この記事に記載の情報は2024年07月02日時点のものです
協議離婚で弁護士に相談する6つのタイミング
協議離婚をしている最中で弁護士に相談するタイミングは、大きく分けて以下の6つです。
なお、弁護士への相談は離婚を希望している人・していない人、どちら側からでも可能です。
①話し合いが進まなくなったとき
話し合いに何も問題がなく自分たちで離婚協議書をまとめられた場合、弁護士に相談する必要はありません。
逆に、話し合いが進まなくなったときは弁護士へ相談するタイミングといえます。
ただ、モラハラはDVが原因の離婚であることや、どちらも親権を譲りたくないなど、協議を進めていくなかで相手ともめることが予測できる場合は、早い段階で弁護士へ相談しておくことがおすすめです。
早い段階で弁護士に相談することで、配偶者との不要な揉め事を回避できることでしょう。
また、揉めたとしてもすぐに弁護士へ交渉をお願いできるので、時間やお金のかかる法的手続きを回避できます。
②協議離婚書を作成してほしいとき
離婚協議書とは、決まった離婚条件を文書にまとめたものです。
離婚後に未払いなどが発生した場合に、権利を主張するための証拠として重要なものになるため、円満離婚であっても作成しておくことをおすすめします。
離婚協議書には、決まった金額や支払い期限だけではなく、約束を反故した場合のペナルティなども盛り込むことで、リスクを最小限におさえられます。
離婚協議書の書き方がわからない、抜け漏れのない離婚協議書が欲しい場合は、弁護士に相談するタイミングです。
③相手が弁護士を立ててきたとき
配偶者が弁護士を立ててきたときは、一度弁護士へ相談しましょう。
どれだけ有利な立場であっても、弁護士を相手に法的な知識のない人が交渉を進めていくのはおすすめできません。
最終的に多くのものを妥協する結果となり、「弁護士に相談しておけばよかった」と後悔する可能性が高いでしょう。
④相手方がDVやモラハラをおこなっているとき
配偶者からDVやモラハラを受けている場合、まずは身の安全を確保することが最優先です。
安全な場所に避難し、証拠を集めてください。そのうえで、すみやかに弁護士に相談することが重要です。
弁護士は、保護命令の取得や適切な法的手続きを通じて、あなたの安全と権利を守るための助言とサポートを提供してくれます。
相談の際には、具体的な事実や証拠を提供することで、より適切な対応を得ることができます。
⑤早く離婚を成立させたいとき
離婚を速やかに成立させたい場合、弁護士に相談することで手続きを迅速に進めることができます。
弁護士は、必要な書類の準備や提出、相手方との交渉などを代行してくれます。
また、法的な手続きや書類の不備による遅延を防ぐためのアドバイスも受けられます。
早期解決を希望する場合、弁護士と相談し、可能な限り迅速に対応してもらうことが重要です。
⑥財産や養育費など条件面で折り合いがつかないとき
離婚に際して、財産分与や養育費の額などで相手方と折り合いがつかない場合、弁護士の助力を求めることが有効です。
弁護士は、法的な観点から適正な条件を提示し、交渉をサポートしてくれます。
また、必要に応じて調停や裁判を通じて解決を図ることも可能です。
弁護士の専門知識を活用することで、公正かつ合理的な合意を目指すことができます。
協議離婚で弁護士に代理交渉を依頼した場合の7つのメリット
協議離婚で弁護士に依頼するメリットは大きく7つです。
1.配偶者と接するストレスから解放される
離婚の決まった配偶者とお金や子どもの話をすることで、配偶者の嫌な部分が余計に見えてしまい、ストレスを感じる人も多いでしょう。
弁護士に代理交渉を依頼することで、配偶者と話したり会ったりするストレスから解放されます。
もう配偶者の顔すら見たくない、DVの被害を受けていて会うのが怖いなど、配偶者と会いたくない方には特におすすめです。
また、離婚が進まないタイミングで弁護士に相談することで、頭の整理ができたり、安心することができます。
2.最短での離婚が期待できる
協議離婚では、相手の同意さえあれば離婚が成立します。
弁護士を通して離婚請求することで、今までまともに取り合ってくれなかった相手も、無視できず離婚に合意したり、話し合いに応じるようになるケースがほとんどです。
中には、依頼後1ヵ月といった短期間で離婚が成立するケースもあります。
また、相談のタイミングでおおよその期間を教えてもらえますので、見通しが立つことで安心できるのもひとつのメリットです。
3.不利な離婚条件を平等にできる
離婚の条件を決める際に、伝えるのが苦手な場合や配偶者からDVなどを受けていて恐怖感を持っている人は不利な離婚条件で成立してしまう可能性があります。
こういった事態を避ける為にも、弁護士に介入してもらうことで、協議離婚における不平等さを解消し、平等な離婚条件が望めます。
4.感情的にならずに冷静な話し合いを進められる
弁護士に代理交渉を依頼することで、感情的になりやすい離婚の話し合いを冷静に進めることができます。
どうしても相手の顔を見てしまうと感情がたかぶってしまい、冷静さを欠いてしまう方もいるのではないでしょうか。
第三者である弁護士は、客観的かつ専門的な立場で対応するため、感情の対立を避け、理性的な交渉が可能です。
これにより、スムーズな解決を目指すことができ、精神的な負担も軽減されることでしょう。
5.時間と労力を節約できる
弁護士に代理交渉を依頼することで、離婚手続きにかかる時間と労力を大幅に節約できます。
弁護士が書類の準備や相手方との連絡・調整を代行するため、自分自身の仕事や日常生活に集中できます。
仕事のスケジュール的に時間が割けないときもでてくることでしょう。
煩雑な作業を弁護士が対応してくれるので、書類の準備のために会社を休む、中抜けして役所に出向くといったことが必要なくなります。
また、手続きの進行が円滑に進むため、離婚が早期に成立する可能性も高まります。
6.専門的なアドバイスを受けられる
弁護士に代理交渉を依頼することで、離婚に関する法的な専門知識を活用したアドバイスを受けることができます。
法的な知識がないまま協議離婚にのぞむと自分に不利な結果になってしまう可能性があります。
そうした事態を避けるには弁護士に依頼することがベストです。
依頼することによって自分にとっての最適な解決策を見つけることができ、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
複雑な法律問題にも対応できるため、安心して手続きを進めることができます。
7.必要な書類を正確に作成するサポートを受けられる
弁護士は、離婚手続きに必要な書類を正確に作成するサポートを提供します。
法的な書類には細かな要件が多く、誤りがあると受理されず、手続きが遅れる可能性があります。
弁護士にサポートを依頼することで、正確かつ迅速に書類を作成することができます。
これにより、スムーズな手続き進行が期待できます。
協議離婚で弁護士に代理交渉を依頼した場合の5つのデメリット
協議離婚で弁護士に代理交渉を依頼した場合のデメリットは以下の5つです。
1.費用がかかる
弁護士に代理交渉を依頼する場合、相応の費用がかかります。
弁護士費用は依頼内容や弁護士の経験、事務所の規模などによって異なりますが、相談料、着手金、成功報酬などが一般的です。
また、長期的な交渉や複雑なケースでは費用が増加することがあります。
経済的に余裕がない場合には、費用負担が大きなデメリットとなる可能性があります。
このため、事前に費用について詳しく確認し、予算を検討することが重要です。
2.時間がかかる場合がある
弁護士を通じた交渉は、迅速に解決できる場合もありますが、状況によっては時間がかかることもあります。
特に、相手方が協力的でない場合や、複雑な財産分与や養育費の問題が絡む場合、交渉が長引くことがあります。
また、弁護士が複数の案件を同時に抱えている場合、対応が遅れることも考えられます。
迅速な解決を望む場合は、弁護士と具体的なスケジュールを確認し、進行状況を定期的にチェックすることが必要です。
3.自分の希望通りにならない場合がある
弁護士に代理交渉を依頼しても、必ずしも自分の希望通りの結果が得られるとは限りません。
法律の枠組みや相手方の意向、裁判所の判断など、さまざまな要素が影響を及ぼすため、希望通りの条件が実現できないこともあります。
また、弁護士は法的な見地から現実的なアドバイスをおこなうため、自分の期待とのギャップが生じる場合もあります。
このため、弁護士とのコミュニケーションを密にし、期待値を現実的に調整することが大切です。
4.相手との関係が悪化する場合がある
弁護士を介した交渉が相手との関係をさらに悪化させることがあります。
特に、直接の話し合いではなく、代理人を通じた交渉がおこなわれることで、相手方が防衛的になり、感情的な対立が激化することがあります。
これにより、子どもがいる場合の共同親権や将来の交流に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.弁護士選びが負担になる場合がある
適切な弁護士を選ぶことは重要ですが、その過程自体が負担になることがあります。
信頼できる弁護士を見つけるためには、複数の候補者と面談し、費用や対応方針を比較する必要があります。
また、評判や実績を調べるために時間と労力を費やすことになります。
さらに、選んだ弁護士との相性が合わない場合、交渉がスムーズに進まないこともあります。
このため、慎重に選ぶことが必要ですが、その過程自体がストレスとなる可能性があります。
協議離婚で弁護士がおこなってくれること6つ
協議離婚について弁護士に頼った場合、具体的にどんなサポートを受けられるのか、以下で詳しく解説します。
1.協議離婚の代理交渉・同席
弁護士に依頼すれば、なかなか進まない協議離婚をスムーズに進めるために代理交渉をおこなってくれます。
別居している場合は、相手への連絡も弁護士に一任することが可能です。
交渉は自分でおこないたい場合や協議の場に参加したい場合、弁護士に「同席」を依頼できます。
協議の場に同席してもらうことで配偶者の不当な共有に対し、弁護士が法的な観点から拒否してもらえます。
妥協すべきアドバイスをもらえるため、一方が不利になりすぎない、夫婦にとって最適な内容での離婚も目指せるでしょう。
2.証拠の収集・離婚協議書の作成
離婚原因が相手の不倫やDVなどの場合、相手に言い逃れさせないために証拠集めが重要です。
早い段階で離婚の相談をしていれば、証拠の収集に関するアドバイスをもらえます。
必要に応じて提携している探偵などの紹介もお願いすることが可能なのもうれしいところです。
離婚が成立したあとは、リスクを最小限に抑えた内容の離婚協議書を作成してもらえます。
3.離婚調停の準備
DVやモラハラ気質の人は、弁護士が根気よく交渉しても離婚の条件に同意しないケースもあります。
そのような場合は離婚調停をおこなうことになりますが、弁護士に依頼していれば、調停を申し立てるタイミングの判断や準備を一任することが可能です。
離婚調停を申し立てるタイミングは重要で、相手によっては調停をしてしまったほうが早く解決するケースもあります。
タイミングを間違えないためにも、離婚問題解決に実績のある弁護士へ相談しましょう。
4.財産分与・慰謝料の算定
弁護士は、財産分与や慰謝料の算定において、法的に適切かつ公平な基準に基づいてアドバイスを提供します。
財産分与では、共同で築いた財産の評価や分割方法を具体的に算出し、適正な配分を図ります。
慰謝料については、精神的苦痛や婚姻期間中の不当な行為に対する補償額を算定します。
また、証拠の収集や提出書類の作成なども支援し、相手方との交渉を代行してくれるため、安心して手続きを進めることができます。
これにより、法的なトラブルを未然に防ぎ、公正な解決を目指すことが可能です。
5.離婚後の手続き
離婚後には、多くの手続きが必要となりますが、弁護士はこれらをスムーズに進めるサポートをしてくれます。
具体的には、離婚届の提出、財産分与の手続き、年金分割の手続き、住居の名義変更、子どもの親権や養育費の取り決めなどが含まれます。
さらに、離婚にともなう税務問題や社会保険の手続きについても、専門的なアドバイスを提供します。
こうした手続きを円滑に進めることで、離婚後の生活がスムーズにスタートできるよう、弁護士は全面的にサポートしてくれます。
6.離婚後の生活に関する相談
離婚後の新しい生活に向けて、弁護士はさまざまな相談に応じてくれます。
たとえば、経済的な問題や住居の確保、子どもの養育に関する具体的なアドバイスなどがあります。
養育費の支払い方法や面会交流の取り決めについても、法的な観点から適切なサポートを提供します。
また、心理的なサポートや、必要に応じて専門家の紹介もおこないます。
離婚後の生活設計や、将来的なトラブルを防ぐためのアドバイスを受けることで、新たな生活を安心して始めることができます。
協議離婚を依頼する弁護士の選び方のコツ5つ
協議離婚のための弁護士を選ぶ際には、以下の点に注意することで、より自分に合った弁護士を見つけることができます。
1. 弁護士の経験と実績を確認する
協議離婚を専門的に扱っている弁護士を選ぶことが重要です。
多くの協議離婚案件を扱ってきた弁護士であれば、豊富な経験と知識に基づいて、適切なアドバイスやサポートをすることができます。
法律事務所のホームページに経験や実績が記載されていることがありますので、依頼する前に確認しましょう。
記載がない場合は、面談の際に確認するようにしてください。
2. 弁護士との相性を見る
弁護士は、あなたにとって重要な案件を担当することになるので、信頼できる人物であることが重要です。
相談してみて、話しやすく、自分のことを理解してくれる弁護士を選びましょう。
3.費用を確認する
弁護士費用の算定方法は事務所によって異なります。
相談前に、費用の算定方法や、どのような費用が発生するのかを必ず確認しておきましょう。
費用のことをしっかり話せない弁護士は要注意です。
4.口コミや評判をチェックする
インターネットなどで、弁護士の口コミや評判をチェックしてみるのもよいでしょう。
ポジティブな口コミ、ネガティブな口コミとさまざまあると思います。
そこに書かれていることは、あくまでも依頼した方の主観であり、事実かどうかは定かではありません。
口コミは全面的に信じるのではなく、予備知識としての参考程度に留めておくようにしてください。
5.複数の弁護士に相談する
同じ案件でも、弁護士によって得意分野や費用、対応方針などが異なります。また相性も違うことでしょう。
複数の弁護士に相談することで、自分に合った弁護士を見つけることができます。
協議離婚による弁護士費用を抑えるための方法
ここでは弁護士費用の目安と弁護士費用を抑える方法を紹介します。
協議離婚を弁護士に依頼した際の費用
協議離婚について弁護士に依頼した際にどのくらいの費用がかかるのかも気になるところです。
離婚協議の依頼にかかる弁護士費用の目安は以下のとおりです。
内訳
|
費用相場
|
相談
|
0~5,000円/1時間
|
慰謝料請求
|
獲得金額の10%~20%
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財産分与
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獲得金額の10%~20%
|
親権の獲得
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10万円~20万円
|
養育費獲得
|
1年分の養育費の10%前後
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DV・モラハラの解決
|
20万円~40万円
|
弁護士費用を抑える方法|離婚問題の解決に注力している弁護士に依頼する
弁護士にはそれぞれ注力している分野があります。
協議離婚の代行交渉等をおこなってほしい場合は、離婚問題の解決に注力している弁護士に依頼することで、最短で問題の解決につながる可能性も高まります。
最短で問題を解決することで、無駄な経費や費用をかけずに済むため、費用を抑えることにつながります。
離婚問題が得意な弁護士の探し方
弁護士の探し方はさまざまで、知人に紹介してもらったり、日本弁護士連合会で探すことはできますが、離婚問題の解決に注力している弁護士かどうかまではわかりません。
離婚問題を得意とする弁護士をピンポイントで探すのなら「ベンナビ離婚(旧:離婚弁護士ナビ)」から探すことができます。
ベンナビ離婚では、離婚問題の解決に注力している弁護士を掲載しており、地域から探すことも可能です。
相談内容から弁護士を探すこともできるので、問題を最短で解決することも可能になります。
法テラスを利用する
法テラスでは同じ案件について3回まで無料相談をおこなうことが可能です。
また、弁護士費用の立替制度も設けているので、この制度を利用することで負担を減らすことができます。
ただし、法テラスの無料相談や弁護士費用の立替制度は、一定の収入・資産の条件を満たす必要があります。
また、自分で弁護士を選ぶことはできず、必ずしも離婚問題を得意とする弁護士を紹介してもらえるわけではない点に注意が必要です。
無料相談を実施している弁護士を選ぶ
最近では相談料を無料にしている法律事務所が増えてきています。
そのため、無料相談を利用することで、相談料を抑えることができるのです。
また、無料相談を利用することで自分に合う弁護士を探すことができるでしょう。
まとめ
協議離婚は夫婦間の話し合いにより進める方法ですが、当事者間による対応なので、必要であれば弁護士に応じて弁護士に相談しましょう。
弁護士に代理交渉を依頼し、正式な交渉をおこなうことは離婚後のトラブル回避にもつながります。
弁護士を選ぶ際は、焦らず自分の話をしっかり聞いてくれる人を選ぶことが早期解決の一歩になるのです。