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養育費を拒否できる場合とは?支払いができない場合の対処方法について
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2018.10.3

養育費を拒否できる場合とは?支払いができない場合の対処方法について

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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離婚の際、自分が親権者にならなければ、相手に子供の養育費を支払う必要があります。

しかし収入がない場合や、子供に新しい父親ができたときなど、「養育費を払う必要がないのでは?」と思うケースもあるでしょう。

養育費を拒否できるのは、どのような場合なのでしょうか?

 

この記事では、養育費の支払いを拒否できるケースや、支払いができない場合の対処方法について、ご紹介します。

養育費を減額できるケースとは?

養育費の支払いは義務ですが、収入の減少などの事情によって支払いが困難な場合、【減額できる】可能性があります!

養育費を拒否できる場合とできない場合

離婚後、元妻(元夫)から養育費の支払いを求められたとき、それ拒否できる場合とできない場合があります。

 

拒否できる可能性がある場合としては、以下のようなケースが考えられます。

  • 自分に収入が一切ない
  • 子供が養子縁組した
  • 子供が成人した

 

一方、以下のような事情があるだけでは養育費の支払いを拒否することは難しいと思われます。

  • 借金や他の支払いがあって養育費に回すお金がない
  • 元妻が再婚したが、再婚相手と養子縁組していない
  • 面会交流をさせてもらっていない

 

なお、養育費は、支払いの拒否はできなくても、減額を請求できるケースがあります。

それは、以下のような場合です。

  • 離婚後に予想外の事情変更があり、収入が減少した
  • 相手の収入が上がった
  • 自分が再婚した、子供ができた

 

以下で、それぞれどういった状況なのか、説明していきます。

 

養育費を拒否できる場合

まずは、養育費請求をされても拒否できる場合をご紹介します。

自分に収入が一切ない

養育費は、子供に対する義務として、養育にかかる費用を親が負担すべきというものです。

養育費の支払い義務は『生活保持義務』といって、「相手にも自分と同じだけの生活を維持させるべき義務」です。つまり、自分の生活レベルを落としてでも子供の生活を維持する必要があり、「余裕のあるときに援助すればよい」、という程度のものではありません。

 

ただし、「まったくの無収入」の人にまでは、支払い義務が及びません。自分が飢え死にしたり借金をしたりしてまで、子供の養育費を払うべき義務はないということです。

 

そのため、収入がまったくない人は養育費支払を拒否できるケースがあります。生活保護のケースでも「収入」ではないので、養育費支払いを拒否できる可能性があります。

子供が養子縁組した

親権者となった元妻が再婚し子供に新しい父親ができて、子供と再婚相手が『養子縁組』した場合も、養育費の支払義務が免除される場合があります。

 

養子縁組をすると法律的な『親子関係』が認められます。それにより、新しい養親が第一次的な子供の養育義務者となるからです。ただ、養親との間で扶養義務が生じても、実親の扶養義務が当然に消滅するわけではありません。必ずしも養育費全額の支払義務が免除されるわけではありませんので、注意しましょう。

 

なお、元妻が再婚しても、再婚相手と養子縁組していない場合は、実親の扶養義務には影響がありませんので、ただちに養育費の免除・減額の理由になるわけではありません。

子供が成人した

次に、子供が成人した場合にも、養育費の支払いを拒否できます。

養育費は「未成年の子供」を養育するための費用だからです。

 

現行民法では成人年齢が20歳となっているので、基本的に子供が20歳になったら養育費支払は不要となります(ただし、調停などで養育費支払終期を22歳までなどと取り決めている場合には、約束通りの支払いが必要です)。

 

また、子供が20歳未満であっても、結婚すれば『成人擬制(成人として扱われること)』されるので、養育費支払い義務はなくなります。また、就職して自活するようになった場合にも、通常養育費支払いは不要となります。

 

養育費を拒否できない場合

次のようなケースでは、養育費の支払いを拒否する方が多いものの、法的には拒否が認められないので、注意が必要です。

借金や他の支払いがあって養育費に回すお金がない

よくあるのが、

「住宅ローンを抱えている」

「すでにサラ金やカードで借金があるので養育費にまわすお金がない」

というパターンです。

しかし、これらの理由によって養育費を拒否することはできません。

 

借金や他の支払いは個人的な事情であり、子供のための養育費と関係がないからです。

 

高額な家賃や住宅ローンで支払いができないのであれば、自分の生活レベルを落としてでも、養育費を支払う必要があります。

元妻が再婚したが、再婚相手と養子縁組していない

もう1つよくあるのが、

「元妻が再婚、あるいは新しい交際相手がいて、そちらの男性が子供の面倒を見るので、自分は養育費を支払わない」

と主張するケースです。

 

しかし、これも養育費拒否の理由にはなりません。

 

交際段階ではもちろんのこと、再婚していても、子供と再婚相手が養子縁組をしていなければ、再婚相手(交際相手)には子供への養育義務が発生しないからです。

 

養子縁組前は、まだあなたに子供の養育義務があります。そのため、収入状況に応じて養育費を支払う必要があります。

面会交流をさせてもらっていない

3つ目のよくあるパターンが、

「子供と会わせてもらっていない」

という理由で養育費を拒否するケースです。

しかし、面会交流は養育費とはまったく無関係の権利です。

 

たしかに面会交流させてもらえないのは不当ですし、改善すべき問題ではあります。

 

しかし、面会交流させてもらっていないから養育費を払わなくてよいというものではありません。会わせてもらっていなくても、親の義務として養育費を支払う必要があります。

 

また、支払いをしなかったら相手から養育費調停を申し立てられて、審判が出て強制的に支払いをさせられる可能性もあります。

 

なお、相手の方も「養育費を払っていないから面会交流させなくてよい」というものではありません。養育費と面会交流は引き換えではないからです。

 

面会交流をさせてもらえないのであれば、家庭裁判所で『面会交流調停』を申し立てるなどして、面会を実現してもらいましょう。

 

養育費を減額できる場合

次に、養育費を拒否できなくても『減額請求』できる場合があります。

それは以下のようなケースです。

離婚後の予想外の事情変更により、収入が減少した

離婚時には想定していなかった予想外の事情により、収入が減少してしまった場合には、養育費の減額を請求できます。

 

ただ、こうした事情変更は「予想外のやむを得ないもの」である必要があります。

 

離婚時に想定できたことや、自分で収入が減少するとわかっていながらあえて減らした場合などには、減額の根拠にならないことがあるので、注意しましょう。

相手の収入が上がった

離婚後、相手の収入が上がった場合にも、養育費を減額できます。

 

養育費の金額は、支払い側と支払いを受ける側のバランスによって決まるからです。

 

相手の収入が上がると養育費として相当な金額が下がるので、話し合いや調停によって減額してもらうことが可能です。

自分が再婚した、子供ができた

養育費を支払っているあなたの方が、再婚したり再婚相手との間に子供ができたりすると、以前の子供に対する養育費の金額は下がります。

 

その場合、再婚相手や新しい子供を扶養すべき義務が発生し、結果的に以前の子供にさけるお金が少なくなるからです。

 

養育費を免除・減額してほしいときの対処方法

離婚後に収入がなくなって養育費を拒否したい場合や、収入減少などによって養育費を減額してもらいたい場合には、以下のような手順で手続きを進めましょう。

まずは相手と直接話し合う

養育費について、いったん取り決めた内容を変更するときには、まずは相手と話し合いをすべきです。

 

双方が新たな養育費の金額に合意すれば、これまでの金額を破棄して新しい金額を適用できるようになります。

 

養育費の金額を改定したら、養育費の支払いについての『合意書』を作成し、減額したことを書面で明らかにしておきましょう。書面化しておかないと、相手から「減額していない」と主張されて、以前の金額の養育費を請求され、紛争が蒸し返される可能性が残ります。

養育費減額調停を申し立てる

相手と直接話し合っても、養育費の減額に応じてもらえないことがあります。

 

収入の減少や再婚した事実などを告げても、相手にしてみたら「元夫の勝手な言い分」にしかすぎません。「約束通りの支払いをしないのなら強制執行する」と言ってくることも多々あります。

 

そのような場合には、家庭裁判所で『養育費減額調停』を申し立てましょう。

 

養育費減額調停とは、養育費を減額すべき事情が発生したときに、調停委員の関与によって養育費の金額を設定し直す手続きです。調停を申し立てると、2人の調停委員が間に入り、養育費を減額すべき事情があるかどうかを確認します。

 

結果、減額すべき場合であれば、相手を説得してくれます。

 

相手がそれでも減額に応じない場合には、養育費減額調停は自動的に『審判』という手続きに移行します。

 

審判になると、裁判官がケースごとの適切な養育費の金額を決定し、新たな養育費の金額の適用時期も明らかにしてもらえます。その内容に従って、減額された養育費を支払えば済むでしょう。

 

ただし、減額調停を申し立てても、減額事由がなかったら審判によっても養育費を減らしてもらうことはできません。

 

養育費減額調停で養育費を免除・減額してもらうためには、「どのような減額事情があるのか」を的確に主張し、その事情が存在することを証明することが大切です。

 

まとめ

養育費の支払いが苦しいからといって、やみくもに拒否すればよいというものではありません。

 

適切な対処をすれば減額してもらえる可能性もあるので、一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。

 

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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