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共同親権とは母親・父親双方に親権を認める制度|導入の背景と問題点

共同親権とは母親・父親双方に親権を認める制度|導入の背景と問題点
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共同親権(きょうどうしんけん)とは、母親と父親のどちらもが子供に対する親権を持つ制度のことをいいます。

現在の日本では、婚姻関係中にのみ共同親権が認められています。離婚した場合には単独親権に移行し、母親または父親のどちらか一方が親権者になります。

日本では、国際カップルが離婚した後の子供の連れ去り問題が浮上したこともあり、共同親権を導入すべきであるか否かの議論がなされています。

この記事では、共同親権とはどのような制度なのか、共同親権が導入された背景、ネット上の「反対の声」などを紹介します。

※この記事は2020年10月の情報をもとに作成されました。

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共同親権とは

共同親権とは母親と父親の両方が子供に対する親権を持つ制度のことをいいます。ここでいう親権には「子どもと一緒に暮らして養育をし、教育を受けさせる権利と義務」や「子ども名義の財産を管理する権利」などがあります。簡単に言うと今は離婚するまでは共同親権、離婚後は単独親権です。

(監護及び教育の権利義務)

>第八百二十条 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

引用:民法

(居所の指定)

第八百二十一条 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。

引用:民法

(懲戒)

第八百二十二条 親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

引用:民法

(職業の許可)

第八百二十三条 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。

2 親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

引用:民法

(財産の管理及び代表)

第八百二十四条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。

引用:民法

単独親権の場合には親権を有する親にのみ認められます。

日本における共同親権とは

日本では、民法に婚姻中の共同親権を規定しています。

(親権者)

第八百十八条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。

2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。

3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

引用:民法

一方で、離婚した場合には単独親権が規定されています。

(離婚又は認知の場合の親権者)

第八百十九条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。

引用:民法

日本では、共同親権が認められるか否かが話題になっています。2020年時点で話題になっている共同親権とは、離婚後共同親権に関して、離婚後も婚姻中と同様に母親と父親の両方に親権を認める制度のことを指します。

離婚後、共同親権を導入することによって、離婚時の親権争いをする機会は原則としてなくなるかもしれません。また、離婚後共同親権が導入されることによって親権者でない側の親が教育内容や財産管理について大きく関与できるようになるかもしれません。

なお、多くの先進国では離婚後共同親権が認められています。離婚後の単独親権制度を設けている日本は先進国の中で少数派であるといえるでしょう。

共同親権導入検討の背景

離婚後の共同親権導入が話題になった背景には以下のような理由があるようです。

  • 離婚後に子どもと会うことができない
  • 子供の進学先などに意見を出せない など

離婚後に単独親権となって親権を持たない側の親が子どもと引き離されることは人権侵害にあたると主張して共同親権の導入を目指しているケースもあるそうです。

ネット上では以下のような意見が見受けられました。

親権を持った側の親による連れ去りや面会拒否などがキーワードとなっているようです。

2020年現在の日本では、離婚後に子どもと関わる機会が減少するケースがほとんどです。共同親権導入によって子どもが両方の親と関わりやすくなることが期待されているようです。

2020年現在では反対の声も多い

共同親権導入の声が多くあがる一方で、反対の声もあります。導入反対の理由として「DV・モラハラがあった場合の子どもへの影響」や「共同親権が子どもの負担になる場合」などがあげられるでしょう。

また、本来は子どものためにある共同親権制度ですが、子どもに会いたいという親の感情が優位になっているのではないかという意見もあるようです。

参考:明治大学

ネット上でも反対の声があげられています。

DVや虐待があった場合には支配が続くこともある

共同親権を悪用する形で家庭への支配が続くケースもあるかもしれません。共同親権が導入された場合、進学先や転居などの決定に両親の同意がいることがあります。「同意してほしいならこちらの条件を通せ」などと精神的な支配が継続するケースが生じるかもしれません。

また、日本にはDV・虐待被害者への支援が不足しているとの意見もあるようです。共同親権制度を導入する前に公的機関の介入など当事者への支援体制を改善する必要があるのかもしれません。

参考:西日本新聞

【関連記事】増え続ける子供の虐待|児童虐待から子供を守る全知識

子供のためにならない可能性もある

母親と父親の関係が劣悪な場合、進学や病気の治療などの方針決定の際に合意が取れずに紛争となるケースがあります

共同親権であれば両方の親と関係が保てると考えられていますが、場合によっては子どもの利益を害する恐れもあると知っておくべきなのかもしれません。

まとめ

共同親権導入については様々な意見があるようです。2020年現在、共同親権導入は明確になっていませんが、子どもの権利や利益を踏まえて、導入すべきか否かを考えてみてもよいでしょう。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤 健博 (東京弁護士会)
男女問わず不倫問題全般を得意とし、円満解決の実績もあり。不倫が原因の男女トラブル、離婚慰謝料の請求や親権獲得など、幅広い相談に対応している。

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