離婚の慰謝料と財産分与を損せず請求するための基礎知識

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2018.3.26
慰謝料 財産分与 弁護士監修記事

離婚の慰謝料と財産分与を損せず請求するための基礎知識

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財産分与と慰謝料はどちらも離婚の際のお金に関するものですが、まったく別の性質を持っています。そのため、離婚時に慰謝料を財産分与とまとめてしまうと損をしてしまったり、後々のトラブルの原因になったりしてしまう可能性があるのです。

 

また、慰謝料を払うお金がない場合、財産分与をする際に多くもらう慰謝料的財産分与というものも存在します。

 

この記事では、財産分与と慰謝料の違いや、財産分与と慰謝料を一緒にしてしまった際に起きてしまう損や、トラブルとその回避方法、財産分与の相場、財産分与の請求方法を紹介します。

 

離婚の際に損をしないよう、この記事を参考にしてください。

離婚時の慰謝料と財産分与の違いとそれによって起こるトラブル

離婚時の慰謝料と財産分与は同じ『金銭の問題』ですが、実はさまざまな違いがあります。違いを明確にしておかないとトラブルに発展してしまうかもしれません。

 

ここでは、慰謝料と財産分与の違い、それらを混同させることによって生じるトラブルについて紹介します。

 

慰謝料と財産分与の違い

 

財産分与

慰謝料

性質

夫婦が共有して築いた財産を、清算して公平に分配するために支払う

心身・名誉・自由などを侵害する不法行為によって生じた精神的な損害を償うために支払う

定められている法律

民法第768条

民法第709条

離婚原因をつくった側からの請求

できる

できない

時効

離婚時から2年

離婚時(損害および加害者を知ったとき)から3年

 

上記のように性質がまったく異なり、定められている法律も違います。また財産分与の場合、正確な金額が算出できない場合もあるため、慰謝料を財産分与でもらってしまうと、別々にもらう場合より少ない金額となってしまう可能性があります

 

慰謝料と財産分与を一緒にした場合に起こるトラブル

協議離婚(夫婦だけで話し合って離婚すること)の際に、協議離婚書を作成します。離婚協議書に単純に金銭の支払義務のみ記載して、その内容を明記しないということもあるかもしれません。

 

このような場合、当該支払いが慰謝料としての支払いなのか、財産分与としての支払いなのかで後日紛糾する可能性があります。

 

慰謝料請求権と財産分与請求権は上記の通り別個の債権であるため、離婚協議書の支払がいずれに該当するのか明記することが望ましいでしょう。

 

財産分与に含まれる財産とならないものは?

財産分与で分与対象となる共有の財産には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、対象となる財産とならない財産について紹介します。

 

共有財産:財産分与の対象

分与の対象になるものは下記の通りになります。

  • 現金・預金
  • 婚姻期間中に積み立てた生命保険の解約返戻金
  • 不動産
  • 家財道具
  • 自動車
  • 家族のための株などの有価証券
  • 退職金(支払われているまたは、支払いが確実な場合)

 

固有財産:財産分与の対象にならないもの

  • 結婚前に貯めていたお金
  • 結婚する前に実家から持ってきた家具や家電
  • 個人的に購入した株券などの有価証券
  • 自分の親から相続した財産(土地などの不動産や遺産金)
  • 洋服や化粧品などの個人的な持ち物
  • 個人名義の負債

 

個人で築いた財産(結婚前に貯めた財産)は個人の物と認められ財産分与の対象から外れます。

 

また、妻が貯めたへそくりも基本的に分与対象になりますが、場合によっては対象から外れますので、弁護士に相談することをおすすめします。

 

【関連記事】
財産分与|相場以上の財産を獲得する方法と請求手順まとめ
離婚時の財産分与の分け方と財産分与を有利に進める方法まとめ

 

財産分与と慰謝料の相場

財産分与と慰謝料の相場をまとめました。また、財産分与とまとめて慰謝料をもらった場合、どのくらいの金額を損してしまうのか例を紹介します。

 

また、記載してある財産分与の相場の金額内には慰謝料が一切含まれていません。その他という項目は金額が決まらなかったものになります。

 

婚姻機関別の財産分与の相場

婚姻期間が5年以上の夫婦財産分与の相場

(参考:平成27年司法統計)

 

婚姻期間が5年と短いこともあり、100万円以下の金額が最も多いことがわかりました。このことから、婚姻期間が短い場合高額な財産分与は望めないことが分かります。

 

婚姻期間が10年以上の夫婦財産分与の相場

(参考:平成27年司法統計)

 

婚姻期間が10年になると、100万円以下が減り、約半数が200万円以下または400万以下で財産分与していることが分かります。まとめると婚姻期間が10年の夫婦は100万円以上400万円以下が財産分与の相場といえるでしょう。

 

婚姻期間が20年以上の夫婦財産分与の相場

(参考:平成27年司法統計)

婚姻期間が20年以上になると、100万円・400万円・1,000万円の財産分与をしてる夫婦が同じ割合なのが分かります。夫婦の働き方などによっては婚姻期間が長いからといって高額な財産分与を獲得できるとは一概には言えません。

 

ただし、婚姻期間が長い方が財産分与も高額になる傾向があります。

 

慰謝料の相場

浮気・不倫

100万円~300万円

暴力・暴言

50万円~500万円

悪意の遺棄

50万円~300万円

 

慰謝料を財産分与と一緒にもらってしまうと、本来なら財産分与にプラスしてもらうことができた慰謝料がもらえない、または減額されてしまう可能性があります

 

例として、共有の財産が1,000万円あり、夫の浮気による離婚をした事例で、単純計算として500万円の財産分与と150万円の慰謝料の請求ができたとします。合計で650万円もらうことができます。

 

しかし、財産分与と慰謝料を一括して支払ってもらう場合に金額が650万円に満たないとうこともあるかもしれません(逆に多くもらえることもあるかもしれません。一概には言えないということですね)。

 

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財産分与の請求方法の流れ

ここではどのように財産分与を行うのか流れを紹介します。下の表は財産分与を請求する方法を簡単にまとめたものです。財産をしっかり把握して、損のない財産分与を行いましょう。

 

 

財産をすべて把握し整理する

まず、財産のすべてを把握するために一覧表を作成します。家族個人でどのくらいの財産を持っているのかをまとめ、整理することが大切です。

 

また、家や車など、自分たちで正確な鑑定が難しいものは、鑑定士に鑑定してもらうとより損の少ない公平な分与ができます。また、有価証券などの変動する財産は時価の評価を行う必要があります。

 

財産分与の割合を決定する

分与対象をすべて把握し整理したら、財産分与の割合を決めます。基本的に半分ずつにしますが、話し合いで決めるため、お互いが合意すればどのような割合も可能です。また、割合を決める際に慰謝料は別ということを明確に伝える必要もあります。

 

【関連記事】
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財産を引き継ぐか決める

共同財産のうち、誰がどの財産を取得するか決めます。どちらが何を引き継ぐかに明確な決まりはありません。

 

話し合いで決まらなかった場合は、裁判所で話し合う『民事調停』を開くことができます。第三者を間に入れることにより、お互い冷静に話し合うことができるのでトラブルを回避することができます。詳しくはこちら「財産分与請求調停の手順|財産分与の獲得を有利に進める8つのコツ」をご覧ください。

 

離婚協議書を作成する

すべての話し合いがまとまったら離婚協議書を作成しましょう。これには財産分与の他に慰謝料や生活費など離婚に関する条件を記載します。

 

口約束では支払いがされなくなったときに対処することができませんが、協議離婚を作成することにより、それを証拠として裁判をすることができるのです。

 

またこの協議書を公正証書にすることにより、支払いが途絶えた際に訴訟手続きすることなく、強制執行を行うことができます。

 

この公正証書を作成するにあたり費用は掛かってしまいますが、今後のことを考えた場合、こちらの証書で作成することをおすすめします。

 

離婚協議書や公正証書について詳しくはこちら「慰謝料の請求で損をしない方法」をご覧ください。

 

まとめ

離婚をする際に、慰謝料や財産分与の性質や別々に請求しないと損をしてしまう理由がお分かりいただけたと思います。慰謝料や財産分与でしっかり請求することは、離婚後の生活が経済的に苦しくならないためにも大切なことです。

 

また、離婚の際の金銭問題に困ったときは弁護士に相談することで早期解決できるかもしれません。トラブルを最小限に抑えるためにも依頼してみるのもよいでしょう。

 

【法律監修】

プラム綜合法律事務所 梅澤康二弁護士

 

出典元一覧

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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