です。
手元に何もないままだとシラを切られてしまう可能性があるので、必ず不倫の証拠を残しておきましょう。
主に以下の証拠があると不倫の証拠として認められやすいです。
どうしても自分だけで証拠を集めるのが困難な場合は、探偵に依頼することも検討してみましょう。
有力な証拠を集めたら、不倫相手と交渉をおこないます。
交渉の方法は書面と口頭に分かれますが、まずは内容証明郵便を送ってみましょう。
内容証明郵便で相手方が合意しない場合には、引き続き文書・メール・チャット・電話等での非対面での話し合いをおこなってください。
直接対面しての話し合いでは、後日、不倫相手から「脅された」「無理やり書面を書かされた」などとして、合意の取消しなどをされてしまう可能性が非対面の場合に比べて高く、そのリスクを極力低くするためです。
また、その場の雰囲気に流されて不利な内容で合意しないためにも非対面での話し合いを推奨します。
話し合いで相手方が事実を認めて合意したら、示談書を作成しましょう。
場合によっては公正証書も作成することが望ましいです。
示談書には、主に以下の内容を記載します。
公正証書は、不倫相手が慰謝料の支払いを怠った場合に強制執行できる権利をもたせることができるものなので、相手方による金銭の支払に不安がある場合は、示談書とあわせて作成することが望ましいです。
話し合いで合意が得られない場合は、裁判にて手続きをおこないます。
裁判ではあなたの主張や不倫相手の反論、不倫の証拠などを示して客観的に判断してもらいます。
そのため、正しい法律的な知識や強い証拠が必要です。
自分だけでも裁判はおこなえますが、納得のいく慰謝料を請求するためにも、弁護士への依頼をおすすめします。
不倫の慰謝料相場については、個別具体的な事情によって判断されます。
そのため、一概にどのくらいの慰謝料になるとは言い切れません。
また、不倫発覚後に離婚するかどうかでも慰謝料の額は変わります。
不倫相手に慰謝料を請求するうえで注意しなければならないのは、不倫相手も既婚者であった場合のダブル不倫です。
ダブル不倫の場合、相手の配偶者はあなたと同じ状況に立たされます。
つまり、相手があなたの配偶者に対して慰謝料を請求してくる可能性があるのです。
もちろん慰謝料を支払うのはあなた自身ではありませんが、婚姻関係にある以上は、夫婦の共有財産から支払う形になります。
このような場合は、お互いに慰謝料を支払う形となり、相殺のような状態となるケースがあります。
不倫を許さない場合は、一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。
ただし、不倫発覚後にどのような行動をとるかによって、相談先は異なります。
以下で、頼るべき相談先を3つ紹介します。
不倫の証拠を見つけるなら、探偵に相談しましょう。
「不倫をしているかもしれない」と思っても、決定的な証拠を見つけるのは困難です。
メッセージのやり取りのような少し怪しい程度の証拠では、証拠と認められないケースもあります。
探偵に依頼すれば、不倫相手と二人でホテルに入る様子など、動かぬ証拠を見つけてくれるでしょう。
ただし、探偵費用をかけすぎた結果、合意又は判決で認容された慰謝料等の額の大半が探偵費用となってしまう事案も散見されます。
そのため、おおむね50万円を超える程度の探偵費用をかける場合には本当に必要な探偵費用なのかについて慎重に検討しましょう。
不倫を許すべきか悩んでいたり、つらい気持ちを誰かに話したかったりする場合は、不倫カウンセリングに相談しましょう。
不倫カウンセリングは、不倫をした側・された側、どちらの相談にものってくれます。
不倫の決定的な証拠を押さえたい・夫婦関係を解消したい、などの相談にものってくれるので、気軽に相談したい場合におすすめです。
不倫での慰謝料や離婚を進めていくなら、弁護士に依頼しましょう。
慰謝料請求も離婚も自分だけでも話をすすめていけますが、夫婦間での問題であり、感情も入ってしまうため、話がこじれてしまうケースがあります。
弁護士に依頼すれば、冷静に法的な観点で話をまとめてくれます。
また、調停や訴訟に至った場合においても、書類の作成から裁判までを任せられます。
配偶者の不倫が発覚した場合、許すべきかどうか、どちらが一概によいとは言い切れません。
配偶者や不倫相手、家庭の状況によっても答えは異なるでしょう。
もし許すのであれば、配偶者が再度不倫をしないように徹底的に話し合う必要があります。
もし許さずに慰謝料や離婚を請求するのであれば、専門家に相談したほうがよいです。
また、不倫を許して婚姻関係を続ける場合でも慰謝料の請求はできます。
いくつかの選択肢があるので、あなたがもっとも納得できる選択をしてください。
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