> 
 > 
 > 
児童手当とは|受給資格から手続き方法まで詳しく解説
キーワードからコラムを探す
Sidebar_writer_recruit
2018.11.22

児童手当とは|受給資格から手続き方法まで詳しく解説

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
監修記事
Pixta_29035280_s

児童手当』とは、元々『子ども手当』と呼ばれていたもので、家庭における生活の安定と児童の健全育成を目的とした、国からの給付です。

 

ひとり親家庭を対象とした児童扶養手当とは異なり、0歳から中学校3年生(15歳到達後の最初の3月31日)までの子供を養育している人であれば、どなたでも受給できます。

 

児童手当の受給手続きや、受給額の増額に関して、不明な点がある方も多いと思います。別居後の配偶者が、勝手に指定口座を変更してしまったため、受給できなくなったなどのトラブルで悩みを抱えている方も、いるのではないでしょうか。

 

ご安心ください。この記事では、児童手当を受給するにあたって、知っておきたい児童手当の基礎知識について、詳しく解説します。

 

児童手当の受給資格とは

児童手当は、どのような人でも受給できるわけではありません。ここでは、児童手当の受給対象となる条件をご紹介します。

 

以下のすべての条件を満たしている場合のみ、受給することが可能です。

 

受給できる子供の条件

児童手当の支給対象となる子供は、日本国内に居住する0歳から中学3年生(15歳到達後の最初の3月31日まで)に限られます。お子さんが小さいうちに離婚をした場合、この年齢の条件はクリアしていることが多いですね。

 

諸事情によって小学校や中学校に通っていない場合でも、この年齢の間は支給対象です。

 

対象年齢の子供が留学などで海外に在住している場合も、一定の要件が満たされていれば、受給できます。

 

子供が海外留学していても受給できるケース

以下の条件をすべて満たしていれば、受給できます。

 

  1. 日本の住所を有しなくなった前日までに、日本国内に継続して3年以上住んでいたこと
  2. 就学を目的として海外に住み、父母(未成年後見人がいる場合は、その未成年後見人)と同居していないこと
  3. 日本の住所を有しなくなった日から3年以内であること

 

短期間留学をしており日本に帰国し、再び3年以内に留学する場合などは、1の要件を満たしていなくても、手当を受け取れる場合があります。

 

受給できる親の条件

支給対象の子供を養育する養育者(保護者)で、申請先の市区町村に住民登録をしていることが条件になります。申請者は、住民登録をしていれば国籍は問われません

 

受給者は父母に限られず、祖父母など父母の代わりに子供を養育している人がいるのであれば、父母がその人を受給者として指定することできます。指定された人は『父母指定者』といい、直接児童手当を受給することが可能です。

 

児童が施設へ通所している場合や、2ヶ月以内に入所・委託が行われた場合は、一定の要件を満たすことで保護者が受給することができます。

 

また、市区町村によっては、児童の健康保険料を負担している人を受給者として指定する自治体もあります。お住まいの地域によって運用はかなり異なるので、必ず確認してください

 

配偶者と別居している場合

配偶者が単身赴任をしているなど、別居している場合は、『生計を維持する程度が高い人(所得の高い方)』に支給されます。

 

両親が離婚または離婚協議中で別居しており、生計も別であれば、児童と同居している人に手当が支給されます。別居後も生計をともにしている場合、引き続き生計を維持する程度の高い人に支給されるのが原則です。

 

支給月と支給額|所得制限とは

児童手当は申請した次の月から支給対象となり、年に3回に4ヶ月分が支給されます。ここでは、支給日や支給額について解説します。

 

支給期間と支給月

児童手当の支給は下図のように、年に3回(2月・6月・10月)、4ヶ月分ずつまとめて支給されます。

 

 

支給日は、市区町村によって差がありますが、10~15日が支給日となっていることが多いようです。

 

支給に関する注意点

まれに、支給日を超えても送金を確認できないことがありますが、2点の理由が考えられます。

 

  1. 支給日が土日、祝日と重なっている
  2. 金融機関の振り込み手続きが完了していない

 

支給手続きを行うのは市区町村ですが、実際に入金をするのは各金融機関です。そのため、支払い通知書が届いた段階で支払いが完了していないこともあります。

 

支払い通知書を受け取ってから数日経っても入金が確認できない場合は、市区町村役場や金融機関に確認しましょう。

 

支給額一覧|所得制限なしの場合

2012年の4月以降から、児童手当の支給額は下記のように改定されました。

児童の年齢

1人あたりの支給額(月額)

0~3歳未満

1万5,000円

3歳~小学校修了前

第一子・第二子:1万円

第三子以降:1万5,000円

中学生

(15歳到達後の最初の3月31日まで)

1万円

 

注意して欲しいのは、第三子以降の考え方です。

 

第三子は実際の子供の数と比例しない

第三子とは、養育している高校卒業までの子供のうちの3人目以降を指します。下の図をご覧ください。

 

 

このように、実際は3人目以降の子供であっても、第三子以降にあてはまるかどうかは、長男・長女の年齢によって変わります。

 

支給額一覧|所得制限がある場合

先ほど紹介した支給金額は、所得制限がない家庭の場合になります。現在、所定の限度額を超える所得を得ている世帯に関しては、児童の年齢に関係なく1人あたりの支給額を5,000円とする特例給付制度が採られています。

 

この所得制限ですが、扶養親族等の数によって限度額が定められており、下表のようになっております。

 

扶養親族の人数

所得額(所得控除後の額)

収入額(年収)

0人

622万円

833.3万円

1人

660万円

875.6万円

2人

698万円

917.8万円

3人

736万円

960万円

4人

774万円

1002.1万円

5人

812万円

1042.1万円

(参考:内閣府

 

扶養親族等の数が6人以上の場合、支給の限度額(所得額ベース)は、1人につき38万円(扶養親族等が老人控除対象配偶者又は老人扶養親族であるときは44万円)を加算した額になります(参考:児童手当 所得制限限度額表)。

 

なお、所得制限は夫婦二人の所得を足したものではなく、父母どちらかの高い方の所得(子どもを扶養していると考えられる方)で判断されることになります。

 

控除の対象と控除額

所得控除の対象や金額は下表のとおりです。

 

控除内容

控除額

一律控除(社会保険料相当)

8万円

雑損・医療費・小規模企業共済等掛金

課税上実控除額

特別障害者控除・特別障害者扶養控除

40万円

障害者・勤労学生・寡婦(夫)・障害者扶養控除

27万円

寡婦の特例者控除

35万円

老人扶養控除

6万円

(引用:児童手当|新宿区)

 

内容や金額は各市区町村によって異なりますので、お住まいの市区町村にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。特に、東京都内であっても運用がまったく異なることが多いことは、特筆すべきでしょう。

 

児童手当の申請方法と注意点

児童手当の申請は難しくはありませんが、必要な書類が多くなります。ここでは、スムーズに申請するための知識や注意点について、ご紹介します。

 

申請先の注意点

児童手当の申請先は、現住所の市区町村役場です。そのため、里帰り出産をした場合、出生届は受理されますが、児童手当の受給申請は受理されません。

 

児童手当は申請した翌月から支給対象になるため、早めに手続きを済ませなければ、損をすることになります。

 

また、あわせて注意したいのが、里帰り先で出生届を提出し受理されても、そこから現住所の市区町村役場へ回付されるまで数日かかることがあるという点です。

 

出生届が現住所の市区町村役場で受理されなければ、児童手当の手続きもできません。早め早めの手続きを心掛けるのが大切です。

 

申請者が公務員の場合

受給者が公務員の場合、市町村でなく勤務先からの支給となるため、申請先は所属庁や共済窓口になります。

 

また、人事異動などで所属の庁が変わった場合、再度手続きが必要になります。

 

申請に必要なもの

お住まいの自治体によって若干の違いはありますが、一般的に児童手当の申請の際に必要となるのは以下のものです。

 

  • お住まいの市区町村で配布されている児童手当認定請求書
    【例:新宿区の児童手当認定請求書
  • 別居監護申立書(申請者と子供が別居している場合)
  • 申請者名義の振込口座番号が確認できる通帳・カードなど
  • 申請者の年金加入証明書または申請者の健康保険証の写しなど
  • 住民税課税(非課税)証明書
  • 印鑑(認印)
  • 両親のマイナンバーおよび申請者の本人確認書類

 

この他にも、子供と申請者である親などが別の場所で暮らしている場合には、追加の書類が必要になることもあります。また、住民税の課税(非課税)証明書は両親の分もそろえておきましょう。

 

申請するにあたり、マイナンバーも重要です。2016年の導入に伴い、申請書記への記載が必須となりました。

 

窓口での手続きの際には、申請者および配偶者などのマイナンバーを確認できるもの(個人カードや通知カードなど)を持参するよう求めている自治体がほとんどです。

 

マイナンバーの提示が必要な書類

以下の書類を申請する際には、マイナンバーが必要となります。

 

①児童手当認定請求書

請求者(受給者)および、その配偶者のマイナンバーの記載が必要です。

 

②別居監護申立書

子供と請求者が別居している場合、子供のマイナンバーの記載が必要です。

 

申請する前に知っておくべき2つのこと

申請までに15日特例が設けられている

15日特例とは、月末に近い日の出産や引っ越しなどのやむを得ない理由があった人に限り、翌日から15日以内に申請し認定されれば、申請月から児童手当の支給が受けられるという制度です。

 

例えば、9月28日に出産し、月をまたいで10月3日に申請を行った人は、支給が11月からとなるため、丸1ヶ月分の児童手当を損してしまいます。

 

このような不利益を回避するため、15日特例を設けて申請月から支給対象になるようにしています。

 

現況届を必ず期限内に提出する

『現況届』とは、児童手当を継続して受給するための必須書類で、毎年6月に市区町村から送付される書類です。

 

これは、毎年6月1日時点で、児童手当を受給している人の状況を把握し、受給条件を満たしているかを確認するための書類になります。

 

この現況届の提出を忘れてしまうと、6月分以降の児童手当を受け取ることができなくなってしまうため、毎年6月に現況届が届いているか、また届いた現況届をきちんと提出したかという点に十分注意しましょう。

 

なお、現況届に必要な添付書類は以下の通りです。

 

  • 請求者が会社に雇われている場合は、健康保険被保険者証の写しなど
  • その年の1月1日に今の市区町村に住民登録のなかった場合は、前住所の市区町村長が発行する前年分の児童手当要所得証明書

 

再度手続きが必要なケース

現況届以外に再度手続きが必要なケースをご紹介します。

 

引っ越しをするケース

引っ越しをする際には、同一市区町村内への引っ越しの場合と、他の市区町村への引っ越しの場合で必要な手続きが異なります。

 

同一市区町村内へ引っ越す場合

同一市区町村内での引っ越しの場合は、児童手当の支給元が変わらないため、お住まいの市区町村役場に『住所変更届』を提出するだけで済みます。

 

他の市区町村へ引っ越す場合

他の市区町村へ引っ越す場合は、まず元々お住まいの市区町村役場へ『児童手当受給事由消滅届(手当の支給を止める書類)』を提出し、『所得課税証明書(所得を証明する書類)』を発行してもらいます。

 

その後で、引っ越し先の市区町村役場へ『児童手当認定請求書』を提出します。つまり、引っ越しによって現在の児童手当の受給資格が消滅することになるため、引っ越し先で再度認定申請を行うということです。

 

この場合も支給開始月は申請日の翌月分からの支給となりますが、15日特例が利用できる場合は申請月から支給が受けられることになりますので、申請の際には注意しましょう。

 

その他申請が必要なケース

上記以外にも、児童手当を継続受給するためにはさまざまな場面で手続きが必要となります。

  • 児童手当受給者の氏名に変更があったとき
  • 児童手当の振込先口座を変更したいとき
  • 受給者の保険証の種類が変更となったとき
  • 受給者が対象児童を監護・養育しなくなったとき

 

これらの場面では、そのつど『住所等変更届』や『口座変更届』などの書類を提出しなければなりません。

 

まとめ

児童手当は所得制限にかからない限り、1人の子供につきトータルで200万円近い金額が支給されることになる、非常に大きな給付金です。きちんと制度を理解し、継続して受給をすることが大切です。

 

別居時に勝手に住所変更された場合でも、再度住所変更を行えますのでご安心ください。もし、離婚を考えている方は、『児童扶養手当』や『養育費』に関する記事を一読しておくことをおすすめします。

10秒で検索!離婚・男女問題が得意な弁護士を検索
お住まいの都道府県を選ぶ
お悩みの問題を選ぶ
弁護士を検索する
この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

離婚後の生活に関する新着コラム

離婚後の生活に関する人気のコラム

編集部

本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

離婚後の生活コラム一覧へ戻る