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相続遺産は財産分与対象外!財産分与の対象となるものや相続との違いを解説

相続遺産は財産分与対象外!財産分与の対象となるものや相続との違いを解説
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相続した遺産は、財産分与の対象とならない「特有財産」に含まれます。

ただし、不動産を共同の資金で修繕したなど、一定の条件があれば共有財産として財産分与の対象とできる可能性もあります。

ここでは、財産分与の対象となるものやその条件、離婚手続きにおける財産分与の流れなどについて詳しく解説していきます。

離婚時の財産分与でお悩みの方へ

離婚をする場合、財産分与によって夫婦の共有財産を分け合う必要がありますが、どこまでが財産分与の対象となるのか、相手が隠し財産を持っていないか、などわからないことが多く悩んでいませんか。

 

結論からいうと、財産分与に関する疑問や悩みは弁護士の無料相談で解決できるかもしれません。

 

弁護士に相談することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 財産分与の対象となる財産や、対象とならない財産がわかる
  • 離婚交渉について、弁護士に依頼すべきかわかる
  • 依頼した場合の弁護士費用がわかる
  • 財産分与以外の離婚交渉についてもアドバイスをもらえる

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相続財産は財産分与の対象外

財産分与の対象となるか否かは、民法第768条の規定により財産分与の対象とならない「特有財産」と、対象となる「共有財産」で分けられます。相続財産については、基本的に「特有財産」となるため財産分与の対象とはなりません。

財産分与の対象となる「共有財産」には、婚姻中に共同して形成した財産のみが含まれます。それぞれの具体例などについて解説していきます。

【参考】民法 第七百六十八条|e-Gov

特有財産となるもの

特有財産としてカウントされる財産の具体例には、下記のようなものが挙げられます。

  • 現金・預貯金(婚姻前に築いたもの・相続したもの)
  • 有価証券(婚姻前に築いたもの・相続したもの)
  • 不動産(婚姻前に築いたもの・相続したもの)
  • 退職金(婚姻期間以外の分)

いずれも、婚姻生活中に夫婦の協力のもとで築き上げた財産ではありません。

たとえば退職金の婚姻期間以外の分は特有財産となります。22歳で会社に入り65歳で定年退職した人の退職金が2,000万円だとして、30〜40歳までは婚姻生活が続いたとします。

そうすると、10年分の退職金は共有財産となりますが、残りの33年分の退職金は特有財産としてカウントするのです。

共有財産となるもの

共有財産となるものは、具体的には下記となります。

  • 現金・預貯金(婚姻期間中に築き上げたもの)
  • 有価証券(婚姻期間中に築き上げたもの)
  • 不動産(婚姻期間中に築き上げたもの)
  • 生命保険(婚姻期間中に築き上げたもの)
  • 退職金(婚姻期間中に築き上げたもの)

これらはいずれも婚姻期間中に築き上げたものであるというのが前提です。

現金・預貯金・有価証券については夫婦が婚姻前に保有していた金額以外は共有財産となります。

また、結婚のために購入したマイホーム(不動産)も共有財産なので、財産分与対象です。このほか、婚姻期間中に実施した不動産投資や株式投資などで得た資産も、共有財産として財産分与の対象となります。

現預金などの流動資産は特有財産として特定することが難しく、また不動産に関しては共有名義にしていることが多いため、財産分与時のトラブルにつながりやすい傾向にあります。

もし話の食い違いや意見の相違が多ければ、弁護士などの専門家に間に入ってもらいましょう。

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相続した遺産を財産分与するには?

特有財産は財産分与の対象外と紹介しましたが、過去に一定の貢献が認められた資産なら共有財産として財産分与するようにした判例もあります。

ここでは、相続財産などの特有財産が財産分与の対象となるための条件について解説していきます。

相続した物件を夫婦で修繕・リフォームした場合

相続した不動産物件を、夫婦で修繕した場合は財産分与の対象となる可能性があります。夫婦で協力して価値の維持や向上に取り組んだと判断されるためです。

夫婦で修繕をするというのは、「共有口座から費用を捻出した」場合と、「お互いに特有財産から出し合った」場合があります。たとえば、相続したのがマンションの一室で、管理組合への管理費や修繕積立金を共有口座から支払った場合なども共有財産とできる可能性があります。

このほか、株式を相続するなどしても、売買手数料や口座管理費等を共有口座から捻出したり、運用を配偶者にも手伝ってもらった場合には共有財産の対象となる可能性があるでしょう。

財産分与の割合は、通常50%ずつですが、拠出した金額や利益の大きさによって変動する余地があります。お互いに主張が異なる場合、専門家に相談しましょう。

相続した事業施設を夫婦で経営した場合

旅館や工場など、親の事業を相続した際に配偶者に事業の手伝いをしてもらった場合も、共有財産にカウントされる可能性があります。過去、夫が相続した旅館で妻が女将として働いてくれた事例があり、その際は事業への貢献が認められ、財産分与対象となりました。

事業の相続に関しては、経営への関与や事業価値向上にどのくらい貢献したか、実態に即した判断が必要となります。たとえば、節税のため名義だけ配偶者を登録しているような場合、共有財産と認められる可能性は低くなるでしょう。

従業員として働いていた場合や役員として経営に参加しているなど、「事業価値への貢献」は意見が一致しにくいものです。トラブルになる可能性が高いので、あらかじめ専門家に相談しておくとトラブルを避けることができるでしょう。

相続した土地に夫婦で建物を建てた場合

相続で手に入れた土地に、夫婦名義で建物を建てた場合、「建物部分のみ」共有財産となります。

よく争点となるのは、その土地価格が値上がりしていて、物件を査定に出した際に市場価格が高額になってしまうパターンです。不動産の市場価値は土地と連動しているため、厳格に建物価格のみを換算して財産分与するのは難しくなります。

この場合、財産分与の割合については話し合いが必要です。建物価格の50%を分け合うのが普通ですが、土地も含めた市場価格に合わせるのか、帳簿上の減価償却済みの残存価値に合わせるのか、はたまた路線価から算定するのか、争いとなります。

争いとなった場合、夫婦間での解決はほぼ不可能といえます。弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、財産分与の割合として妥当なラインを決めてもらいましょう。

相続した現金を夫婦の生活費として利用した場合

相続した現金を夫婦の共通口座に預け、生活のために日常的に利用していた場合、共有財産となる可能性があります。この場合、「日常的に利用していた」という点がポイントです。利用の実態がなく、ただ共通口座に預けただけでは特有財産のままとなります。

現金等の流動資産でよくあるケースとして、相続した財産が元々どのくらいで、共有財産が元々どのくらいだったか、判別が困難になってしまった場合には共有財産として処理するしかないのです。

婚姻中は特有財産からの持ち出しなどは日常的におこなわれますので、帳簿をつけるなどしっかり管理をしておきましょう。

相続遺産の財産分与でよくあるトラブルを解説

相続した遺産がある場合の財産分与について、よくトラブルになるケースを解説していきます。

介護したのは相続人ではなくそのパートナー

相続財産の財産分与では、介護による貢献が争点となることがあります。たとえば、夫の父が認知症等による要介護者で、妻がその介護をしていたケースなどです。この場合、相続財産は夫の特有財産となり財産分与の対象とはなりません。

財産分与の考え方としては、財産を築くにあたって夫婦の協力があったかどうかがポイントになります。介護については、財産の形成に対しての貢献は認められません。

ただし介護等の労務は、その貢献に対して金銭を請求することはできます。これは民法1050条で定められた「特別の寄与」により規定されている権利です。「特別の寄与」とは、被相続人へ無償で監護・介護等の労務を提供した親族に対して、その労務への正当な対価を請求する権利を保証するものです。

この相続権は、配偶者などにも認められています。正当な金額というのは算定が難しいので、専門家に相談しましょう。

【参考】e-Gov|民法

相続した不動産がある

相続した不動産も財産分与の対象とはなりません。名義だけを変更したとしても、財産を築き上げるのに貢献したとはいい難いためです。

こうした物件を共有財産にするためには、たとえば下記のような方法があります。

  • 夫婦の共同口座から修繕費を捻出する
  • お互いの特有財産からリフォーム代などを捻出する

不動産などの相続した財産に関しては、上記のように価値の維持や向上に対してどれだけ貢献したかという点が争点となります。基本的に素人では判断できないため、争いになりそうな場合は専門家に相談しましょう。

建物の維持管理に多大な貢献があった

修繕費の捻出やリフォーム代の負担など以外にも、その物件の価値を維持するために多大な貢献をしたと認められる場合、その貢献に応じて財産分与を請求できる可能性があります。

たとえば、すでにマイホームを持っており、相続で空き家を取得・売却しようとしたとします。空き家は人の手が入らないとすぐに使い物にならなくなってしまうので、売却が完了するまで掃除や片付けといった労務をおこない、売り物としての価値を維持していたとします。

この場合、その貢献に応じて売却後の利益の一部を請求できる可能性があります。

もっとも、こうした貢献は目に見えづらく相手から拒否されることも多いものです。専門家に相談して「何をどれくらいしたのか」など、主張を伝えその証拠も提出できるようにしておきましょう。

たとえば相続直後と売却後の写真を撮っておくなどすれば、どの程度貢献したかがわかりやすくなる可能性があります。

財産分与をする際の注意点

財産分与では、離婚協議中の調査や婚姻生活中の管理がトラブルを防ぐことにつながります。ここでは、財産分与の際に注意しておきたいポイントを押さえておきましょう。

別居中に築いた財産は共有財産と認められない

別居中に作られた財産は共有財産と認められません。財産分与は婚姻期間で、「共同で」築いた財産が対象となるからです。別居をしてしまうと共同性が失われ、そこでできた貯金等の財産は特有財産としてカウントされます。

裁判で離婚が認められる理由の一つに、長期間に及ぶ別居があります。長期間の別居は、民法770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。

別居期間は特に法で定められていませんが、大体3〜5年程度で成立します。この期間で購入した車や貯金などは、夫婦の共同性が認められず、特有財産として扱われます。

ただし、単身赴任についてはこの限りではありません。たとえ別居状態だとしても、単身赴任という名目があると、別居期間としては扱わないことを覚えておきましょう。単身赴任か別居か、立証するのは難しいところなので、もし単身赴任中の離婚を検討している方は、専門家に相談しましょう。

【参考】e-Gov|民法

財産分与には制限時間がある

財産分与には2年という制限時間があります。離婚成立から2年経過した時点(除斥期間といいます)で、家庭裁判所への請求権がなくなってしまうのです。

別居中に離婚した場合は、別居した時点までの財産が財産分与対象になりますが、排斥期間は離婚した時点から2年となります。ベストなのは、離婚成立と同時に財産分与も完了できることです。事前にしっかり準備しておきましょう。

なお、離婚時に相手が財産を隠していた場合、除斥期間を過ぎても請求できる可能性があります。財産を隠していたことを立証できればOKなので、専門家に相談しましょう。

また、財産分与が確定したあとに財産の引き渡しがない場合もあります。この場合10年以内に請求しなければ、権利がなくなってしまうので注意しましょう。裁判所への申し立てをおこなうことで、この期間は延長可能です。

財産分与の流れを解説

ここからは財産分与の流れについて解説します。これから離婚を考えている方は、スムーズに手続きができるよう、しっかり確認しておきましょう。

共有財産を特定する

まず共有財産となるものをリストアップします。現金や車などのプラスの財産のほか、住宅ローンやクレジットカードの請求額などマイナスの財産も財産分与の対象です。夫婦共同で作ったものは全て財産分与の対象となるので注意しましょう。

住宅を持っている場合は権利書やローンの名義をチェックしておきましょう。場合によっては名義変更の手続きなどで費用が発生します。また、マイナスの資産については名義人にのみ支払い義務が発生します。プラスの財産分与の割合が変化するので、正確にリストアップしましょう。

保有していた株式やペット、そのほか特有財産としてカウントしたいものなど、共同性をめぐるトラブルは起こりやすいものです。まず簡単な部分から着手をし、話し合いで解決できなさそうな場合は専門家に頼りましょう。

分与方法を確定させる

財産のリストアップができたら、財産分与の方法と割合を確定させます。現預金などはそのまま分与割合に応じて分け合えばよいですが、不動産などの固定資産はそうはいきません。こうしたものの財産分与方法には、以下3通りの方法があります。

  • 売却して現金にしてから分割する
  • 一方が現物を取得し、相当分の現金を一方に支払う
  • 現物を相当分で分け合う

売却して現金にしてから分割する

たとえば車やマイホームなど、現物として分割が難しいものの場合、売却して現金化し、それを分け合うという方法があります。この際注意が必要なのはローンの存在です。

たとえば4,000万円のフルローンで購入したマイホームを5,000万円で売却できた場合、1,000万円を山分けすれば解決できます。しかし、3,000万円でしか売却できなかった場合、残ったローンをどのように処分するか、判断が分かれます。

その他現預金が1,200万円分あれば、ローンを返済して残りの200万円を分け合うのが通常の手続きです。しかし、そうした現預金がない場合、残債分はローンの名義人が返済しなくてはなりません。

よくトラブルになるので、ローンが残っているマイホームがある場合はあらかじめ専門家に相談しておきましょう。

一方が現物を取得し、相当分の現金を一方に支払う

この方法は、先ほどの住宅の例でいえば、4,000万円相当の住宅を一方が入手し、2,000万円相当の現金を相手に支払う方法になります。ローンの過多によって変動するので、事前の調査をしっかりとおこないましょう。

現物を相当分で分け合う

この方法は、売却せずに現物を分け合う方法です。たとえば、一方は住宅、一方は車に現預金・株式といった具合です。この場合もローンの残債や固定資産の価値をどのような基準で決定するかでトラブルとなりえますので、専門家に相談し合意形成をしっかりとおこないましょう。

なお,不動産を共有名義のまま離婚する方法は、相手方の同意なく売却できない、税金の支払いでトラブルになる、相続時にトラブルになるなど問題が大きいといわれているので、避けるようにしましょう。

離婚協議書の作成

分割方法と割合が定まったら、離婚協議書の策定をおこないます。不動産の名義変更やクレジットカード、金融機関の名義変更など、さまざまな手続きが発生するので、作成と共に必要書類をまとめておきましょう。

離婚協議書には所定の書式といったものは存在しません。最低限記載が必要なものは下記のとおりです。

  • 慰謝料
  • 財産分与の内訳・割合
  • 年金分割
  • 親権者・養育費・面会交流(※子どもがいる場合)

など

年金分割や養育費など、離婚後も長期にわたって関係が必要な内容に関しては、公証役場で公正証書として作成することも可能です。

離婚協議書は一種の契約書であるため、明確に定められた項目には従わなければなりません。しかし、曖昧な表現や不備があると法的拘束力を持たず、場合によっては相手が取り決めを守らない可能性もあります。

弁護士などの専門家に相談するか、公正証書として登録するなどがおすすめです。

離婚調停

離婚協議書は当事者間で話がまとまった場合に作成します。話がまとまらなかった場合、まず所轄の家庭裁判所に届け出をして「離婚調停」をおこないます。

離婚調停をおこなうには、「申し立てる人」が、「相手の住所」を管轄する家庭裁判所に申し立てをおこないます。おおまかな流れとしては下記のとおりです。

  • 申し立て
  • 調停期日
  • 2回目以降の調停期日
  • 調停成立又は不成立

調停期日とは実際に裁判所に行く日のことです。ここでは調停委員に自分の主張を具体的に伝えることになります。調停委員は、中立・公平な立場から調停を進めてくれますが、味方になってくれる訳ではないので、自分の考えをきちんと整理して伝えることが大切です。そのあと何度かお互いが相手の主張を聞き、再度主張することを繰り返します。

最終的に調停による離婚成立か、不成立となって離婚裁判もしくは取り下げといった形になります。調停成立の場合、調停調書が策定されるので、10日以内に本籍地または所在地の役所に離婚届を提出します。

離婚訴訟

離婚調停が不成立となり、それでも離婚したい場合、離婚訴訟をおこなわなければなりません。お互いが主張を曲げない、受け入れられないといった理由で成立する見込みがないと調停員が判断した時点で、調停が不成立となります。

離婚裁判の流れは下記のとおりです。

  • 家庭裁判所に訴状を提出する
  • 訴状送達
  • 答弁書の提出
  • 口頭弁論
  • 当事者への尋問
  • 判決

訴状の提出先は調停をおこなった家庭裁判所でOKです。訴状の提出ができたら、2週間程度で相手方に書状が届きます。答弁書の提出期日などが定められ、それぞれお互いの主張を記載して提出します。

口頭弁論は裁判所の法廷で実施されます。主張の正当性について証拠を持って説明しなければなりません。事前に弁護士とのすり合わせをしっかりしておきましょう。当事者への尋問で証拠が本物か、正当なものかなどを精査されます。

これらを総合的に判断し、判決が言い渡されます。口頭弁論から、概ね1か月くらいで双方に判決書が送達されます。判決に納得いかない場合、控訴して高等裁判所・さらに上告して最高裁判所での裁判となります。

控訴期間は2週間です。特に控訴がなければ判決確定となるので、速やかに控訴状を提出しましょう。

財産分与を弁護士に相談するメリットを解説

相続した遺産の財産分与については不動産等の専門知識や、過去の判例といった法律知識が必要不可欠になります。ここからは、財産分与について弁護士に相談するメリットについて紹介していきます。

財産の把握が容易になる

弁護士に依頼をすることで、財産分与で分け合える財産の把握を容易にすることができます。

弁護士は、弁護士会照会という手段で、隠し財産の調査が可能です。弁護士会照会では、保険の加入状況や銀行の預金残高・証券会社の保有株式数や銘柄、勤務先の住所や給与など、社会的な情報はほぼ全て把握できます。ただし,銀行名だけでなく支店名まで特定が必要などの条件があります。

なお、離婚成立後に隠し財産が発覚した場合でも、財産分与の請求が可能です。万が一、離婚後の相手の生活などで不審に感じた場合でも弁護士に相談してみましょう。

財産分与割合の交渉が容易になる

特に相続した財産の場合、不動産や車・その他有価証券といったさまざまな形で相続をおこないます。その全てに対して、管理や出費といった形で貢献をしている場合、財産分与の請求が可能です。

これらは全て「貢献の度合い」によって分与割合を決定するのが通常です。弁護士に依頼すれば、自身の貢献度を加味して、交渉を有利に進めることができるでしょう。

なお、共有財産と認められるものについては、通常50%ずつ分割しますが、離婚の理由によっては、財産分与とは別で慰謝料の請求があります。弁護士なら財産分与はもちろん、慰謝料請求についても相談できるので、離婚についてほかにも心配なことがある場合は、相談してみるのがおすすめです。

調停のサポートをしてくれる

双方の話し合いで解決することができなかった場合、離婚調停のステップに入ります。通常は調停委員へ主張を伝える形になりますが、自身の主張を適切に理解してもらうには、それに見合った証拠と理論が必要です。

弁護士なら、そうした証拠集めから理論づくりまでサポートしてくれるでしょう。

調停で重要なのは、調停委員に味方になってもらい、相手方を説得してもらえるように関係を築くことです。いち早く離婚したい・財産分与の割合に納得がいかないなど、調停で果たしたい目的は多岐にわたるはずですので、客観的に見て主張が正当である裏付けを弁護士に協力してもらいながら構築しましょう。

訴訟は弁護士しかできない

調停が不成立の場合、いよいよ裁判となります。法廷には弁護士と当事者しか立つことができません。相手も弁護士を雇ってきますので、長期戦になる可能性が高くなります。

離婚協議の早いうちから弁護士に相談しておけば、おおよその事情を把握してもらえているので、法廷の場でも負担を少なくできるでしょう。

遺産分割との違い

「財産分与」と似たような言葉で「遺産分割」という言葉があります。

「遺産分割」は、相続財産を法定相続人同士で分け合うことをいいます。なお、法定相続人は被相続人と血縁関係・婚姻関係にある人のみです。このため、相続人の配偶者には相続権はありません。

財産分与の問題の際は、遺産分割が問題になることはあまりないので、言葉の違いだけ押さえておきましょう。

まとめ|原則、相続した遺産は財産分与しない

原則、相続した遺産は財産分与の対象とはなりません。たとえ配偶者が介護をしてくれていたとしても、義務は発生しません。

ただし、どうしても相手が納得しそうにない場合や、「特別な寄与があった」として請求をしてくる場合、その貢献の度合いや割合について検討しなければなりません。

こうした判断は離婚の当事者同士ではなかなか決着しにくいものです。少しでも迷ったら専門家に相談しましょう。

離婚時の財産分与でお悩みの方へ

離婚をする場合、財産分与によって夫婦の共有財産を分け合う必要がありますが、どこまでが財産分与の対象となるのか、相手が隠し財産を持っていないか、などわからないことが多く悩んでいませんか。

 

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この記事の監修者
弁護士法人ベストロイヤーズ法律事務所
大隅 愛友 (千葉県弁護士会)
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