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配偶者のゲーム依存症を理由に離婚できる?可能なケースと相談先を解説
ゲームにハマり過ぎて日常生活に支障をきたしている状態をゲーム依存症と呼ぶこともあるようです。(WHO(世界保健機関)は、2018年6月に「ゲーム依存症」を精神疾患として認定。)
ゲーム依存症とは、人間関係や健康面に問題が生じても制御がきかずゲームに没頭し続け、日常生活に支障をきたすことです。(引用:日本成人病予防協会)
配偶者がこのような状態にある場合、離婚したいと考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
仕事や家事、育児よりもゲームを優先して家族間の会話が無くなっている状態であれば、離婚を考えるのも無理はないかもしれません。
この記事では、配偶者のゲーム依存を理由に離婚ができるのかどうか、離婚を回避するにはどうすればよいかなど、簡単に解説します。
パートナーのゲーム依存症が原因で離婚を考える人は増加中?
浮気や借金、暴力などを理由に離婚したいという話はよく聞くところですが、ゲーム依存症を理由に離婚を考えるという話はあまり聞きません。
ただ、オンラインゲームやソーシャルゲームが流行っている現代では、ゲーム依存症の方も増加している可能性があり、それに伴いゲーム依存症を理由に離婚を決断する方もいても不思議ではないでしょう。
そもそもゲーム依存症とはどのような状態なのか
「ゲームにハマる」ということは誰にでもありえることですが、ゲーム依存症については脳内で異常な反応が起きる「病気」であるとする研究もあるそうです。
WHO(世界保健機関)でも国際疾病分類に加えており、具体的な症状は以下のとおりとされています。
- ゲームの時間をコントロールできない
- 学業、職業、家事などの機能を果たせない
- 問題が起きていてもゲームを続ける
- 他の活動や関心事よりもゲームを優先する
ゲーム依存症のパートナーと離婚したいと思うとき
ゲームのしすぎで仕事・家事・育児に影響が出ているとき
ゲームにハマり過ぎて仕事や家事などに支障が出てきてしまうと、夫婦としてやっていくことに不安を感じてしまいますよね。
ゲームから離れられずに夫が仕事をサボりがち…
仕事から帰ってきたら家事を放置してゲームをしている妻がいる…
このような状態が続くと、離婚を考えてしまうのも無理はないでしょう。
ゲーム内での課金浪費がひどいとき
オンラインゲームやソーシャルゲームにはゲーム内での課金システムを設けているものも多くあります。
数百円~数千円程度の軽微な課金であれば問題ないかもしれませんが、月に10万以上も課金するような事例も珍しくはないそうです。
家族のために必死に稼いできたお金、うまく家計をやりくりして作ったお金を、何も生み出さないゲームデータにつぎこまれてしまっては、たまったものではありません。
夫婦間の会話やコミュニケーションが激減しているとき
仕事から帰ってきても休みの日でも、家族で会話をすることもどこかに出かけることも無く、ただひたすらゲームをしている…。そんなパートナーだと、「家族でいる意味はあるのかな」と疑問に感じてしまうかもしれません。
会話どころか、ゲームの画面から一切目を離さず、自分と目も合わなくなってしまう…そのような自体は辛いことでしょう。
また、家族の中でどんなトラブルが起こっていても、お構いなしでゲームを続行しているパートナーの姿を見てしまうと、この先も家族としてやっていく自信を失ってしまうかもしれません。
子供に悪影響があるとき
子供がゲームを過剰な時間していた場合、親は通常、これを注意して制止する立場です。しかし、親自身が一日中ゲームに没頭している場合、子供に対して注意したり、制止したりすることが難しい場合があります。
結果、子供も異常な長時間ゲームをすることで、日常生活に支障をきたすこともあり得るでしょう。子供への悪影響を考えて離婚を決意するということも有り得そうです。
ゲーム依存症を理由に離婚することは可能?不可能?
実際のところ、ゲーム依存症を理由に離婚できるのでしょうか。
お互いの合意があれば離婚は可能
お互いに合意の上で離婚をする協議離婚であれば、日本では理由を問われることはありません。離婚届にサインをして捺印をして役所に提出すれば、それで離婚は成立するのです。
合意が無い場合は離婚事由に当てはまれば可能
では、夫婦間で離婚について合意が成立しない場合、「相手がゲーム依存症である」という理由で一方的な離婚が認められるのでしょうか。
以下のような民法が定める離婚事由に当てはまる場合は、一方的な離婚が認められる場合がありますが、「相手がゲーム依存症である」という理由が直ちに該当する法定離婚事由はありません。
- 配偶者に不貞な行為がある
- 配偶者から悪意で遺棄された
- 配偶者の生死が三年以上明らかでない
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがない
- その他婚姻を継続し難い重大な事由がある
したがって、基本的に「相手がゲーム依存症である」という理由のみで一方的な離婚はできないということになります。
しかし、相手のゲーム依存から、以下のような問題が派生し、夫婦関係の維持・継続が困難となっているような場合は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚事由が認められる可能性もあります。
- ゲーム内の課金で家計を圧迫している
- ゲーム課金で借金をしている
- ゲーム依存症のために働かなくなっている
- ゲーム依存症で家事を一切放棄している
離婚はしたくない!ゲーム依存症のパートナーとうまく付き合っていくコツ
パートナーのゲーム依存症は嫌だけれど、だからと言って離婚までは…という考えの方もいるでしょう。では、パートナーとうまく付き合って少しでも夫婦関係を改善するためにはどのようにしていけばいいのでしょうか。
ゲームする時間を制限する
まずは、ゲームをするうえでのルールを決めましょう。いきなり「1日何時間まで」と具体的に数字を示してもよいですが、これが守られない場合はまずは「ゲームをしていいのは夕飯後から寝るまで」という決め方をするのがよいでしょう。
また、せめて夕飯を食べている間はゲームから離れて家族と会話するようにというような形で協力を求めてもよいかもしれません。
ゲーム内での課金を制限する
ゲームの課金が家計を逼迫しているのであれば、課金も禁止、制限するべきでしょう。少なくとも、家計に負担が生じない金額を決め、それ以上の課金は禁止するという対応は必要ではないでしょうか。
夫婦間のコミュニケーションを増やす
夫婦間、家族間のコミュニケーションも積極的に増やしていきましょう。
「ゲームをしているよりも家族でおしゃべりしている方が楽しいな」「休みの日はゲームよりも家族で出かけたほうが有意義だな」と実感してもらえれば、ゲーム依存症も改善するかもしれません。
診療を受ける
もし、家族内での解決が難しい場合は、心療内科やカウンセラーなどの専門家に相談することも検討しましょう。ゲーム依存症が疾患であるかどうかは明確ではないところですが、外部者の第三者的意見を聞くことが改善につながる可能性もあります。
すでに離婚を検討中の方が相談できる窓口
離婚カウンセラー
相手配偶者のゲーム依存で離婚について悩んでいるのであれば、まずは離婚カウンセラーに相談してみるといいでしょう。
離婚カウンセラーは数多くの夫婦の離婚トラブルを見てきているので、さまざまなケースにおいて最もよい解決方法を提示してくれます。
離婚せずに夫婦関係を改善するためのアドバイスも期待できます。
弁護士
相手配偶者と離婚したいと強く考えているのであれば、法律の専門家である弁護士に相談することも検討してもよいでしょう。
弁護士であれば、そもそも離婚ができるのか、離婚するとしてどのような方法があるのか、離婚できない場合どのように対応すればよいのかなど多角的なアドバイスが期待できます。
まとめ
パートナーのゲーム依存により、今後も夫婦として一緒に生活をしていくのが経済的、精神的に困難ということであれば、あなたの人生のためにも、子供がいる方は子供のためにも離婚を検討してもよいかもしれません。
その場合、相手が合意してくれる場合は離婚が可能ですが、合意してくれない場合は婚姻関係の継続が困難であることを調停や裁判にて主張し、認められるかどうかが鍵となります。
一人で悩むよりもまずは専門家の意見を聞いたほうが、スピーディーな解決が期待できます。
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