財産分与|相場以上の財産を獲得する方法と請求手順まとめ

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離婚コラム
2016.3.8

財産分与|相場以上の財産を獲得する方法と請求手順まとめ

Zaisanbunnyo

財産分与(ざいさんぶんよ)とは、婚姻中に夫婦で協力して築き上げた財産を夫婦の貢献度に応じて分配することを言い、婚姻以前あるいは相続時の財産でも、所有財産は当事者の一切の事情を考慮して分配されます。
 
平成23年の司法統計データによると、審判離婚は27,127件開かれており、調停離婚成立の総数27,127件に対して財産分与の取決めがあったのは7,638件。つまり、調停離婚で財産分与の取決めをしたのは28%しかありませんでした。
 
仮に、あなたが専業主婦であった場合、財産分与として結婚期間中に夫が働いて稼いだ財産の分配を求めることができますが、離婚を急ぐことで、財産分与を行わないまま離婚してしまのは大きな損失につながります。ちなみに、婚姻期間が10年程度の夫婦の場合、財産分与の相場は100万円〜400万円になります。
 
財産分与は離婚後も請求できますが、二年で請求権の時効が訪れますので、離婚のタイミングでしっかりと話し合いをしておく必要があります。そこで今回は、離婚時の財産分与の相場や、請求する為の手順などを解説していきます。
 

 

 



【目次】
財産分与の種類
精算的財産分与
扶養的財産分与
慰謝料的財産分与

財産分与で獲得できる慰謝料などの相場
相場は貢献度によって変動していく
夫婦が共働きの場合
専業主婦(主夫)の場合
婚姻期間の長さによる財産分与の相場

財産分与の対象となる財産とは
財産分与の対象:共有財産・実質的共有財産
財産分与の対象ではない:特有財産
財産分与の対象になるか判断が微妙なもの

財産分与を行う際の手順とかかる費用
1:話し合いで決める
2:離婚調停で決める
3:離婚裁判で決める
4:財産分与の受け取り方
5:専門家に依頼した際の費用

財産分与を有利に進める方法
相手が隠している財産を明確にする
自分名義の財産を明らかにする
折半するのが不公平な事情があれば説明する
価値の大きいものから決める
財産形成にあたって自分の貢献度を主張する
対象外の財産の価値が維持・増加されていると主張
相手側の反論に対する言い分を用意しておく
取り決めに対して離婚協議書を作成する
弁護士などの専門家に依頼する

財産分与と税金について
税課税対象になるもの
財産をもらう側にかかる税金
財産をわたす側にかかる税金
少しでも税金を減らすには?

まとめ|離婚後でも請求できるが時効には注意
 



 

財産分与の種類

財産分与には大きく分けて3つの種類があります。まずはその種類について確認していきましょう。
 

精算的財産分与

財産分与のなかでもっともオーソドックスなものが清算的財産分与になります。基本的な考え方は「結婚生活において夫婦間で協力して形成・維持してきた財産は、その名義にかかわらず夫婦の共有財産と考え、離婚時には貢献度に応じて公平に分配する」というものです。
 
たとえば、婚姻期間中に働いて稼いだお金(現金・預貯金)、購入した物(家具、電化製品等)は、原則として「夫婦の協力で築いた財産」と考えられます。
 
清算的財産分与は離婚原因の有無などに左右されず、あくまで2人の財産を2人で分けるという方針ですので、離婚原因を作ってしまった有責配偶者からの請求も認められています。
 

扶養的財産分与

形式としては、離婚した際に配偶者の一方に経済的な不安が残る場合に、経済的援助という名目で生活費をサポートする意味合いがあります。金額や期間(一般的には3年以内)は本人たちの状況を考慮して決められますが、夫婦の片方が病気であったり,経済力に乏しい専業主婦,高齢・病気であったりする場合に認められます。
 
離婚後も一定期間扶養するため、定期的に支払うという方法が一般的にとられています。
 

扶養的財産分与が認められる場合

  • ・財産がほとんどない専業主婦

  • ・就職先を探すまでのサポートのため

  • ・経済的に強い立場の配偶者の生活を保障する

  • ・長年専業主婦だった妻が病気等で職に就けない

  • ・幼い子供を一人で養育しており生活が困窮している

  • ・清算的財産分与や慰謝料が少額で生活を維持できない など

 

扶養的財産分与が認められない場合

請求者には生計を維持できる資力(収入・資産)がある
分与を請求される側に経済的余力がない
 
上記のような事情がある場合は、扶養的財産分与は認められない可能性があります。
 

慰謝料的財産分与

慰謝料は「精神的苦痛」に対して支払われるものですので、財産分与とは性質が異なる扱いを受けます。つまり、両者は別々に算定して請求するのが本来の原則です。
 
しかし,両方も金銭が問題になるので、慰謝料と財産分与を明確に区別せず、まとめて「財産分与」「慰謝料」というような中途半端な取り決めをしていると、「慰謝料を含んだ財産分与」なのか「慰謝料を含まない財産分与」なのかという点でトラブルに発展する可能性が高くなります
 
細かい事を言うようですが、後々の紛争を回避する為にも、ここはしっかりと明確にしておきましょう。ちなみに、慰謝料的財産分与は精神的損害に対する賠償という財産分与なので、精神的損害がない場合、当然慰謝料的財産分与は発生しません。
 
 

財産分与で獲得できる慰謝料などの相場

さて、次に夫婦の財産分与をどのように分けていくかですが、基本的には夫婦で2分の1ずつ分けるとされています。多くの場合は、夫の会社勤めによって稼いだお金の割合が大きくなりますが、たとえ夫の収入が億を超える金額であったとしても、「それだけのお金を稼ぐには妻の協力もあった」といえることから、原則的に2分の1ずつの割合と考えられています。
 
そのため相場という概念は薄いのですが、例えば夫が25歳で結婚(妻が専業主婦の場合)、10年後の35歳で離婚した場合、20代〜30代までの平均年収を350万円とすると、10年間で3500万円。
 
財産分与の割合2分の1で分けたら1,750万円になります。
 

相場は貢献度によって変動していく

原則は2分の1ですが、財産の形成や維持にどちらがどの程度貢献したのかという点に着目して決めていくのが公平性を期す意味でも妥当ですし、具体的な家庭の状況も異なるため、割合が修正されることもあります。
 
たとえば、夫婦の片方の「特殊な努力や能力(株の読みが良かった、宝くじで当てたなど)」によって高額な資産形成ができた場合には、その特殊な努力等を考慮して財産分与の割合が修正されることもあります。
 

夫婦が共働きの場合

共働きの場合は、財産分与の割合は2分の1になります。両方とも働いているので指標としてはわかり易いのではないでしょうか?ただ、夫婦の双方の年収が全く同じという分けではないでしょうから、若干の修正は行われるかもしれませんね。
 

専業主婦(主夫)の場合

専業主婦(主夫)であっても、原則は2分の1になります。もしあなたが専業主婦(主夫)であっても、臆せずに2分の1で請求しましょう。
 

婚姻期間の長さによる財産分与の相場

婚姻期間が10年未満の場合の相場は100万円から400万円が相場となりますが、10年以上となると100万円から2000万円以上までという非常に幅のあるものになります。
 
以下の金額は、調停において請求されていた財産分与の額になります。単純な婚姻期間で財産分与が決まるわけではありませんが、相場を知る上で一つの指標にはなると思います。
 

婚姻期間が10年未満の場合

  • 100万円以下:44.3%(1,250件)

  • 100万円超200万円以下:16.8%(473件)

  • 200万円超400万円以下:12.5%(354件)

  • 400万円超600万円以下:5.6%(157件)

  • 600万円超1000万円以下:4.3%(120件)

  • 1000万円超2000万円以下:2.6%(74件)

  • 2000万円超:0.8%(23件)

  • 測定不能:13.2%(372件)

※調停離婚総数14,568件、財産分与取決め有り:19.4%(2,823件)
引用元:調停離婚からみる財産分与の相場

 
 

婚姻期間が10年以上20年未満の場合

  • 100万円以下:22.6%(576件)

  • 100万円超200万円以下:12.3%(313件)

  • 200万円超400万円以下:13.9%(355件)

  • 400万円超600万円以下:9.8%(251件)

  • 600万円超1000万円以下:11.2%(285件)

  • 1000万円超2000万円以下:5.9%(150件)

  • 2000万円超:2.3%(59件)

  • 総額が決まらず測定不能:22.0%(561件)

※調停離婚総数7,726件、財産分与取決め有り:33.0%(2,550件)
引用元:調停離婚からみる財産分与の相場

 

婚姻期間が20年以上の財産分与の金額

  • 100万円以下:8.7%(198件)

  • 100万円超200万円以下:7.8%(176件)

  • 200万円超400万円以下:12.9%(293件)

  • 400万円超600万円以下:9.5%(215件)

  • 600万円超1000万円以下:16.6%(377件)

  • 1000万円超2000万円以下:14.5%(329件)

  • 2000万円超:5.9%(133件)

  • 総額が決まらず測定不能:24.0%(544件)

※調停離婚総数:2,265件、財産分与取決め有り:46.9%(2,265件)
引用元:調停離婚からみる財産分与の相場

 
 

財産分与の対象となる財産とは

財産分与はできるだけ離婚時に請求する事が望ましいと言えます。対象となる財産を見逃してしまうと、後になって「損をした」という結果にもなりますし、財産を隠されてしまえば取り返しがつかないケースにもなりえます。
 
そういった状況を避けるためにも、まずは財産分与の対象になる財産を確認しておく必要がありますが、基本的には「対象:結婚後に増えた財産」「対象外:結婚前に増やした財産」となります。
 

財産分与の対象:共有財産・実質的共有財産

共有財産か実質的共有財産か否かの判断は,婚姻中に夫婦の協力によって形成・維持されてきた財産であれば、すべて財産分与の対象になります。
 
具体的には

  • 現金

  • 不動産

  • 有価証券

  • 家具・家電

  • 年金

  • 退職金

  • 夫婦の片方の名義になっている車

  • 保険解約返戻金 など

 
財産分与の対象財産は、原則として「別居時」を基準に確定されますので、離婚前であっても,別居後に取得された財産については,財産分与の対象にはならないと考えられています。詳しくは「離婚時の財産分与の対象となるもの」をご覧ください。
 
年金分割と退職金に関しては下記をご覧いただければと思います。
離婚時の年金分割 | 熟年離婚した夫婦の年金分割をする手順
熟年離婚の財産分与で退職金を獲得する為に知っておく手段
 

財産分与の対象ではない:特有財産

財産分与の対象にならない財産を「特有財産」と言います。特有財産は「婚姻前から片方が有していた財産」と「婚姻中、夫婦の協力とは無関係に取得した財産」のことをいいます(民法762条1項)。
 
「婚姻前から片方が有していた財産」は、独身時代に貯めた定期預金などが該当し、「婚姻中、夫婦の協力とは無関係に取得した財産」には、相続によって得た不動産などがありますね。
 
他にも・・・

  • 結婚前に個人的に貯めていたお金

  • 結婚時に実家から持ってきた家具家電

  • 個人的に購入した有価証券(株券、社債など)

  • 自分の親から相続した財産(現金、不動産など)

  • 洋服や化粧品などの個人的な持ち物 など

 
ただし,特有財産でも婚姻後に夫婦が協力して維持されたといえる場合や,価値増加は夫婦の貢献といえるような場合には、貢献度の割合に応じて財産分与の対象とされる場合もあります。
 

負債・借金(住宅ローン)の扱い

基本的には借金や負債も財産分与の対象になるとされています。夫婦で自宅をもっている場合や、住宅ローンが残っている場合は、自宅の価格からローンの残額を引くという形で考慮されます。
 
とはいえ、財産分与から考慮される(分けなくても良い)借金もあります。
 

財産分与の対象

・夫婦の共同生活のために負った借金
・住宅ローン
 

財産分与の対象外

・個人的な買い物やギャンブルで浪費した借金
 
詳しい内容は下記の記事を参考にしてください。
離婚時に住宅ローンがあっても損せずに財産分与するコツ
離婚後の住宅ローンに対するケース別4つの対策
 

財産分与の対象になるか判断が微妙なもの

夫名義の預金

夫名義の預金が結婚前からの場合は財産分与の対象にはなりません。しかし、結婚後の生活費のほとんどを妻が負担したことで夫の預金が現象せずに済んだ場合は、財産分与の対象になります。
 
ただ、結婚しても双方に収入があり、生活費をそれぞれ負担していた場合には、それぞれの預金はそれぞれの財産と考えることもできますが、財産分与に際しては名義人だけの預金かどうか区別が難しいでしょう。
 

入籍前の同棲期間中の財産

事実上の夫婦共同生活の有無という実質的財産分与の対象になります。夫婦関係の実態のある限り、内縁関係でも財産分与は認められます。つまり、入籍したかどうかは関係ありません。
 

へそくりは財産分与の対象か?

へそくりも、夫婦共同生活のための預貯金と同じ性質ですので、財産分与の対象になります。ただし、浪費癖があるのに対して、妻が切り詰めて貯めたような場合には、妻の特有財産と認められる可能性もあります。
 

両親に出してもらったお金

それぞれが結婚前から所有・相続によって得た財産は財産分与の対象にはなりません。多くの場合、住宅購入資金として贈与といえる場合が多いかもしれませんが、夫の両親から出してもらった頭金相当分も、夫婦の共有財産ということになります。
 
 

財産分与を行う際の手順とかかる費用

次に、財産分与方法について確認していきます。
 

1:話し合いで決める

まずは話し合いで決める事になります。具体的には以下の手順で進めていただくのが良いでしょう。
 

  1. 1:共有財産のリストアップ

  2. 2:共有財産の総額を計算する

  3. 3:財産に優先順位をつける

 
直接話し合いができれば問題はないのですが、別居している場合などはメールやLINE、手紙などの文面が残る形でやり取りをする事をおすすめします。
 

もし別居をしている場合、直接財産分与について話をすることはなかなか難しいと思います。従って、まずは携帯のメールやLINEなどで、やりとりの証拠が残るようにして財産分与請求したい旨と金額を伝えるのが良いと思います。
 
仮に相手が話し合いに応じてくれない場合、内容証明郵便を送ることも有効な手段です。全ての話し合いが終了し、相手の同意が得られた場合は「離婚協議書」にまとめることをおすすめします。
 
夫婦で話し合う財産はいわば申告制なので、隠されてしまえば対象外になってしまいます。
引用元:協議離婚で決める場合

 

2:離婚調停で決める

協議離婚で財産分与を決められない場合は離婚調停(財産分与請求調停)で解決を図ることになります。
 

1:申し立てに必要な書類を用意する

□申立書(財産目録を含む。)3通
□ 事情説明書1通
□ 連絡先等の届出書1通
□ 進行に関する照会回答書1通
□ 離婚時の戸籍謄本(全部事項証明書)1通
□ 不動産登記事項証明書,固定資産評価証明書各1通
※不動産がある場合
 

2:申し立てに必要な費用

□ 収入印紙・・1200円
□ 連絡用の郵便切手:約680円分
 

3:申し立て先

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所。ただし、申立書と共に管轄合意書を提出する場合は、その家庭裁判所でも調停をすることができます。
参考:財産分与について調停で争う時のコツと申し立ての手順
 

3:離婚裁判で決める

財産分与請求調停でも決着がつかない場合は、離婚裁判を申し立てることになります。
 

1:裁判には離婚原因が必要

裁判を申し立てる場合、法律が定める離婚の原因(民法770条1項各号)が必要になります。
 

 (暴行、浪費、犯罪、性格の不一致など)
参考:裁判離婚で必要になる5つの理由
 

2:離婚裁判の流れ

離婚裁判は以下の流れで進みます。

  1. 1:訴状の作成

  2. 2:訴状の提出

  3. 3:相手方へ訴状の送達

  4. 4:第一回口頭弁論期日の決定

  5. 5:数回の口頭弁論を繰り返す

  6. 6:判決

手順などは「離婚裁判の訴訟から最速決着までのマニュアル」をご覧ください。
 

3:裁判では証拠が重要

裁判では話し合い(協議離婚)や離婚調停の場合と比較すると、証拠の重要性が大きく増します。相手の給与明細や財産目録など、きちんと証拠をそろえて財産分与を請求することが重要になります。
参考:離婚裁判の費用を最小限に抑える方法
 

4:財産分与の受け取り方

どんな方法を選択したにしても、財産分与の金額を決めた後は、そのお金をどうやって受けとるかも決めておかないといけません。支払う側に万が一の事態がないとも限りませんので、ポイントは可能な限り、できるだけ早く支払いが終了するように設定すべきです。
 

1:一括払いの場合

財産分与額が大きくなると難しいと思いますが、500万円以下の場合は一括払いが設定される事が多くなります。もちろん預貯金の範囲内ですが。
 

2:均等分割

一括であれば安心ですが、相手の収入・貯金を考えると分割でしか支払えないという場合は分割請求を行います。注意すべき点は、あまりにも長い支払期間を設けると、リストラなどの経済状況の悪化によって金銭を回収できない可能性もあるという点です。
 

3:初回は大きくもらう

例えば財産分与で800万円の支払が決まった場合、初回の振込を200万円〜400万円で設定し、翌月以降は月10万円という形です。
 
 

5:専門家に依頼した際の費用

弁護士などの専門家に依頼した場合の費用は「協議離婚や調停離婚の場合は5万円〜20万円」「裁判離婚の場合は:約80万円」となっています。
 
そのうち、費用の内訳は「相談料」「着手金」「報酬金」となっています。
 

弁護士費用の例

着手金30万円
報酬金40万円+離婚で得られた額の10%で弁護士に依頼
財産分与で500万円を得た場合
 
着手金30万円+報酬金40万円+(財産分与500万円×10%=50万円)=120万円
 

経済的利益の額

着手金

報酬金

300万円以下の部分

8%

16%

300万円を超え

5%

10%

3,000万円以下の部分

3,000万円を超え

3%

6%

3億円以下の部分

3億円を超え部分

2%

4%

 
このように、弁護士費用は離婚の結果によって増減することがあります。事前にその条件を依頼する弁護士に確認しておくことを忘れないようにしましょう。

 

財産分与を有利に進める方法

次に、財産分与で争いが起こっている場合に、できるだけ有利に進めるための方法をご紹介していきます。
 

相手が隠している財産を明確にする

財産を半分に分ける以上、夫婦の財産がいくらあるのかを正確に知る必要があります。ここで問題になるのが、夫(妻)が財産を隠している場合です。その隠された財産を財産分与に含めていない場合、損をしてしまいます。
 

相手の財産を把握するには

  • 夫(妻)の預貯金通帳コピー

  • 証券口座明細

  • 生命保険

  • 不動産登記簿

  • 給与明細

  • 確定申告書類 など

 
もしこれらが入手できるなら、しっかりと確保しておきましょう。裁判所にも「調査嘱託申立書」という金融機関にある夫の財産を調べてもらう方法はあります。ただ、裁判所に口座を調査してもらうといっても、日本全国の金融機関を調べてもらえるわけではありませんので、万能だと思って頼りきるのは危険でしょう。
 

見落としをなくす

見落としやすい財産としては以下のものがあります。
 
・掛捨てでない保険・共済
・財形貯蓄
・退職金・小規模企業共済
・国民年金・厚生年金・旧共済年金以外の年金受給権
・会社の相手名義の株式
・会社に対する貸付金
・結婚の時に抱えていた借金の減少 など
 

自分名義の財産を明らかにする

原則は2分の1ですので、どちら側の財産でも分け方は同じですが、相手個人の持ちものだと主張された場合、財産分与の対象から外れてしまう可能性もありますので、自分名義の財産があれば明確に分けておく事が重要です。
 

折半するのが不公平な事情があれば説明する

  • 夫婦の協力関係が無かった事情

  • 家族を置いて家出していた

  • 刑務所に入っていた

  • 単身赴任中,一切の連絡が無かった

  • 結婚前から持っている特別の技能・資格が財産形成の原因である

  • 経営手腕によって数千万円・億円の年収を生み出している など

 

価値の大きいものから決める

財産分与に不動産が含まれているなら、まずそれをどうするのかを最初に決めましょう。財産の中で一番大きな割合を占めるのが不動産です。不動産に比べれば預貯金などたかが知れていますの、不動産取り決め後の調整として取り決めるのがよいと思います。
 

夫に住宅ローン(月10万円の返済)を払ってもらい、自分がこの家に住み続ける代わりに、夫にはあと◯万円の支払はできるはずだから、残りは養育費の5万円で手打ちにするから、残りの財産は全部あげる、など。
 

財産形成にあたって自分の貢献度を主張する

財産分与は夫婦の貢献度で決まっていくのが基本ですので、資産形成には自分の貢献度が大きかった事を主張します。
 

対象外の財産の価値が維持・増加されていると主張

  • ・不動産の相続時に結婚後の貯金から相続税を支払った

  • ・結婚前から所有していた家を貯金を用いて大規模修繕した

  • ・会社の経営が結婚後に成功して会社の株式の価値が上昇した

 
などの事情がある場合、夫婦の協力関係の成果の一部を財産の中に先取りしていることになります。このような事情を説明して、事情の考慮を求めることが有効な主張になります。
 

相手側の反論に対する言い分を用意しておく

家計を管理していなかった側(主に夫側)から,生活費がこんなにかかるはずがない。へそくりがあるとみなされる事はよくあります。自分の収入,相手の収入の平均と支出のおおまかな内訳(食費,医療費,学費,ガソリン代,光熱費など)をできる範囲で説明するようにしましょう。
 

取り決めに対して離婚協議書を作成する

財産分与についての取り決めができた場合、協議離婚なら離婚協議書を作成しておく事をおすすめします。これがあることで、決定内容の確実性を担保できます。さらに、公正証書にしておくことで、支払が万が一滞った場合などに、強制執行を行うこともできます。
 
詳しくは「離婚協議書の書き方と公正証書にして効力を最大にする方法」をご覧ください。
 

弁護士などの専門家に依頼する

弁護士に相談するもっとも大きなメリットは、交渉が有利に進むことです。多少の費用はかかりますが、相手の財産を把握したり、自分が資産形成にどれほどの寄与をしてきたのかを効率的に主張してくれますので、必ず有利な条件を飲ませたいとお考えであればお勧めできます。
 
詳しくは下記の記事をご覧ください。
︎弁護士会照会とは|弁護士会照会を活用する際に知っておくべきこと
▶︎離婚問題の弁護士費用と良い弁護士の選び方
 
 

財産分与と税金について

財産分与が行われた際には税金の課税対象となるものが設定されています。基本的に金銭で支払う場合には税金はかからないのですが、金銭以外の場合「譲与所得税」が課せられ、不動産の場合は「譲与所得税」「不動産所得税」「登録免許税」、そして「固定資産税」がかかってきます。
 

税課税対象になるもの

財産分与で課税対象となるものは以下のようなものになります。
 
・不動産などの土地
・株式や有価証券
・高額な美術品
・ゴルフなどの会員権
 

財産をもらう側にかかる税金

基本的には税金を負担しませんが、譲り受ける財産が多すぎる場合には贈与税を負担する可能性があります。また、不動産を取得した場合は「不動産所得税」もかかりませんが、「不動産の登録免許税」と「不動産の固定資産税」はかかってきます。
 

不動産の登録免許税

「固定資産評価額の1000分の20」
 

不動産の固定資産税

「固定資産評価額× 1.4%(標準税率)」
 
 

財産をわたす側にかかる税金

財産を渡す側に該当するのは「譲渡所得税」です。譲渡所得税は現金には適用されませんが、土地や建物などの不動産を譲渡した場合には譲渡所得税が課せられます。
 
所得税法でいう資産が該当し、株式などを譲渡した場合にも課税が課せられます。譲渡所得税は土地や建物の売却価格が購入した時よりも高額な場合に適用されますので、財産分与の場合では、分与時の価格が購入した時よりも高額な場合に税金を支払わなければならない可能性があります。
 
この仕組みは株券の場合も同様です。譲渡所得税の金額は、土地や建物の売却価格から取得費用や譲渡費用等を引いて計算します。また詳しい計算には対象となるものの所有期間が5年より長いか短いかによっても変わってくるため注意が必要です。
引用元:財産分与で財産を渡す側にかかる税金

 

少しでも税金を減らすには?

財産分与に関わる税金を少しでも節税するには、大きく分けて以下の方法があります。
 
1:金銭で譲渡する
2:住居用財産の特別控除を受ける
3:離婚後に譲渡する
4:軽減税率の特例を受ける
5:配偶者控除の特例を受ける
 
などがあります。詳しくは「財産分与の際にかかる税金と5つの節税方法まとめ」をご覧ください。
 
 

まとめ|離婚後でも請求できるが時効には注意

財産分与の請求は離婚後でも可能ですが、その時効は離婚したときから2年以内と定められています。
 
そこまで引っ張ると財産を隠されている可能性もありますので、きるだけ早い段階での財産分与をして頂ければと思います。

 

財産分与を有利な条件で解決するには
弁護士への依頼が必要です


もし、財産分与で以下のような事にお困りであれば、弁護士がお力になれる可能性が高くなります。

・財産分与の割合をもっと多くしたい
・相手が話し合いに応じてくれない
・借金は分けたくない
・今の家には住み続けたい など

上記のような問題は【財産分与を得意とする弁護士】に相談することで、離婚に有利な結果となる可能性が高まります。

お一人で悩まずまずはご相談ください。あなたの相談に、必ず役立つことをお約束します。

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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