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公開日:2016.3.8  更新日:2021.6.4

財産分与で相場以上を獲得する方法と請求手順まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
Re zaisanbunnyo
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財産分与(ざいさんぶんよ)とは、婚姻中に夫婦で協力して築き上げた財産を夫婦の貢献度に応じて分配することを言い、婚姻以前あるいは相続時の財産でも、所有財産は当事者の一切の事情を考慮して分配されます。
財産分与の請求権は法律に守られた権利ですので、配偶者に「1円も渡さない」「財産分与はなし」と言われた場合でも、法的手段を取ることで獲得することが可能です。
また、財産分与は離婚後も請求できますが、二年で請求権の時効が訪れますので、離婚のタイミングでしっかりと話し合いをしておく必要があります。そこで今回は、離婚時の財産分与の相場や、請求する為の手順などを解説していきます。

この記事に記載の情報は2021年06月04日時点のものです

財産分与の対象となる財産とは

財産分与では離婚中手に入れた財産すべてが対象になるわけではありません。ここでは、財産分与の対処になる財産・ならない財産について紹介します。

財産分与の対象になる財産一覧

婚姻中に夫婦の協力によって形成・維持されてきた財産であれば、すべて財産分与の対象になります。 
具体的には以下のようなものが対象になります。

  • 現金

  • 不動産

  • 有価証券

  • 高価な美術品・貴金属

  • 構成年金

  • 退職金

  • 夫婦の片方の名義になっている車

  • 保険解約返戻金 など

財産分与の対象財産は、原則として「別居時」を基準に計算されるため、離婚前であっても別居後に取得した財産は、財産分与の対象にはならないと考えられています。

ただし、別居後に婚姻期間中に加入していた保険解約返戻金を受け取った場合、婚姻開始から別居開始までに支払った分は財産分与の対象になるので注意しましょう。

財産分与の対象にならない財産一覧

婚姻前から片方が有していた財産」と「婚姻中、夫婦の協力とは無関係に取得した財産」を特有財産と言い、以下のようなものが該当します。
 

  • 結婚前に個人的に貯めていたお金

  • 結婚時に実家から持ってきた家具家電

  • 個人的に購入した有価証券(株券、社債など)

  • 自分の親から相続した財産(現金、不動産など)

  • 洋服や化粧品などの個人的な持ち物 など

ただし、特有財産でも婚姻後に夫婦が協力して維持されたと判断される場合や、価値が増加には配偶者の貢献があったといえる場合には、貢献割合に応じて財産分与の対象になる場合もあります。

負債・借金(住宅ローン)の扱い

基本的には借金や負債も財産分与の対象になるとされています。夫婦で自宅をもっている場合や、住宅ローンが残っている場合は、自宅の価格からローンの残額を引くという形で考慮されます。
 
とはいえ、財産分与から考慮される(分けなくても良い)借金もあります。
 

財産分与の対象

  • 夫婦の共同生活のために負った借金
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 教育ローン など
     

財産分与の対象外

  • 個人的な買い物による借金
  • ギャンブルで浪費した借金

財産分与の対象になるか状況で変わるもの

配偶者名義の預金

配偶者名義の預金が結婚前からの場合は財産分与の対象にはなりません。

しかし、結婚後の生活費のほとんどをもう一方の配偶者が負担したことで、結婚前に貯めた預金が減らずに済んだ場合は、財産分与の対象になります。


ただ、結婚しても双方に収入があり、生活費をそれぞれが負担していた場合、自分の預金は自分の財産と考えることもできます。

財産分与に際しては名義人だけで判断せず、実際の出費を考慮して考えましょう。
 

入籍前の同棲期間中の財産

同棲期間中に二人で貯めた財産については、財産分与の対象になります。夫婦関係の実態がある限り、内縁関係でも財産分与は認められます。つまり、入籍したかどうかは関係ありません。

へそくりなどのタンス預金

へそくりも、夫婦共同生活のための預貯金と同じですので、財産分与の対象になります。

ただし、浪費癖があるのに対して、妻が切り詰めて貯めたような場合には、妻の特有財産と認められる可能性もあります。
 

両親に出してもらったお金

結婚前から所有または親族からの相続・贈与によって得た財産は財産分与の対象にはなりません。

しかし、結婚資金や住宅購入資金として贈与された物に関しては、夫婦の共有財産になります。 

財産分与で獲得できる割合と分割方法

財産分与はどのような割合で分割すればいいのでしょうか。ここでは、財産分与の分割方法について紹介します。

財産分与は原則2分の1で分割する

原則は2分の1ですが、財産の形成や維持にどちらがどの程度貢献したのかという点に着目して決めていくのが公平性を期す意味でも妥当ですし、具体的な家庭の状況も異なるため、割合が修正されることもあります。


たとえば、夫婦の片方の「特殊な努力や能力(株の読みが良かった、宝くじで当てたなど)」によって高額な資産形成ができた場合には、その特殊な努力等を考慮して財産分与の割合が修正されることもあります。

ただし、専業主婦(主婦)を理由に減額修正することはできません。

夫婦が共働きの場合の財産分与

共働きの場合は、財産分与の割合は2分の1になります。

夫婦の年収の差で修正するケースもありますが、一方が役員などの特殊なケース以外では修正することで不公平を生みトラブルの原因を作りかねません。

専業主婦(主夫)の場合の財産分与

専業主婦(主夫)であっても、原則は2分の1です。これは、一方が問題なく就労できたのは、配偶者が家事や育児を行い家庭を支えてきたと考えられるからです。

「1円も渡さない」と言われた場合でも不安になる必要はありません。財産分与は拒否できるものではありませんので、最終的に法的手続き利用すれば相手は支払わざるを得なくなります。

婚姻期間別にみる財産分与の相場

一般的に婚姻期間が長くなればなるほど、共有財産が増え財産分与の相場も高くなる傾向があります。

令和元年の財産分与調停では、婚姻期間ごとに以下のような金額で離婚が成立しました。

婚姻期間別、財産分与の相場

(参考:令和元年司法統計)

上図を見ると、婚姻期間が5年未満まで100万円以下の財産分与で話がまとまるケースが40%以上を占めていましたが、婚姻期間が長くなるにつれ、2,000万円を超えるケースも増えています。

ただし、財産分与はあくまで夫婦の共有財産から捻出されるため、貯金がほとんどない夫婦であれば婚姻期間が長いケースでも100万円以下でまとまる可能性もあるため、婚姻年齢が長いからと言って必ずしも多くもらえるわけではありません。離婚する前に夫婦の財産をよく確認しましょう。

離婚による財産分与を獲得する流れ

ここでは財産分与の流れと3つの方法について紹介します。

1:夫婦での話し合いで決める

離婚に関しては、基本的に法的手続きを取る前に話し合いによる解決が求められています。

そのため、まずは夫婦で話し合い財産分与について決めます。話し合いは準備も含め以下のように進めましょう。

①共有財産のリストアップ

財産分与をする際に、まずどのくらい財産や負債があるのかを把握しておくことが重要です。

配偶者の退職金や厚生年金も対象になるため、受給がもうすぐの場合はいくらもらえるのか把握しておきましょう。

また、負債やローン残高についても確認しておきます。もし、配偶者の退職金などでローンを完済使用としている場合、完済した方がお得か・完済せずに財産分与した方がお得かを比較しておくことが重要です。

なお配偶者が財産を隠している可能性がある場合、弁護士に相談し財産調査を行ってもらうことをおすすめします。

②共有財産の保全

共有財産が把握できたら、それを使い込まれないように保全する必要があります。預貯金やカードは確保しておきましょう。

③共有財産の総額を計算する(すべて時価で計算する)

不動産や車、有価証券など時価で計算します。持ち家が財産分与の対象になる場合、鑑定を行ってもらいましょう。

④欲しい財産に優先順位をつける

今後の生活も考えどの財産を優先的に確保しておきたいかを考えておきましょう。車がないと仕事にならない場合は、車を優先的に受け取れるよう対応する必要があります。

これを決めておくことで話し合いの際に、諦めるべきものと確実に受け取りたいものがはっきりさせることができます。

⑤書面にメモしながら話し合いを行う

直接話し合いができれば問題はないのですが、別居している場合などはメールやLINE、手紙などの文面が残る形でやり取りをしましょう。
後から「そんなことは言っていない」と主張されていても、文面の証拠が残っていれば裁判になった場合も有利に進めることが可能です。

話し合いの際にも、メモを残しておくことをおすすめします。

また、話し合いの際、どうしてもまとまらないのであれば弁護士に代理交渉してもらうことも可能です。

財産リストを持参の上、弁護士への無料相談をおすすめします。

2:話し合いで解決しない場合は離婚調停で決める

話し合いで財産分与を決められない場合は離婚調停(財産分与請求調停)で解決を図ることになります。
 

1:申し立てに必要な書類を用意する

□申立書(財産目録を含む。)3通
□ 事情説明書1通
□ 連絡先等の届出書1通
□ 進行に関する照会回答書1通
□ 離婚時の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
□ 不動産登記事項証明書,固定資産評価証明書各1通
※不動産がある場合
 

2:申し立てに必要な費用

□ 収入印紙・・1200円
□ 連絡用の郵便切手:約680円分
 

3:申し立て先

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所。ただし、申立書と共に管轄合意書を提出する場合は、その家庭裁判所でも調停をすることができます。
参考:財産分与について調停で争う時のコツと申し立ての手順

3:調停が成立しない場合は離婚裁判で決める

財産分与請求調停でも決着がつかない場合は、裁判を申し立てることになります。
基本的に離婚の可否や慰謝料、親権について争っている場合、同時に申し立てることが可能です。

ただし、申し立て内容が多ければ多いほど、裁判も長引き費用もかさんでいきます。

離婚裁判の流れ

離婚裁判は以下の流れで進みます。

  1. 訴状の作成

  2. 訴状の提出

  3. 相手方へ訴状の送達

  4. 第一回口頭弁論期日の決定

  5. 数回の口頭弁論を繰り返す

  6. 判決

裁判では証拠が何よりも重要です。相手の給与明細や財産目録など、きちんと証拠をそろえて財産分与を請求することが重要になります。

4:合意・判決があった財産分与を受け取る方法

どんな分割方法を選択しても、財産分与の金額を決めた後は、そのお金をどうやって受けとるかも決めておかないといけません。支払う側に万が一の事態がないとも限りませんので、ポイントは可能な限り、できるだけ早く支払いが終了するように設定すべきです。
 

一括払いの場合

財産分与額が大きくなると難しいと思いますが、貯金の範囲内になりますが500万円以下の場合は一括払いが設定される事が多くなります。

均等分割

一括であれば安心ですが、相手の収入・貯金を考えると分割でしか支払えないという場合は分割請求を行います。

注意すべき点は、あまりにも長い支払期間を設けると、リストラなどの経済状況の悪化によって金銭を回収できない可能性もあるという点です。

そのため、初回にできるだけもらい、支払い切れなかった分のみ分割支払いにしてもらうことをおすすめします。

例えば財産分与で800万円の支払が決まった場合、初回の振込を200万円〜400万円で設定し、翌月以降は月10万円という形です。

財産分与と税金について

財産分与の贈与税は基本的に非課税となります。ただし、時価や贈与する物によっては課税対象となる可能性があります。

税課税対象になるもの

財産分与では以下のようなものが課税対象です。

  • 分与額が社会通念上、過剰と判断される場合
  • 取得額を上回る時価を有する土地を贈与した場合
  • 離婚前に3,000万円を上回る土地を受け取った場合
  • 登記を変更する場合

このような場合、取得税や住民税などの納税義務が発生します。

少しでも節税をする方法

財産分与に関わる税金を少しでも節税するには、大きく分けて以下の方法があります。

  1. 住居用財産の特別控除を受ける
  2. 離婚後に譲渡する
  3. 軽減税率の特例を受ける
  4. 配偶者控除の特例を受ける

などがあります。詳しくは「財産分与の際にかかる税金と5つの節税方法まとめ」をご覧ください。

まとめ|離婚後でも請求できるが時効には注意

財産分与の請求は離婚後でも可能ですが、その時効は離婚したときから2年以内と定められています。そこまで引っ張ると財産を隠されている可能性もありますので、きるだけ早い段階での財産分与をして頂ければと思います。

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離婚をするときに子供の親権や慰謝料、財産分与などで相手と揉めて、弁護士が必要となったときにかかる費用相場は、内容にもよりますが50~100万円ほどになります。
弁護士費用が払えなくて泣き寝入りすることも…。


  • 相手に親権を渡したくない
  • 養育費を払ってもらえなくなった
  • 不倫相手に慰謝料を請求したい

弁護士保険は、法律トラブルで弁護士に依頼したときの費用が補償されます。
離婚トラブルだけでなく、子供のいじめ、労働問題等でも利用することができます。

KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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