障害児をもつ家庭が離婚を検討するときに知っておくべきこと
障害をもつ子どもを育てながら離婚を検討する場合、より慎重な判断が必要です。
療育や介護による疲弊にくわえ、将来への経済的な不安が大きく、安易に決断すると離婚後の生活が苦しくなる恐れがあります。
しかし、配偶者の理解を得られなかったり育児の負担が一方に偏ったりして離婚を検討するのは、決して悪いことではありません。
万が一離婚を避けられない場合に備え、離婚に関する知識を身につけておきましょう。
本記事では、障害児がいる夫婦が離婚を検討した際の基礎知識として、離婚を回避する方法や離婚を決断した際に話し合うべきことを解説します。
離婚する際の注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
障害児がいる家庭はいない家庭よりも離婚率が高い
2010年にアメリカでおこなわれた調査では、ASDの子どもをもつ親は、障害のない子どもをもつ親よりも離婚率が高いということが示されています。
| ASDの子どもをもつ親の離婚率 | 23.5% |
| 障害のない子どもをもつ親の離婚率 | 13.8% |
この結果から、ASDの子どもをもつ親の離婚率は、障害児がいない親と比べて約1.7倍も高いことがわかります。
また本調査では、ASDの子どもが成長しても、親の離婚率は高いままであったとも記載されています。
ただし全ての障害で統計を出しているわけではないため、ADHDやアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)、重度障害児などの場合の離婚率は不明です。
一方で、日本では障害児がいる家庭の離婚率をまとめた統計がほとんどありません。
しかし育児の負担や将来への不安から、障害のない家庭に比べて離婚のリスクが高まりやすいと考えられるため、障害児の育児や金銭面は大きな課題といえるでしょう。
障害児をもつ夫婦が離婚する主な理由7つ
障害児をもつ家庭は、夫婦の絆が深まる家庭がある一方で、離婚してしまう家庭も少なくありません。
ここでは障害児をもつ夫婦が離婚に至ったときの、主な理由を7つ解説します。
1.配偶者から障害の理解が得られない
障害児をもつ夫婦が離婚する理由のひとつに、配偶者が子どもの障害を受け入れられず、適切な協力体制を築けないという点が挙げられます。
配偶者から、育て方が悪い・甘やかしすぎだなどと責められたり、育児を放棄されたりするケースも少なくありません。
なかには、夫が子どもの障害を理解する気持ちがそもそもないために、家族をおいて逃げてしまった、ということもあるようです。
配偶者から障害の理解を得られないと、夫婦としての信頼も失ってしまうため、離婚を意識しやすくなります。
2.生活の中心が育児・介護になってしまう
通常の子育てでも、子どもにつきっきりにならざるを得ない親は多いですが、障害児をもつとその傾向がより強まります。
障害の程度や多動により、片時も子どもから離れられない状況が続くため、親は気の休まる時間が少なくなります。
また配偶者が育児・介護にまったく参加せず、自分だけが24時間の対応を続けている状況では、現状から逃れたいと考えるのは当然と言えるでしょう。
そのため生活環境を根本から変えるための手段として、離婚が検討されます。
3.子どもの教育に対する価値観の相違がある
療育の方針や将来の就学先について夫婦の意見が真っ向から対立し、妥協点が見出せなくなることで離婚に至ることもあります。
専門的な支援を受けさせたいと考える親と、普通学級への通学にこだわりを見せる親との間では、激しい感情の対立が起こりやすいです。
親自身のプライドや世間体を優先し、子ども自身の適性や最善の利益を無視した主張が続くと、夫婦の溝は決定的なものになります。
教育観の不一致は子どもの将来に直結するため、一度こじれると修復が極めて困難な争いに発展します。
4.将来の金銭的な不安が大きい
養育費や医療費の負担が増え続ける一方で、将来の収入が増えない焦りが夫婦関係を悪化させ、離婚するケースもあります。
子どものケアを優先するため、フルタイム勤務や残業が難しくなり、世帯収入が上がりにくいという現実があるからです。
また配偶者が浪費思考な場合も、離婚に至りやすいです。
親が亡くなった後の子どもの生活費を貯蓄しなければならない状況で、配偶者が趣味や遊興に浪費を繰り返すと、不満も爆発するでしょう。
金銭的な将来設計について配偶者の協力が得られない場合、離婚して公的扶助を受けながら自立する道を選択する人もいます。
5.周囲の人と馴染めない
周囲の人と馴染めず、社会から孤立していると感じるストレスが、離婚への意識を強める要因になります。
公園でのトラブルや外出先でのパニック、奇声などを気にするあまり、外出自体が減って社会との接点が失われてしまうためです。
周囲の理解が得られず社会的な繋がりを失った孤独な環境は、夫婦が互いを思いやる余裕を奪い去ります。
6.親が精神的ストレスにより心身の限界を迎えてしまう
長年にわたる介護の疲弊から心身の健康を損ない、現在の生活を継続できなくなって離婚に至るケースも見られます。
終わりのない介護や睡眠不足などは、主たる養育者にうつ病や適応障害を引き起こす可能性が高いです。
そのため「このままでは子どもに手を上げてしまうかもしれない」という強い危機感を抱き、自分と子どもの安全を守るために、環境のリセットを望みます。
心身の限界を超えて共倒れになる前に、離婚という形で生活の立て直しを図ることは、親自身と子どもの命を守るための行動といえます。
7.癒しを家庭外に求めてしまう
家庭内が介護や療育の場となり、安らげる空間でなくなった結果、配偶者が不倫やギャンブルなどの逃避行動に走り、離婚に至る場合もあります。
障害児育児の重圧から逃れるために、わざと残業を増やして帰宅を遅らせる配偶者も存在します。
困難な状況にある家庭を顧みず、外の世界に癒しを求める無責任な態度は、育児を担う親にとって最大の裏切りです。
配偶者の不貞行為や家庭放棄が決定打となり、離婚手続へ進むこともあります。
障害児をもつ夫婦が離婚を回避する方法5つ
離婚を決断する前に、夫婦関係を修復できないかを考えてみてください。
ここでは、障害児をもつ夫婦が離婚を回避する方法を5つ解説します。
夫婦の溝を埋め、生活環境を改善できる可能性があるので、参考にしてみてください。
1.配偶者とのコミュニケーションを増やす
離婚を回避するために、配偶者とコミュニケーションをとる時間を増やしてみましょう。
たとえば配偶者が子どもの障害に理解がない場合は、同じような家庭の話を一緒に聞いてみると、気持ちが落ち着くかもしれません。
自分の辛さを理解して欲しい場合は、1日の睡眠時間や療育にかかる時間などを具体的に配偶者に伝え、現状を把握してもらうのもよいでしょう。
お互いの現状を正しく認識し合うことで、自分ばかり頑張っているという気持ちを解消するきっかけになります。
2.親や友人など身近な人に助けを求める
障害児育児は長期にわたるため、親が一人で休息なしに走り続けることは不可能です。
そのため周囲の助けを積極的に借りましょう。
実家の両親や信頼できる友人などに、短時間だけでも子どもの対応をお願いすることで、心身をリフレッシュさせられます。
頼るという行為は悪いことではありません。
周囲に頼ることは、親としての責任を果たすための必要な準備であると捉えて、孤独な育児から脱却してください。
3.療育活動に参加する
療育センターなどから適切な療育のノウハウを得ることで、日々の育児負担を軽減できます。
親自身の悩みを専門家に相談できるほか、同じ境遇の親同士で情報を交換するネットワークも構築することも可能です。
また子どもの成長を確認できる機会が増えれば、配偶者との会話も前向きな内容に変わる可能性があります。
療育の場を積極的に活用し、社会的な孤立を防ぐことで、夫婦関係を修復できるかもしれません。
4.公的な支援制度を活用する
経済的な安定は、心の余裕にもつながるため、公的制度はできる限り活用しましょう。
公的な支援制度は、自治体から案内されるわけではないため、自分で行動に移す必要があります。
下記は、障害者向けの主な公的支援制度です。
障害基礎年金
障害基礎年金とは、障害等級が1級または2級と認められた場合に支給される年金です。
令和7年度に受け取れる金額は、下記のとおりです。
| 等級 | 年金額(月額にした場合) |
| 1級 | 1,039,625円(86,635円) |
| 2級 | 831,700円(69,308円) |
下記の書類が必要となるため、不備のないように準備しておきましょう。
- 戸籍謄本または住民票
- 医師の診断書(所定の様式あり)
- 受診状況等証明書
- 病歴・就労状況等申立書
- 預金通帳またはキャッシュカード
申請先は市区町村役場の窓口でおこなえます。
また、障害基礎年金は障害認定日以降いつでも請求可能です。
ただし、さかのぼって過去の分を請求する場合は、5年分までが限度となっているので注意してください。
特別障害者手当
特別障害者手当は、精神または身体に障害をもつ児童がいる父母に、手当を支給してくれる支援制度です。
令和7年度の支給要件や金額は、下記のとおりです。
| 項目 | 特別障害者手当 |
| 支給対象者 | 20歳未満で精神または身体に障害を有する児童を、家庭で監護・養育している父母 |
| 支給金額 | 1級:月額56,800円 2級:月額37,830円 |
| 支払い時期 | 毎年4・8・12月 |
必要書類は地域によって異なるので、居住している地域の市区町村役場のWebサイトから確認してみてください。
障害児福祉手当
障害児福祉手当は、20歳未満の重度障害児を対象に支給される手当です。
令和7年度の支給要件や金額は、下記のとおりです。
| 項目 | 障害児福祉手当 |
| 支給対象者 | 精神または身体に障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする在宅の20歳未満の者 |
| 支給金額 | 月額16,100円 |
| 支払い時期 | 毎年2・5・8・12月 |
必要書類は自治体によって異なるため、市区町村役場で確認をしてください。
5.施設への通所・入所を検討する
夫婦で障害児の養育が難しいという場合であれば、施設に預けることもひとつの方法です。
放課後等デイサービスやショートステイを利用して、子どもと物理的な距離を置く時間を確保してみましょう。
親が一時的に休息を取ることは、育児放棄ではありません。
親が心身の健康を保ち、継続可能な育児をするためには、専門の施設を頼ることも必要です。
施設への通所や入所を検討すると、障害児を理由とした離婚が選択肢から外れるかもしれません。
第三者の手を借りることで、親子双方の適切な生活環境を取り戻しましょう。
障害児をもつ夫婦が離婚したい場合に話し合うこと4つ
障害児をもつ夫婦が離婚を選択する際は、子どもの親権や養育費、面会交流、財産分与について話し合いましょう。
具体的に解説します。
1.子どもの親権
離婚手続では、夫婦のどちらが障害児の親権を持つかを決める必要があります。
子どもに障害がある場合、生活環境の急激な変化は心身に多大なストレスを与えるため、現状メインで育児を担っている親が親権を持つのが一般的です。
子どもの福祉と安定した療育環境を最優先に考え、どちらが主たる監護者として適切かを冷静に判断してください。
なお、2026年4月1日からは共同親権制度がスタートします。
父母の双方が親権をもてるようになるため、離婚後も子どもについては配偶者と協力関係を維持する、ということも可能です。
もし配偶者が非協力的である場合は、これまで同様に単独親権を選ぶこともできるので、子どもにとってより良い環境になるほうを選びましょう。
2.養育費の算定
離婚する際に障害児を自分が養育する場合は、相手に養育費を請求できるので、具体的な金額を算定しておきましょう。
障害をもつ子どもを育てるのは、障害がない場合に比べてお金がかかるケースが多いです。
養育費は、裁判所が公開している算定表を参考に、子どもの年齢と両親の年収で決めるのが一般的です。
たとえば自分の年収が200万円、配偶者の年収が600万円、14歳未満の子ども一人という場合は、6〜8万円の養育費となります。
なお、子どもに発達障害などの障害があるから無条件で養育費が増額される、ということはありません。
養育費の増額を求めるのであれば、増額が必要であることを示すための、診断書や支出を裏付ける領収書などの証拠が必要です。
3.面会交流の条件
面会交流の条件も、離婚の際に決めておくべき項目です。
親との面会は、子の福祉につながるため、おこなわなければならないと考えられているためです。
しかし障害児の場合は、子どもの特性に合わせた柔軟なルール作りが求められます。
たとえば環境の変化に敏感で不安感を強く抱く子どもの場合は、面会の場所や時間を固定するなどの配慮が必要です。
直接会うことでパニックを起こす恐れがある場合は、写真の送付やビデオ通話による間接的な交流から始める必要もあるでしょう。
子どもにとって無理のない範囲で、別居親との交流方法を模索してください。
4.財産分与
離婚する際は、夫婦が婚姻期間中に築いた共有財産を、原則として2分の1ずつ分けることになります。
離婚後に障害児の介護をするからといって、多く分配されるわけではありません。
ただし、夫婦の話し合いの場合は、どの財産をどのくらい分与するかを決定できます。
結果的に障害児の介護をする側が、しない側よりも財産を多く受け取れる可能性があるため、慎重に話し合いましょう。
障害児をもつ夫婦が離婚する際に注意すべきポイント3つ
障害児をもつ夫婦が離婚の手続きを進める際は、法的なルールや離婚後の生活についてを理解しておく必要があります。
ここでは、離婚する際に注意すべきポイントを3つ解説します。
1.離婚裁判では障害児を理由にした離婚請求が認められない
離婚裁判になった場合、子どもに障害があること自体を唯一の理由として離婚を請求することは認められません。
民法770条1項で定められた法定離婚事由には、子どもの障害は含まれていないからです。
(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
※2026年4月の法改正により法定離婚事由から削除されるため、以降は精神疾患を理由に離婚請求ができなくなります。
裁判で離婚を成立させるには、上記4つのいずれかに該当することを証明する必要があります。
たとえば配偶者が、障害児の育児に一切協力しない、不倫しているなどといった事実があれば、離婚が認められる可能性があります。
障害そのものではなく、子どものケアを巡る配偶者の不誠実な態度や、協力体制の欠如という具体的な事実を主張しましょう。
2.障害児を理由にした離婚慰謝料の請求は認められない
子どもに障害があることや、障害児が生まれたこと自体を理由にした慰謝料請求は、認められません。
慰謝料は、不貞行為やDVといった相手方の不法行為によって受けた、精神的苦痛に対する損害賠償であるためです。
子どもの障害は配偶者に責任があるとはみなされないため、慰謝料を請求しても受け取れないでしょう。
ただし、相手方が障害児に対して虐待をしていたり、生活費を渡さなかったり(悪意の遺棄)などがある場合は、慰謝料請求が認められる可能性があります。
自分のケースが、慰謝料請求が認められる状況かどうか判断に迷う場合は、弁護士に相談して判断を仰ぐのがおすすめです。
3.離婚後一人で障害児を育てられるかを十分に考える
離婚を決断する前に、離婚後の生活を障害者と送っても問題ないかを十分に考える必要があります。
一人で療育や介護の全てを担うと働ける時間が大幅に制限され、世帯収入が減少するリスクが高いためです。
事前の生活設計が不十分なまま離婚を強行すると、生活が厳しくなり、子どもに安心できる生活を与えられない恐れがあります。
想定される給与と特別児童扶養手当などの支援制度を合算し、月々の生活費や医療費が確実に賄えるかを計算してみましょう。
また、自身が急な病気で入院した際の子どもの預け先などが確保できているかも重要です。
十分な経済的見通しと周囲のサポート体制を整えてから離婚に踏み切ると、親子双方の安定した未来を得られる可能性が高まります。
障害児がいる家庭で離婚を検討しているなら弁護士に相談しよう
障害児がいる家庭での離婚を検討しているなら、弁護士に相談するのがおすすめです。
自身だけで、配偶者と財産分与や親権などの交渉をおこなうことは、日々の育児による疲弊も重なり、精神的な負担が非常に大きいと予想されます。
弁護士を代理人に立てれば、配偶者との直接のやり取りを任せられるため、自身は生活の立て直しに専念できます。
また養育費の増額交渉や、親権確保について説得力のある主張もできるので、望む未来を実現しやすくなるでしょう。
無料相談を実施している法律事務所も多数あるので、子どもと安定した生活を送るためにも、弁護士に相談してみてください。
弁護士を探すなら「ベンナビ離婚」がおすすめ
離婚問題に注力する弁護士を効率的に探すなら「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。
「ベンナビ離婚」では、地域や相談内容から検索できるため、離婚問題に注力する弁護士をすぐに検索できます。
障害児の親権問題や養育費加算の事案に経験豊富な弁護士を見つけることで、より専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
また初回相談無料やオンライン面談対応の法律事務所も多数掲載しているため、気軽に相談しやすいのもメリットです。
障害児がいるなかで離婚を検討している人は「ベンナビ離婚」を通じて、現在の悩みや希望する条件を弁護士に相談してみてください。
障害児をもつ夫婦で離婚を検討する際によくある質問
最後に、障害児をもつ夫婦で離婚を検討する際によくある質問と、その回答を解説します。
気になるものがあれば、参考にしてみてください。
障害児がいるけど離婚したいときの相談先は、弁護士以外にどこがありますか?
離婚を検討する際、法律問題以外のサポートを求める場所として、夫婦カウンセラーや行政の窓口が挙げられます。
気持ちの整理をしたいときは夫婦カウンセラー、手当や手続きについては市区町村役場というように、各機関を利用してください。
弁護士以外の相談先を確保しておくことで、離婚に向けた準備をより円滑に進めることができます。
夫婦カウンセラー
夫婦カウンセラーは、離婚ではなく、夫婦関係の修復や話し合いをサポートするところです。
障害児の育児によるストレスや価値観のすれ違いなど、感情面の整理を中心に支援してもらえます。
第三者を交えて冷静に気持ちを言葉にすることで、相互理解が進むケースも少なくないため、ぜひ利用してみてください。
ただし、法律的な助言や離婚条件の調整はできないため、離婚を具体的に検討する場合は弁護士に相談しましょう。
市区町村役場
市区町村役場では、障害児を育てる家庭向けの福祉制度や支援サービスについて相談できます。
障害児福祉手当や医療費助成、相談支援専門員の紹介など、離婚後の生活を見据えた情報を得られる点が特徴です。
離婚そのものについての判断や法的手続の相談はできませんが、経済面や生活面の不安を軽減する材料を集める場として有効です。
自治体の相談窓口
自治体が設置する相談窓口では、家庭問題や子育て、障害福祉に関する総合的な相談を受け付けています。
心理職や福祉の専門職が対応することもあるため、離婚に迷っている段階で気持ちや状況を整理するのに役立ちます。
必要に応じて、カウンセリング機関や支援団体、専門窓口につないでもらえる点もメリットです。
ただし、具体的な離婚条件の調整や交渉はおこなえないため、離婚問題に関する相談は弁護士にしてください。
離婚時に障害児を引き取りたくありません。どうすればよいですか?
離婚時に「障害をもつ子供を引き取りたくない」と考える人は少なくありませんが、法律上、障害児の親権放棄ができる制度は存在しません。
裁判で親権を決める場合は、子どもの福祉を最優先に判断されます。
そのため、障害の有無だけを理由に親権を拒否することは認められていないのが実情です。
しかし夫婦の話し合いの段階で、配偶者が引き取ると考えているのであれば、子どもを引き取らなくてよくなります。
離婚したいけど子供がパパ好きです。自分が親権を持つにはどうすればよいですか?
子どもが父親を慕っているという事実だけで、母親が親権を諦める必要はありません。
家庭裁判所が親権者を指定する際は、子どもの感情だけでなく、これまで誰が主体となって世話を担ってきたか、という観点も重視します。
母親が日常の療育や通院、食事の世話をメインでおこなってきた実績があれば、親権獲得が有利になる可能性があります。
子どもが父親を好きであるという気持ちに対しては、離婚後の面会交流を充実させることで配慮することも可能です。
これまでの監護実績を客観的な証拠としてまとめ、子どもの福祉にとって自身が親権を持つことが最適であると主張してください。
障害児がいるひとり親家庭は母子家庭が多いって本当ですか?
障害児がいるいないに限らず、母子家庭は父子家庭よりも多いのが実情です。
令和3年度に厚生労働省が調査した内容によると、全国の母子世帯数は119.5万世帯、父子世帯は14.9万世帯という結果でした。
母子世帯が多い理由は、父親が仕事を優先し、母親が育児を一手に引き受けているケースが多いためと考えられます。
また父親が仕事を理由に親権を主張しない一方、母親が子どもと離れることを望まないケースが多いと予想されます。
まとめ|障害児をもつ親が離婚するなら弁護士に手続きのサポートをしてもらおう
障害児をもつ夫婦における具体的な離婚率は明らかではないものの、障害児がいない夫婦よりも離婚に至りやすくなるのは容易に予想できます。
現在夫婦関係が悪化していて、離婚が選択肢に挙がっている場合は、離婚をすぐに決断せず、離婚を回避する方法を試してみてください。
夫婦関係が改善し、より良い家庭を築ける可能性があります。
しかし離婚をすでに決断している場合は、できる限り望む未来を実現するためにも、弁護士に相談しましょう。
弁護士を探す際は、ポータルサイト「ベンナビ離婚」の活用がおすすめです。
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