被害が酷くなることや、子どものことを考えDV被害を我慢していませんか?
もしも、少しでもDV被害での離婚を検討しているなら、弁護士への相談をおすすめします。
『ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)』なら、無料相談はもちろん、電話相談、19時以降の相談も可能。気になる費用面や支払い方法も含め、こちらからご相談ください。
配偶者からDVを受けている場合、とにかく配偶者から逃げて、ご自身の身体と心を守ることがもっとも重要です。配偶者から距離を取るためには、DVシェルターに入居することが有力な選択肢となります。
DVシェルターは、配偶者からDVを受けた方を一時的に保護する施設です。すぐにでも公的機関に相談してDVシェルターに避難し、配偶者との離婚を目指して活動を始めましょう。
今回はDVシェルターについて、施設の概要・入居の条件・生活の様子・入居方法などを解説します。
被害が酷くなることや、子どものことを考えDV被害を我慢していませんか?
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DVシェルターとは、配偶者のDVから一時的に逃れるための施設です。所在地は非公開とされており、数週間程度入居することができます。
配偶者によるDVを受けている状況を、自力で改善するのは非常に困難です。特に女性が夫からDVを受けている場合には、力の強い夫に逆らうことができず、無抵抗にDVを受けているケースもよく見られます。
DVシェルターは、このようなDV被害者を救済するため、配偶者から一時的に身を隠せる施設として民間団体が設置しています。DV被害者であれば、誰でも無料で利用できる点が大きな特徴です。
DVシェルターの所在地は非公開とされており、インターネット検索などによっても所在地を突き止めることはできません。DV加害者から逃れるための施設であるため、所在地についても加害者に知られないようにしてあるのです。
同様の理由から、DVシェルターの連絡先についても、一般には公開されていません。
そのため、DVシェルターに直接問い合わせをして入居することはできません。DVシェルターに入居したい場合には、公的機関の相談窓口を通じて手続きをおこなうことになります。
DVシェルターはあくまでも一時保護のための施設であり、長期間の入居は認められません。一般的には、数日から数週間程度に限って入居が認められています。
ただし、配偶者から長期間身を隠すべき特段の事情が存在すれば、入居期間の延長が認められるケースもあります。具体的な入居期間の運用は、各DVシェルターによって異なるのが実情です。
DVシェルターを出たあとは普段の生活に戻りますが、基本的には配偶者のところへ戻ることなく、別居した状態で離婚を目指すべきでしょう。
18歳未満の子どもがいる母親の方で、離婚が成立するまでに時間がかかるなどの場合は、母子生活支援施設などで支援を受けることも可能です。
一人で離婚を目指すのが難しい場合は、弁護士への相談・依頼をおすすめします。法律のプロが離婚までサポートしてくれるので、心強い味方となってくれるでしょう。
【参考】母子生活支援施設について
DVシェルターに入居できるのは、配偶者から身体的な暴力を受けているか、またはこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けている人です。
DVシェルターに入居できるケースには以下のようなものがあります。
など
ただし、DVシェルターも収容可能人数は限られているため、緊急性が高いと認められるほうが優先される傾向にあります。
DVシェルターには、子どもと一緒に入居できる場合もあります。子どもを配偶者のもとに残すのが不安であれば、子どもを連れてDVシェルターへの入居を申請するのがよいでしょう。
DVシェルターでは、基本的に毎日規則正しい生活を送ることになります。おおむね7時前後に起床し、22時前後に消灯となるケースが多いようです。
DVシェルター内での過ごし方は、テレビを観る、入居者と会話をするといった内容が中心となります。外出も認められる場合がありますが、1日1時間程度に制限されることが多い傾向にあります。
なお、外部者からDVシェルターの所在地を探索されることを防ぐため、携帯電話は入居時に預けなければなりません。インターネットも使えないので、入居期間中は親族や友人などと連絡が取れなくなります。
DVシェルターの所在地や連絡先は非公開なので、入居について施設へ直接問い合わせることはできません。DVシェルターに入居したい場合には、以下に挙げる公的機関の相談窓口に連絡をして、入居の手配をしてもらいましょう。
「DV相談ナビ」は、配偶者からの暴力について相談できる全国共通の電話番号です。「#8008」にダイヤルすれば、最寄りの配偶者暴力相談支援センターの窓口へ電話が自動転送され、DV被害について相談できます。
ただし、DV相談ナビから相談できるのは、転送先の機関における相談受付時間内に限られます。休日や深夜などに相談したい場合は、次に挙げる「DV相談+(プラス)」を利用しましょう。
「DV相談+(プラス)」は、DV被害の増加・深刻化の懸念を踏まえ、2020年4月から新たに開始されてDV相談事業です。
電話・メールによる相談を24時間受け付けているほか、チャットでの相談も可能となっています。また、10か国語に対応しているので、外国人の方でも相談が可能です。
ただし、急ぎのDV相談については、最寄りの配偶者暴力相談支援センターに繋がる「DV相談ナビ」を利用することが推奨されます。「DV相談ナビ」と「DV相談+(プラス)」については、状況に応じて使い分けてください。
【参考】DV相談+(プラス)ウェブサイト
「配偶者暴力相談支援センター」は、DV被害者の救済等に関する業務をおこなっている公的機関です。夫人相談所や福祉事務所などがその役割を担っており、各都道府県に複数の拠点が設置されています。
DV被害者は、誰でも配偶者暴力相談支援センターの窓口で相談が可能です。
配偶者暴力相談支援センターは、実際にDVシェルターへの入居手続きなどを取り扱っています。そのため、窓口で直接相談すれば、迅速にDVシェルターへの入居を進められる可能性が高くなります。
お住まいの近くに配偶者暴力相談支援センターがある場合には、窓口へ足を運んで相談してみるとよいでしょう。
配偶者暴力支援センターの所在地は、以下の男女共同参画局の資料から確認できます。
【参考】配偶者暴力相談支援センターの機能を果たす施設一覧(目次)|男女共同参画局
DVは暴行罪・傷害罪などの犯罪に当たる行為であるため、警察署でも相談を受け付けています。
警察署に相談すれば、地域の配偶者暴力支援センターと連絡を取り合い、DVシェルターへの入居を手配してもらうことも可能です。警察署は全国各地に存在しているため、過疎地域の方でも比較的相談しやすいでしょう。
配偶者暴力相談支援センターが近隣にない方は、「DV相談ナビ」と「DV相談+(プラス)」と併せて、警察署の窓口で相談することもご検討ください。
DVシェルターはあくまでも一時的な保護施設であり、入居できたとしても根本的にDV被害が解決するわけではありません。DVシェルターを退居したあとは、速やかに以下の対応をおこない、DV被害の解決を目指しましょう。
DVをおこなう配偶者との婚姻を続けると、自身の心身が危険にさらされてしまいます。そのため、早急に離婚成立を目指すべきでしょう。
配偶者によるDVは、「悪意の遺棄」または「婚姻を継続し難い重大な事由」として、法定離婚事由に該当します。そのため、仮に配偶者が拒否したとしても、裁判を通じて離婚できる可能性が高いでしょう。
DV配偶者との離婚を目指すに当たっては、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。弁護士費用を捻出できない場合は、法テラスの無料相談や立替払い制度を利用できる可能性があるので、一度法テラスの窓口へ相談しましょう。
また、最近では初回無料で相談ができる弁護士も増えています。「弁護士はお金がかかるから…」と相談自体をためらっている方も、まずは相談してみることが今の生活から抜け出すきっかけになるでしょう。
配偶者から身体に対する暴力または生命・身体に対する脅迫を受けている方は、裁判所に対して保護命令を申し立てることができます。
保護命令の主な内容は、以下の2点です。
保護命令に違反した場合には、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処されます。
裁判所から保護命令が発せられれば、DV配偶者からの追跡を回避するための抑止力として働きます。もし配偶者がしつこく追跡してきた場合には、保護命令違反であることを警察に訴えれば、捜査に動いてもらえる可能性があります。
DV配偶者と別居する際に住民票を移動すると、住所変更の事実が「戸籍の附票」に記載されます。
戸籍の附票とは、戸籍が作られて以降の住所の変遷が記録された書面です。配偶者が戸籍の附票を取得すると、住所変更の事実が発覚して追跡を受けてしまう可能性があります。
転居の際には住民票の移動が義務付けられるのが原則ですが、正当な理由があれば届出をしなくてよいと解されています。
たとえば一時的な転入であることや、DV被害を逃れるために転入したことは、住民票を移動しなくてよい正当な理由に当たります。
配偶者からの追跡が不安な場合には、転居したあとも暫定的に住民票を移さないでおくことも考えられるでしょう。
転居しても住民票を移さない状態が長引くと、公的サービスの利用などに関して不便を生じる可能性があります。そのため、どこかの段階では住民票を現住所へ移さざるを得ないでしょう。
DV被害者が住民票を現住所に移した場合は、市区町村長に対して支援措置を申し出ることができます。
支援措置の申し出がおこなわれると、DV加害者本人によって住民票の写し・戸籍の附票の写し等の交付が請求されても、市区町村の窓口において受理されなくなります。
第三者による住民票の写し・戸籍の附票の写しの交付請求等についても、DV加害者によるなりすましを防ぐため、本人確認が厳格におこなわれます。
さらに、DV加害者から依頼を受けた弁護士などが交付請求をおこなう際にも、請求事由について厳格な審査がおこなわれます。
このように、支援措置を申し出ることにより、配偶者に現住所を知らる可能性を相当程度抑えることが可能です。現住所へ住民票を移すのと同時に、支援措置の申し出も併せておこないましょう。
【参考】配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者の方は、申し出によって、住民票の写し等の交付等を制限できます。|総務省
DVシェルターに入居して配偶者から逃れたあとは、弁護士に相談してDV被害の根本的な解決を目指しましょう。
弁護士に相談すれば、配偶者に対する離婚請求や保護命令の申立てなどを通じて、依頼者が再びDV被害に遭わないようにサポートしてもらえます。配偶者とのやり取りが必要になっても、弁護士が代わりに対応してくれるので、配偶者と顔を合わせる必要がありません。
DV被害から逃れるに当たって、いつでも味方として行動してくれる弁護士は、非常に心強い存在です。日常的に配偶者から暴力を受けている方、子どもにまで暴力が及ぶのではないかと不安に感じている方は、お早めに弁護士までご相談ください。
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