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面会交流調停とは?家庭裁判所での手続きや費用、有利に進めるポイントを解説

藤垣 圭介
監修記事
面会交流調停とは?家庭裁判所での手続きや費用、有利に進めるポイントを解説

離婚や別居によって子どもと離れて暮らすことになり、なかなか面会させてもらえない、どうやって連絡を取れば良いかわからないと悩んでいる方は多いでしょう。

このような場合、家庭裁判所の面会交流調停においては、面会ルールを定めることが可能です。

本記事では、面会交流調停の基本的な仕組みや具体的な取り決め内容、申し立てから解決までの流れ、そして調停を有利に進めるためのポイントまで分かりやすく説明します。

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目次

面会交流調停とは、家庭裁判所で子どもとの面会について話し合う法的な手続き

面会交流調停とは、父母の話し合いでは面会交流のルールを決められないときに家庭裁判所の調停委員会を通して解決を目指す手続きです。

裁判所は子の福祉(子どもの利益)を最も大切にしているため、子どもが健やかに成長するために面会交流が必要かという視点から話し合いを進めます。

調停では、離婚後だけでなく別居中でも申し立てが可能で、中立な立場の調停委員が冷静な話し合いをサポートしてくれるのが大きなポイントです。

面会交流調停で取り決められる内容

面会交流調停で取り決められる内容

面会交流調停を進めるときは、後々のトラブルを防ぐためにも、面会交流の頻度や場所や連絡方法などをできる限り詳細かつ具体的に合意しておくことが重要です。

ここでは、面会交流調停において、子どもと離れて暮らす親が会うための具体的なルールとして、どのような項目が取り決められるのかを解説します。

一つひとつみていきましょう。

①面会頻度

面会交流の頻度は、子どもに大きな負担をかけることなく継続できるペースで決めることが大切です。

一般的には月1回や月2回で取り決めるケースが多いですが、子どもの年齢や学校、両親の

生活状況などを考慮して無理のない回数を選びます。

頻度が多すぎると子どもの負担やスケジュール調整の難しさにつながり、少なすぎると親子の関係維持が難しくなるため、柔軟に調整しましょう。

②面会時間

面会時間は、子どもの年齢や体力を考慮して負担にならないような調整が大切です。

目安となる面会時間は、以下の通りです。

  • 幼い子ども(未就学児):1~2時間程度から開始
  • 小学生以上:3~4時間
  • 中学生以上:半日から終日

関係が安定してきたら宿泊も検討できるので、子どもの様子をしっかり見ながら柔軟に時間を決めていきましょう。

③会う場所

面会する場所は、子どもが安心できてリラックスできる場所を選ぶことが重要です。

場所の一例は、次のとおりです。

  • 公園
  • ショッピングモール
  • ファミリーレストラン
  • 動物園
  • 遊園地
  • 映画館

特に交流を始めたばかりの頃は、子どもが抵抗なく足を運べる場所を選ぶのがおすすめです。

また、親同士が顔を合わせずに済むように面会交流支援団体が運営する専用施設を利用する方法もあります

そうすれば、第三者の見守りのもとで安心して会えるでしょう。

④当日の待ち合わせ方法

親同士の感情的な摩擦を避けるためにも、待ち合わせや子どもの引き渡し方法は具体的に決めておく必要があります。

子どもが安心して引き渡しを受けられるためには、以下のような方法がおすすめです。

  • 自宅まで迎えに行く
  • 指定の駅で待ち合わせる
  • 親族に仲介してもらう

親同士が顔を合わせるのが難しい場合は、第三者機関のサポートを受けたり、時間差で引き渡しをおこなったりするのも検討しましょう。

⑤子どもと連絡をとる方法

子どもと離れて暮らす親が連絡を取るときは、子どもに負担をかけず親同士が冷静にやり取りできる手段を選ぶのが鉄則です。

具体的には、次のような方法がおすすめです。

  • LINE
  • メール
  • 親族の仲介
  • 面会交流支援アプリなど

どのような連絡方法が良いのかを決定して初めて、子どもとの面会交流を進められます。

親同士の直接連絡が難しい状況であれば、第三者を介した方法を選ぶなど、感情的な衝突を避けるための工夫をとるのが重要です。

⑥学校行事への参加について

子どもの学校行事への参加は子どもにとって大切なことなので、事前に両親間で調整しておくことが望ましいです。

運動会や卒業式などに親が参加すると子どもは喜びますが、両親の同席で気まずさを感じる子もいるので、子どもの気持ちを最優先に考えましょう

授業参観は交互に参加する、卒業式は席を離すなど子どもが安心できる参加方法を具体的に決めておくと当日のトラブルを防げるので安心です。

⑦プレゼントやお小遣いについて

プレゼントやお小遣いについては、両親で教育方針を統一し、子どもが両親の異なる態度に戸惑わないように具体的なルールを事前に取り決めておくことが必要です。

高価な贈り物や頻繁なお小遣いが、もう一方の親との間に不公平感を生んだり、子どもが愛情を物で測ったりするリスクがあります

金額の上限や渡すタイミングなどを取り決めたうえで、教育方針について両親の足並みを揃えることが、健全な関係につながるでしょう。

面会交流調停の申し立てから成立・不成立までの流れ

調停は、月に1回程度のペースで期日が開かれ、事案の複雑さによって半年から1年程度かかることもあります

ここでは、面会交流調停を家庭裁判所に申し立ててから、調停が成立するか不成立となり審判へ移行するまでの具体的な手続きの流れを解説します。

STEP①家庭裁判所への申し立て

面会交流調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます

ただし、当事者間で合意があれば、別の家庭裁判所に申し立てることも可能です。

必要となる主な書類は、以下のとおりです。

  • 面会交流調停申立書(原本と写し各1通)
  • 事情説明書
  • 進行に関する照会回答書
  • 未成年の子の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 連絡先等の届出書

申立書などの書式は、裁判所のホームページからダウンロードできます。

記入例も公開されているため、参考にしながら作成するとよいでしょう。

申し立ての方法は、家庭裁判所の窓口に直接提出するか、郵送で提出するかのいずれかです。

郵送の場合は、書類の不備があると返送されることがあるため、事前に管轄の家庭裁判所や弁護士に確認しておくと安心です。

窓口で提出する場合は、その場で書類の確認を受けられるというメリットがあります。

STEP②第1回調停期日の日程調整と呼び出し

申し立てが受理されると、裁判所から申立人と相手方の双方に第1回調停期日の呼出状が送付されます。

呼出状には、出頭すべき日時と場所が記載されています。

一般的な目安として、申し立てから約2週間で呼出状が発送され、第1回調停期日はさらに1~2ヶ月後に設定されるのが一般的です。

呼出状が届いたら、以下の点を確認しましょう。

  • 調停期日の日時
  • 出頭する裁判所の場所
  • 持参すべき書類

やむを得ない事情で指定された期日に出席できない場合は、必ず事前に裁判所へ連絡しましょう。

無断で欠席した場合、調停に対する姿勢を疑われる可能性があるため注意が必要です。

STEP③調停期日における話し合い

調停期日当日は、申立人と相手方が別々に調停室に呼ばれ、調停委員を介して交互に事情や希望を伝える形で進行します。

相手方と直接顔を合わせずに手続きを進めることが基本なので、冷静に話し合いに臨めます。

調停委員から質問される主なポイントは、以下のとおりです。

  • 現在の面会交流の状況
  • 子どもとの関係性
  • 希望する面会交流の条件(頻度・時間・場所など)
  • 相手方の主張に対する意見

1回の調停にかかる時間は合計で2時間程度が一般的です。

それぞれが調停室に入る時間は30分程度で、これを交互に繰り返しながら話し合いを進めていきます。

質問には落ち着いて誠実に答えましょう。

事前に自分の希望や主張を整理しておくと、スムーズに受け答えができます。

STEP④家庭裁判所調査官による調査の実施

話し合いが難航する場合や子どもの本心を確認する必要がある場合、家庭裁判所調査官による調査が実施されることがあります

調査官の報告は調停の方向性に大きく影響するため、重要なステップです。

家庭裁判所調査官は、主に次のような調査をおこないます。

  • 子どもとの面談
  • 家庭訪問による生活環境の確認
  • 試行的面会交流の実施と観察

たとえば、子どもが面会交流を拒否している場合、子ども自身の意思なのか、同居親の影響によるものなのかを専門的な知見から調査します。

調査結果は報告書としてまとめられ、調停委員や裁判官の判断材料となります。

調査時は、調査官に対しても誠実な態度で接し、子どもの福祉を第一に考えている姿勢を示すことが大切です。

STEP⑤調停の成立(合意に至った場合)

話し合いがまとまると、合意内容を記載した調停調書が作成され、調停は成立となります。

調停調書は確定した判決と同じ法的効力を持つため、相手方が合意内容を守らない場合は強制執行の申し立ても可能です。

調停調書には、面会交流の具体的な条件が明記されます。

  • 面会の頻度(例:月1回)
  • 日時(例:第2土曜日の午前10時から午後4時まで)
  • 場所(例:申立人の自宅、公園など)
  • 子どもの受け渡し方法

調停成立時には、調停委員が合意内容を読み上げて双方に確認します。

内容に問題がなければその場で調停が成立し、後日調停調書が作成されます。

調書の内容は後から変更することが難しいため、合意する前に条件をしっかり確認しましょう。

不明点があれば、その場で調停委員に質問することが大切です。

STEP⑥調停の不成立と審判への移行

話し合いがまとまらない場合、調停は不成立となり、自動的に審判手続きに移行します。

審判では、調停のような話し合いではなく、裁判官が面会交流の可否や内容について判断を下します。

審判で裁判官が考慮する主な要素は、以下のとおりです。

  • 双方の主張と提出した証拠
  • 家庭裁判所調査官の調査報告書
  • 子どもの年齢や意思
  • これまでの面会交流の実績

裁判官はこれらの事情を総合的に検討し、子どもの福祉の観点から最も適切と考える結論を出します。

なお、審判の結果に不服がある場合は、審判書の送達を受けた日から2週間以内に即時抗告という不服申し立てができます

審判は調停と異なり、自分の希望どおりの結果になるとは限りません。

そのため、できる限り調停の段階で合意を目指すことが望ましいでしょう。

審判への移行が見込まれる場合は、弁護士への相談を検討するのをおすすめします。

面会交流調停の申し立てに必要な費用と書類一覧

次に、面会交流調停を申し立てる際に必要な費用と家庭裁判所に提出する書類について具体的に解説します。

重要なポイントとなるので、しっかり頭に入れておきましょう。

費用は収入印紙と郵便切手代で合計数千円程度

面会交流調停の申し立てにかかる費用は数千円程度です。

費用面でのハードルが低いため、経済的な負担を抑えて手続きを進められます。

費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 収入印紙代:1,200円(子ども1人につき)
  • 連絡用の郵便切手代:1,000円前後(裁判所により異なる)

子どもが2人いる場合は収入印紙代が2,400円になるなど、人数に応じて変動します。

郵便切手の金額や組み合わせは裁判所によって異なるため、申し立て先の家庭裁判所に事前に確認しておきましょう。

必要な書類は申立書や子の戸籍謄本など合計5点

面会交流調停の申し立てには、以下の5点の書類が必要です。

  • 面会交流調停申立書(原本と写し各1通)
  • 事情説明書
  • 進行に関する照会回答書
  • 未成年の子の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 連絡先等の届出書

申立書、事情説明書、進行に関する照会回答書、連絡先等の届出書は、家庭裁判所の窓口で入手できるほか、裁判所のホームページからダウンロードすることも可能です。

申立書には、申立人と相手方の情報、子どもの情報、申し立ての趣旨や理由などを記入します。

子の戸籍謄本は、子どもの本籍地がある市区町村役場で取得します。

窓口での申請のほか、郵送やコンビニ交付(マイナンバーカードが必要)でも取得できます。

発行手数料は1通450円程度です。

不備があると受理されないので、提出前に記入漏れがないか確認しましょう。

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面会交流調停を有利に進めるための5つのポイント

ここでは面会交流調停をスムーズかつ有利に進めるために、申立人が意識すべき5つの具体的なポイントについて説明します。

一つひとつみていきましょう。

ポイント①感情的にならず、子どもの利益を最優先する姿勢を示す

調停は夫婦間の争いではなく、子どもの利益を最優先するためにおこなうものという姿勢を一貫して示すことが重要です。

調停委員はどちらの親が子どもの福祉を考えているかを重視します。

感情的に相手を非難することは避け、子どもが健やかに成長するために面会交流が必要だという前向きな言葉を伝え、冷静な話し合いを心がけましょう。

ポイント②主張は客観的な証拠に基づいて具体的におこなう

面会交流調停では、主張の説得力を高めるために客観的な証拠を準備し、それに基づいて具体的に説明することが重要です。

調停委員は双方の話を聞いて判断するため、事実を裏付ける証拠があるかどうかで印象が大きく変わります。

有効な証拠としては、以下のようなものが挙げられます。

  • これまでの面会交流の記録(写真や動画)
  • 相手方とのメールやLINEのやり取り
  • 子どもからの手紙や絵

これらは、良好な親子関係が築かれていたことを示す客観的な資料となります。

主張する際は、抽象的な表現を避け、具体的な事実を伝えましょう。

たとえば、「これまでは月2回、公園で3時間ほど面会しており、子どもも毎回楽しみにしていた」といった形で伝えると状況が伝わりやすくなります。

具体性のある主張が、調停を有利に進めるポイントです。

ポイント③調停委員を味方につけることを意識する

調停委員を味方につけることは、面会交流調停を有利に進めるうえで極めて重要です。

調停委員は調停の進行役として主導権を握っており、こちらの主張を理解してもらえるかどうかが結果を大きく左右します。

調停委員を味方につけるために、以下の点を意識しましょう。

  • 調停委員からの質問には誠実に答える
  • 丁寧な言葉遣いを心がける
  • 反論する際も感情的にならず、論理的に説明する

調停委員は中立の立場ですが、より説得力があり、子どもの利益にかなうと判断した側の意見に傾きやすいです。

相手への不満があっても感情をぶつけるのではなく、冷静に事実を伝える姿勢が信頼につながります。

「この人の主張は合理的で、子どものことを第一に考えている」と思ってもらえれば、調停を有利に進められる可能性が高まるでしょう。

ポイント④実現可能な面会交流のルールを提案する

自分の希望だけでなく、相手の状況や子どもの生活リズムを考慮した現実的でルールの提案が合意形成には不可欠です。

例えば「毎日会いたい」という希望は現実的とは言えず、自分勝手な希望を押し付けようとする印象を与えかねません。

また、柔軟な姿勢を見せることが調停委員からも好印象につながるので、複数の代替案を用意して話し合いに臨むことが効果的です。

以下の表を参考に、当初の希望に対して段階的な代替案を用意しておきましょう。

項目 当初の希望 代替案(柔軟な提案)
面会頻度・時間 毎週末の宿泊 月2回の土曜日の日中(10時~17時)
場所 毎回自宅での面会 公園やショッピングモールでの面会
長期休暇 長期休暇中の1週間の宿泊 夏休みに3日間の宿泊

ポイント⑤法的な主張や交渉に不安があれば弁護士に依頼する

法的な主張や手続きに不安がある場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

専門家のサポートを受ければ、精神的・時間的な負担を軽減でき、より有利な結果を得られる可能性が高まるからです。

特に、以下のようなケースでは弁護士への相談を強くおすすめします。

  • 相手方が弁護士を立ててきた場合
  • DV・モラハラなどが絡む場合
  • 相手方との対立が激しく、冷静な話し合いが難しい場合

弁護士に依頼すれば、法的な観点から的確な主張を組み立ててもらえるほか、調停委員とのやり取りの代行や、必要な書面の作成も任せられます。

弁護士費用はかかりますが、調停を有利に進めたい場合は検討する価値があるでしょう。

面会交流が認められない・制限される具体的なケース6選

ここでは、面会交流が子どもの福祉に悪影響を及ぼすと判断された場合に、認められなかったり内容が厳しく制限されたりする具体的なケースを解説します。

裁判所は親の権利よりも子どもの安全や精神的な平穏を最優先に考えるので、例外的な事情がある場合は注意が必要です。

具体的にみていきましょう。

①子どもに対する虐待や暴力(DV)がある

子どもの心身の安全が最優先されるため、子どもへの虐待やDVの事実がある場合またはその恐れが高いと判断されると面会交流は認められません

特に以下のような証拠がある場合は、虐待や暴力が認められるケースが多い傾向です。

  • 警察への相談記録
  • 医師の診断書
  • 傷やあざの写真
  • 暴言や威嚇の録音データ

警察への相談記録や医師の診断書といった具体的な証拠がある場合、裁判所は子どもに危害が加わるリスクを避けるために面会を許可しません

仮に面会交流が許可された場合でも、第三者の立ち会いのもとでおこなう監視付き面会など、極めて制限された条件が付くことが一般的です。

②子どもを連れ去るおそれがある

子どもを無断で連れ去る具体的な危険性があると判断される場合は面会交流は許可されないか、極めて厳しい制限が課されます。

子どもの安定した生活環境を破壊する連れ去り行為は子どもの福祉に大きく反するため、裁判所はその兆候を重く見ています。

次のようなケースは、連れ去りのリスクが高いと判断されるおそれがあるため注意が必要です。

  • 過去に連れ去りをほのめかす言動があった
  • 国内に安定した生活基盤(住居・仕事)がない
  • 無断で子どものパスポートを取得した
  • 海外に親族がおり、帰国する意向を示している

このようなケースでは裁判所内の児童室での面会を許可する、または第三者機関の立ち会いを必須とするなど厳しい条件が課される可能性があります。

③子どもが面会を拒否している(特に10歳以上の場合)

子ども自身が明確に面会を拒否している場合、特に10歳以上の意思は裁判所も尊重するため、面会が制限されることがあります

無理に面会を強制すると子どもに精神的な負担がかかり、子どもの福祉に反するため、子どもの意思が第一に尊重されます。

拒否の理由が子どもの真意によるものか、同居親の影響によるものかを家庭裁判所調査官が調査し、その結果が最終的な判断材料となるでしょう。

④薬物使用など、親自身に明らかな問題行動がある

薬物依存や重度のアルコール依存、治療を受けていない精神疾患など親自身に明らかな問題行動がある場合は面会交流が制限されます。

面会交流中に子どもの安全が確保できないリスクを防ぐためであり、親が心身ともに健全であることが面会の前提条件になります。

面会交流の実現には、治療プログラムの完了証明書などを提出し、問題が解決されたことを客観的に示す必要があることを理解しておきましょう。

⑤面会交流の場で相手方の悪口を言う可能性がある

面会交流の場で同居親の悪口を言うなど、子どもを精神的に混乱させる行為をおこなう可能性がある場合は、面会が制限されるおそれがあります。

子どもを両親の争いに巻き込むことは深刻な心理的虐待とみなされるからです。

以下のような事情がある場合、面会が制限される可能性があります。

  • 過去に子どもの前で相手を非難していた証拠がある
  • メールやLINEで子どもに相手の悪口を伝えていた記録がある
  • 子どもが「パパがママの悪口を言っていた」と証言している

過去の悪口に関する証拠などがある場合、調停調書に相手方を非難しないという条項が盛り込まれるなど、厳しい制限が課される可能性があります。

⑥離婚や別居の直後で子どもが精神的に不安定な状況

父母の別居や離婚といった大きな環境の変化により、子どもが精神的に不安定になっている状況では一時的に面会が見送られることがあります。

面会を永久に禁止するものではなく、不安定な時期に無理に会わせることで子どもの負担が増えるのを避けるための配慮です。

子どもにストレスの兆候が見られる例として、以下のようなものがあります。

  • 夜泣きやおねしょが始まった
  • 学校で問題行動が見られるようになった
  • 食欲不振や体調不良が続いている
  • 急に泣き出したり、感情が不安定になったりする

ストレスの兆候が見られる場合は焦らずに手紙や電話などの間接的な交流から始め、子どもの状態が安定してから直接の面会を検討しましょう。

面会交流調停を弁護士に依頼する5つのメリット

弁護士は法的な観点からあなたの主張を整理し手続きの負担を軽減してくれるため、調停を有利に進めることにつながります。

ここでは、面会交流調停を弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットについて解説します。

①調停委員にあなたの主張を論理的に伝えられる

弁護士はあなたの主張を法的に整理し、調停委員が理解しやすい形で論理的に伝えるための専門的なスキルを持っています

感情が高ぶった状態では伝えたいことがうまく伝わらないことがありますが、弁護士は法的に重要なポイントを押さえた主張を組み立てます。

弁護士から受けられる具体的なサポートは、次のとおりです。

  • 主張書面(準備書面)作成による口頭説明の補足
  • 客観的証拠の整理と調停委員の心証を良くするタイミングでの提出
  • 調停委員からの質問や相手方の予想される反論に対する回答の準備

このようなサポートを受ければ、調停委員の心証を良くし、調停を有利に進めることが可能になるでしょう。

②申立書の作成や証拠収集を代行してもらえる

弁護士の力を借りれば、面会交流調停に必要な申立書の作成や主張を裏付けるための証拠収集について的確なアドバイスとサポートを受けられます。

具体的なサポートは、次のとおりです。

  • 丁寧なヒアリングによる正確な状況把握
  • 事情が的確に伝わる申立書・事情説明書の作成
  • 主張を裏付ける有効な証拠に関するアドバイス
  • 証拠の収集方法に関する具体的かつ適切なアドバイス

どのような書類が必要か、申立書に何を書くべきかといった点を専門的な知見から判断してもらえるため、迅速に準備を進められます。

書類の不備による手続きの遅延を防ぎ、あなたの話が正確に裁判所に伝わる申立書を作成してもらえるのは大きなメリットです。

③相手方との直接のやり取りを避けられる

弁護士に依頼すれば、すべてのやり取りの窓口になってくれるため、感情的な対立が生じやすい相手方と直接話す必要がなくなります

弁護士に依頼することで得られるメリットは、以下のとおりです。

  • 相手からの連絡に悩まなくなる
  • 感情的な言い争いを避けられる
  • 冷静に調停に臨める精神状態を保てる
  • 日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられる

精神的な負担から解放されるので、冷静に調停に臨めるでしょう。

④不成立後の審判手続きも見据えて対応できる

万が一、調停が不成立となり審判に移行した場合でも、調停段階から弁護士に一貫して依頼すれば、スムーズに対応を進められます

弁護士は、以下のようなサポートをおこなってくれます

  • 調停段階からの審判での争点の予測
  • 審判で有利になる証拠の計画的収集・提出
  • 調停でのやり取りの記録・審判での主張への活用
  • 審判移行時の見通しの事前説明

審判では調停での記録や証拠が判断材料となるため、弁護士の戦略的な主張・証拠の準備は重要です。

⑤実効性の高い調停条項を作成してもらえる

弁護士は、将来起こりうるさまざまな状況を想定し、後々のトラブルを防ぐための詳細な取り決めを調停条項に盛り込んでくれます

調停調書は判決と同じ法的効力を持つからこそ、内容が曖昧だと解釈の違いから争いが起きるリスクを伴います。

子どもの体調不良時の代替日や急なスケジュール変更の連絡期限など、具体的な条項を入れることで円滑な面会交流を実現します。

弁護士が盛り込む条項の例は、以下のとおりです。

想定される状況 条項の例
子どもの体調不良 前日までに連絡し、代替日を協議する
急なスケジュール変更 1週間前までに連絡し、変更の可否を協議する
学校行事との重複 学校行事を優先し、代替日を設ける
連絡が取れない場合 3日以上連絡が取れない場合は〇〇を通じて連絡する

このような具体的な条項を入れておけば、当日の急なキャンセルや連絡の行き違いによるトラブルを防ぎ、円滑な面会交流を実現できるでしょう。

面会交流調停を弁護士に依頼した場合の費用相場

面会交流調停を弁護士に依頼した場合、総額で30万~60万円程度が費用相場となります。

ただし、調停が長期化したり争点が複雑な場合は、70万円前後になるケースもあります。

費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 相談料:5,000~1万円(30分~1時間あたり)
  • 着手金:15万~30万円
  • 報酬金(成功報酬):15万~30万円
  • 実費・日当:出廷や書類取得費用として別途発生

費用が変動する主な要因としては、案件の複雑さや事案の内容、弁護士や事務所ごとの料金体系の違いなどが挙げられます。

また、弁護士に依頼するときはこれに加え着手金や報酬金が必要になるので、無料相談などを利用して事前に見積もりを取ることが大切です。

面会交流調停について相談・依頼できる弁護士を探すならベンナビ離婚

面会交流調停を弁護士に依頼すれば、面会条件を有利に整理できるだけでなく、手続きの負担が軽減され精神的・時間的に楽になります。

また、法的根拠に基づいた主張を作成してもらえるため、裁判所や調停委員に理解されやすくなるメリットもあります。

弁護士に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 追加費用の有無を事前に確認する(審判・訴訟への移行費用など)
  • 支払い方法を確認する(分割払いやカード支払いが可能かなど)
  • 見積もり前に料金体系をしっかり把握しておく

弁護士を探すときは、ベンナビ離婚の活用がおすすめです。

離婚問題や面会交流に詳しい弁護士を地域や相談内容から検索でき、料金やサービス内容を比較しながら自分に合った弁護士を見つけられます。

まずは複数の弁護士に相談し、信頼できる依頼先を選びましょう。

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面会交流調停に関するよくある質問

ここでは、面会交流調停に関して多くの方が疑問に感じる点を、Q&A形式でまとめて回答します。

①面会交流調停を申し立てられた側はどう対応すればよい?

面会交流調停を申し立てられた場合は裁判所からの呼出状を無視せず、必ず期日に出頭するか、事前の連絡が重要です。

正当な理由なく欠席を続けるとあなたの意見を主張できず、相手方の主張に沿った不利な審判が下される可能性があります。

もし面会交流を拒否したい理由がある場合は、その正当性を裏付ける証拠を準備した上で調停に臨むことが大切です。

②調停で決まった面会交流が守られない場合はどうすればよい?

調停で決まった面会交流のルールが相手方に守られない場合、履行勧告の申し出や間接強制の申し立てを家庭裁判所におこなえます

履行勧告は裁判所が相手方に約束を守るよう促す手続ですが、強制力はありませんので、改善しない場合は制裁金の支払いを命じる間接強制を検討します。

間接強制が認められるには、調停調書に面会交流の日時や場所、方法が具体的に記載されていることが必須条件です。

③子どもが面会交流を拒否している場合、無理に会わせるべき?

子どもが面会を拒否している場合は無理に会わせることは禁物であり、特に10歳程度以上の子どもの意思は尊重されます。

子どもの拒否の背景には別居親との関係性や同居親の影響など様々な理由が考えられるため、その理由を慎重に探る必要があります。

焦らずに手紙や電話などの間接的な交流から始め、子どもの不安を取り除きながら、少しずつ関係性を築いていくことが大切です。

④離婚調停と面会交流調停は同時にできる?

離婚調停と面会交流調停は、同時におこなうことが可能です。

一般的には、離婚調停の中で面会交流についても話し合うとされています。

親権者の指定や養育費、財産分与といった離婚条件もまとめて話し合えるため、手続きを効率的に進められるでしょう。

子どもとの面会を早期に実現したいという場合は、離婚調停とは別に面会交流調停を先行して申し立てることも可能です。

まとめ

面会交流調停は子どもとの面会について話し合いがまとまらない場合に、家庭裁判所の調停委員会を介して解決を目指す法的手続きです。

調停では面会頻度や時間、連絡方法といった具体的なルールを決めますが、半年から1年程度の期間がかかることもあります

調停を有利に進めるためには子どもの福祉を最優先する姿勢を示し、感情論ではなく客観的な証拠に基づいて主張することが大切です。

法的な主張や手続きに不安がある場合は、弁護士に依頼することで精神的・時間的な負担を軽減し、より実効性の高い合意形成を目指せます。

面会交流調停について信頼できる弁護士を探すなら、ベンナビ離婚の活用をおすすめします。

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この記事の監修者
藤垣法律事務所
藤垣 圭介 (埼玉弁護士会)
「ご依頼者さまの不安を少しでも軽減したい」という思いから、レスポンスの早さにもこだわりをもって対応しております。

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