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離婚慰謝料を払わない方法とそのリスク|合法的に減額・分割にする方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
離婚慰謝料を払わない方法とそのリスク|合法的に減額・分割にする方法
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不倫DVモラハラなどを理由に、高額な離婚慰謝料請求をされたとき、相手の言うままに支払う必要はありません相手の請求に根拠がなければ支払う必要はありませんし、仮に支払うとしても金額交渉の余地は十分にあります。

この記事では、離婚慰謝料を払わずに済む方法に加え、減額してもらう方法免除してもらう方法について詳しく解説します。

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この記事に記載の情報は2023年12月01日時点のものです

離婚慰謝料を払わない方法

相手から慰謝料請求されても、必ず従わねばならないものではありません。まずは慰謝料がどのような場合に請求可能であるのかを説明します。慰謝料の合意前と合意後で方法が異なるので、分けて見ていきましょう。

慰謝料の合意前

慰謝料が発生しないことを指摘する

相手から慰謝料請求されたとき、相手の言い分に法的な理由がないケースがあります。たとえば離婚原因が性格の不一致や義理家族との不和などの場合、通常はそれだけで慰謝料請求は困難です。そのようなときには「慰謝料が発生しない」と言って拒絶していれば、払わずに済みます。

証拠がないことを指摘する

次に相手の根拠が薄弱なことを指摘する方法があります。たとえば「不倫している」と言われても、相手の主張が証拠に基づくものではない場合、やはり慰謝料請求は困難でしょう。この場合は不倫の事実を否定して慰謝料の支払いを拒否するのが通常です。

慰謝料の合意後

免除してもらう

いったん慰謝料について払う合意をしてしまったら、免れるのは簡単ではないでしょう。特に、私人間の話し合いで合意した場合には強制執行されることはありませんが、合意書を作成してご自身の名前を署名したような場合にはその後裁判になった時に合意書が証拠材料になる可能性が高いため、注意しなければなりません。

まずは相手と話し合い、免除してもらう方法があります。ただし説得するのに相当な労力が必要でしょうし、相手がYesと言わない限り免除されることはありません。

自己破産する

自己破産をした場合、慰謝料請求権も免責される可能性があります。しかし、慰謝料発生原因が悪質である場合(例えばDVなどの暴力による場合)は、自己破産をしても免責とならない可能性があります。

離婚慰謝料を払わない場合のリスク

もしも約束した離婚慰謝料を支払わずに放置していると、以下のようなリスクがあります。

差し押さえされる可能性がある

離婚慰謝料の支払いを「公正証書」によって約束していた場合、あなたの資産や給料などが裁判手続によらずに差し押さえられる可能性があります。

公正証書で「強制執行認諾条項」を入れていると、裁判や調停をしなくても即刻差し押さえができることになっているからです。

差押えの対象になるのは、以下のようなものです。

  • 給料、ボーナス、退職金
  • 不動産
  • 預貯金
  • 生命保険
  • 宝飾品やアクセサリーなどの動産類

相手が慰謝料請求訴訟を申し立ててくる可能性がある

慰謝料の支払を公正証書で約束していなかった場合には、相手があなたに対し、慰謝料請求訴訟を申し立ててくる可能性があります。これは、相手の慰謝料請求権を確定するための裁判です。

相手が慰謝料の発生原因(不貞の事実やDVの事実など)を立証したら、裁判官があなたに対して支払い命令の判決を出します。すると相手はその判決を使ってあなたの資産や給料等を差し押さえて回収できることになります。

このように、慰謝料を支払わずに放置していると、最終的には預貯金や給料などを差し押さえられてしまい、大変な不利益が及びます。払いたくないとしても放置すべきではありません。

離婚慰謝料を減額してもらう方法と手順

①話し合いをする

いったん決まった離婚慰謝料を減額してもらうには、相手と話し合いをして納得してもらう必要があります。取り決めをしている以上、あなたの都合だけで一方的に減額することはできないからです。

話し合いの際には、どうして減額が必要なのか、減額してもらえないとどうなるのかなど説得的な説明が必要です。

たとえば「このままだと慰謝料を一切支払えず自己破産するしかない。そうなったら妻に一円も慰謝料が入ってこなくなるから、支払える現実的な金額に減額してほしい」などと現状の収支状況を開示して説得する必要があるでしょう。

②弁護士を入れて話し合う

自分では相手を説得できない場合、弁護士を間に挟んで解決する方法が考えられます。弁護士から理論的に慰謝料を減額すべき理由について説明されると、相手も納得して減額に応じやすくなります。

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③自己破産する

どうしても相手が納得せず、強硬に差押えなどを申し立ててくるケースでは、最終的に自己破産するしかありません。そうなると、相手に一円も慰謝料が入らなくなるので、できれば破産前に話し合って解決できるのがベターです。

離婚慰謝料を分割で支払う方法と手順

次に、離婚慰謝料を分割で支払うためにはどうすべきかを見てみましょう。

①話し合う

慰謝料を分割で払う方法も、基本的には減額してもらう方法と同じです。まずは自分で相手に話し合いを申し入れて、現状を説明し、一括払いが難しいことを理解してもらいましょう。その上で分割払いの条件について交渉をして合意します。

②弁護士を入れて話し合う

自分で話し合いをしても相手が分割払いに応じない場合には、弁護士を入れて話し合いをしましょう。第三者が入ることにより、相手も現状を客観的に捉えられて無理な条件に固執しなくなる可能性があります。

③合意書を作成する

分割払いの方法に合意ができれば合意書を作成し、減額されたことを明らかにしておくべきです。その後は約束した通りに分割で支払いを継続しましょう。

相手との交渉を弁護士に依頼するメリット

減額や分割払いにしてもらう方法としてご紹介したように、弁護士に交渉を依頼するとさまざまなメリットがあります。

相手が冷静になって減額や分割払いに応じやすい

慰謝料を請求されている本人が「慰謝料を減額してほしい」と言ってきたら、言われた側は感情的になって「絶対に減額しない」と強硬になってしまうケースも多々あります。

第三者である弁護士が間に入れば、相手も冷静に対処できるので、慰謝料の減額や分割払いに応じてもらいやすくなります。

相手を説得できる

弁護士は交渉のプロですから、素人より説得的な論理展開ができます。相手に対し「なぜ減額や分割払いが必要か」「受け入れるとどのようなメリットがあるのか」を説明できるので、あなたが自分で交渉をするよりも合意しやすくなるでしょう。

適切な選択ができる

相手と慰謝料についての話し合いを進めていくなかで、必ず「決断」「選択」すべき場面が出てきます。相手による提案を受け入れるべきか、再反論すべきかどうか、どのような反論や提案をするのがよいかなどの戦略的な要素です。

誤った選択をすると大きな不利益を受ける危険性もあるため、こういった判断を自分一人でするのは高リスクです。弁護士に依頼していれば適切な選択ができるので、思わぬ不利益を避けられます。

精神的に楽になる

自分で慰謝料の減額交渉をすると、相手から責められて強いストレスがかかります。人でなしのように言われるかもしれませんし、冷酷な対応をされる可能性も大いにあります。弁護士に依頼すると、相手と話をしなくて済むので、精神的に楽になります。

弁護士に依頼した場合の費用

減額や分割などの交渉を弁護士に依頼した場合の費用についても見ていきましょう。

相談料

弁護士に慰謝料トラブルについて相談をしたときにかかる相談料の相場は30分5,000円程度ですが、無料で相談に乗ってもらえる法律事務所も増えています。

着手金

弁護士に交渉を依頼すると、当初に着手金として10~20万円程度必要です。

報酬金

減額できた金額の10~20%程度が報酬金となります。例えば、100万円減額されて報酬金の割合が10%だった場合、10万円を報酬金として支払う必要があります。

弁護士費用を安く抑えるには

慰謝料減額の弁護士費用を安く抑えるには、ずばり複数の弁護士事務所の費用を比較する方法をおすすめします。

弁護士費用には「相場」の金額がありますが、実際にかかる費用は依頼する事務所によって大きく異なるからです。複数の事務所から見積もりを出してもらい、最も安くなりそうな事務所に依頼しましょう。

弁護士事務所から見積もりを取るには「無料相談」を上手に利用しましょう。離婚トラブルや男女問題の無料相談を実施しているいくつかの事務所へ相談に行き、費用の安い事務所や支払方法に関して柔軟に対応してもらえる事務所を選びましょう。

ただし弁護士を選ぶときには、費用だけではなく弁護士の対応も重要です。相談してみた印象で「信頼できる」と感じられる人を選びましょう。

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まとめ

いったん約束した離婚慰謝料を減額してもらうのは簡単なことではありません。慰謝料を支払わないと差し押さえになる可能性や、裁判を起こされる可能性があります。

ただし、交渉によって減額することは可能です。自分で交渉するには大きなストレスがかかりますし、交渉が失敗する恐れもありますので、早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

いくつかの事務所で相談をして、もっとも費用対効果の高そうなリーズナブルな弁護士事務所を探してみてください。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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