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公開日:2018.12.7
DV

DVで訴える|離婚・損害賠償・刑事責任を訴えるための方法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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配偶者からDVを受ければ、心身ともに生涯残るような深い傷を負ってしまうこともあります。

そのため、『配偶者を訴えたい!』という思いも当然のことかと思います。

ただし、訴えるといっても、どのような方法があるのか、どのように訴えればよいのか、よくわからないという人も少なくないでしょう。

実は、DVで『訴える』と一言で言っても、訴える内容によって、その方法は以下の3種類に分かれます。

種類

内容

離婚を訴える

裁判で離婚を認めてもらう

損害賠償を訴える

DVで発生した損害を賠償してもらう

刑事責任を訴える

配偶者に刑事罰を与えてもらう

この記事では、これらDVで訴える方法について詳しく解説します。

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DVを原因に離婚を訴える方法

『DVをする配偶者と離婚したい!』と考えていても、配偶者に離婚に合意してもらえないこともあるでしょう。

そういったときには、DVを原因として裁判で離婚を認めてもらうことも不可能ではありません。

具体的には次のようなステップで進めることになります。

  1. DVの証拠を集める
  2. 離婚調停を申し立てる
  3. 離婚裁判を申し立てる

①DVの証拠を集める

離婚を申し立てる前に、まずはDVがあった証拠を集めておきましょう。

なぜなら、裁判では、DVがあった事実を証拠をもって証明しなければならないからです。

裁判で離婚が認められるには『法定離婚事由』といって、法律で認められた離婚できる条件を満たさなければなりません。

法定離婚事由

内容

不貞行為

浮気や不倫など、配偶者以外の異性と性的関係を持つこと

悪意の遺棄

悪意を持って同居しなかったり、生活費を渡さなかったりすること

配偶者の生死が

3年明らかでない

失踪や家出などが原因で音信不通になり、3年以上生死が不明なこと

配偶者が精神病にかかり

回復の見込みがない

回復の見込みのない精神疾患を患い、夫婦の協力義務が果たせなくなること

その他婚姻を継続しがたい

重大な事由がある

暴力、セックスレス、親族との不和などが原因で、夫婦関係が破たんしていること

配偶者からのDVは、『悪意の遺棄』や『その他婚姻を継続しがたい重大な事由がある』に該当し、離婚できる可能性があります。

【関連記事】

法定離婚事由とは|裁判離婚で必要な5つの条件

悪意の遺棄となる行動と獲得できる慰謝料の相場

その他婚姻を継続しがたい重大な事由|離婚に関する基礎知識

そして、法定離婚事由に該当することを立証するため、DVの証拠を集めておかなければならないのです

どのようなものがDVの証拠になり得るかについては、『DVの証拠になるもの』を参考にしてください。

なお、上で『離婚できる可能性がある』という伝え方をしているのは、DVがあればただちに離婚できるわけではないからです。

DVがあったとしても、回数や程度、その他夫婦の個別事情などを総合的に考慮した結果、離婚しない方がよいと裁判官に判断されれば、離婚が認められないケースもあります。

②離婚調停を申し立てる

証拠が集まったら、次に離婚調停を申し立てましょう。

「いきなり裁判ではだめなの?」と思う人もいるかもしれません。

実は、『調停前置主義』といって、いきなり離婚裁判を申し立てることは、原則認められていません。

まずは調停を申し立て、交渉がまとまらなかった場合に離婚裁判へ移行するのです。

ここでは、離婚調停の申し立てについて確認してみましょう。

【関連記事】

離婚調停の流れを詳しく解説|5分で分かる離婚調停の進め方ガイド

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは|流れと費用・進め方を徹底解説

離婚調停とは

離婚調停とは、正式名称を『夫婦関係調整調停』といいます。

家庭裁判所にて、弁護士や医師などの『調停委員』が夫婦の間をとりもって、公平な立場から離婚について話し合いを行います

離婚調停では、離婚するか、しないかだけでなく、離婚に関する次のような条件も決定します。

  • 親権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割 など

離婚調停で夫婦が離婚に合意できれば離婚が成立し、合意に至らなければ調停は不調となって終了します。この場合、離婚を求める配偶者から離婚裁判を提起する必要があります。

なお、調停が不調となった場合に審判に移行し、裁判所の裁定で離婚が成立する『審判離婚』のケースもあります。

審判離婚とは、調停で夫婦が離婚に合意しなかったけれども、家庭裁判所が離婚したほうがよいと判断した場合に、審判により離婚が成立することです。

しかし、審判離婚で離婚が成立するケースは非常にまれであり、ほとんどのケースで訴訟手続に移行しています。

離婚調停を申し立てる方法

離婚を申し立てるには、まず次の書類を用意してください

夫婦関係調停申立書3通(裁判所用・あなた用の控え・配偶者用の控え)

●夫婦の戸籍謄本(3ヶ月以内に発行されたもの)

●DVの証拠となるもの

●年金分割の情報通知書(年金分割について話し合う場合)

●その他あるとよいもの

照会回答書(調停を円滑にするために夫婦の事情を説明するもの)

事情説明書(争いとなっていることを説明するもの)

子についての事情説明書(未成年の子供がいる場合に必要)

なお、必要書類は裁判所のホームページでひな形をダウンロードできます。

夫婦関係調停申立書は、特に法律に詳しくなくても記載できます。裁判所のホームページに記載例もありますので、心配な人は参考にするとよいでしょう。

必要なものが用意できたら、配偶者の居住地の家庭裁判所か、配偶者と合意した家庭裁判所に申立書を持参、もしくは郵送してください

なお、居住地とは、普段生活している場所のことです。本籍地とは関係ありません。

どの家庭裁判所に申し立てるかは『裁判所のホームページ』を確認してください。

離婚調停を申し立てる費用

離婚調停を申し立てる場合、費用として約2,000~6,000円程度がかかります。

内容

費用

収入印紙代

1,200円

切手代

800円(裁判所によって変わります)

その他の収入印紙代

1,200円〜

その他の収入印紙代とは、調停で離婚することだけでなく、養育費や慰謝料についても話し合う場合に発生します。それぞれの内容ごとに1,200円が印紙代として必要です。

なお、弁護士に依頼した場合には、当然ですが弁護士費用が発生します。

費用について詳しくは、次の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】

離婚調停にかかる費用と弁護士に依頼した際のメリットまとめ

離婚調停では配偶者と顔を合わせなくて済む

あまりにも激しいDVを受けている人は、調停で配偶者と会いたくないと考えている人もいるかもしれません。

実は、調停では配偶者と1度も顔を合わせなくて済むケースもあります

まず、調停委員に話を聞いてもらう際には、配偶者とは別々に部屋に入りますので、顔を合わせることはありません。

調停の開始と終了時には、原則として同じ部屋で調停について説明を受けますが、あらかじめ『照会回答書』に、配偶者からDVを受ける可能性がある旨を記載しておけば、配慮してもらえることがあります。

さらに、弁護士に依頼しておけば、代理人として一緒に出廷してもらうこともできますし、弁護士だけに出廷してもらうことも可能です。

③離婚裁判を申し立てる

調停で離婚に至らなかったら、最後は離婚裁判を申し立てましょう。

裁判では、DVの証拠があったことを証明したりします。

このとき、離婚するかしないかの判断と同時に、調停と同様、以下の点についても判断してもらえます。

  • 親権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割 など

あなたや配偶者の主張を通じて、離婚すべきかどうか、離婚の条件はどうすべきかについて裁判官が判決を下すことになります。

ここでは、離婚裁判を申し立てる方法について確認しましょう。

離婚裁判の内容については、次の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】

離婚裁判の流れ|離婚裁判を進める際の流れと進め方の全手順

離婚裁判の期間を短くして有利に離婚する為の10の手順

必要なものを揃える

離婚裁判を申し立てるには、まず次のものを用意してください。

  • 離婚裁判の訴状
  • 離婚調停不成立調書(離婚調停が成立しなかったときに作成される調書)
  • 夫婦それぞれの戸籍謄本
  • DVの証拠

離婚裁判の訴状は、ひな形を裁判所のホームページからダウンロードできます。

記載例もありますので、ご自身で作成する場合は参考にするとよいでしょう。

家庭裁判所に裁判の訴えを提起する

必要書類が揃ったら、夫婦いずれかの住所を管轄する家庭裁判所に持参または郵送して、訴えを提起します。

裁判所のホームページ』から確認できますので参考にしてください。

必要書類がそろったら、家庭裁判所に持参・郵送しましょう

離婚裁判を申し立てる費用

離婚裁判を申し立てる際、次のような費用が発生します。

内容

費用

収入印紙代

1万3,000円

その他の収入印紙代

900円

切手代

6,000円前後

離婚の裁判を申し立てるには、収入印紙代として1万3,000円が必要です。

また、離婚するかどうかだけでなく、慰謝料や養育費についても争う場合には、それぞれの内容につき900円がかかります。

例えば、離婚するかどうかのほかに、『慰謝料』『親権』『養育費』『財産分与』の4つの条件についても裁判で判断してもらいたい場合には、

1万3,000円+900円×4=1万6,600円

となり、合計収入印紙だけで1万6,600円が必要です。

また、収入印紙代のほか、郵便切手代も支払います。

金額は裁判所によって異なりますが、おおよそ6,000円前後です。

離婚裁判を起こす手続きは、非常に難しいことが考えられます。

あなた自身で訴状を作成することも不可能ではありませんが、内容が不十分、不適切になってしまう恐れが高いです。

また、裁判中はあなたの主張や提出した証拠に対して、配偶者は答弁書などで反論してくることが通常です。

そうなったときには、高い交渉能力と豊富な法律的知識が必要になりますので、弁護士への依頼が必要不可欠だといえるでしょう

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DVを原因に離婚するときの慰謝料額の目安

DVを原因に離婚する場合、気になるのが慰謝料ではないでしょうか?

慰謝料とは、精神的な苦痛をお金で賠償するものなので、できるだけ高い金額を支払ってもらいたいと思うのも、当然のことでしょう。

過去の裁判例を見ると、慰謝料額は50~300万円となるケースが多いようです。

ここまで幅があるのは、次のような要素を考慮した上で、慰謝料額が決まるからです。

  • DVの回数
  • DVの期間
  • DVによる被害の程度
  • 婚姻期間
  • 子供の有無
  • 配偶者の年齢 など

調停や裁判で慰謝料を請求するには、DVがあったことを証明しなければなりません。

どのようなものがDVの証拠になるかは、『DVの証拠となるもの』を確認してください。

DVを原因に損害賠償を訴える方法

ここまでは、DVを原因に離婚を訴える方法について紹介しました。

ここからは、DVを原因に損害賠償を訴える方法について、夫婦関係にある人だけでなく、恋人からDVを受けている人も対象となります。

損害賠償請求とは

損害賠償請求とは、あなたに何らかの被害を加えた相手に、発生した損害分のお金を支払ってもらうこといいます

実は、DVだけ限らず、あなたが何らかの被害を被った場合には、民法709条710条によって、発生した被害をお金で補償してもらえる権利があると定められています。

ちなみに、DVによって発生する損害としては、『怪我をする・うつ病になる』といったことや、『DVを受けたときに感じる恐怖や苦痛』といったものが挙げられます。

これらをお金に換算して請求する具体的なものとしては、次のようなものが挙げられます。

・通院費

・仕事を休んだことによる収入減分

・物損分(服が破れた・メガネが壊れたなど)

・慰謝料 など

①DVの証拠を集める

まずは、離婚のときと同様、DVの証拠を集めておきましょう。

損害賠償を請求するときにも、DVがあった事実を証拠をもって証明しなければならないからです。

DVがあったことを証明するものは、離婚でも損害賠償でも変わりません。

詳しくは『DVの証拠となるもの』を確認してください。

②民事訴訟を申し立てる

証拠を集めたら、次に民事訴訟を申し立てましょう。

具体的な申し立ての方法は、離婚を訴えるときと変わりません。

訴状を作成して、管轄の裁判所に提出します。

ただし、申し立てる裁判所は請求額によって異なり、140万円以下の場合は『簡易裁判所』、140万円以上の場合は『地方裁判所』となりますので、注意してください。

民事訴訟の訴状のひな形や記載例は、『裁判所のホームページ』からダウンロードが可能です。

請求できる損害賠償額

民事訴訟を訴えるときには、相手にいくら支払ってもらうかという点が非常に重要になるかと思います。

過去の裁判例を見ると、治療期間ごとに大まかに分けられ、1週間未満の場合は10万円程度、1~2週間以下の場合は40万円程度、2週間以上~1ヶ月の場合は100万円程度となることが多いようです。

ただ、請求できる金額は、あなたに発生した損害の程度にもよりますので、一概には言い切れません。

前述の通り、損害賠償として請求できる内容は、慰謝料だけでなく、通院費や収入の減少分など多岐に渡ります。

損害賠償請求には3年の時効がある

実は、DVでの損害賠償の請求には、3年の時効があります。

これは、民法724条によって定められています。

なお、時効の起算点(時効が開始するタイミング)は、DVで損害が発生したときです。

損害賠償を請求するには、『相手からDVがあったこと』『故意や過失があったこと』『怪我などの損害が発生したこと』『DVと怪我などの損害に因果関係があること』といった点についてあなた自身で証明しなければなりません。

また、訴状は内容が法的にきちんと整理されていない場合、受け付けてもらえませんし、訴状に記載した内容は、後から簡単に撤回することはできません。

訴訟自体が却下されることもありますし、あなたが望む損害賠償額をもらうことも困難になります。

あなたが望む損害賠償額を獲得するには、弁護士へ依頼することを強くおすすめします。

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DVは示談することも可能

損害賠償請求をするには、必ずしも裁判を利用しなければならないということはありません。

当事者間の話し合い(協議)によって示談(法律上は和解と言います)し、一定の補償金を支払ってもらうこともあり得ます。

ただ、示談は当事者の協議による解決ですので、お互い感情的になったり、折り合いがつかなかったりすることも考えられます。

そういったときには、間に弁護士に入って交渉してもらうことをおすすめします。

離婚時の慰謝料請求と損害賠償請求は両立しないケースが多い

ここまでお読みになった人の中には、

「損害賠償の請求もして、離婚時に慰謝料も請求したら、二重にお金がもらえるのでは?」

と思う人もいるでしょう。

しかし、1つの損害を二重に評価して二重で請求することは認められません。通常は、DVで離婚する場合の慰謝料請求はDVによる損害と離婚による損害を一括して評価し、1つの賠償額が提示されます。

DVを原因に刑事責任を訴える方法

DVの被害を受けた場合には、離婚や損害賠償だけでなく、捜査機関に被害を申告して刑事責任を問うことも可能です。具体的には、警察に被害状況を証明する証拠を提出するなどして被害申告を行い、暴行罪や傷害罪で立件して必要な捜査をしてもらうことになります。捜査の結果、犯罪事実が明白となれば、加害者には相応の刑事責任が問われることになるでしょう。

ここでは主に暴力や性行為についてのDVについて解説したいと思います。

DVには主に、『身体的DV』『精神的DV』『性的DV』『経済的DV』の4つの種類がありますが、精神的DVや、経済的DVで刑事責任を問うことは難しい場合が多いです。

警察へ被害届を提出する

刑事責任を問う方法の一つは、警察に被害届を提出することです。

被害届とは、DV被害を警察などの捜査機関に告知することです。被害届は、警察が犯罪(DV)があったことを認識し、捜査開始のきっかけとなる重要なものです。

最寄りの警察署へ行き「被害届を出したい」と言えば、書式を用意してもらえます。

このとき身分証明書や印鑑、DVの証拠を一緒に持っていくようにしましょう。

被害届に書く内容は次の通りです。

  • あなたの住所、氏名、年齢、職業
  • DVを受けた日時
  • DVを受けた場所
  • DVの模様(どのようなDVでどのような被害があったか)
  • 配偶者の住所、氏名
  • DVの証拠 など

告訴する

告訴は、捜査機関に被害があったことを知らせるという点は被害届の提出と同じですが、犯罪として立件し、加害者に処罰を求める意思を含むという点が異なります。

告訴が受理された後は、警察は告訴に関する書類および証拠をすみやかに検察官に送付しなければなりません(刑法242条)。

被害届の場合は捜査するかどうかは警察の裁量となりますが、告訴の場合、警察はこれを捜査する義務があります。

告訴は書面、口頭のどちらでも構いませんが、通常は告訴状を提出して行います。

告訴状は直接警察署や検察庁の窓口に持参しても構いませんし、郵送でも構いません。決まった形式はありませんが、主に次のような内容を記載します。

  • DVの相手
  • DVの事実
  • 処罰を求める意思
  • DVの証拠

告訴を受理すると警察は必ず捜査を開始しなければならないため、証拠が十分でない場合などは、告訴として受理しないという対応をすることもあるようです。

DVが該当する犯罪と刑事罰

DVで刑事責任を問うには、当然なんらかの犯罪に該当していなければなりません。DVが当てはまる犯罪は主に以下の3つです。

  • 暴行
  • 傷害
  • 強制わいせつ・強制性交等

暴行とは、法律上、あなたの体に向けられた暴力的な行為のことをいいます。具体的には、殴る・蹴る・投げ飛ばす・押す・突くといったものが挙げられるでしょう。

また、直接触れるだけでなく、花瓶などの重いものを投げつけられたり、刃物を振り回したりするといった場合も、暴行に当てはまる可能性があります。

一方、傷害はDVによってあなたが怪我をしたり、病気になったりしたときに該当します。

PTSDや慢性頭痛症、睡眠障害といった精神的な病気になった場合も、傷害にあてはまるケースがあります。

最後に、強制わいせつや強制性交渉等についてです。

法律によって明文化されてはいませんが、夫婦間には、『性交渉を要求する権利や応じる義務』があります。

ただ、たとえ夫婦間であったとしても、あまりにも望まない性行為などに関しては、強制わいせつや強制性交等に当てはまるケースもあるのです。(関連記事:強制性交等罪とは|構成要件と強姦罪から改正されたポイント)

では、そういった場合どの程度の刑事罰が与えられるのでしょうか。

次の一覧で確認しておきましょう。

暴行

・2年以下の懲役

・30万円以下の罰金

・拘留

・科料

傷害

・15年以下の懲役

・50万円以下の罰金

強制わいせつ

・6ヶ月以上10年以下の懲役

強制性交等

・5年以上の懲役

暴行と傷害、そして強制わいせつと強制交渉等では、大きく刑罰が違っています。

単に暴力を受けただけなのか、あるいは暴力によって怪我を負ったり病気になったりしたのか、望まない性交渉があったかどうかという点が、大きな境目となるようですね。

刑事責任を問うときの時効

刑事責任を問うにしても、時効があります。

これは、公訴時効とよばれるもので、検察官が公訴(裁判の訴えを提起すること)できる権限がなくなる期間のことをいいます。

公訴時効はあなたが受けたDV被害によって異なり、次の表のとおりです。

暴行

3年

傷害

10年

強制わいせつ

7年

強制性交等

10年

DVから時間が経っている場合には、時効が成立しないよう注意しましょう。

DVの証拠となるもの

離婚したり、損害賠償を請求したり、刑事責任を追及したりする場合には、DVの証拠が必要不可欠です。

DVの証拠とは、『DVがあったことが事実であると客観的にわかるもの』です。

ただし、どのようなDVかによって集めておくべき証拠が異なります。

具体的には次のようなものがあげられます。

DVの種類

集めておくべき証拠

身体的DV

・DV現場の録音・録画

・医師の診断書や病院の受診歴

・被害の写真

・メール・電話の記録

・メモ・日記

精神的DV

・DV現場の録音・録画

・医師の診断書や病院の受診歴

・メール・電話の記録

・メモ・日記

性的DV

・医師の診断書や病院の受診歴

・メール・電話の記録

・メモ・日記

経済的DV

・預金通帳・家計簿・課税調整表など

・メール・電話の記録

・メモ・日記

なお、民事訴訟では提出できる証拠に制限がありません。

1つの証拠で配偶者のDVが認められることもありますが、複数の証拠を集めておくことで、より確実な証拠となるでしょう。

ここでは、それぞれの内容について解説します。

DV現場の録画・録音

殴る・蹴るといった暴力や、怒鳴る、長時間にわたり説教をするといった暴言の録画や録音は、DVの有力な証拠になります。

ただし、性的なDVの場合などでは、DVされることを予測して録画や録音することは困難なケースが多いと思われます。

そういった場合は決して無理をせず、他の証拠を集めるようにしてください。

医師の診断書や病院の受診歴

医師の診断書や病院の受診歴は、DVの有力な証拠になり得ます。怪我だけでなく、暴言などを受けて不眠や過呼吸、うつになった場合も、精神科や心療内科を受診し、診断書をもらっておきましょう。

このとき、以下の3点に注意して下さい。

  • 全ての怪我を医師に申告する
  • 治療期間も記載してもらう
  • DVが原因であることを伝える

病院によっては、大きな怪我は記載するけれど、小さな怪我は記載しないといったこともあります。怪我が複数ある場合には、どんな小さな怪我も申告するようにしましょう。

また、治療期間が分かることも重要です。『左尺骨(しゃっこつ)の骨折』といったような記載では、どの程度の怪我か判断ができません。『左尺骨の骨折で、加療2ヶ月の見込み』といったように、治療期間がわかるように記載してもらいましょう。

最後に、DVが原因であることは必ず医師に伝えましょう。本当の理由を伝えるのは気が引けるかもしれませんが、『自転車に乗っていて転んだ』などと嘘を伝えた場合、診断書にそのように記載されてしまいます。

そういった場合、怪我とDVに因果関係がないと判断されかねません。必ず配偶者のDVが原因であると伝えてください。

被害の写真

DVによって受けた怪我や壊れたモノを写真に残しておくことも証拠になり得ます。

ポイントは、怪我の部位だけでなく、あなたの顔も一緒に写るようにするということです。

怪我の部分だけでは、本当にあなたが受けた被害か分からないとして、証拠とならないことがあるからです。

必ず、写真は複数枚撮影し、顔と傷が一緒に写ったものと、傷だけが写ったものの両方を残しておくようにしましょう。

なお、被害の写真だけでは、配偶者のDVと関係がないとして、証拠にならないこともあります。

医師の診断書や、次に解説するメモ・日記など、他の証拠と組み合わせるようにしましょう。

預金通帳・家計簿・課税調整表など

経済的DVの場合、配偶者があなたに生活費を渡していないことが分かるように、預金通帳や家計簿などを用意しましょう。

配偶者の収入が分かるとなおよいです。給与明細や源泉徴収票、課税調整表などを数年分揃えておきましょう。

課税徴収票表は役場で発行してもらえます。

メール・電話の記録

メールや電話でDVを受けたことが分かる記録・録音も証拠になり得ます。

また、メールや電話のやりとりの中で、配偶者がDVを認めていたり、DVについて謝罪していたりする場合も証拠になるケースがあります。

メモ・日記

メモや日記も、DVを証明するために作成しておくとよいでしょう。

ただ、メモ・日記だけでDVの証拠となる可能性は低いです。他の証拠を補助するためのものであると理解してください。

メモや日記を作成する場合には、『いつ』『誰が』『どこで』『誰に』『どのようなことを』したかの5つのポイントを押さえておくことが重要です。

具体性がない場合、信用できないと判断されかねません。

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訴える前にDV被害から身を守るべき

ここまで、DVで訴える方法を紹介してきました。

1つ、念頭に置いておいてほしいことは、訴える前にあなたの身をDV被害から守った方がよいという点です。

まずは身の安全を確保し、あなたやお子さんにDVの被害がなくなった状態で、離婚や慰謝料請求を行なった方がよいでしょう。

DV被害から身を守るには、『DVシェルター』に避難したり、裁判所に保護命令を出してもらったりといった方法があります。

次の関連記事では、DVから身を守る方法や相談機関について詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

【関連記事】

DV(ドメスティックバイオレンス)とは?被害にあった場合の相談先一覧

まとめ

DVはあなたの健康だけでなく、子供の成長や将来にまで影響を与えかねません。

ただちに専門機関などに相談し、問題の解決を図りましょう。DV被害が止まないような場合には、離婚も検討すべきだと言えます。

離婚や慰謝料請求は、裁判となった場合、弁護士に依頼しているかどうかで結果が大きく変わる可能性があります。

慰謝料額だけでなく、面会交流権や養育費、財産分与などの離婚条件は、あなたの今後の生活に多大な影響を与えかねません。

少しでも有利な条件を獲得したいなら、弁護士に相談することを強くおすすめします。

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KL2020・OD・037

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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