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養育費に確定申告は必要?原則不要の条件と払う側の扶養控除を解説

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養育費を受け取っている人も支払っている人も、確定申告の時期になると「養育費はどう扱えばいいのか」と迷いがちです。

結論からお伝えすると、養育費を受け取る側は原則として確定申告が不要で、支払う側は一定の条件を満たせば扶養控除によって税負担を軽くできます。ただし受け取り方によっては例外的に贈与税がかかるケースがあるため、注意が必要です。

この記事では、受け取る側が非課税になる条件から、支払う側が扶養控除を受けるための要件・確定申告書の書き方までを整理します。個人事業主の申告手続や、元配偶者と扶養控除で揉めたときの対処法もカバーしているので、養育費と税金の疑問をまとめて解消できます。

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目次

養育費を受け取る側の確定申告は原則不要

養育費を受け取っても、確定申告や納税は原則として必要ありません。養育費は子どもの生活費や教育費にあてるためのお金であり、所得税法上は非課税所得として扱われるためです。

そのため、シングルマザーなどの受け取る側が、パート収入と養育費を合算して申告する必要もありません。養育費は所得税の課税対象となる所得に含まれないので、給与所得だけを通常どおり申告(または年末調整)すれば済みます。

「まわりに申告していない人が多いけれど大丈夫なのか」と不安に思う方もいますが、そもそも申告義務がないため安心してください。

ただし、受け取り方や金額によっては例外的に贈与税がかかる場合があります。次から、非課税となる法的根拠と例外のケースを順に見ていきましょう。

養育費が非課税となる法的根拠

受け取った養育費が非課税になるのは、扶養義務にもとづいて生活費や教育費にあてるために渡されるお金だからです。根拠は複数の法律にまたがっています。

法律 定めている内容
所得税法9条 扶養義務者どうしで扶養義務を果たすために給付される金品を、非課税所得としている
相続税法21条の3 扶養義務者間で生活費・教育費にあてる贈与のうち、通常必要と認められるものには贈与税を課さない
民法877条1項 親子などに扶養義務を課している(=別居の親から子への養育費も扶養義務に基づく送金にあたる)

このように、養育費は扶養義務に基づく子どもの権利であって、所得や給料ではありません。だからこそ、別居している親からの養育費でも非課税になります。個人事業を営み、確定申告をしている方でも、養育費を「所得」欄に含める必要はありません。

例外的に贈与税や申告が必要になるケース

養育費という名目で受け取っても、次のような場合は例外的に贈与税の対象になることがあります。

  1. 将来分をまとめて一括で受け取った
  2. 株式・不動産の購入など生活費・教育費以外に使った
  3. 相場を大幅に超える高額な養育費を受け取った

1つ目の一括受け取りは、その都度の生活費というより預貯金としての性質を帯びるため、贈与とみなされることがあります。贈与税の暦年課税では、1年間に受け取った贈与の合計が110万円を超えると課税対象です。

2つ目は、子どもの生活費・教育費以外に回した分が贈与とみなされるケース。3つ目は、社会通念上あきらかに過大な額が「通常必要と認められる範囲」を超えるとして、超過部分が課税されるケースです。

なお、一括受け取りには未払いリスクを避けられる利点がある一方、贈与税の問題に加え、支払う側が扶養控除を使えなくなるという面もあります。支払い方法は税金面も含め、元配偶者と事前に話し合って決めるのが望ましいでしょう。

養育費を支払う側は扶養控除で税負担を軽減できる

養育費を支払う側は、一定の要件を満たせば扶養控除を使って税負担を軽くできます。離れて暮らす子どもであっても対象にできる場合があるのがポイントです。

扶養控除が適用されると、所得税・住民税の計算のもとになる所得から一定額を差し引けるため、納める税金が下がります。手続きは、自営業・個人事業主の方は確定申告で、会社員の方は年末調整でおこないます。

ただし、誰でも無条件に受けられるわけではありません。税法が定める要件を満たす必要があります。次から、軽減される金額の目安と対象要件を順に見ていきましょう。

扶養控除でいくら税負担が軽減されるか

扶養控除の額は子どもの年齢で決まります。一般の控除対象扶養親族(16歳以上)なら、所得税で38万円、住民税で33万円が所得から差し引かれます。年齢区分ごとの控除額は以下のとおりです。

【扶養控除額(所得から差し引かれる金額)】

扶養親族の区分 対象年齢 所得税 住民税
一般の控除対象扶養親族 16歳以上19歳未満 38万円 33万円
特定扶養親族 19歳以上23歳未満 63万円 45万円

注意したいのは、この金額は税額そのものではなく、課税所得から差し引く額だという点です。実際にいくら軽くなるかは、その人に適用される所得税率で変わります。

たとえば38万円の控除を受ける場合、所得税率10%の方なら所得税がおよそ3万8,000円軽くなる計算です(住民税分は別途軽減されます)。税率は所得に応じて変わるため、あくまで一例と捉えてください。

扶養控除の対象となる要件

扶養控除を受けるには、次の4つの要件を全て満たす必要があります。

  1. 子どもと生計を一にしている
  2. 子どもの年間の合計所得金額が基準以下である
  3. 子どもを事業専従者にしていない(青色申告者の事業専従者として給与を支払っている、または白色申告者の事業専従者にしている場合は対象外)
  4. その年の12月31日時点で子どもが16歳以上(詳しくは後述の「扶養控除が受けられないケース・子どもが16歳未満である」で解説します)

③は、自営業の方が子どもを家業に従事させて給与を払っているケースなどが該当し、この場合は控除を受けられません。

なお、離れて暮らしていても、養育費を継続して送金していれば①の「生計を一にする」要件を満たせます。この点は国税庁の質疑応答事例でも示されています。

以下では、特に判断がわかれやすい①と②の要件を掘り下げます。

同居でも別居でも「生計を一にする」と認められる

「生計を一にする」という要件は、同居か別居かを問わず満たせます。離婚後も子どもと同居し、生活費を負担している場合は、事実上生計を一にしているとみなされ、この要件を満たします。

一方、別居していても、養育費が扶養義務の履行として支払われ、かつ子どもが成人に達するまでなど一定の年齢に限って継続的に支払われていれば、生計を一にすると認められます。これは国税庁の質疑応答事例(生計を一にするかどうかの判定)で示された考え方です。

別居の場合は、銀行振込など記録が残る方法で送金するとよいでしょう。現金の手渡しでは、送金の事実を客観的に証明するのが難しくなります。

なお、慰謝料や財産分与の額を含んで支払われ、養育費の額をはっきり区分できない場合は、生計を一にするとは認められないとされている点にも注意が必要です。

子どもの合計所得金額が基準以下である

扶養控除を受けるには、対象となる子どもの年間の合計所得金額が基準以下でなければなりません。基準額は適用される年分によって異なります。

適用年分 合計所得金額の要件 給与収入のみの場合の目安
令和7年分 58万円以下 123万円以下
令和8年分以後 62万円以下 136万円以下

※令和6年分以前は48万円以下(給与収入103万円以下)。
※給与収入の目安は、給与所得控除の最低保障額(65万円)を差し引いて算出した概算です。
※住民税の基準額の引き上げは所得税より1年遅れて適用されます。

中学生以下の子どもは通常自らの収入がないため、この要件が問題になることはほとんどありません。一方、大学生などでアルバイト収入がある子どもに養育費を支払う場合は、収入が基準を超えていないか事前に確認しておきましょう。

養育費を払っても扶養控除が受けられないケース

養育費を支払っていても、年齢や支払い方法などによっては扶養控除を受けられないことがあります。無条件で控除できるわけではないため、次の4つのケースに当てはまらないか、申告の前に確認してください。

控除を受けられないケース 理由
子どもが16歳未満 児童手当の対象となる年齢のため、扶養控除の対象外とされている
将来分を一括で支払っている 継続的な送金と認められず、生計を一にすると判断されにくいため
受け取る側がすでに子を扶養に入れている 一人の子どもについて父母のどちらか一方しか控除を受けられないため
慰謝料・財産分与と区分できない形で支払っている 養育費の額が明確に区分できず、扶養履行の送金と認められないため

以下で、それぞれのケースを詳しく見ていきましょう。

子どもが16歳未満である

その年の12月31日時点で16歳未満の子どもは、扶養控除の対象外です。児童手当の支給にともない、15歳以下(中学生以下)を対象とする年少扶養控除がすでに廃止されているためです。子どもが16歳になる年から、扶養控除の対象になります。

年齢区分ごとの控除額は次のとおりです。

区分(年齢) 所得税の控除額 住民税の控除額
16歳未満 対象外 対象外
一般の控除対象扶養親族(16歳以上19歳未満) 38万円 33万円
特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円 45万円

なお、児童手当は子どもを養育して同居している親が受給者になります。そのため、離婚して子どもと離れて暮らし養育費を支払っている親は、扶養控除も児童手当も受け取れない点に留意してください。

将来分を一括で支払っている

将来の養育費をまとめて一括で支払った場合、扶養控除の対象にならないことがあります。扶養控除は、その年ごとに生活費を継続して負担している事実にもとづいて認められる制度であり、一括払いは「常に生活費などを送金している」状態とは判断されにくいためです。

ただし、一括払いだからといって一律に対象外となるわけではありません。生計を一にしているか、継続的な負担といえるかなどによって、税務上の取り扱いは変わります。判断が難しいケースもあるため、一括払いを検討している場合は、事前に税務署や税理士へ確認しておくと安心です。

なお、一括払いは受け取る側で贈与税がかかる場合がある点にも注意が必要です。支払い方法は、税金面も含めて慎重に検討しましょう。

受け取る側がすでに子を扶養に入れている

一人の子どもについて扶養控除を受けられるのは、父母のうちどちらか一方だけです。元配偶者がすでに子どもを扶養に入れている場合、養育費を支払う側は控除を適用できません。

父母の双方が同じ子どもで扶養控除を申告すると、税務署から是正を求められます。どちらが控除を受けるかは、事前の話し合いで一方に決めておく必要があります。

なお、子どもが複数いる場合は、長男は父・長女は母というように子どもごとに分ければ、父母それぞれが扶養控除を受けられます。重複しなければ問題はありません。

慰謝料・財産分与と区分できない形で支払っている

慰謝料や財産分与とまとめて支払っていて養育費部分を区分できない場合、扶養控除を受けられないことがあります。

離婚時に慰謝料や財産分与を分割払いにし、「養育費と合わせて月〇円」と取り決めるケースがあります。この形では、支払った金額のうちどこまでが養育費なのかを切り分けられず、扶養控除の対象となる養育費の額を特定しにくくなります。

控除を受けたい場合は、取り決めの内訳で養育費の額を明記し、慰謝料や財産分与と区分できるようにしておきましょう。離婚協議書や公正証書に内訳を書き残しておくと安心です。

養育費の確定申告で扶養控除を申告する手続き

養育費を支払う側が扶養控除を受けるには、まず共通の準備を整え、そのうえで働き方に応じた申告をおこないます。

働き方にかかわらず、元配偶者との重複確認と送金記録の保管は共通して必要です。この2つの準備を済ませてから、自分の働き方に合った申告をすれば、申告漏れを防げます。以下の流れで進めていきましょう。

ステップ 実施内容 対象者
事前準備 元配偶者と扶養控除が重複しないか確認する 全員共通
送金記録など支払い事実を証明する書類を保管する 全員共通
申告 年末調整で勤務先に申告書を提出する 会社員
確定申告書に記入して申告する 個人事業主・自営業

【共通】元配偶者と扶養控除の重複がないか確認する

申告の前に、元配偶者とどちらが扶養控除を受けるかを合意しておきます。一人の子どもについて、父母の双方が控除を申告することはできないためです。(「受け取る側がすでに子を扶養に入れている」)

まず、相手の就労状況や、すでに子どもを扶養に入れていないかを確認しましょう。一般的には、所得が高い側が控除を受けたほうが節税の効果は大きくなります。あとから重複が判明すると税務署の是正やトラブルにつながるため、事前の取り決めが欠かせません。

【共通】送金記録など支払い事実を証明する書類を保管する

会社員でも個人事業主でも、養育費を送金した記録は税務調査に備えて保管しておきます。別居している子どもで控除を受けるなら、働き方にかかわらず共通して必要な備えです。具体的には、次のような書類が「生計を一にする」事実を客観的に示す証拠になります。

  • 銀行振込の明細・通帳のコピー:いつ・いくら送金したかを示す、最も基本的な証拠
  • 離婚協議書・公正証書:養育費の取り決めと金額の内訳を示す書類
  • 調停調書・審判書:家庭裁判所の調停や審判で養育費が決まった場合の記録

これらの書類は、確定申告書や年末調整の申告書に添付する義務はありません。ただし、税務署から提示を求められたときにすぐ出せるよう、手元にそろえておきましょう。

【会社員】年末調整で申告する

会社員の方は、勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出することで扶養控除を受けられます。この申告書は多くの場合、勤務先から配布されます。

記入するのは「控除対象扶養親族(16歳以上)」の欄で、養育費を支払っている子どもの氏名・続柄・生年月日・マイナンバー・住所・所得の見積額を書きます。

控除対象扶養親族(16歳以上)

別居している子どもがアルバイトをしている場合は、給与額を確認して所得の見積額を把握しておきましょう。これを提出すれば、年末調整で控除が反映されます。

会社員は通常、この提出だけで手続きが完結します。ただし、給与収入が2,000万円を超える方や、副業などの所得が20万円を超える方、医療費控除・ふるさと納税などの控除を受けたい方は、別途自ら確定申告が必要になる場合があります。

【個人事業主・自営業】確定申告で申告する

年末調整の対象でない個人事業主・自営業の方は、確定申告で扶養控除を申告します。記入するのは、確定申告書第一表の扶養控除欄と、第二表の子どもに関する欄です。

第一表の「所得から差し引かれる金額」にある扶養控除の欄に、控除額(一般の扶養親族は38万円)を記入します。区分欄は子どもが国外に居住している場合だけ記入するもので、通常は空欄で構いません。

第一表

次に第二表の「配偶者や親族に関する事項」の欄に、養育費を支払っている子どもの氏名・マイナンバー・続柄・生年月日を記入します。子どもと別居している場合は、同じ欄にある「別居」に丸をつけます。

さらに、別居している場合は第二表の一番下にある「住民税・事業税に関する事項」の欄に、別居している子どもの氏名と住所も記入します。これは、別居する扶養親族の情報を住民税の課税自治体に伝えるための記入です。

第二表

なお、養育費そのものを事業の必要経費にすることはできません。子どもへの仕送りは家事費にあたるためです。誤って経費に計上すると税務調査で否認され、追徴課税を受けるおそれがあります。経費ではなく所得控除(扶養控除)として申告しましょう。

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元配偶者と扶養控除で揉めたときの対処法

元配偶者とどちらが扶養控除を受けるかで揉めたときは、相手の不安を解消し、双方が納得できる形に調整するのが基本です。

相手が控除を譲ろうとしない背景には、「自分が損をするのではないか」「親権に関わるのではないか」といった不安があると考えられます。次の3つの対処を踏まえて、冷静な話し合いにつなげましょう。

①扶養控除は親権に影響しないと説明する

扶養控除は税法上の制度であり、どちらの親が使っても親権や監護権には一切影響しません。まずこの点を相手に伝えることが、話し合いの前提になります。

受け取る側の親が控除を譲りたがらない背景には、扶養に入れると子どもを取られるのではないかという誤解があることがあります。

しかし、別居している親が扶養控除を適用しても、同居している親が親権者である事実や、子どもとの日常生活が変わることはありません。ここを丁寧に説明すると、対立がやわらぎやすくなります。

②控除で軽くなった分を養育費に上乗せする交渉をする

控除で軽くなった税負担の一部を養育費に上乗せすれば、双方にメリットが生まれます。

支払う側が控除を受けたい場合、その節税分を月々の養育費の増額に回すという提案が有効です。たとえば所得税率10%の方が一般の扶養控除を受けると、所得税で約3.8万円(38万円×10%)、住民税で約3.3万円(33万円×10%)、あわせて年7万円ほど軽くなります。

このうちの一部を養育費に上乗せすれば、支払う側は手取りの負担が変わらないまま、受け取る側は実質的な収入増になり、双方にメリットがある形をつくれます。

ポイントは、節税分を全額ではなく一部還元することです。こうすれば両者にメリットが残り、合意に至りやすくなります。上乗せに合意したら、あとで揉めないよう、離婚協議書や公正証書に養育費の額として明記しておきましょう

③話し合いが難しいときは弁護士に調整を依頼する

当事者だけでは解決が難しいときは、弁護士に間に入ってもらいましょう。感情的な対立で話が進まない場合でも、第三者である弁護士が入ることで、冷静に調整を進めやすくなります。

弁護士に依頼すれば、どちらが控除を受けるべきか、養育費をどう調整すればよいかといった具体的な助言も受けられます。話し合いでまとまらないときには、そのまま調停や審判といった法的手続へスムーズに移行できるのも強みです。弁護士に相談・依頼する詳しいメリットは、「養育費や離婚後の税務は弁護士への相談が有効」で詳しく説明します。

養育費や離婚後の税務は弁護士への相談が有効

養育費や扶養控除をめぐる税金の問題は、弁護士に相談することで税務リスクを避け、養育費を確実に確保しやすくなります。

扶養控除の調整や養育費の未払いといった問題は、一人で抱え込むより専門家に頼るほうがスムーズに進みます。次の3つのメリットを踏まえ、早めに相談することで、離婚後の経済的な不安をやわらげられます。

①扶養控除の重複など税務トラブルを未然に防げる

弁護士を介して元配偶者と取り決めをしておくと、扶養控除をめぐる税務トラブルを未然に防げます。もっとも効果的なのは、どちらが扶養控除を受けるかを離婚時に取り決め、書面に残しておくことです。

弁護士に依頼すれば、この取り決めを公正証書として明確な形にできます。曖昧な口約束のまま進めると、双方が申告してしまい税務署から是正を求められるおそれがありますが、書面にしておけばこうしたリスクを避けられます。

税理士と連携している法律事務所であれば、離婚の手続きと並行して税務面の助言も受けられます。

②未払いが発生しても法的手続で回収できる

養育費の支払いが滞ったときも、弁護士がいれば強制執行などの手段をすぐにとれます。養育費の未払いは決して珍しくなく、受け取る側にとっては生活を左右する深刻な問題です。

弁護士が代理人として督促をおこなえば、相手に法的なプレッシャーを与えて支払いを促せます。さらに、強制執行認諾文言のついた公正証書があれば、裁判を経ずに相手の給与や銀行口座を差し押さえることも可能です。

日ごろから支払いの記録を残し、公正証書を整えておくことが、いざというときの確実な回収につながります。

③個人事業主でも適正な養育費額を算定できる

自営業の養育費は算定が複雑ですが、弁護士に相談すれば適正な額を出しやすくなります。

養育費の適正額は、家庭裁判所が公表する養育費算定表を基準に決めるのが一般的です。個人事業主の場合は、確定申告書の「課税される所得金額」が算定のもとになります。

ただし、この課税所得金額には、実際の収入額との差を調整するために加算・控除する項目があり、専門家でないと適正額の算出が難しいケースがあります。自営業の養育費を適正に決めたい場合は、離婚問題に詳しい弁護士に相談すると安心です。

養育費や税金の不安を一人で抱えているなら「ベンナビ離婚」

「受け取った養育費に税金がかかるのでは」「相手と控除が重複していないか不安」。養育費まわりの税金は、調べるほど複雑で判断に迷いがちです。とはいえ、どの弁護士に相談すればいいかわからない方も多いはずです。

そこで役立つのが、離婚問題に注力する弁護士を探せるポータルサイト「ベンナビ離婚」です。居住地域と相談内容を選ぶだけで、慰謝料問題を取り扱う弁護士を簡単に探せます。さらに、次のような条件で絞り込めます。

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養育費の確定申告に関するよくある疑問

養育費の確定申告について、受け取る側・支払う側が抱きやすい疑問をまとめました。母子家庭の収入の扱いや、申告を忘れたときの対応など、細かな点を解消しておきましょう。

Q. 養育費を受け取る側は所得税・住民税の収入にならない?

税法上、受け取った養育費は所得税の課税対象となる所得に含まれず、所得税・住民税はかかりません。母子家庭などで養育費を受け取っている場合でも、確定申告で収入として申告する必要はありません。

ただし、税金とは別の制度である児童扶養手当などでは、養育費が収入として扱われ、支給額に影響する場合があります。税法上の非課税と、手当の所得判定は別のしくみです。手当への影響が気になる場合は、児童扶養手当を解説した記事もあわせて確認してください。

Q. 年末調整で申告し忘れても確定申告で取り戻せる?

年末調整で扶養控除の申告を忘れても、自分で確定申告(還付申告)をすれば取り戻せます。

また、勤務先に離婚の事実や別居している子どものことを知られたくない場合は、年末調整で申告せず、自分で確定申告をするという選択もできます。

この方法なら、勤務先を通さずに納めすぎた税金の還付を受けられます。記入方法は、「養育費の確定申告で扶養控除を申告する手続き」を参考にしてください。

Q. 過去に控除し忘れた分は最長5年遡って取り戻せる?

過去に扶養控除を申告し忘れていた場合でも、更正の請求や還付申告によって最長5年前まで遡って手続きできます。

養育費を支払っていたのに扶養控除を使ってこなかった方は、納めすぎた税金を取り戻せる可能性があります。所轄の税務署に対して、更正の請求または還付申告をおこないましょう。

手続きには当時の振込明細など支払いの事実を証明する書類が必要になるため、あらかじめ用意しておきましょう。

Q. 離婚時の慰謝料・財産分与も原則は非課税?

離婚にともなう慰謝料や財産分与は、原則として所得税がかかりません。精神的な苦痛に対する損害賠償や、夫婦の財産清算・生活保障という性質を持つためです。

ただし、社会通念上あきらかに過大な額を受け取った場合は、例外的に贈与税の対象になることがあります。慰謝料と養育費は性質が異なりますが、どちらも適正な額の範囲内であれば、受け取る側の申告は不要です。

まとめ|養育費の確定申告は受け取る側は不要・払う側は扶養控除を活用しよう

養育費の確定申告について、受け取る側は原則として申告が不要で、養育費を収入に含める必要もありません。ただし、一括での受け取りや生活費以外への使用など、例外的に贈与税がかかるケースには注意が必要です。

支払う側は、生計を一にすることや子どもの年齢などの要件を満たせば、扶養控除によって所得税・住民税を軽くできます。会社員は年末調整で、個人事業主・自営業は確定申告で申告し、送金記録などの証拠を残しておきましょう。

扶養控除をどちらが受けるかで元配偶者と揉めたり、養育費の未払いに悩んだりしたときは、弁護士への相談が有効です。税金面も含めて損のない取り決めをするために、まずは無料相談を利用してみてください。

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この記事の監修者
クラルス法律会計事務所
久保 勇二 (大阪弁護士会)
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本記事はベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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