親権は18歳まで有効!親権の内容・親権者の決め方・変更方法も解説
結婚している夫婦は、共同で子どもの親権を行使します。離婚後はどうなるのでしょうか。2026年4月1日からは離婚後も父母が共に親権を持つことができる「共同親権」制度が施工され、「共同」で親権を持つか離婚後は「どちらかが単独で」親権を持つか、が選択できるようになります。
親権が続くのは、子どもが成年に達するまでです。2022年4月1日に改正民法が施行され、成年年齢が引き下げられたので、新しいルールを正しく理解しておきましょう。
今回は子どもの親権について、存続期間・親権の内容・親権者の決め方や変更方法などを解説します。
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子どもの親権は18歳になるまで
父母の親権に服するのは「成年に達しない子」、つまり未成年者とされています。そのため、成年に達した時点で父母の親権は終了します。
現行民法上の成年年齢は18歳です。長らく20歳が成年年齢とされていましたが、2022年4月1日に施行された改正民法により、成年年齢が18歳に引き下げられました。
親権とは?|親権者は何ができるのか
「親権」とは、子どものために監護・教育をおこない、または財産を管理する権利および義務です。具体的には、以下の権利・義務が親権に含まれます。
- 子どもの居所の指定
- 子どもに対する懲戒
- 子どもの職業の許可
- 子どもの財産の管理等
子どもの居所の指定
親権者は、子どもの居所を指定することができます。
子どもを親権者と同居させるケースが多いものの、遠方の学校に通わせるために親類と同居させたり、一人暮らしを認めたりするケースもあります。これらはいずれも、親権者の居所指定権に基づき、親権者の判断で子どもの住む場所が指定されているものです。
ただし、親権者が完全に自由に子どもの居所を決められるわけではなく、あくまでも子どもの利益を考慮して居所を指定しなければなりません。
子どもの利益を著しく害するような居所を指定した場合は、親権喪失事由に該当する可能性があります(民法834条)。
子どもに対する懲戒
親権者は子どもに対して、監護・教育に必要な範囲内で「懲戒」をおこなうことが認められています。
「懲戒」とは、簡単にいえば「しつけ」のことです。子どもが他人に迷惑をかけたり、自分自身が危険に晒されるようなことをしたりしないように、子どもの身体・精神に苦痛を与える制裁をすることができると解されています。
ただし、懲戒権の規定については、削除することを内容とする民法改正案が閣議決定されており、今後国会において審議される見込みとなっています。
民法の権威ある解説書として広く認知されている『新版注釈民法(25)親族(5)改訂版』(2004年に第1刷発行)では、子どもの非行・過誤の矯正善導を目的として、以下のような適宜の手段を用いてよいと記載されています。
- しかる
- なぐる
- ひねる
- しばる
- 押入に入れる
- 蔵に入れる
- 禁食せしめる
など
このような解説がなされたことについては、時代背景も考慮する必要がありますが、体罰等を大いに問題視する現代の感覚には馴染まないといわざるを得ません。そのため懲戒権の規定は、近い将来削除されることが有力視されています。
子どもの職業の許可
親権者は、子どもの職業についての許可を与えることができます。未成年の子どもがアルバイトをしたり、自ら事業を起こしたりする場合には、親権者の許可を得なければなりません。
親権者の許可を得た職業(営業)については、未成年者でも成年者と同一の行為能力を有するものとされています(民法6条1項)。
子どもの財産の管理等
親権者は子どもの財産を管理し、かつその財産について、契約などの法律行為を代わりにおこなうことができます。具体的には以下のようなものが当てはまります。
- 親族から贈与を受ける契約
- 子ども名義で締結する携帯電話の利用契約
- 学校への入学契約
- 子どもの預金を用いて株式を購入する契約(資産運用目的)
親権者が子どもの代わりに契約などを締結する場合、原則として子どもの同意は不要です。ただし、子ども自身が何らかの行為をする債務を負う場合には、子ども本人の同意を得なければなりません。
夫婦が離婚する場合、親権はどのように決めるのか?
夫婦が離婚する際、親権については協議・調停・訴訟のいずれかの手続きによって決定します。
離婚する夫婦の協議で決めるのが原則
夫婦が離婚する場合、まずは話し合いによって協議離婚を目指すのが一般的です。その場合、親権者は夫婦の協議によって決めることになっています(民法766条1項)。
ただし、親権者を決定するに当たっては、子どもの利益をもっとも優先して考慮しなければなりません。
協議がまとまらない場合は、離婚調停で話し合う
離婚協議の中で、親権者をどちらにするかについて合意に至らない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停が不成立となった場合には、特に結論が示されることなく手続きが終了するのが原則です。
調停不成立の場合は、離婚訴訟で親権者を争う
離婚訴訟は、家庭裁判所の判決によって、強制的に離婚を認めてもらうことを目指す手続きです。以下のいずれかの法定離婚事由があると認定された場合のみ、判決がいい渡されます。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
親権者を決める際に重視される4つの原則
離婚訴訟等において、家庭裁判所が親権者を決定する際には、主に以下の4つの原則が考慮されます。
- 継続性の原則:養育環境を変えない。
- 兄弟姉妹不分離の原則:兄弟姉妹は同じ親にする。
- 子どもの意思尊重の原則:10~12歳程度を超えると意思を尊重。
- 母性優先の原則:乳幼児については母親を優先する傾向。
親権者を変更する方法は?
子どもの親権者を変更したい場合は、原則として親権者変更調停を申し立てる必要があります。
- 親権者が虐待やネグレクトをしている場合
- 親権者が重篤な病気に罹り、適切に行使できない場合
- 10~12歳以上の子どもが、変更を希望している場合
親権を放棄することはできるのか?
親権を放棄するためには、親権者の「辞任」の手続きによる必要があります。辞任が認められるのは、やむを得ない事由がある場合に限られ、家庭裁判所の許可が必要です(民法837条1項)。
親権に関するトラブル・疑問点は弁護士に相談を
親権の決定・変更などに関して配偶者とトラブルになった場合には、弁護士へのご相談をおすすめします。お早めに弁護士までご相談ください。
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