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離婚裁判で親権を勝ち取るポイント4つ|父親がすべきこと
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離婚裁判で親権を勝ち取るポイント4つ|父親がすべきこと

福井俊介法律事務所
福井俊介 弁護士
監修記事
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離婚裁判で親権を獲得するためには、裁判所がどのようなこと重視して親権者を決めるのか把握しておくことが大切です。

 

親権者にふさわしいということをアピールできれば、獲得できる可能性も高まるでしょう。

 

特に父親は、母親に比べ親権を獲得するのが不利なケースが多いでしょう。そのため、正しい知識が必要になります。

 

この記事では、裁判所が親権を決める4つのポイントや、父親が親権を獲得する方法をご紹介します。

 

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裁判所が親権を決める4つのポイント

裁判所が親権をどちらにするか決める際、重要になるのは以下の4つのポイントです。

 

①今まで子供を監護してきた割合

裁判所は、子供への愛情が深いと考えられる方を親権者と定めます。愛情を判断する1つのポイントは、『どちらがより多く子供を監護(※)してきたか』ということです。

 

また、すでに別居をしている人も多いのではないでしょうか。その場合、別居の時点でどちらが監護しているかが最も重要です

 

一般的には『子供への愛情が深い』と判断された方が、親権者となる傾向があります。

 

ただ、過ごした時間も大事ですが、具体的にどのように子供と接していたか、どのような世話をしていたという監護の内容や質的な要素も重要視される傾向にあります。

 

不倫などの不法行為をしていた場合でも、監護していた時間が長い場合、親権を獲得できる可能性があります。

 

【関連記事】▶監護権とは子供のそばで世話をすること|親権との違いは何か

 

※監護

子供の近くで、世話・教育・保護すること。

 

②面会交流や周囲のサポートの有無

もし自分が親権者となった場合、親権者ではない親と子供の面会交流(※)を認めるかどうかも、裁判所は重視します。 

 

親の事情による離婚と子供は無関係ですし、前述した『子供への愛情』もここで判断されるポイントになります。

 

※面会交流とは

親権者とならなかった親が子供と離れて生活している場合、子供と直接会う・電話・手紙等を通して、非親権者が自分の子供と定期的に会うことができる権利。

参考:面会交流調停の流れと面会交流が許可されないケースまとめ

 

また、子供が低年齢(5歳未満など)で、かつ親が仕事をしている場合、働いている時間帯に子供を預けておける環境や、親権者の両親がサポートしてくれる環境は必須でしょう。

 

離婚後の子供の生活環境も考慮し、親権者を決定します。

 

③心身の健康状態

親権者の心身の健康状態が悪いと、子供をしっかり監護できるとはいえないでしょう。また、精神面に暴力性や異常性がある場合、親権者としてふさわしくないと判断される可能性があります。

 

そのため、心身が健康で、子供をしっかり監護できることを証明しなくてはいけません。

 

④子供の状況

子供の状況とは主に以下のことを指します。

 

  • 子供の意思
  • 子供の年齢
  • 兄妹の有無
  • 環境の変化の有無

 

子供が15歳以上の場合、親権を判断する際に子供の意思が大きく反映されます。ただし、子供の年齢が下がるにつれて母親であることが重視される傾向にあります。

 

特に子供の性別が女性で、これから思春期に入るような場合には、体の変化も含めてのケアが必要と考えられ、母親であることがより重視されるケースが多くなっています。

 

また、離婚によって転校・転居する可能性もあるでしょう。子供の負担を考え、できるだけそのような変化が少ない方を、親権者として選ぶ傾向にあります。

 

子供の連れ去りは親権獲得に影響する?

親権を決めていないのに、別居時に勝手に子供を連れていってしまったり、別居後お互いの合意なく子供を連れ去ってしまったりするケースも少なくありません。

 

裁判をしますので、連れ去ったからといって必ず親権が与えられるわけではありません

 

しかし、その後問題なく子供を監護できている場合、連れ去った方に監護実績が生まれます。そうなると親権を獲得するのに有利な状況になってしまうのです。

 

【関連記事】▶親権の変更を行う親権者変更調停の手順と親権変更できる条件

 

別居する際勝手に子供を連れていかれた場合

多くの場合、母親が連れていくのは問題ないとされるケースがほとんどです。これを『母親優先の原則』と呼んだりします。

 

特に子供が小さい場合、母親を優先的に親権者として指定するという考え方です。例えば、授乳中の赤ちゃんには、母親とのかかわりが不可欠であるなどが理由となっています。

 

そういった背景もあり、子供の年齢が0~3歳くらいの乳幼児の場合、多くのケースで母親に親権が認められます。

 

それ以降の学童期に入ってくると、徐々に母親優先の原則が崩れて父親にも親権が認められる事例が増えてきます。しかし、それでも原則的に母親が強いという現実があります。

 

別居後に子供を連れ去られた場合

ただし、一度別居した後、子供を連れ去る(多くの場合は父親が連れ戻そうとする)行為は問題があると判断されます。また、連れ戻したことによる『未成年者略取罪』が成立するかもしれません。

 

(未成年者略取及び誘拐)

第二百二十四条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

▶引用元:刑法第224条

 

もし、連れ去った親の元で問題なく監護されていても、違法行為によって開始されたものであることから、その監護実績が重視されない傾向が強いでしょう。

 

直接相手に子供の引き渡しを訴えても、応じてもらえない場合が多いでしょう。そのような場合は、弁護士に相談の上『子の引渡し調停』を申し立てましょう。

 

父親が裁判で親権を獲得するためのポイントと判例

母親の方が子供を監護している時間が長いことなどから、親権を争った際、父親の方が不利になりやすい傾向にあります。

 

事実、2016年(平成28年)の司法統計を見ると、親権の90%は母親が獲得しています。

 

(参考:司法統計)

 

では、父親が親権を獲得する方法はないのでしょうか?この項目では獲得のポイントや、実際に親権が獲得できた判例をご紹介します。

 

父親が親権を獲得するためのポイント

父親が親権を獲得するためには、以下のようなポイントを押さえましょう。

 

  • 今までの監護実績を証明する:第三者の証言(よく子供と遊びに行っていたなど)を証拠としてまとめる
  • 離婚後も監護できる状況を作る:勤務時間の変更や、仕事中は両親に見てもらえる環境などを作る
  • 父親といた方が環境の変化が少ない:離婚後に子供が転校や転居しないことが大切
  • 母親では監護できない事情を証明する:母親が重度の精神病・育児を放棄しているなどを証明する
  • 面会交流へ応じる態度を示す など

 

母親が子を置いて家を出た後、父親が子の面倒をしっかりと見ているような場合は、父親にも勝機はあるかと思います。

 

あとは子供が『母親より父親と一緒にいたい』と望むくらいの信頼関係を築いておくことが、親権獲得の大切です。

 

【関連記事】▶離婚の際に親権を獲得したい父親が知っておくべき全知識

 

実際に父親が親権を獲得した判例

不貞行為をする妻から親権を獲得した判例

原告(妻)が被告(夫)のDVなどを理由に離婚や親権を請求した事件。

 

【子供の親権を獲得できた理由】

  • 被告が、DVなどをしていた事実は証明できない。したがって、親権者としてふさわしくないとはいえない。
  • 被告は別居後から、同居する両親の援助を受け子供を監護している。
  • 子供の心身の発達に問題はなく、被告に対し安心感を抱いている。
  • 被告は子供の発達に見合ったかかりや働きかけを行っている。

(参考:文献番号 2016WLJPCA03186001)

 

 

長女の親権者が夫・長男の親権者が妻になった判例

原告(夫)が被告(妻)に対して、婚姻を継続し難い理由があるとして、離婚を請求した事件。

 

【長女の親権を獲得できた理由】

  • 長女が父親と一緒に住みたいという明確な意思を持っていた
  • 被告は長女の心情を配慮できているとはいいがたい
  • 長女は転校後、学校に馴染んでおり、生活を楽しんでいることがうかがえる

(参考:文献番号 2012WLJPCA12206012)

 

なお、長男は妻の監護の元で心身に問題なく成長していることから、親権は妻のものとなった。

 

妻が連れ去りをした子供の親権を獲得した判例

原告(妻)は、被告(夫)からのDVにより夫婦関係が破綻したとして離婚を請求した事件。

 

【子供の親権を獲得できた理由】

  • 原告は、被告の了承なしに子供を連れ去り、家を出た上、被告との面会交流を拒否するなどした。この事実から、子供の福祉を考えると被告の方が、親権者にふさわしいといえる
  • 被告は、子供を連れ去られた直後から、連れ戻そうと法的手段に出ていた
  • 親権を獲得後、周到に監護する計画と意欲が認められる
  • 原告と子供の年間100日に及ぶ面会交流の計画も提示している

(参考:文献番号 2016WLJPCA03296019)

 

親権を獲得できなかった場合にできること

親権をどうしても獲得できなかった場合にも、子供のためにできることはあります。ここでは、親権を持っていない親ができることについて、ご紹介します。

 

面会交流をする

親権を確保できなくても、面会交流を求めることができます。子供も定期的に親と会うことで、離婚しても愛されていることを実感でき、安心できるでしょう。

 

面会交流は話し合いで決まりますが、まとまらなかったり、親権者に面会交流を拒否されたりした場合は『面会交流調停』を申し立てることが可能です。

 

離婚成立後に再度親権者変更の調停を申し立てる

離婚成立後に、親権者を変更することも可能です。親権者の変更は、子供の健全な成長を助けるためであって、親の勝手な都合ではできません。

 

変更は『親権者変更調停』で話し合った末に合意または審判で決定されますが、その際、以下のことを聞かれます。

 

  • 変更を希望する事情
  • 現親権者の意思
  • 今までの養育費の支払い状況
  • 経済力の有無
  • 家庭環境について
  • 子供の事情(意思)

 

現親権者と口論になる可能性もありますので、弁護士に相談の上で申し立てることをおすすめします。

 

まとめ

親権がなくても、子供の親ということには変わりありません。養育費をしっかり支払い、面会交流を毎月することが大切です。

 

また、裁判の結果にどうしても納得がいかない場合は、弁護士へ相談の上で控訴を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

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出典一覧

 

この記事の監修者
福井俊介法律事務所
福井俊介 弁護士 (神奈川弁護士会)
離婚問題に注力し、特に離婚条件の交渉、離婚調停、不倫の慰謝料請求などを得意としている。「黙って弁護士に任せておけばよい」というスタンスではなく、相談者の納得いく形での問題解決を目指す。

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本記事は離婚弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※離婚弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。  本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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